久留米の古民家でいただく発酵食ベースのマクロビオティックフレンチ。古民家レストランHaze(はぜ)【Vegewel特典】

筑後川(ちくごがわ)沿岸に広がる筑紫平野(つくしへいや)の肥沃な大地では、農産物が元気に育ちます。

福岡県久留米市にある「古民家レストランHaze(はぜ)」は、そんな恵まれた環境で育った野菜を、自家製の発酵食をベースに調理した完全菜食(ビーガン)レストラン。

シェフの平田優(ひらたあつし)さんは、「シンプル(素材の味を生かし、あまり手を加えず)・モダン(洗練された)・ナチュラル(自然を大切にした)」のコンセプトを守り続けています。

古民家レストランHazeの場所や詳細な情報はこちら

牧歌的な風景の中に佇む築120年の古民家

筑後川の南側に位置する耳納連山(みのうれんざん)。「古民家レストランHaze(はぜ)」は、その麓にあります。


JR久留米駅からバスで30分。太郎原(だいろばる)で降りて、山に向かって歩いていくと、のどかな田園風景が広がります。


周りの景色を楽しみながら歩いていくと、お店にたどり着きました。築120年の古民家を改装した「古民家レストランHaze」。マクロビオティックがベースのビーガン(完全菜食)料理のお店です。


風情のある建物に、シックな看板が調和しています。


白壁と腰壁の濃茶色のコントラストが、古民家好きにはたまりません。


広々とした店内は、古民家でありながら洗練された雰囲気です。平田シェフのコンセプト「シンプル・モダン・ナチュラル」が建物から既に感じ取られて、どんな料理が出てくるのか期待が高まります。

素材の良さが生かされた、体が喜ぶ料理

今日は、一番人気の「お野菜と発酵食 シェフのおまかせコース」2,950円(税込)の中から、オードブルとデザートをご紹介します。


こちらはオードブル。色とりどりの野菜で、テーブルがぱっと華やぎます。カリフラワー、ブロッコリー、れんこん、にんじん、スナップエンドウ…いったい何種類の野菜が盛られているのでしょう。

地元でとれた野菜は、そのひとつひとつが硬すぎず柔らかすぎない、ちょうどいい歯ごたえです。

ドレッシングの酸味がまろやかに感じるのは、野菜の下の豆乳ソースのせいでしょうか。シンプルな香りは、野菜そのものの味を引き立てています。

酸味の中にふといちごの甘い香りが漂ってきて、アクセントになっています。五感で楽しめるオードブルでした。


そしてデザートです。豆乳のアイス、ブランマンジェにはマンゴーソース。そして焼き菓子の上のふわふわのクリームは何だろうと思ったら、水切りした豆乳ヨーグルトをホイップしたものだとか。

この食感、癖になりそうです。また食べたい…。

私は胃腸が弱いのですが、このオードブルとデザートは重たくなくて、胃がもたれることなど全くありませんでした。バターや砂糖などを使っていないと、こうも違うものなのですね。

こちらのコースは、その日に入ってくる食材で内容を変えているということなので、毎日通ったとしてもきっと飽きないことでしょう。

田舎の古民家で発酵物と共存する生活がしたかった

東京生まれで東京育ちの平田優(ひらたあつし)シェフは、3.11の東日本大震災をきっかけに久留米への移住を決意しました。

以前から発酵に興味を持ち、古民家で暮らしながら発酵物を作り、それを提供する生活をしたいと思っていたそうです。

Hazeでは、古民家にいる常在菌を利用して、味噌・柿酢・玄米甘酒・塩麹・醤油麹などの発酵物を手作りして料理に使っています。

鉄筋のマンションで除菌ばかりしているようなところと違い、木の家には良い菌が棲みやすいのです。


窓から見える緑に、心が和みます。

平田シェフは、バブルの全盛期に東京のフランス料理店でフォアグラやキャビア、トリュフなどの食材を使って料理していました。しかし、ふと冷静に考えたとき、その食材の作られ方や育てられ方に違和感を覚えたそうです。

それから自然食のことを知ったシェフはクシ・ガーデン(現在は閉店)の料理長を務め、マクロビオティックをベースにした料理をするようになりました。

当時のマクロビオティックは食養の意味合いが強く、玄米や味噌汁などの「茶色い料理」というイメージを持たれていました。

それにフランス料理の要素を取り入れて、一般の方たちにも「食事として」楽しめるよう提案したということです。

マクロビアンもそうでない方も一緒に食事を楽しんでもらいたい


照明、お花、音楽…どれも温かい気持ちにさせてくれます。

お客様にはどんなことを感じてもらいたいですか?

