必ずつながる?!十割蕎麦打ち体験でゲン担ぎ。精進メニュー完備の楽しく美味しいお蕎麦屋さん。鎌倉長谷 栞庵(しおりあん)【長谷】

更新日:2024/04/20 公開日:2018/03/02

「鎌倉長谷 栞庵(しおりあん)」は、江ノ電の長谷駅から歩いて7分ほどのところにあるお蕎麦屋さん。精進出汁を使ったビーガン・ベジタリアン対応のお蕎麦がある、数少ないお店です。

お蕎麦は十割蕎麦。シンプルで味わい深いお蕎麦は、食べるのはもちろん、蕎麦打ち体験をすることもできるんです!

誰が打っても「絶対つながる」縁起の良いお蕎麦とは?Vegewelスタッフが実際に蕎麦打ちを体験!お蕎麦をいただきながら、店主の恩田智博(おんだともひろ)さんにたっぷりお話を伺いました。

栞庵の場所や詳細な情報はこちら

とにかく「つながる」縁起の良いお蕎麦屋さん!


鎌倉大仏がある高徳院の方へ、長谷のメインストリートをまっすぐ進むと、「栞庵」が。お店は2階ですが、道沿いに看板が出ているのでわかりやすいですよ。


すっきり綺麗な店内。栞庵がオープンする以前は、かき氷屋さんが入っていたそうです。

鎌倉にお店をオープンしたのは何故ですか?と質問すると。

「いずれどこか観光地でお蕎麦屋さんをやりたいな、と思っていました。鎌倉は、その中の候補の一つ。物件を探していたら、たまたま良い場所が見つかったので決めました。

そういえば、妻と出会ったのも鎌倉でした。そういう意味では、鎌倉に縁があったのかもしれません。」

偶然のつながり。まさに「つながる」お蕎麦屋さんですね!

しかし、栞庵が「つながる」お蕎麦屋さんと言われるのには、他に理由があるんです。

「栞庵の蕎麦は、シンプルな十割蕎麦。100%蕎麦粉だけで作った蕎麦です。通常、十割蕎麦は、つなぎがないため『つながりづらい』と言われています。しかし、うちのお蕎麦は誰が打っても絶対つながるんです!」

その秘密は、蕎麦打ち体験で明らかになります。

精進出汁で食べる絶品十割蕎麦。お蕎麦屋さんならではのビーガンメニューも。


栞庵のお蕎麦は、鰹出汁のメニュー以外に、日高昆布と国産椎茸を使った「精進出汁」のメニューが。ベジタリアン・ビーガンの方がいつ行っても、美味しいお蕎麦を楽しめます。

写真は、「精進きのこそば(税込1,200円)」。

きのこたっぷり!身体がしっかり温まります。季節限定メニューなので、寒い時期に是非食べてみてください!


こちらは、「精進せいろそば(税込900円)」。せいろのお蕎麦も、精進出汁で思いっきり食べられます!精進出汁も旨味がありしっかりとした味わい。鰹出汁と変わらない満足感です。

鰹出汁がOKな方は、プラス100円で鰹出汁との食べ比べもできますよ。

「精進で十割蕎麦なので、ベジでビーガン。ヘルシーワードが揃ったお蕎麦です。鰹は鰹で美味しいけど、精進出汁も意外と美味しいと女性に人気がありますね。

ベジ対応と記載はしていますが、それを気にすることなく、美味しいからと食べてくれるお客様も多いです。」

精進蕎麦は、他に「精進とろろそば(1,200円)」も。


お蕎麦屋さんならではのメニューと言えばこちら!蕎麦がき。ふわふわもちっとした食感でいくらでも食べられます。特製しょうゆダレやもろ味噌をつけていただくと、スイーツとしても、お酒のつまみにも。


「蕎麦がきは、コーヒーミルで挽きたてを提供しています。蕎麦本来の味と香りがたっぷり楽しめますよ。」


お酒を楽しめるのもお蕎麦屋さん。取材時は地ビール「鎌倉ビール(税込700円)」と、大仏のお膝元ならではのクラフトビール「大佛麦酒 緑(YUKARI)(税込700円)」をいただきました。揚げそばをつまみに。


