日本イタリア料理界の巨匠・日高良実シェフらがヴィーガンイベントを開催。ACQUA PAZZA(リストランテ アクアパッツァ)【外苑前】

7月7日、日本の料理界にヴィーガンのウェーブが広がるようなイベントが開かれました。「トップシェフヴィーガンイベント2019」でテーブルを彩った野菜だけのお料理が、次々とお客様の感動を生み出す時間。

日本イタリア料理業界の時代を築き、次世代を牽引するイタリア料理の重鎮として君臨する、日高良実(ひだかよしみ)シェフがオーナーを務めるレストラン、「Ristorante ACQUA PAZZA(リストランテ アクアパッツァ)」で行われたイベントの模様をお伝えします。

また、ヴィーガンメニューに取り組んだシェフ達の想いもお伺いしました!

*アクアパッツァでは、予約でヴィーガン対応が可能です。平日の「ウィークデーランチ」は前日予約でも対応可。自然栽培・有機野菜がふんだんに使われていて、1,300円(税込)と驚きのお値段です。

お問い合わせ・ご予約はアクアパッツァまで直接ご連絡ください。

Ristorante ACQUA PAZZAの場所や詳細な情報はこちら

イベント公開すぐに70席が満席、キャンセル待ち!


今回の会では、日高シェフ(写真中央・右)を始めとし、アクアパッツァのトップシェフである川合大輔(かわいだいすけ)シェフ(写真左)・直井一寛(なおいかずひろ)シェフ(写真右)、そして、国内外で活躍されベジタリアンアワードで料理家賞を受賞した、ONODERA GROUP杉浦仁志(すぎうらひとし)シェフ(写真中央・左)がコラボし、コース料理を作り上げました。

(各シェフの詳細プロフィールは記事の最後参照)


会場となったリストランテアクアパッツァは、「東京地方のイタリア料理」という独自の視点を持った、日本を代表するイタリアンレストランです。

オープン以来、徹底して「素材」を重視。日本の四季が生み出す、旬の素材が持つ最上級の美味しさと栄養。

それをどう調理していくかを考え、自然と培われたシンプルな料理法は、素朴で力強いイタリア郷土料理を昇華させ、多くのファンを魅了しています。

昨年、外苑前にリニューアルオープン。2018年11月に「オーガニックレストラン認証」を取得しました。


会場では最新技術を使ったAR動画も披露。お料理に使われる食材の紹介、その産地もわかり、食材の生産者も身近に感じる展示がされていました。


参加したみなさんも召し上がった「京都玉屋珈琲店有機カフェインレスコーヒー」の紹介では、焙煎前の豆の段階から自分のスマホで見ることができました。

食材にこだわった、上質なヴィーガンを。


アクアパッツァ創業以来、初めてのヴィーガン料理のイベント。そのメニューは一体どんなものだったのでしょうか?


「キッチンからの一皿」

ベーコンのように見えるのは、静岡県産のシャドークイーンのチップス。男爵を茹でてオリーブオイルと白ワインビネガーとディルで香り付け。

仕上げにディルの花とジャガイモのパウダーで彩りを。ほどよい酸味が食欲を促します。


杉浦シェフによる「折戸なすと柑橘の融合 忍ばせたスーパーフードと共に」

杉浦シェフの海外での経験から、柑橘と野菜の組み合わせを楽しめる一品。

ビーガンワインを煮詰め、チアシード・オレンジ・なす・ミントが添えられています。

サイドのなすは高温の油で一瞬だけ揚げ、フレッシュな状態を残し、オレンジ・キヌア・レモンオイル・エゴマオイルを合わせました。ソースにはバルサミコとレーズンをミックス。

白澤卓二先生と健康効果を考え、良質な油を使うなどしてメニューを考案している杉浦シェフらしいメニュー。


川合シェフによる「山形・河北町 くらかけ豆とズッキーニのラビオリ仕立て ヘーゼルナッツの香り」

「ソテーして甘味を出した豆をズッキーニで包み込み、中にズッキーニのピューレを入れることで一体感を生み出しました。アクセントにヘーゼルナッツを添えて、旨味と食感をプラスしました。」(川合シェフ)

ヘーゼルナッツの風味の豊かさを味わいながら、鼻に抜けていく香り高さも楽しめ、料理とは五感で味わうものだと改めて感じました。


直井シェフによる「玄米・大麦のリゾット仕立て ブロッコリーとローストトマトとともに」

彩りの綺麗なリゾットは、玄米と大麦に刻んだブロッコリーをあわせて旨味を加え、ジェノベーゼで。

本来なら混ぜ込んでしまうローストしたトマトも、あえて上にのせることで味に変化が生まれています!


