「大切な命を作るのは、食事しかありません。」一生続けられる食事・マクロビオティックを世界で伝え続ける、西邨(にしむら)マユミ先生インタビュー≪前編≫

更新日:2019/02/01 公開日:2017/12/21

世界の歌姫マドンナや、ブラッド・ピット、ミランダ・カーといったセレブリティにパーソナル・シェフとしてマクロビオティックの食事を提供している西邨(にしむら)マユミ先生。

海外を拠点に世界で活躍される中、今回の日本滞在中も全国に駆けつけ、とてもハードなスケジュールの中で食の大切さを伝えています。

そんな先生に、世界中で「プチマクロ」としてマクロビオティックを伝え続ける思いをお伺いしました。

前編では導かれるようにマクロビオティックと出会ったその半生と、マドンナとの出会いをお伝えします。

≪後編≫「マクロビオティックはユニバーサルな食事です。」体に良い食事から平和な世界を。西邨マユミ先生インタビュー

マクロビオティックとの出会いは意外、だけど必然だった。


「チャヤマクロビ ロイヤルパークホテル ザ 汐留店」は人で溢れかえる混雑ぶりでした。

この日行われていたのは、西邨マユミ先生によるプライベートトークショー「米粉でおいしい、グルテンフリー生活のススメ」です。


【西邨マユミ先生(以下マユミ先生)プロフィール】(詳細プロフィールは下記参照)

マクロビオティック・ヘルス・コーチ/パーソナル・シェフ

1982年に単身渡米、マクロビオティックの世界的権威である久司道夫氏に師事。

その後、アメリカ クシ インスティテュート ベケット校の設立に参加し、同校の料理主任および料理講師に就任。がん患者や子どものために食事を作る。

働く女性でも無理なく続けられるように、「プチマクロ」として時代のニーズに合ったマクロビオティックのあり方を提唱・実践している。

2001年より通算10年間にわたり歌手マドンナ一家のパーソナル・シェフを務め、ブラッド・ピット、ミランダ・カー、スティング、ガイ・リッチー、ゴア元副大統領など多くのセレブリティに食事を提供している。


健康・美についてあらゆることを実践しているセレブリティが、こぞってマユミ先生を選ぶ。このことは、それだけマクロビオティックの食事が健康にとって確かであるという証だと思います。

世界的に活躍されるマユミ先生がマクロビオティックと出会ったきっかけは、意外にも思わずクスッと笑ってしまうエピソードでした。

80年代、マユミ先生にはマイナーなアレルギーがあり、医療に頼らず良くならないかとベジタリアンのような生活を送っていましたが、しっくりきていませんでした。

そんなある日、マユミ先生は、当時のパートナーとサンフランシスコで落ち合うことになり、彼を迎えに到着するバスを待っていました。そこで見たのは、

「バスから降りて来た彼が、なぜか両手に桜沢如一(さくらざわゆきかず)先生(マクロビオティック創始者)の本と、玄米のおにぎりを持って出てきたんですよね。」

と、笑うマユミ先生。

ヒッピームーブメントに憧れていたお二人。

愛と平和、自然への回帰を提唱するヒッピーと、自然と調和を取りながら、宇宙の陰と陽の方則のもと健康的な食事をとるマクロビオティックは通じるものがあったのかもしれません。


プライベートトークショーの食事「CHAYAマクロビ オリジナルグルテンフリービュッフェ」では、新潟県産の米粉を使用していた。

マユミ先生は日本に帰りその本を読み、早速実践。すると10日間くらいで体が変わり、すっかりマクロビオティックにハマってしまいました。

その後、82年に渡米。 クシ・インスティテュート(アメリカにあるマクロビオティックの学校)に通い、知人から桜沢先生の弟子・久司 道夫(くしみちお)先生を紹介されます。

旅費が底を尽きそうになったところに"渡りに船"が!久司先生のお宅で住みこみで、もちまわりで料理を作りながら学校に継続して通えることになったのです。

その当時を振り返り、

「久司先生に料理を作ったのが、1番最初にセレブリティにお料理したことになりますね。

まだクラスに出てまもないころ、あずき入りご飯を炊いた時に、 『マユミくん、このあずきは水につけなかったんだね?』と言われて。硬かったんですよ笑。クラスに通い始めてすぐでしたからね。」

と、お茶目なエピソードもあったそうで。

その後、18年もの間マユミ先生は久司先生の元にいることになります。

日本ではまだ聞きなれない、パーソナル・シェフとしての人生のスタート。


マクロビオティックの生活を続ける中、どうしてパーソナル・シェフという道を選ぶことになったのでしょうか。

「桜沢先生の本にもあるんですが、『マクロビオティックを本当に理解するためには1000人くらい病気の方を治さなくてはいけない』と言われています。

学校の講師をする傍らで、久司先生の食箋(しょくせん。個人の体質とその症状にあわせて食べ物・食べ方を指導する。)に従って、主にガンの患者さん達にお金を頂いてお料理をしたのがパーソナル・シェフの初まりでした。」

当時、マユミ先生がマクロビオティック料理を提供していたのはほとんどがガン末期の方でした。

中にはついていけない方もいました。その理由は2つあります。

一つめは体力的に続けられなかったこと。二つめは、末期の状態というのもあり、体調に合わせ特に慎重にメニューを決めていましたが、欧米人の中には日本食のメニューは食事として捉えられない文化の違いがあったのです。

「自分の両手・両足では数えきれないくらいの方に料理させてもらったと思います。良くなった方もいらっしゃいますが、もっと良くなって欲しいし、元気になって欲しい。早くから、健康な方が始めることで未病ということにいけるのではないかと思います。」

