Vegan Dr.ふかもり ふみこさんにインタビュー!菜食スタイルのいいとこ取りで、ストレスフリー。野菜の多い食事が病気の改善につながります。

更新日:2019/02/01 公開日:2017/12/24

Vegan Doctor、ふかもり ふみこさんは、兵庫県明石市にある『ふかもり眼科』の院長です。

日々の研究や、ご自身の経験をもとに、患者さんはもちろんのこと、たくさんの方に食の大切さを知ってほしいと情報を発信しています。

人それぞれ、その人に合った食事法があり、個別化が重要。菜食で身体が浄化されると、自身で体の声を聴き、欲しいものではなく、身体がそのときに必要な物を選ぶようになると教えてくれました。

食を考えるようになったきっかけ


「初めは、患者さんの花粉症やドライアイを治したいと思っていました。目薬で良くなっても、また繰り返してしまって。調べていて、食事も効きそうだとは思っていたのですが、その時はまだ深い知識はありませんでした。

開業3年目のある日、転機となる出来事がありました。夜中に右腕が痒くて目が覚めたんです。あっという間に頭の先から足の先までじんましんが出てしまいました。

このじんましんは、ストレスが原因。私にとって、かなりショックな出来事でした。

今まで普通の食事をして生活していましたが、食事を改善しなければと思い、糖質制限の食事に変えることにしました。

少し太り気味で肌もカサカサ。食事をした後に異様に眠くなる状態の自分にとても合った食事法だと思ったからです。父が糖尿病だったので、遺伝の不安も感じていました。

するとすぐに効果がでました。三日目くらいで身体がキュッと引き締まるのがわかり、体調もよくなりました。

ところが3ヶ月が過ぎた頃にまた体が辛くなってきて。それでもと、もう少し続けてみると、気分が落ち込んで、うつっぽくなり、些細なことでイライラするようになりました。

6ヶ月たった頃、健康診断で初めて中性脂肪が高くなっていて、糖質制限をやめることにしたんです。

ある程度リスクがあることはわかって始めたのですが、極端に糖質制限するのは良くないと実感しました。

ただ、糖質制限は、糖尿病には有効です。そして、以前より辛かった秋喘息と扁桃腺は、糖質制限をしたことで症状がなくなっていました。

この体験で、食事で健康になれると確信し、別の食事法がないかと調べ始めました。」

ローフード・ビーガンとの出会い


「何か自分に合った食事法がないかと調べていた時に、『フィット・フォー・ライフ』という本を読み、『ナチュラルハイジーン』と出逢い衝撃を受けました。

『ナチュラルハイジーン』は、食事をはじめとする生活習慣を改善し、自分の体の中を清潔にするという健康法です。

動物性の食品をたくさん取るとガンになるリスクが高くなるため、出きるだけ減らした方が良い。また、ローフード(生の野菜や果物の酵素を取り込む食事法)が良いと知り、早速実践しました。

2か月間、朝は太陽を浴びて散歩し、朝食はフルーツに。食事はサラダを先にたくさん食べて、よく噛み、動物性のものは極力減らす。

加熱したものも食べていたのですが、夏に始めたこともあり、9割がローフードの食事。生のジュースやサラダで満足できたことには自分でも驚きました。

精神的にも安定し、体調も改善、検査数値も正常に。そこで、ローフードを真剣に学び始めました。

ローフードを始めて2ヶ月たったころ、ビーガンとなりました。

ローフードを学びに行った先で出会ったビーガンの方たちは、押し付けるわけではなく、環境や動物を守るため、体調など、自分の考えを持って食事をしていました。

自分がやりたいからビーガンとして生活している、と明確に答えられる意識の高い素晴らしい方々です。自分の道を信念をもって生きているということに感動しました。

食生活を変えて、肉や魚をやめても困らないとわかっていましたので、私も健康な体と環境、動物愛護のためにビーガンになろうと思ったんです。」

ふかもり先生は、日本リビングビューティー協会で、2012年よりローフードを2年間学び、2013年に動物性のものをやめるビーガンと公表。

ビーガンドクターとして2015年より活動しています。

『瞑想』と『トランスフォーメーション・ゲーム』で自分の現状を見直す。


「瞑想は、開業医になって数年後、慣れない業務で体調が優れず、色々と悩んでいた頃、瞑想ワークショップの主催者の方に誘われたのがきっかけでした。

瞑想というと座ってただ眼をつぶっているように思いがちですが、違います。瞑想に入るために体を動かして準備し、余計な考えを排除し、無になります。

瞑想を続けたことで、考えがクリアになり、何かを変えなくちゃと思うようになりました。私は周りの人から忙しいと思わることが多いのですが、私自身は瞑想を始めて時間に余裕ができました。

ごちゃごちゃ考えなくなり、無駄なことをやめたからです。『これは必要なんじゃないか?』と悩む必要はないんです。必要なことは、やめてもまた始めるから大丈夫。安心してやめていいんです。