日高シェフによる「大豆ミート・ジャガイモ・玉葱を詰めた緑パプリカのリピエーノ 少し酸味の効いた万願寺唐辛子のトマトソース」

シェフ自身が好きなピーマンの肉詰めがこんなステキにヴィーガンアレンジ。ピーマンに火が入りすぎないのがポイントです。
白ワインを煮詰めたソースは、蒸し暑い今の時期に合うように少し酸味を効かせ、さっぱり仕上げました。

セロリの葉の素揚げも添えられ、素材の味が引き出された、食べ応えがある一品です。

「料理で一番難しいのは、和食で言えばお浸しのような、素材の味を引き出す料理です。ある程度の素材の味は、食べる人の頭の中にインプットされていますよね。

その想像を超えて、みんなが感動する料理を作るには、とてつもない経験と感性が必要です。」(杉浦シェフ)


直井シェフによる「豆腐と豆乳のビアンコマンジャーレ 有機バナナのカラメリゼ」

「豆腐・豆乳とココアパウダーの食べ合わせの良さにより、ティラミスの様な食べ応えが出ます。

飾りに湯葉のテュイルを添えるので、全体を大豆(豆腐)でまとめてみました。」(直井シェフ)

シェフ達に直接インタビューしました!


イベントでは共演したシェフ達によるトークショーが行われ、Vegewelライターの岩田が公開インタビューをさせていただきました。

お料理に込められたシェフたちの思いを一部ご紹介します。

–一つ一つのお皿から作り手の想いを感じるお料理でした!日高シェフ、今回のイベントの開催のきっかけを教えてください。

(日高シェフ)「安全な食材を提供することはこれからのレストランに必要であると考えています。アクアパッツァは昨年、リーファースのオーガニックレストラン認証を取得しました。

オリンピックを控えて食の対応が必要となることや、杉浦シェフとの出会いなど様々なきっかけがありました。今、時代がヴィーガンに目を向けてきたなと思っています。

また、アクアパッツァではオープン当初から、旬を大事にし、雑穀や発芽するエネルギーのある豆など、日本に昔からある食材を積極的に使っています。

その土地の食材を大事にすることがイタリア料理の本質だからです。元気があり、生命力のある食材に常に興味を持っていました。」


(自然栽培についての勉強会の一コマ。日高シェフ自ら率先し、生産者の思いに寄り添いながら、常により良い食材を探求しています。)

–日高シェフの奥様、タカコナカムラさんはベジブロスの第一人者の料理家でホールフードを広めていらっしゃるんですね!

(日高シェフ)「そうなんです。今日も参加したがっていました。我が家の調味料は昔からかなりシビアに揃っていますね。」

タカコナカムラさんの詳細はこちらから。

–ヴィーガン料理に実際取り組んでいかがでしたか?

(日高シェフ)「打ち合わせをしながら進めていましたが、野菜だけだからといって、特に違和感がなかったですね!

最低限のルールやくくりを再確認すれば、料理として問題はなく、次はさらに進化したお料理ができると思っています。」


–川合シェフ、ビーガン料理の可能性についてどう思いますか?

(川合シェフ)「食材の制限はあるけれども、その他にも使える食材がたくさんあり、味を補いあったり、様々なところで使い回したりできるという発見がありました。

素材の味を引き立たせ、素材と向き合うことに対して真剣に取り組めたのが本心です。

野菜料理はイタリアンにとって大事です。もっともっと突き詰めていきたいです。

今後こうしたニーズは増えてくるので、我々レストランのシェフたちが、手を上げて進んでやっていくことが、今後のレストランのあり方だと思いました。」

–直井シェフ、ヴィーガン料理に取り組む前と後で変化はありましたか?

(直井シェフ)「試作していく上で、いろんな出汁を取って味を重ねた方がいいかな?と思っていたのが、『そんなこと必要ない。野菜の持ってる本来の味をストレートに引き出してあげればいい。変に難しいことは考えなくていいんだな!』と思いました。

イタリアンと日本の料理のとても似ているところは、その土地でその季節に取れたものを頂くところだと言われます。それが一番美味しいんだなと再認識できました。

それをどう伝えていくか、自分が作りたいものも大切にしながら、お客様がどういうものを求めているかも中心にして、これから考えていけたらと思います。」


–杉浦シェフ、イベントを終えられて、今のお気持ちを聞かせてください。

(杉浦シェフ)「野菜の美味しさを知ってもらったり、ビーガンやベジの食文化に触れるきっかけになるイベントになったと思います。

日本ではまだベジ対応のお店は少ないです。

逆に海外のヴィーガンレストランでは、動物性の料理も作ってくれるんです。垣根がないんですよ。海外では同じテーブルに座っている人それぞれのニーズにあった料理を、一緒に食べることができるのが普通でした。

こうした取り組みを、自身の活動の中でも引き続きやっていきたいです。

食というのは、最終的には人と人がつながるコミュニティだと思っています。」

一流の料理人が率先し、これからの時代にあったおもてなし料理に取り組んだこのイベント。日本の料理界が、食の安心などの社会問題・国際的な食文化の理解に対して本格的に動き始める第一歩だと感じるものでした。