この時の経験が後に、マユミ先生が提唱する「プチマクロ」=気軽にマクロビオティックを生活の中へ取り入れていくこと、へのきっかけになるのです。

歌姫・マドンナとの出会い


海外での一コマ。

今年59歳のマドンナ。年齢を感じさせず、いつまでも若さと美をキープしている世界的スターです。

マドンナはマユミ先生を採用する少し前からマクロビオティックを本で読み勉強していました。

知人から紹介されたマドンナのパーソナル・シェフという仕事。マドンナがマユミ先生を採用した理由の一つに、子供に料理ができるということがありました。

マクロビオティックで子育てをしたマユミ先生。子育ての中で、マクロビオティックが自然に地域に広がる経験もあったそうです。

当時、マユミ先生のお子さんが通うシュタイナースクールには、マクロビオティックのファミリーが各学年に必ずいたそうです。

その中で、マユミ先生が作るお子さんのお弁当がどんどん話題になり、ついには学校でマクロビオティックのメニューの販売をすることになったのだとか。

スナックやアボカドの細巻、セイタン・豆腐・テンペのサンドイッチなど思わず食べたーいと言ってしまうメニューの数々。

こうしたことも、お子さん向けのシェフを探していたマドンナのお眼鏡にかない、採用へと繋がりました。


豆腐や葛、昆布といった日本でおなじみの食材も並ぶ。

末期の患者さんへの食事から、健康でハードなトレーニングを毎日行うマドンナへの食事という真逆とも言えるクライアントへの食事の提供は、マユミ先生自身に大きな変化をもたらしました。

「マドンナは病気で始めたわけではなく、健康で運動量や移動も多かったので、私の中で彼女向けのマクロビオティックができあがったんですね。それがとても勉強になりました。

塩も油もここまで入れて大丈夫なんだと、様子を見ながら調整しました。美味しいフレンチがあると聞けば、そのシェフに味つけを聞いて勉強したり、今まで使ったことのなかったハーブを取り入れたりもしましたね。

一般の人に野菜を中心に穀物を食べて頂くには、必要な経験だったろうと思います。」

インタビュー中のマユミ先生は、その笑顔・表情がとてもエネルギッシュ。なのに、一緒にいる間、不思議なくらい自然だということを常に感じます。

相手の状況を広く受け入れ、否定することなく調和を取りながら数多くのクライアントに対応してきたマユミ先生。自然(相手)と共生するという、まさにマクロビオティックな姿勢です。

忠実なマクロビオティックのメニューだけでなく、時代の変化やマドンナの時のように相手に合わせたメニューを提案していくマユミ先生の柔軟さが、世界に受け入れられた理由ではないかと感じられます。


春と秋に開催されるハレルヤ・パーソナルシェフ・サービスのライブレッスンで。参加者一人一人と料理を通じて交流する。

「今は『プチマクロ』という言葉を使ってたくさんの人に食事の大切さに気づいて欲しいと思っています。」

プチマクロという言葉には、マクロビオティックの基本の考え方を、よりたくさんの方に紹介したいという想いが込められています。

週末だけ、一週間に数回でも菜食を行えるように、手軽に作れるマユミ先生のマクロビオティックメニューを取り入れて、体に良い食事を続けようというものです。


ライブレッスンでは絶品なベジソーセージやベリーのショートブレッドもあっという間に作れてしまった。

「今の日本はいろんな国の食べ物を食べてますよね。マクロビオティックの食べ方も、ひとつの新しい食のカテゴリーとして生活の中に取り入れて欲しいと思っています。」

後編では、アラスカを拠点とする海外での活動から見た日本の食、現代の食生活についてのマユミ先生の想いをお伺いします。

西邨マユミ先生

マクロビオティック・ヘルス・コーチ/パーソナル・シェフ/ORGANIC CARTEL 最高顧問
日本パーソナルシェフ協会 顧問/一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ) アドバイザー

1982年に単身渡米、マクロビオティックの世界的権威である久司道夫氏に師事。

その後、アメリカ マサチューセッツ州 クシ インスティテュート ベケット校の設立に参加し、同校の料理主任および料理講師に就任。

同時に、がん患者や子どものために食事を作る経験を通して、また働く女性でも無理なく続けられるよう、時代のニーズに合ったマクロビオティックのあり方を提唱・実践している。

2001年より通算10年間にわたり歌手マドンナ一家のパーソナル・シェフを務め、ワールドツアーに参加。

その他にもブラッド・ピット、ミランダ・カー、スティング、ガイ・リッチー、ゴア元副大統領など多くのセレブリティに食事を提供してきた。

現在は国内外においてマクロビオティック・コーチ、パーソナル・シェフとして精力的に活動中。

2011年にはキューバのフィンレイ・インスティテュート(ワクチン研究所)等でマクロビオティック指導をする。有機農業、海洋調査などキューバ政府が推進するマクロビオティック振興のために現地調査に協力。

誰でも実践可能な「プチマクロ」を提唱。世界各国で活動している。

現在は国内外においてマクロビオティック・ヘルス・コーチ、パーソナル・シェフとして活動中。

http://www.mayuminishimura.com/
https://www.facebook.com/mayumilab/

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岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガンフードアナリスト®︎
ベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなどヘルシーな食のフードライターとして活動。 保育士経験から子供たちの未来を守るため、オーガニックや自然栽培など食の安全にも取り組む。インバウンド対策やアレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するセミナー等も開催。自身も10年以上のヴィーガン。 メディア出演:The Japan Times、日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」、チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」等。