「マクロビオティックやビーガンを求めてくる方が多いけれど、そうでない方もいます。マクロビアンとそうでない方が一緒に食事に行くと、気を使ってしまいがち。

ここは、コースに肉も魚も使ってないのにそんなことを感じずにおいしく食べられる『普通のレストラン』として使ってほしいと思います。

カレーにはベジミートを使い、ハンバーグなどは豆腐で作って肉に似たようなものを出すので、食べた後で『あ、肉も魚も入ってなかったんだ』『豆腐だったんだ』と気づくような感じで」

今後は農業、医療、伝統工芸とのコラボも


和室もゆったり落ち着きます。

なぜ、久留米と言う土地を選ばれたのでしょうか。

「他にいい物件があればそちらに行っていたかもしれませんが、もともとレストランだったこの古民家がこのままの状態で使えると聞いたからです。

それに、久留米は農産物を作るのが盛んなところだということも理由のひとつです。

隣の田主丸町(たぬしまるまち)ではフルーツも採れるし、菜食料理をするのに食材に困らないということ。就農のために移住してくる若い人たちも増えていて、彼らと一緒に何かができたらおもしろいと思ったのもあります。

久留米は病院が多いところなので、医療と食とのコラボもしてみたいですね。また、久留米絣や籃胎漆器などの伝統的なものとも一緒に何かできたらと。

ビーガンやベジタリアンは海外から来る人が多いので、そのときにその伝統的なものを海外の人に紹介できたらいいなと思います。発信地としてここを使ってもらえたらうれしいです」

現在は福岡の他にも東京や名古屋などで料理講座を開催されています。

「もともとは料理教室からのスタートなので、そちらがベースとなっています。

教室にはいろんな方が来ます。自分の健康や体質改善、お子さんのアレルギーで卵や乳製品がとれない方、自然食で独立して店を持ちたいという方。

いろんな方に活動を広げてスキルを持ってもらいたいと思います」


終始穏やかな笑みを浮かべて応対してくださった平田シェフ。自然体でほっとさせるお人柄から、ファンが多いのも納得できます。

「シンプル・モダン・ナチュラル」は、平田シェフの生き方そのものなのだと感じさせられたひとときでした。

お店の近くには、「浅井の一本桜」と呼ばれる樹齢約100年のヤマザクラがあります。幹周り4.3m、高さ18mほどのこの桜は、地元で大切に保護されていて、毎年美しい花を咲かせます。

6月には龍護山千光寺の「あじさい祭り」、11月には柳坂曽根の櫨(はぜ)並木の「柳坂ハゼ祭り」が開催されるなど、四季を通じて見どころがいっぱいです。

「古民家レストランHaze」の名前の由来も、この櫨にあります。

柳坂曽根の櫨並木は、18世紀に久留米藩によって和ロウソクの原料として植えられたもので、福岡県の天然記念物に指定されています。店名を「Haze」にしたのは、地域に残る伝統へ敬意を表しているそうです。

明日は、平田シェフが東京開催しているカフェスイーツ講座のレポートをお送りします!

Vegewel特典

少し先の特典になりますが、素敵なVegewel特典をいただきました!

「Vegewelを見た」で、レストランをご利用いただいたお客様に「玄米甘酒のドレッシング」をプレゼント! 
※2018年7月1日~31日までの期間限定となります。

是非、古民家レストランHazeで美味しいお食事を楽しんでくださいね。

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

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食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

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このみ あんこ

このみ あんこ

福岡在住のものかき屋。
素朴でほっとするものを探しながら散歩するのが好き。
IBS(過敏性腸症候群)を薬に頼らず自分で治すべく、腸の健康について勉強中。