普段の食事を勝つための食事へ。スーパーフードをチョイ足ししてみませんか?Part2 タンパク質のお話

アスリートが結果を出すには、しっかりトレーニング・練習をすることが必要。

しかし、なかなかパフォーマンスが上がらない原因は、エネルギー不足かもしれません。

また、トレーニングをしているのに筋肉が増えないということを時々聞きますが、シンプルに食事量・摂取エネルギーが足りていない可能性があります。

パート1では、そのような悩みを解くヒントとして「アスリートに必要なエネルギー」と「雑穀」のお話をしました。

普段の食事を勝つための食事へ。スーパーフードをチョイ足ししてみませんか?Part1 アスリートに必要なエネルギーのお話

今回は、タンパク質のお話です。

アスリート・スポーツ愛好家にとってタンパク質を十分摂ることは、疲労回復や筋力アップにおいて重要です。

パート1「エネルギー」のお話はこちら
普段の食事を勝つための食事へ。スーパーフードをチョイ足ししてみませんか?Part1 アスリートに必要なエネルギーのお話

パート3「抗酸化物質」のお話はこちら
普段の食事を勝つための食事へ スーパーフードをチョイ足ししてみませんか? Part3 抗酸化成分のお話

パート4「コンディショニング」のお話はこちら
普段の食事を勝つための食事へ スーパーフードをチョイ足ししてみませんか?Part4 コンディショニングのお話

タンパク質とは多数のアミノ酸が統合したもの

人の体の15%~20%はタンパク質でできています。

タンパク質は、筋肉・臓器・髪の毛・爪・体内のホルモン・酵素・免疫物質等を作り、栄養素の運搬を行う等、とても大切です。

全てのタンパク質は、20種類のアミノ酸の様々な結合でできていて、その20種類のアミノ酸すべてが必要です。

そのアミノ酸のうち、9種類の必須アミノ酸(トリプトファン・リシン・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン・バリン・ロイシン・イソロイシン・ヒスチジン)については、体内で合成できないか、合成速度が遅く必要な量を十分満たすほどには合成できないので、食事から必ず摂取しなければなりません。

タンパク質は、合成と分解を繰り返します。古くなった部分は体外へ排泄され、食事から摂取した新しいタンパク質を利用して再生されます。

ちなみに、やる気をだしてくれるドーパミンや気持ちをリラックスさせるセラトニンなどの神経伝達物質も、アミノ酸からできています。

間違ったダイエットによるタンパク質の不足・摂り過ぎに注意


カロリーだけを気にするような間違えたダイエットをすると、タンパク質が不足する可能性があります。

タンパク質が不足すると、筋肉量に影響を与え痩せにくい体質になるだけでなく、心身の不調ややる気・集中力にも影響を与えます。

しかし、タンパク質が重要な栄養素であるからといって、沢山摂ればよいというものでもありません。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、一日あたりのタンパク質平均必要量は、成人男性で50g、成人女性で40gと定義されており、可能であれば成人男性は60g、成人女性は50g摂ることが推奨されています。

運動を行う人は、持久系で体重1kgあたり1.2~1.4g、瞬発系で体重1kgあたり1.7~1.8gが目安とされますが、これ以上のタンパク質の摂取は、筋肉の合成が進むわけでなく、体外に排泄、あるいは体脂肪として蓄積されてしまうのです。

また、過剰摂取を継続すると、腎臓の機能低下を引き起こす可能性もあります。

ちなみに、動物性のタンパク質の摂り過ぎは、腸内環境を乱す原因になると言われています。植物性タンパク質を選択することで、効率よくタンパク質を摂取でき、脂質の摂取を抑えることができるのです。

効果的なタンパク質補給の食事を考える時に参考にしたいのが、「アミノ酸スコア」です。

アミノ酸スコアとは、アミノ酸のバランスを数値化したもので、タンパク質の栄養価を示します。100に近いほど、バランスのよい良質のタンパク質と言われています。

アミノ酸スコアが100の食材は、牛肉等の肉類だけではなく、大豆も同スコアの食材です。また、他の植物性のものもアミノ酸スコアが高い食材は沢山あります。

文部科学省の食品データベースによると、食品100gあたりのタンパク質量は、精白米:6.1g・牛肉(赤身):19.1g・大豆(全粒・国産・乾)35.3g・リンゴ(生)0.2g。

