今さら聞けない、ローフードって?酵素との関係と効果は?

更新日:2023/01/17 公開日:2017/07/18

毎日ムシムシと暑い日が続いていますね。暑さで食欲がなく、体調不良を感じている人に是非トライしてもらいたいのが「ローフード」です。

私は7月に入ってから、朝食に甘酒スムージーやナッツ入りのサラダ、フルーツなど気づけばローフードを取り入れていました!

ローフードとは、RAW(生)FOOD(食べ物)、つまり火を通していない生の食べ物のこと。

生食(せいしょく)とも呼ばれていますが、生命力に満ちた食べ物という意味です。


加工されていない生の食材・食品を摂取する食生活(ローフーディズム)。

火を使わず生で食べることで、酵素やビタミン、ミネラルなどの栄養素を効率的に身体に摂取できるという考え方です。

簡単に言うと、季節の野菜や果物をそのまんま食べることがローフードになります。

酵素

ローフードを知る上で、もっとも重要になるのが「酵素」の働きです。酵素は消化や吸収、毒素の排泄、ホルモンの分泌、代謝など生きていく限り続く体内活動に欠かせないものです。

体内にある酵素を「潜在酵素」、食物に含まれる酵素を「食物酵素」と言います。さらに潜在酵素の中には大きく分けて、「消化酵素」と「代謝酵素」があります。

消化酵素と代謝酵素

消化酵素は、食べた物の消化、皮膚の新陳代謝、血液の循環などに使われるタンパク質です。

消化する栄養素によって、炭水化物分解酵素、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素などに分解されます。

例えば、アミラーゼ(唾液)、ペプシン(胃液)、トリプシン(膵液)、アミノペブチダーゼ(腸液)など。摂取した食べ物を消化分解し、吸収しやすい状態(エネルギー)に変える働きをします。

代謝酵素は、生きていくために必要な体内の生命活動に関わっています。

呼吸、血流、消化、吸収、排泄など、私たちの身体が休みなく動けるのは代謝酵素のおかげです。消化酵素によってエネルギーとなったものを、代謝酵素が働かせ免疫力を高めたり病気を治したりもするのです。

食物酵素

食物酵素は、消化酵素や代謝酵素などの体内で作られる酵素とは違い、食べ物から摂取する酵素のことです。生の野菜や果物には酵素が含まれていて、ある程度自己消化する力が備わっています。

例えば、青いバナナは2日程で黄色くなり、その後黒い斑点ができて柔らかく甘くなります。バナナ自体が私たちの体内で消化しやすい状態へと変化するのです。

これが食物酵素の働きです。

人間が1日のうちに作れる潜在酵素(消化酵素と代謝酵素)の量は決まっています。まず消化酵素として使われ、残った酵素が代謝酵素となるので、消化にばかり酵素を使うと代謝で使える酵素が不足してしまうことになります。

酵素が不足すると、消化不良を起こし排泄が上手くいかなかったり、老廃物の蓄積による肌荒れなど様々なトラブルを招くことにもなります。

食物酵素を含んでいない加工食品や火の通った物は、人間の体内の消化酵素によって分解され吸収されます。

ローフードは食物酵素を含んでいるので、体内に入った後は自己消化し、潜在酵素を代謝に使うことができるということになります。

ローフードとして食べられるもの

  • 生野菜・生の果物
  • 生のナッツ類(一晩浸水して酸素抑制物質を除去したもの)
  • シード(種)類
  • ドライフルーツ(砂糖、漂白剤不使用のもの)
  • 海藻類・海苔
  • オイル(低温圧縮されたもの)
  • 発酵食品
  • 48℃以下(酵素が破壊されない温度)で調理されたもの
  • 加工されていないもの

味噌、醤油、納豆などは作る過程で加熱されますが、発酵を続けるためローフードとされています。

生の穀物や豆なども発芽させたり粉にして、ローフードとして食べることができます。

ローフードの食生活では、加熱食品だけでなく、生食できない小麦粉、消化に時間がかかる動物性食品、脂肪分が多く含まれる乳製品、体内のミネラルを浪費させる白砂糖なども摂取しません。

しかし、ローフードの定義さえ守れば量もカロリーも気にせず食べることができるというメリットがあります!