瞑想により暮らし方や人間関係に変化が起こり、食事の改善として糖質制限を始めました。

その後、『トランスフォーメーションゲーム(※)』のワークショップで、自分の意識していること、無意識での考えが明確になっていきました。

心と食は密接にかかわっていて、心が変わると食も変わってきます。知り合いから紹介されて始めたゲームでしたが、すっかり好きになってしまいました。

私はこのワークショップで自分自身が大きく変わり、心が解放されて、ビーガンとなり、自分の生き方を大きく変えていったのです。」

※トランスフォーメーションゲームは、イギリス・スコットランド北部のフォンドホーンという場所にあるコミュニティで、1970年代年代に生まれたボードゲームです。

遊び方は『人生ゲーム』のように、サイコロを振って出た目の数を進み、止まったマスに応じてカードを引いたり、指示されたことに対して答えます。

ゲームのように楽しみながら自分の人生に必要な変容(トランスフォーメーション)が起こります。

ふかもりさんは、innerlinks社公認のTransformation Game®のアドバンス ファシリテーター(グループセッションの進行役)としてもご活躍中です。

健康な体になるには、どのような食生活が望ましいのでしょうか?


「菜食は良いですね。普段の食事を野菜から食べ始めるなど、食べ方の順番を変えるだけでも変わります。そしてよく噛むことです。

また、一つの食品だけに偏るのは良くありません。ドクターは食が病気に大きな影響を与えることを知っています。しかし、日本は世界より認識が遅れているのが現状です。

菜食中心の食事法は複数ありますが、自分に合わせてミックスすると良いと思います。

ローフードの食事は暖かい時期には良いですが、寒くなると体を冷やさない温かいものがほしくなりますよね。そう考えると、加熱した食べ物もあるナチュラルハイジーンが良いと思います。

ローフードも48℃以内の酵素が壊れない温度で加熱もしますが、48℃以内の調理はちょっと難しいですね。

また、諸説ありますが、食事方法は、考えられた国の気候にも大きく影響されていると私は思います。日本は四季のある国ですから、そのまま実行するには合わない食事法もあります。

また、人それぞれでも違いますから個別化が重要です。良いとこ取りで、ミックスしていったら良いのです。」


「薬と共に、食事の改善のお話をしていますが、病気は治したいのに、食制限には抵抗のある方は多いです。

食べ方を変えるというのはとても勇気のいることで、今までの生き方を変えることにもつながるからです。無理をする必要はありません。

変わろうという気持ちが大事です。少しずつ変わっていけばいいと思います。」

『ふかもり眼科』では、待合室のモニターに、目の情報や、野菜料理の レシピ情報などを流しています。

興味のある方からは、診察時に質問があることも。そんな時は、ふかもり先生ご自身の体験を活かして、食が体に与える影響を惜しみなく伝えています。

ふかもり先生は、人それぞれ、その人に合った食事法があり、個別化が重要であるとおっしゃっています。

人によっても違いますが、一人の中でも変化があります。体がきれいになることでまた進化し、食べたいものが変わってきます。体にもその人のストーリーがあるのです。

体の声を聴き、必要な物を取っていく。欲しいものではなく、身体が必要な物を選ぶようになっていきます。

ビーガンを良く知らなくても、よくわかる!先生の体験や 想いの詰まった本が出ました。


今年10月に、待望のふかもり先生初の著書『地球から愛される「食べ方」~この星を貪らない生き方「ヴィーガン・ライフ」入門~』が出版されました。

ベジタリアンやビーガンて何?ビーガンだとなぜ環境や動物にやさしいの?という問いに答えてくれ、全くの初心者にもわかりやすく書かれています。

日本人女性医師による初のビーガン入門書。堅苦しくなく、とても読みやすい。ご自身で経験されているふかもり先生だからこその説得力があります。

病気にならない体になるにはどうしたら良いか?ビーガンに関するQ&Aや先生お薦めビーガン・ローフード情報の入手先も書かれています。

季節による食べ方やお薦めメニュー、自分に合った食事を作っていくコツなども載っていますよ。ビーガンでもビーガンでなくても役立つ情報満載の1冊です。


今回のインタビューは、ふかもり先生が講演会を聴きに東京にいらした際の貴重なお時間をいただきました。勉強熱心な先生は意欲的に学び、ご自身も進化し続け、私たちに情報を発信し続けています。

皆さんも病気に負けない体のため、美しくいるため、環境や動物愛護のため、ビーガンやベジタリアンなどの食の選択や生き方があるということを知り、自分に合う食事や生き方を考える時間を作ってみてはいかがですか。

ふかもり ふみこ(深森 史子)先生のサイト
個人公式サイト「Vegan Doctorふかもりふみこ」
http://fukamorifumiko.com/
過去ブログ「Hoomin~RAWFOOD48」
http://hunhun358.hatenablog.com/
Facebook「Vegan Doctor ふかもり ふみこ」
https://www.facebook.com/fukamorifumiko/
ふかもり眼科 ホームページ 
PC・携帯サイト 
http://www.fukamori-ganka.com

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食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

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Sayuri

Sayuri

ナチュラルフード・コーディネーター
食生活アドバイザー
健康な身体はまず、食事から。おいしい笑顔を広めるために、日々勉強中です!