揚げそばは、十割蕎麦の切れ端を揚げたもの。十割蕎麦の風味はそのままに、ポリポリとした食感がクセになります!一口食べて、何か他に提供方法はないかと考えたVegewelスタッフ…。


その後に出していただいた「バニラアイスもなか」と揚げそばが合うことが発覚!早速恩田さんにお伝えしたところ、すぐに常設メニューにしていただけました。

それが写真の「有機バニラアイスもなか(税込400円)」。バニラアイスは豆乳ベースでビーガン仕様です。揚げそばをあしらった、お蕎麦屋さんならではの組み合わせをビーガンで楽しめるのは嬉しいですね!

これから、甘味もベジ対応のものを増やす予定とのことで、さらに楽しみが広がります。

お店に精進メニューを導入した理由をお伺いすると、

「蕎麦打ちの修行をしていた時、裏にベジタリアンの方が多く訪れるパン屋さんがあったんです。割と辺鄙な場所にあったのに、人が沢山来ていたのを覚えています。

パンを買った後にお蕎麦屋さんを訪れてくれる方も多く、お話を伺うと『蕎麦自体はベジタリアンも食べられるけど、つゆが食べられない場合が多いので、つゆを持ち歩いている』とのことでした。

じゃあ、つゆさえこちらで用意できれば、ベジタリアンの方も食べられるじゃないか、と思い、実際に自分で作ってみたところ、植物性の出汁だけでも問題なく美味しくて。栞庵をオープンした際に導入することにしました。」

わかっていても、なかなか実行に移すのは難しい人が多い中、柔軟な考え方で早速精進メニューを導入した恩田さん。

先ほどの「有機バニラアイスもなか」の例といい、新しいアイデアやニーズをすぐに形にする姿勢が、お客様を飽きさせない、繋がるお蕎麦屋さんの秘訣なのかもしれません!

食べるだけじゃない!蕎麦打ち体験でさらにゲン担ぎ。オーナー考案の「ツイン・ドラゴン流」とは?


さて、先ほど紹介した精進そばのメニューですが、実はVegewelスタッフが実際に蕎麦打ちを体験し、作ったお蕎麦を使っていただいたもの!

栞庵では、蕎麦打ち体験をし、そのお蕎麦を使って好きなメニューを作ってもらうこともできるんです。

ここからは、蕎麦打ち体験をレポートしていきたいと思います。


実際に調理場に入り、恩田さんがいつも蕎麦打ちをしている場所で体験ができます。

恩田さんお1人でレッスンしていることもあり、一鉢に2名、合計4名までの定員。今回は、Vegewelスタッフ2名で参加させていただきました。


打ったお蕎麦を切る切り板と包丁。テレビなどでたまに見ることがありますが、何とも難しそう…。私達に切れるのか?少し不安が。


まずは蕎麦粉をふるいにかけます。これはお菓子作りとあまり変わらない要領で。


その後、同量の水とお湯を、龍を描くように回し入れます。生地全体によく水がなじむ栞庵独自の回し入れ方で、つなぎがない十割蕎麦でも確実にちぎれず「つながる」んです!

この栞庵だけの蕎麦打ち法を、恩田さんは「ツイン・ドラゴン流」と名付けています。

「初心者が十割そばをちぎれず打つのは至難の業。しかし、何度も試行錯誤を重ね、つがなる蕎麦打ち方法を発見したんです!

この方法なら、初めて蕎麦打ちを体験する方でも、粘りがあってコシのある蕎麦を打つことができます。」

ツイン・ドラゴン流、気になる方は是非蕎麦打ち体験へ!