*好評につき、10月19日(土)に当イベントの第2回が開催決定となりました。

詳細はアクアパッツァホームページまたはFacebookページをご覧ください。

シェフプロフィール

日高良実(ひだかよしみ)
1957年10月4日神戸生まれ。てんびん座。O型。

名店「エノテカ・ピンキオーリ(Enoteca Pinchiorri)」を皮切りにイタリアの北から南まで計14件で修行、イタリア料理郷土料理を学ぶ。

1989年帰国後、リストランテ山﨑の料理長に就任後、1990年 独自のイタリアンのスタイルを構築すべく、最も感銘を受けた料理の名前をつけた、「ACQUAPAZZA」(西麻布)オープンとともに料理長に就く。

その後、数々の名店をオープンし華々しい功績残し2018年 4月 ACQUAPAZZAを南青山に移し、 お任せのコース料理、アラカルトでも楽しめるお店として、旬の魚介そして野菜、穀物にこだわった独自の料理を提案し続けている。

日本イタリア料理業界の時代を築き、次世代を牽引するイタリア料理の重鎮として君臨する。

川合大輔(かわいだいすけ)
1981年生まれ 群馬県出身

異業種である建築の専門学校 を卒業し、建築の道に進むも 22歳に料理の道を志す。数軒 のレストランで修業後、2007 年にアクアパッツァに入社。 その後姉妹店「アクアヴィー ノ」のシェフを経て、2016年 にアクアパッツァのシェフに 就任。現在に至る。

直井一寛(なおいかずひろ)
1976年生まれ 栃木県出身

大阪あべの辻調理技術研究所を卒業後、 『レストランCHIANTI』に入社。約10年間、 飯倉本店、西麻布店、六本木店などで修行。
神谷町の『La tana di Bacco』にて11年間 シェフを務める。

2018年にアクアパッツァ入社。

(一社)日本イタリア料理協会の実行委員を 務める。

杉浦仁志(すぎうらひとし)
大阪府出身

料理人の父のもとで料理を始め、国内で数々のレ ストランで修業を積んだ後、2009年に渡米。全米50店舗展開する「PATINA RESTAURANT GROUP」で務める。アメリカでは ロサンゼルス・NYC・サンフランシスコ・フロリダ・ハワイ・テキサスと様々な地を訪れ様々な国際的食文化を学ぶ。

ニューヨークの国連日本政府代表部大使公邸で開催された国連総会後のレセプションパーティーで日本代表シェフを務めるな ど国際舞台を中心に日本・海外と活躍。

2017年 野菜のみを使用した世界大会“The Vegetarian Chance” で世界200名の中からトップ8シェフに選出
2018年 食を創造する個性が輝く“Best 50シェフ”受賞
2019年 Vegetarian Award 2019 Best Chef Award受賞 (今年、10月に開催されるVEGETARIAN FESTIVALのゲストシェフとしてイタリア トリノに向かう)

Ristorante ACQUA PAZZA(アクアパッツァ)
日本のイタリアンを代表するシェフの一人、業界内にも多数のファンを持つオーナーシェフ・日高良実シェフが率いるリストランテ。

1990年に西麻布で創業。四方を海に囲まれ、季節ごとに旬がある日本で「東京地方のイタリア料理」という独自の視点で、素朴で力強いイタリア郷土料理を昇華させている。

オープン以来、徹底して「素材」を重視。旬の素材が持つ最上級の美味しさと栄養を、どう調理していくかを考え、自然と培われたシンプルな料理法は多くのファンを魅了している。

昨年外苑前にリニューアルオープン。原点に戻ってイタリア料理の魅力を見つめおし、新生アクアパッツァをスタートした。2018年11月に「オーガニックレストラン認証」を取得。

アクアパッツァホームページ
Facebookページ

「料理人がその日の素材と真剣に向きあい、それを最大限に生かす技術をさびることなく追求する姿勢がどれほど大切であるかを、これからも守り続けていきたいと思います。」

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

Ristorante ACQUA PAZZAの場所や詳細な情報はこちら

Vegewelでレストラン検索


Vegewelは、ベジタリアン・オーガニック・グルテンフリーなど、あなたの食のライフスタイルに合わせてレストランを検索できるWebサイトです。

食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガン専門として初のフードアナリスト®︎、フリーライター。体調不良をキッカケに10年以上前にヴィーガンとなる。

「食のバリアフリー」を広げるWebマガジンVegewelを中心に、ベジの名店や食制限に取り組む企業・料理家の取材記事を紹介。全国自ら足を運び、街のカフェからミシュラン掲載店まで幅広く案内することで定評がある。また、保育士・幼児食インストラクターとして親子向けヴィーガンスイーツ作りも行う。

WORK
2018.11
TV出演。日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」ティーンに人気のヴィーガンモデルで、俳優の城田優さんの妹「LINA」さんにインタビューした様子が放送されました。

2018.8
チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」でお笑いコンビジャルジャルさんとヴィーガンスイーツレッスンを受ける様子が放送されました。