ローフードは酵素栄養学

キュウリ・ナス・トマトなどの夏野菜が美味しい季節になりました。夏野菜を食べることは夏バテ防止や水分補給にもなり、体を冷やす効果もあります。生の野菜や果物を食べると身体が冷えるというのは、マクロビオティックなどで用いられている陰陽の考え方からきています。

冷え性の人や妊娠中の人などは、食べ過ぎに注意が必要と言われます。

一方、ローフードの定義であるエドワード・ハウエル博士の酵素栄養学の考えでは、生の野菜や果物を食べることで、代謝酵素が働いて血液の循環が良くなり、冷えが改善し体温が上がるとされています。

体を冷やす食べ物と温める食べ物は定義によって異なるので、自分の体調や目的に合った食べ方・調理法を見つけることが重要です。

48℃以下

生で食べるローフードですが、48℃以下でなら加熱調理をすることもあります。食物に含まれる酵素は熱に弱い性質があり、48℃以上の熱で減少してしまうと言われています。

そのため食物酵素を最大限摂取できるように48℃以下に抑えて調理をします。

生きた酵素を効率よく摂取することで、体の消化機能、代謝機能をサポートすることを目的にしています。

ジュースクレンズ


ジュースクレンズのクレンズとは、洗浄という意味です。新鮮な野菜や果物などを100%使い、低速回転するミキサーで時間をかけて低温圧縮(コールドプレス)して作ったジュースを食事の代わりにするダイエット方法の1つです。

効率的に酵素や栄養素を摂取しながらデトックスできる方法として、ローフードではお馴染みのメンテナンスのこと。

休みなく働いている消化器官に休息を与え、疲れた内臓をリフレッシュさせて本来の働きを取り戻します。また、体内を洗浄することでデトックス効果が得られ、便秘の解消による美肌やむくみの解消も期待できます。

ジュースクレンズは断食の一種なので、長くても最初は3日以内で行うようにします。空腹を感じたらジュースを飲み、固形物は口にしません。

復食にはお粥やスープなど胃腸に負担のかからないものから徐々に通常の食生活に戻していきます。

ジュースクレンズ用のジューススタンドや通販でも購入が可能なので気になる方はお試しを!

ジュースクレンズ用のジュースを作った際に出る大量の繊維(パルプ)は、パルプ料理や畑の堆肥として循環させている店舗もあります。農家の人々が大切に育てた野菜や果物は余すことなく利用されているのですよ!

ローフードのメリット

消化酵素の節約によって、体内で代謝酵素が十分に働けば、代謝が盛んになります。それにより、次のような効果が期待できます。

  • 疲れにくく身体が軽い
  • 目覚めが良い
  • 体調が良い
  • ダイエットに良い
  • 美容に良い
  • 快腸

逆に、代謝が低下すると毒素の排泄が不十分になり、頭痛・肩こり・眠気・肌荒れ・風邪を引きやすいなどの症状が引き起こされることがあります。

体調不良が続くと病気になる人もいます。

ローフードのデメリット

ローフードのデメリットは、しっかりと咀嚼をしないと消化しづらい点です。あまり噛まなければ消化にたくさんのエネルギーが必要となり、加熱調理によって柔らかくなった物を食べる方が消化酵素を節約できることもあります。

また、水洗いだけでは落としきれない残留農薬にも注意が必要です。身体にリスクを負わない食材を選ぶことが健康につながります。

なお、ローフードで摂取が推奨されている食物の酵素で、胃酸の影響を受けずに腸まで達するのはほんの一部と言う見解もあります。

日本でローフードはどれくらい広まっている?

ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリーなど食の志向の割合
Vegewelが2023年1月に実施した「第4回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査」では、ローフードの食生活に取り組んでいる日本人は3.1%となりました。

過去の推移で見ると、2017年2.1%→2019年2.9%→2021年2.7%→2023年3.1%です。ローフードの食生活に取り組んでいると自認する人は、日本においてはまだ一部のようです。

フルタイムではなくパートタイムから!

美容と健康のために酵素を豊富に含むローフードは効果的ですが、万人に適しているかどうか、効果は人それぞれです。

メリットとデメリットの両方を知ったうえで、食べる量やタイミングを考えバランス良く食生活に加えてみてはいかがですか?

食事は美味しく、楽しく食べるのがベスト!

体質やライフスタイルに合わせた食の選択、「美味さ」も人それぞれ!他人が判断することはできません。流行に流されず自分に合った最適な食べ方で美しく、健康になれたら最高ですよね。

私はデトックスを目的に、ジュースクレンズに挑戦してみようとスケジュールを調整中です。結果はVegewel styleにてレポートしますね!

Vegewelでレストラン検索


Vegewelは、ベジタリアン・オーガニック・グルテンフリーなど、あなたの食のライフスタイルに合わせてレストランを検索できるWebサイトです。

食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

kiki

kiki

静岡生まれ
元ソロバックパッカー。行きあたりばったりで30ヶ国以上を現地の人のように旅をし、多くの人生経験を積む。野菜全般を口にしない超偏食から食べられることの有り難さを旅を通して学び好き嫌いのない人生へ好転する。鼻を頼りに美味しい物を探すのが得意。
海より山、肉より野菜、撮られるより撮るのが好き。

子どもの頃の夢だった〈幼稚園の先生〉を調理師として〈幼稚園の‘給食’の先生〉となり叶え、大好きな子どもたちの成長を間近で見守っている。
安全・安心はもとより、誰でも楽しく食べられるバリアフリーな給食の提供が目標。
ヨガインストラクター・ライター
夫と子どもの3人暮らし