【プチマクロ的アスリート食】いつまでもチャレンジできる体を手にいれよう!Part3 ちゃんとした食べ物でエネルギー補給≪前編≫
エネルギーレベルを安定させ、1日を通して元気で頑張れる気力と体力は誰でもほしいもの。「Part2 モチベーションとやる気を出して元気に1日を過ごすための朝食」では、元気に1日を過ごすための朝食を簡単にご紹介しました。
しかし、1日を通して元気で頑張るためには、朝食以外の食事も大切になってきます。また、「健康な体」を手に入れるためには、「疲労回復」・「パフォーマンス向上の為の抗炎症食」を意識したいもの。
Part3では、「ちゃんとした食べ物でエネルギー補給」をテーマに、食べ方やおすすめの食材と共に、長年マドンナのパーソナルシェフを務め、「プチマクロ」を提唱する西邨マユミさん監修の、「プチマクロ的アスリート食」のレシピをご紹介します。
■「Part1 身近にある植物性食(plant based food)」はこちら:前編・後編
■「Part2 モチベーションとやる気を出して元気に1日を過ごすための朝食」はこちら:前編・後編
目次/Contents
科学者も注目する「ブルーゾーン」の人々の食べ方とは?
健康と長寿に関する研究をする科学者は、長生きの人が非常に多いイタリアのサルデーニャ、ギリシャのイカリア島、アメリカのカルフォルニア州のロマ・リンダ、コスタリカの二コア半島などの「ブルーゾーン(健康で長生きの人々が数多く居住する地域)」に注目をしてきました。
人口統計学の専門家のラファエル・ブジョール氏は、アメリカの研究者で作家のダン・ビュイトナー氏の著書に基づき、各地域の住民に共通している9つの点(注1)を明らかにしました。
その中に、
- 野菜中心の食事
- 腹八分目
- ストレス解消となる行動
- 生きがいがある
があります。
また、ブルーゾーンの住民は、1日の前半にその日必要な摂取カロリーの多くを摂っています。
コーポレートアスリートプログラムで提唱されている食べ方も、ブルーゾーンの食べ方に共通しているところがります。
それは「腹八分目」。
それに加えて「一度にどか食いをするのではなく、少量で回数(5・6回)を食べるほうがよく、よいものをよく噛んで食べる」とあり、急激な血糖値の上昇に注意するなど、エネルギーレベルを安定させるための食べ方を取り入れています。(*)
アスリートの場合、練習内容や試合前後で必要なエネルギーや栄養素を考えて、適切な食事を摂ることが大切ですが、消費したエネルギー補給のために一度のどか食いをするのではなく、間食をとることで急激な血糖値の向上を避け、適切な栄養補給が可能となります。
便利さから人工の栄養補給食・加工食品・スポーツドリンク等に頼ってしまいがちですが、これらは抗炎症・腸内環境の視点からは、なるべく避けたい食べ物です。
どか食いをするのではなく、少量で回数を分けて食べる
前述の通り、ブルーゾーンの住民は、1日の前半にその日に必要な摂取カロリーの多くを摂取しますが、コーポレートアスリートプログラムでも1日に必要な60~70%のカロリーを、午後7時までに摂ることを推奨しているようです。
つまり、朝食や昼食のように活動量の多い時間帯に、できるだけ多くのカロリーを摂取するという考えです。
そして、できるだけ少量で回数を増やして食べるという考えは、どか食いを避けるだけでなく、アスリートと同様に、適切な栄養補給をこまめに行うことで、エネルギーレベルを安定させ、仕事に集中できる結果に繋がります。
アスリートの場合、1日の食事・栄養補給は、練習・トレーニングのタイミングや内容を考慮して、間食を交えて行います。
炎症をコントロールする為の食材**
Part1で、炎症が慢性的になるとあらゆる症状が現れ、その原因の1つに食生活があることをお伝えしました。
そこで1日の食事・間食で「疲労回復」「パフォーマンス向上の為の抗炎症食」として摂りたい主な食材をご紹介いたします。(***)
積極的に摂りたい主な食材
- オメガ3脂肪酸(青魚・フラックスシード・ヘンプシード・クルミ)
- 抗炎症効果のあるスパイス(ショウガ・ターメリック・カレー・ローズマリー)
- ファイトケミカルが豊富なフルーツ・野菜(色の濃い葉野菜・ベリー・トマト・オレンジ・黄色いフルーツ・パプリカ・アブラナ科の野菜・抹茶)
- 全粒穀物(例えば玄米・オーツ麦・キヌア・アマランサス・蕎麦の実)
なるべく避けたい食材
- 加工食品・インスタント食品・白小麦粉でできた食べ物
- 動物性脂肪
- チーズ・クリーム・肉製品の脂肪などに含まれる飽和脂肪
- 精白された穀物
- ソーダ・エネルギードリンク・スポーツドリンクなど砂糖が含まれている飲料水や、アイスクリーム・クッキー・ケーキなど
絶対避けたい食材
- トランス脂肪酸
「ここで注意したいのは、『間食』の意味。間食を摂ることで食事の回数は増えますが、間食は甘いお菓子を食べることではありません。」と、西邨マユミさんも間食の意味を誤解している人がいることを懸念されています。
間食は、食事では十分に得られない栄養素や熱量をとることができる捕食で、ライフスタイル・運動量に応じて必要な栄養素を摂る食べ方です。
人工の栄養補給食・加工食品・スポーツドリンク等でもエネルギー補給はできますが、「体内炎症」という観点からは便利であってもそれらに頼らず、フルーツ・ナッツなど、「ちゃんとした食べ物」でエネルギー補給をすることが望ましいのです。
パフォーマンスを向上し結果を出すには「何をいつ食べるのか」と「質のよいものを食べる」ことが大切で、適切な食事を選択する力が求められます。毎日の食事を整えることで「健康な体」を得ることができ、パフォーマンスの向上にもつながるのです。
後編では、「ちゃんとした食べ物でエネルギー補給」をテーマに、「疲労回復」・「パフォーマンス向上の為の抗炎症食」を意識した食材と、家庭でできる、西邨マユミさん監修の、プチマクロ的アスリート食のレシピをご紹介いたします。
注釈:
- 9つの共通点:よく動く、野菜中心の食事、適度な飲酒、腹八分目、ストレス解消となる行動をとる、生きがいがある、社会的集団に属する、宗教的な活動をする、家族との強い絆
参考文献:
*:https://hbr.org/2001/01/the-making-of-a-corporate-athlete
**:Harvard Medical School,”Foods that fight inflammation“,Harvard Health Publishing, Published in June 2014; updated November 2018
***Antioxidants http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/antioxidants.html.Mahan, L. K., Escott-Stump, S., Raymond, J. L., & Krause, M. V. (Eds.). (2012). Krause’s food & the nutrition care process. Elsevier Health Sciences
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