まるで映画のワンシーン! 沖縄の風薫る自然派ごはん「Teru cafe」【埼玉県蕨市】

更新日:2022/01/19 公開日:2020/08/08

埼玉・蕨の人気カフェ「Teru cafe」

埼玉県南部にある蕨市。蕨市役所近くの蕨中山道宿という、石畳の趣ある旧道沿いにひょっこりと現れるのが、今回紹介する「Teru cafe」です。

こちらは、海なし県の埼玉で海風を感じ、映画『かもめ食堂』を彷彿させるナチュラルカフェとして人気のカフェ。

白い壁に天然木の窓枠、入口を覗くと広く明るいカウンター越しにオープンキッチンが広がります。

北欧風のインテリアに手書きのポップ、外の“Take Out”の旗も手作りとのことで、センスのよさが光ります。

光がいっぱい差し込み、天然木の柱で支えられた高い天上が解放感ある癒しのカフェは、居心地がよくて、ついつい長居したくなるに違いありません。

誰もが楽しめるマクロビオティック料理を

同店は2014年10月にオープン。

同店オーナーのTeruさんこと橋田てるみ(はしだてるみ)さんは、独身の頃、1人旅で訪れた沖縄・西表島に惚れ込み、そのまま島の農園で働きながら暮らした経験をお持ちです。

そこでご主人とも知り合って結婚し、埼玉へ戻ります。マクロビオティックのリマクッキングスクールで学んだ後、ワンデーシェフとして「ぷらっと」で月一シェフを経て、マクロビオティック教室なども並行し、このTeru cafeをオープンしました。

オーナー夫妻にとって沖縄は第2の故郷ともいうべき縁の深い場所。それだけにTeru cafeには随所に沖縄の香りが感じられます。

店で提供する料理は、動物性・乳製品・卵・白砂糖・添加物不使用。

そしてみりんやお酒も使わないことで、健康志向の人だけでなく、ハラルやオリエンタルベジタリアンなどたくさんの人が安心して食べられるようにしています。

カウンターに並ぶのは、沖縄の陶器「やむちん」。とってもかわいいカップとソーサ―は、Teruさんが沖縄に住んでいた時に知り合った若手陶芸作家さんたちの作品です。

ホットドリンクを注文すると、好みのカップを選んで入れてもらえます。

オープン6年目を迎え、地元のお客さんに愛され、自転車や車でお弁当を買いにくる人も。

男性1人でお弁当を買いに来る姿もちらほら。老若男女問わず愛されるカフェなのです。

メリハリある味付けと季節の野菜料理で常連さんに愛される

メニューは日替わりで2種のメインを用意。スイーツも日替わりで2種類がショーケースが並んでいてとても魅力的です。

この日のランチのメインは、ジューシーでサクサク、米油で揚げたキャベツたっぷりベジメンチカツまたは大豆100%の大豆ミートの唐揚げ。

副菜4種として、季節に応じてバランスのとれたおまかせデリがプレートにかわいらしく並びます。

写真はミックスキヌアと枝豆のマリネ、じゃがいものガレット、きのことパプリカのアヒージョ、トマト入りバジル風味の洋風白和え。玄米ごはんと日替わりスープの人参のガスパチョまでついて1300円(税込)。

この日のスイーツは、ジンジャー豆乳プリン(400円税込)と、ブルーベリーの豆腐タルト(450円税込)。

ジンジャープリンはじめ、ショーケースに並ぶ生姜シロップは、近くの生姜専門店「ジンジャーファクトリー」のもの。

ジンジャーファクトリーと不定期のコラボで開催される「ジンジャーフェスタ」では、Teruさんオリジナルのジンジャー料理が地元のお客さんに大好評で、いつもすぐに満席になります。

ジンジャーファクトリーさんは、駅前ロータリー内にも店舗があるのでぜひこちらも覗いてみてくださいね。

ヴィーガンの沖縄料理もラインナップ

Teruさんが西表島に暮らしていた時のお知り合いから、本場の沖縄食材が送られてくると、「沖縄料理特集」として、ヴィーガンの沖縄料理が満載のランチが提供されます。

弾力とうまみたっぷりの沖縄もずくの天ぷらや、青パパイヤの和え物、麩チャンプルー、車麩のラフテー風などの沖縄料理が満載に! とってもおいしそうですよね。

取材に伺った日には、チンジャオロース風の板麩炒めも作っていただきました。ちゃちゃっと手際よく調理される姿をカウンター越しにながめながらお話できるのもとっても楽しいものです♬