一日に必要なタンパク質を食品から摂るには、複数の食品をバランスよく組み合わせる必要があります。

タンパク質源としてのスーパーフード


タンパク質とともに、アミノ酸の代謝と合成に欠かせないビタミンB6・B12・葉酸も不足しないように心掛けたいもの。

脂質を抑えながら、適切な量のタンパク質やこれらの栄養素を摂るために、プロテインパウダーやサプリメントを活用する人もいます。

しかし、人工的なプロテインではなく植物性のタンパク質を取りたい・持続的にタンパク質を摂りたい・タンパク質の効果的な吸収・代謝を求めたい人には、スーパーフードがお勧めです。

タンパク質が豊富に含まれているスーパーフードの代表的なものは、次の通りです。

  • スピルリナ:100gあたり約70gものタンパク質を有す。タンパク質だけでなく、ビタミン類・カルシウム等のミネラルも豊富。消化吸収力は95%と極めて高く、液体に溶かして手軽に使用できる。βカロテンも含まれていることから抗酸化作用力が高い。
  • モリンガ:100gあたり約26gのタンパク質を有す。タンパク質だけでなくビタミン類・カルシウム等のミネラル・GABA等も豊富。抗酸化物質のβカロテンやビタミンCが含まれている。
  • ヘンプシード:100gあたりに約29gのタンパク質を有す。必須脂肪酸を多く含みリノール酸とαリノレン酸のバランスに優れている。
  • マカ:100gあたり約10.2gのタンパク質を有す。アミノ酸が豊富でバリン・ロイシン・イソロイシン・グルタミン・アルギニン等の必須アミノ酸が含まれている。
  • チアシード:100gあたりに約18.5gのタンパク質を有す。食物繊維・鉄分・オメガ3等も豊富。

これらのスーパーフードをマイプロテインパウダーとしてキッチンに常備しておくと、いつもの食事やドリンクにチョイ足しをしてタンパク質を補うことができます。

例えば、ココナッツウォーターにチアシードを入れたマイスポーツドリンクを冷蔵庫で常備して朝食時に飲んだり、スポーツジムに持参したり、ブレークタイム時のラテにモリンガパウダーを入れてもよいでしょう。

トレーニング後はできるだけ早く必要な栄養補給をし、疲労回復に努めたいもの。ブレンダ―を使える環境であれば、プロテインスムージーで必要な栄養素を補給するのも選択肢の1つです。

スムージーは、消化吸収が早く胃腸への負担も少ないため、効率よく栄養補給ができます。

プロテインスムージーにバナナやマンゴーを入れることでグリコーゲンの補給も可能です。

また、抗酸化物質(詳しくはパート3を参照)が豊富に含まれているスーパーフードを加えることで、練習後の疲労回復に必要な栄養素を摂ることもできます。

プロテインスムージー

材料(1人前)

  • アーモンドミルク 200ml
  • カカオパウダー 小さじ1
  • デーツ 1個
  • バナナ 1/2本
  • ヘンプシード 大さじ1
  • シナモンパウダー お好みで

作り方
材料全てをミキサーに入れて混ぜる。デーツはアカベシロップでも代用ができます。


ヘンプシード

いかがでしたか。

タンパク質はアスリートにとって重要な栄養素ですが、効率よく適量を摂取することが大切です。

普段から意識してバランスのとれた食事をすることは難しいかと思います。

しかし、スーパーフードは栄養価が高く普段の食事にチョイ足しができることから、タンパク質の摂取にも適した選択肢の1つですね。

次回は「抗酸化成分」のお話です。

普段の食事を勝つための食事へ スーパーフードをチョイ足ししてみませんか? Part 3 抗酸化成分のお話

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Lottie

Lottie

IIN™公認ホリスティックヘルスコーチ 日本スーパーフード協会公認スーパーフードエキスパート ACCA公認スポーツ栄養スペシャリスト 料理研究家

ホリスティックヘルスコーチは、食事・ライフスタイル・エクササイズ・ストレスマネジメント等を包括的にみて、その人に自分の課題を気づかせ、自分らしく心身ともに健康になれるようにオーダーメードのコーチングを行います。1人でも多くの人が健康で幸せになれるように日々勉強中。