一皿入魂!食べる人のことを想ってつくる 。ハレルヤ パーソナルシェフ・サービス代表 松本敏弘【日本初 マクロビオティックに特化した出張料理サービス】

更新日:2019/02/01 公開日:2017/12/14

「あなたの専属シェフが食事の悩みを解決!」というキャッチフレーズでマクロビオティックの料理代行サービスなどを展開するハレルヤ パーソナルシェフ・サービス。

パーソナルシェフ派遣という業態とマクロビオティック。どちらも日本ではあまり一般的ではありません。今回は、あえてこの分野で創業した代表の松本敏弘(まつもと としひろ)さんの熱い想いを伺いました。

出会いに導かれて


松本さんが起業するまでには、キーパーソンとも言える人物との出会いがあったようです。

一つは故・佐藤初女さん(福祉活動家、教育者。日本のマザーテレサとも言われる)の活動を知ったこと。

佐藤さんは、青森県岩木山麓に「森のイスキア」という施設を作り、そこに集まる傷ついた人たちに「命を養う食」を提供していた女性です。

それは昔から日本人が食べてきた素朴な「普通のごはん」。でも一つ一つの工程に心を込めて丁寧に作るごはんです。

特に「祈りを込めたおむすび(けれども普通の梅干しおむすび)」によって多くの人が生きる力を取り戻し、救われていきました。

松本さんは当時の仕事で飲食店のオープン準備に立て続けに関わり、激務とストレスから「鬱」になってしまったそうです。

しかし佐藤初女さんの活動を知って、生活スタイル・食べ物・食べ方を自然に沿ったものに変えてみたら、気持ちが安定するようになり、「食べること=生きること」という意識が強まったということです。

二つ目が西邨マユミさん(マクロビオティックコーチ、パーソナルシェフ)との出会い。あの「マドンナ」のパーソナルシェフを10年間勤め、世界のセレブリティに食事を提供している方です。

当時、松本さんは多数の飲食店をプロデュースしていました。そこで飲食店経営のノウハウは身につきましたが、大変さにも気づきます。

家賃などの固定費や人件費・食材費の重さ。特に大規模な店では食材の莫大なロスが日常化していて、生産者にも申し訳ない気持ちになったそうです。

お客様に喜んでいただこうと思い、いいものを提供しようとすればするほど苦しくなってしまう。

そんな矛盾に心を痛めていたとき、西邨さんとパーソナルシェフという仕事を知り、「人を喜ばせるのが目的なら、店舗ではなくてもいいのではないか」と気づきます。

不特定多数ではなく、クライアントのためだけに考えた料理を、心を込めてつくるパーソナルシェフという仕事…

アメリカではパーソナルシェフが浸透しているということも知り、この業態なら飲食店の課題が克服できる、と考えたのです。

三つ目はパトリシオ・デ・パレデス氏(現クシマクロビオティックスクール校長)との出会い。

松本さんは、マクロビオティックレストラン「クシガーデン」のプロモーションと運営に関わり、そこでシェフだったパレデス氏に出会い、マクロビオティックの理論と調理を学ぶ機会を得ました。

こうして松本さんは日本初のマクロビオティック出張料理サービスを起業することに決めたのです。

クライアントから「先生」と呼ばれる料理人


マクロビオティックは単なる料理法ではなく、自然と調和した生活法です。

気候・風土に合わせて素材を選び、一物全体(丸ごと食べる)、身土不二(土地のものを食べる)を心がけ、陰陽調和(東洋医学的なバランス)を目指します。

ハレルヤが派遣するシェフは、全員マクロビオティックを学んだ方々です。

いわゆるお抱え料理人ではありません。単においしいものやクライアントの好きなものだけを作るのではなく、マクロビオティックの哲学に沿って、季節やその人の状況・体調・精神状態まで考慮に入れてオーダメードの食事をつくるのです。