「1人でやっているので効率よくお料理を提供できるよう、戻した板麩に下味をつけて揚げたものを冷凍しておき、ピーマンやお野菜と一緒に炒めてすぐ提供できる工夫をしているんです」(Teruさん)

ということで、ジップロックに入った板麩(板状になった庄内麩)を見せてくださいました。

パンチのある食欲をそそるおいしさは、オリジナルの秘伝ソースの旨味。思わずごはんにかけて丼で食べたくなるほどです。

テイクアウトは大豆ミートの唐揚げ弁当、タコライスもあります。日替わり惣菜もテイクアウト可。忙しい人の夕飯にも、リモートワーク時のランチにも嬉しいですね。

常に夢をもって前進!

元気いっぱいに、笑顔で仕込みから調理・接客までほとんどの工程を人で切り盛りするTeruさん。それは大変なことでしょう。

そうした中でも、Teruさんは常に学びの姿勢や、外の刺激を受けることを忘れないスタンスで、都内のイベントなどに足を運ぶこともあるそうです。

忙しい中でも常に前向きに、そして謙虚さを忘れない姿に感銘を受けます。

新型コロナウイルスにより客足が減る中でも、住宅地にあるからこその強みで地元のお客さんに応援され、乗り越えてきたそうです。

――お店のこだわりを教えてください。

「ベジの人もそうでない人も誰もが気軽に食べられて、お野菜たっぷりのお料理を食べて元気になってもらいたいですね。お店では、ゆったりのんびり寛いでごはんやお茶を楽しんでいただける場づくりを心がけています。こんな時代だからこそ、手作りのマクロビオティック料理とおやつで元気になってほしいと思うんです。お料理には思いが伝わるので、何より自分自身も楽しみながら作ることも大切にしています」(Teruさん)

次のステージに向けて

残念ながらTeru cafeの入居する建物が今年いっぱいで取り壊しが決まっており、一旦クローズになってしまうのだとか。

新たなステージに向け、あれこれ模索中のTeruさん。

――今後のビジョンについて教えてください。

「キッチンカーでオフィスビルや住宅地へ、心や身体を培うエネルギーとなる料理を届けながら、次の拠点となる物件を探すつもりです。次のお店は、1人ではなくシェアカフェのような形で、いろんなシェフたちと連携し繋がりのあるカフェにしていけたらいいなと思っています。『毎日はムリでも、週1日だけお料理を提供してみたい』『ステップアップしてみたい』という人のために場を提供しつつ、コラボしながらイベントなどもどんどん企画し、たくさんの方が集まり笑顔になるお店が作れたら理想的です」(Teruさん)

都心から約30分、ちょっぴり目先を変えたらこんなに素敵な癒しのカフェがありました。

都会の密を避けて、ノスタルジックな蕨中山道宿の知る人ぞ知る穴場のカフェへ気分転換に足を伸ばしてみませんか?

「自然派ごはん Teru cafe」
住所:埼玉県蕨市北町2-9-22
℡:080-7033-1957
営業日時:火~木11:00~17:00、金土11:30~17:00
(状況により変動しますので、Facebookまたはインスタグラムにて確認ください)
アクセス:蕨駅より18分、バス:蕨駅より戸田車庫行きバスで蕨市役所下車徒歩3分
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※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

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千葉芽弓/Miyumi Chiba

千葉芽弓/Miyumi Chiba

千葉芽弓(Miyumi Chiba)
ベジフードプロデューサー
Vegewel プロデューサー
Tokyo Smile Veggies 主宰

日本に根付いた伝統食を生かしたベジ・ヴィーガン食から健康や環境保護などの社会問題の解決や、ダイバーシティとしての真のおもてなしを目指し、メニューコンサルタント・製品開発・食育を行う。