世界に向けてヴィーガンのおもてなし料理を発信!~青森・黒石エリア〜(前編)
コロナ渦で世界中の人が足止めとなり、かつてない不安や生活スタイルの変更を余儀なくされた2020年。
右肩上がりで増え続けてきた訪日外国人観光客もストップ。
観光地も宿泊業も飲食店も苦戦する中、アフターコロナを見据えて、”ヴィーガン料理の開発”で前向きなチャレンジをしているのが、今回紹介する青森県の黒石地区です。
10月下旬には、地元の新聞である東奥日報にも取り組みが記事として掲載されました。
勇気と希望の光をもらえる取り組みの経緯と、黒石らしい郷土料理なども取り入れた、お店の特性を生かしたメニューや料理について、2週に渡ってご紹介します!
今回は、青森・黒石エリアの紹介と、そうした取り組みを始めた経緯について。
津軽じょんがら節発祥の地・青森県黒石市ってどんなとこ?
青森県の南東部、津軽平野とりんご畑が広がり、江戸時代の街並みの残る津軽こけしのふるさとの黒石。市内には泉質の異なるかけ流しの温泉が点在し、湯治場としても栄えてきました。
なかでも、「日本の道百選」にも選ばれ、国の重要伝統的建造物保存地区に指定されるこみせ通りは、江戸時代から変わらずに残された風情ある街並みが見どころ満載!
雪国の吹雪、雨や夏の日差しから人々を守るように作られた木のアーケード、昔ながらの蔵、酒屋、和菓子屋など老舗の商家がそのまま残されています。
歴史の足跡を感じる梁や柱、壁にしみついた人々の暮らしを感じられる空気感が懐かしく、ほっと癒される街並みです。
ここでは良質の清水が湧き、おいしいお米がとれることから、酒蔵が2つあり、美味しい日本酒どころとしても知られています。
同エリアのお祭りも有名で、青森県の無形民俗文化財に指定される黒石ねぷた祭りをはじめ、田舎舘村の田んぼアート、日本三大流し踊りのひとつである「黒石よされ」があります。
お囃子にあわせて沿道を踊り歩くこれらのお祭りは誰もが参加できるため、外国人観光客にも人気です。
きっかけは手踊りを習いにきた外国人の訪問
ヴィーガン料理の提供で外国人の多様な食のニーズに応えようと、青森県・黒石市・黒石観光協会などと連携して地区を牽引したのが、「旅の宿斉川」の若女将である齋川蘭子さん(写真右)。
美容師でもある齋川さんは、かつてニューヨークで暮らしていたときに海外の多様な食や文化を体験する中でヴィーガンのニーズを知りました。
2年前に家業の旅館を継ぐために帰国。青森でもインバウンドの需要や外国人観光客が増えたことから、ヴィーガン対応が求められていました。
また、“温泉×ヴィーガン料理”で健康増進の取り組みをしたいと考えていた矢先に、ヴィーガンの宿泊客を対応することに。
ほかにも、大女将はゲルソン療法※をする団体のお客さんに試行錯誤しながら料理を提供したこともあるのだそうです。
※ゲルソン療法とは・・・1930年代に米国のマックス・ゲルソン博士が提唱した、主にがん治療のために行なわれる食事療法で、塩を入れず脂質やたんぱく質を制限するなど厳格な食事制限をするもの。
「お客様の要望に寄り添いたい」。そんな思いから背中を押されるように、青森県や市、観光協会と連携しながら、今年の3月初旬にベジタリアン・ヴィーガンの基礎知識の勉強会や、地元食材を使っての料理デモ講習会を企画・開催しました。
こちらでは「The Vegetarian Chance」というイタリアで開催されたヴィーガンの料理人の世界大会で準優勝した本道佳子さんらを招いて市内の宿泊業者や飲食店と共に知識を深め、可能性を広げました。
これを機に、コロナで世界が沈む中、着々と料理の開発に取り組み、勉強会に参加した4事業者でメニュー開発に取り組み、近い将来の誘客へ向けて大きく前進したのです。
後編につづく。
次回は、青森・黒石エリアでヴィーガンのおもてなし料理が堪能できる宿やスポットをご紹介しますので、お見逃しなく!(1/5公開予定)
協力/一般社団法人黒石観光協会
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