知識と向学心、ある程度の技術が必要なのは当然ですが、何より人を想う「心」が必要です。だから松本さんが採用において大切にしている点はは「価値観を共有できる人」。

クライアントにマクロビオティック(玄米菜食)を通して本当の意味で健康になっていただき、自分の可能性を存分に発揮し、幸せな人生を送ってもらうことが最終的なゴール。

それによってシェフ自身も幸せに、一生活躍し続ける…という価値観です。

クライアントが求めるのは家で食べる家庭料理なので、レストランのシェフのような華麗なテクニックは必要ありません。

しかし一定の水準は求められますので、ハレルヤでは独自の養成講座を用意し、そこでパーソナルシェフ認定証を授与されたシェフを派遣しています。

養成講座では仕事の流れ、料理の基礎知識、クライアントに合わせた料理プランニング、コミュニケーションスキル等々を学びます。

この養成講座で特徴的なのは「マインドセット」の学びです。

マクロビオティックでは「料理には作った人の感情や波動が伝わる。それはその料理を食べた人にも伝わる」と考えます。

だから、作る前に平常心になることが大切。自分に平常心をもたらす言葉や行動など、マインドセットの方法は人それぞれにあると思います。

何にせよ、平常心を保ってこそ食べる人のことを想いながら作ることができる、と考えて、ハレルヤでは仕事の前に必ず「マインドセット」を勧めるそうです。

そしてお客様からの申し込みが来たらまずはカルテ作成。

ライフスタイル・体調・体質・好み・健康上の悩みなどを詳しくヒアリングした上でカルテを作成し、クライアントに最適な献立を作成します。

また、クライアントの不調(病気ではない)を聞いて生活習慣のアドバイスをしたり、医師からの食事指導などが出ている場合は、それを考慮に入れた献立を作ります。

そのような業務内容から、ハレルヤのシェフはクライアントから「先生」と呼ばれることも多いそうです。家事代行サービスの料理とは根本的に違うからです。

経営者の哲学を外に向けて発信する


松本さんは広報の一環として、テレビ・雑誌など様々なメディアを通して自身の活動を発信していますが、特にブログとメールマガジンは力を入れています。

1、ブログ「マクロビ出張料理人」日々のエピソードや料理のこと。
1、メールマガジン「パーソナルシェフへの道」料理の心得や生き方について。
1、メールマガジン「ハレルヤごはん メールレッスン」主に料理にまつわるお役立ち情報

一例として、ある日の「パーソナルシェフへの道」を一部ご紹介します。

一見同じメニューでも実は違う

例えばこれまで数百回は作ってきた「豆腐ハンバーグ」というメニューがあります。超人気メニューなので、常に一定以上のクオリティーをキープしなくてはいけません。

ですが、毎回作るたびに、あえて変えているんです。

変えるところと変えないところ

ちょうど一年前と同じ日に、食べる人が同じ、メニューも同じであっても

・今日の天気
・その日の体調、気分、状況
・子供が1年成長する
・お年寄りが1年老いる

などによって感じ方は違うはず。

そんなことを考えて

・具材の切り方、大きさ
・火の入れ具合
・ソースのバリエーション
・盛り付け

同じメニューでも毎回「変えています」。

毎回同じように作っていれば

何も考えなくて楽なんですけどね(笑)

ですが、この変える勇気こそが、パーソナルシェフの腕の見せ所とも言えます。

ただし一貫して変えないところがあります

それは「食べる人のことを想ってつくる」

毎回作っている料理だから、前回もおいしいと言ってもらえたから、と慢心せず、常に食べる人のことを想ってつくり続ける、ということだけは一貫して変えないところです。…途中省略…No Real Food, No Life.


サービス内容を宣伝するだけでなく、トップの理念や考え方をこれほどこまめに発信している企業は少ないかもしれません。

しかし、これらを読むとクライアントや検討中の方により深く理解していただけますし、安心されます。

また、これからパーソナルシェフを目指す人や家庭で料理をする人にもいい刺激になります。

心を込めて料理を作りたい、とは思っているけれど、忙しい日常の中でついおざなりになってしまいがち。そんな時このメールマガジンを開けると、原点に帰ることができるのです。

両親ともに忙しい家庭、食事の質にこだわる方は、これからもますます増えていくと予想されます。上質なものを提供するサービスは、今後の日本社会でさらに存在感を増していくことでしょう。

松本敏弘さん、ありがとうございました。

【松本敏弘氏 プロフィール】


ハレルヤ パーソナルシェフ・サービス代表

「食べ方を変えると生き方が変わる」がモットーのマクロビオティック料理人。2009年日本初のマクロビオティック出張料理サービスを起業。

現在15人〜20人のシェフと共に、年間1200回以上パーソナルシェフサービスを提供している。また、定期的に料理教室を開催。ケータリングサービスも提供。

マクロビオティック料理講師として、オーガニック食材大手「らでぃっしゅぼーや」、日本最大のレシピ検索サイト「クックパッド」などの講師も歴任した。

NPO法人日本ベジタリアン協会 会員

日本オーガニックライフ協会 アドバイザー

【ハレルヤ パーソナルシェフ・サービス】 
http://hareruya.jp/
お問い合わせ・お申し込み
℡03-3555-1077

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HANA

HANA

KIJ(クシインスティチュート オブ ジャパン) 公認マクロビオティック インストラクター、栄養士。
料理教室「Rainbow Kitchen 六本木」主宰。

1965年札幌生まれ。
自然と本物の食をこよなく愛す。
30歳の時に突然アレルギー発症して以来、マクロビオティックで心身の調整法を学ぶ。

レッスンは紹介制・単発制・デモンストレーション形式。
料理をしない方、野菜嫌いの方、男性の参加者にも好評。