5本の指をうまく使って、大きく回し混ぜていくと、だんだん蕎麦粉がまとまってきます。


恩田さんに教えてもらいながら一つ一つ行うので、超初心者のVegewelスタッフでも最終的にこんなにきれいな塊を作ることができました。


生地がまとまったら、次は均一に伸ばしていく作業。手の平を使って優しく伸ばしていきます。


麺棒も使って。麺棒は加減が難しい!恩田さんのお手本を何度も見ながら何とか伸ばしていきました。厚さの目安は1.5mm。

伸ばし方にも色々な手法があり、その一つ一つに異なるコツが。真剣に蕎麦生地と向き合っていると、あっという間に1時間以上の時間が経っていました。

普段何気なく食べているお蕎麦ですが、手打ち蕎麦は本当に手間がかかり、丁寧に作られているんですね。有難い。


さあ!いよいよ蕎麦打ち体験のハイライトです。実際に蕎麦を切っていきました。

最初は粉をふった切り板の上で、幅の加減を練習。その後体勢を整え、慎重に包丁を落とします。

切っていくうちに、心が無に。目の前に蕎麦のことだけを考える時間は、日常のあらゆることを忘れさせてくれます。ただただお蕎麦が美味しくなるように、それだけを考えて(笑)


初めてにしてはなかなか上手に切れたのでは?と自負するVegewelスタッフ2名。

ここまでで、私達は店内の席へ。後はこのお蕎麦を使って、恩田さんが好きなメニューを作ってくれるのを待ちます。

蕎麦打ち体験では、一度に蕎麦粉を500gも打つため、2名で参加の場合は持ち帰り分もかなりの量をいただけます。

「500gはだいたい5人前です。500gという分量は、蕎麦打ちの最低ライン。蕎麦打ちは、量が少ないと打ち方が変わってきてしまうんです。500gで習っておくと、もっと多い量も打てるようになりますよ。」

蕎麦打ち体験には、春休みキャンペーンや縁結びキャンペーンとタイアップしたものもあり、それぞれのニーズに合わせて楽しめます。

「必ずつながる、ということで、婚活サイトで使いたい、というお話をいただいたこともあります。ゲン担ぎに、是非いかがですか?」と恩田さん。

十割蕎麦を打てる貴重なチャンス。しかも、必ず「つながる」縁起の良いイベントです。

友人同士で、カップルで、もちろんお1人でも。恩田さんがわかりやすく、楽しく教えてくれる蕎麦打ち体験、本当におすすめです!

【体験予約はこちらから】
http://shiori-an.com/free/trying

脱サラして始めた第二の人生。伝統を守りつつ、ニーズに合わせた柔軟なお店作り。


恩田さんは、もともとはバリバリ働くサラリーマン。脱サラして調理師専門学校に通い、あらゆる料理をマスターしたそうです。

「会社員時代はほとんど外食で、脂っこい食事が多かったです。脱サラしてからは、家で食事することが多くなり、体重も落ちて健康的になりました。お蕎麦を食べることも増えましたしね(笑)。」

その後、調理の中でもお蕎麦に魅力を感じ、江戸ソバリエという資格を取得した恩田さん。

あらゆるお蕎麦屋さんを食べ歩きレポートをしたり、修行のために別のお蕎麦屋さんで働いたりと、あらゆる蕎麦の現場を見ることになりました。

「蕎麦は、お店によっても産地によっても全然違います。原料の違いはもちろんですが、ちょっとした工程の差で全然違うものができたりする。様々な要素が絡むところが面白いなと感じています。」

今後は、外国人の方にも多く来て欲しいという恩田さん。英語メニューを作成したり、蕎麦打ちのHOW TOも英語で作成したりと、外国人の方が来やすいようにお店の環境を整えています。

その中で、いち早く精進出汁の対応をしているというのは、やはり大きなアピールポイント!

「これから外国人観光客はさらに増えていきます。そのような需要にしっかりと対応していかなければ。ビーガン・ベジタリアンメニューもさらに増やすべく、準備を進めています。」

伝統を壊さず、新しい製法を独自に編み出し、時代のニーズに応えられるメニューを発信し続ける栞庵。美味しく楽しくお蕎麦を体験できる稀有な空間は、遠くからでも訪れる価値あり!

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

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AYA OKUDA

AYA OKUDA

フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。
得意分野は、日本の伝統行事食、食の日本史・世界史、テーブルコーディネート。
好きな分野は、カレー、ビール。