アットホームな大人の空間で、ゆったりとマクロビオティックベースのベジごはんを。Manu ku(マヌクー)【月島】

月島という地名で真っ先に思い浮かぶのはもんじゃ。ですが、体に優しいお料理をじっくり味わいたいときもありますよね。

そんなときにオススメなのが、今回ご紹介するManu ku(マヌクー)です。

Manu kuとは、ハワイの言葉で鳩のこと。稲穂をくわえた鳩のイラストが目印です。

月島駅から徒歩6分の、もんじゃストリートのすぐ近くにある、マクロビオティックやヴィーガン対応の料理を提供するお店で、オーナーの岡野則子(おかののりこ)さんがお一人で切り盛りされています。

Manu kuの場所や詳細な情報はこちら

玉ねぎの甘さに感動!そのとき知った野菜と穀物の甘さが、今も美味しさの軸に。


−−岡野さんはマクロビオティックインストラクターの資格もお持ちですが、マクロビオティックとはどのようにして出会ったのでしょう?

実は10年ほど前に大病を患いました。そのことをきっかけに、いろいろと調べていくうちに、食事が大切ということに気がついたんです。知識を得ようと、本を読んだり調べたりしていて、マクロビオティックと出会いました。

それまでの私は、今とは真逆の生活をしていましたね。深夜遅くまで起きていて、パソコンの前で座りっぱなしの仕事でしたし、食生活もお肉が大好きな欧米型でした。

ですから、いきなり180度生活を変えてマクロビオティックを実践するのは難しく、まずは玄米を取り入れるところから始めました。

それから徐々に、ひじきや切り干し大根といった和食を心がけ、野菜を多く食べるようになっていったんです。

最初は身体のために頑張って食べようとしていました。ところが、ある日、あらめと玉ねぎの煮物を食べた時「玉ねぎがなんて甘くて美味しいんだろう!」と思えたんです。

それはお醤油で軽く味付けをしただけのシンプルなお料理だったのですが、私にはものすごくインパクトのある衝撃的な出来事でした。その時感じた、お砂糖ではない野菜と穀物の甘さが、今も美味しさの軸となっていると思います。

週替わりの玄米菜食プレート。季節のお野菜で丁寧にお作りしています。


−−オススメのお料理とそのこだわりを教えてください。

オススメは、週替わりの玄米菜食プレート(1,200円税込)です。

1~2週間の間に旬のお野菜は変わってきます。使用しているのは、農家さんなどから送っていただく季節のお野菜です。作った農家さんの顔が見えるもので、できるだけ有機・無農薬のものを仕入れるようにしています。

玄米は、天日干しのお米なので、お日様の味がするといいますか、機械で乾燥させたものとは全然違うんですよ。

調理で心がけているのは、根菜・葉菜・かぼちゃのような丸い野菜を使うこと、海藻・豆類・発酵食品を必ず入れることです。

さ・し・す・せ・その調味料をバランスよく使い、すべて似たようなお味にならないようにすることも意識しています。

甘い・辛い・酸っぱいといった変化や、味をしっかりつけたものと素材そのものを活かした料理など、味にメリハリをつけることに気をつけていますね。


お飲み物では、たんぽぽの根っこを洗って干して焙煎した、たんぽぽ珈琲(450円税込)が1番人気です。

メーカーによって味が大分違って、私は今までそれほど好きではなかったのですが、このたんぽぽ珈琲はすっきりしていて、とても美味しいと感じました。普通の有機珈琲もありますがそちらよりも人気があるくらいなんですよ。

ノンカフェインなので、妊婦さんや授乳中のお母さんも安心して飲めます。陰陽的にも、珈琲は体を冷やす飲み物ですが、たんぽぽ珈琲は体を温める飲み物です。女性にオススメです。

マクロビオティックに出会って経験した変化を、多くの人にお伝えしたい。


−−なぜManu kuを始められたのでしょう。

私が経験した変化を、多くの方たちにお伝えして恩返しがしたい、フィードバックしていきたいという気持ちになりました。

病気の方ももちろんですが、そうでなくともストレスをかかえていらっしゃる方や、どこか体調がすぐれない病気予備軍の方たちも、たくさんいらっしゃると思うんです。

伝える方法として何がいいかな、と考えたときに、私はどこかに出かけるよりも、自分でハウスを持って、そこを温める方が好きだと思いました。多くの人たちが来てくださる場所を作ることが、私の性に合っていると。

いつかお店をやりたいと思っていたのですが、50になるのを契機に1年かけて物件を探して、2018年4月、ついにこの場所にお店をオープンしました。

この辺りは2020年の東京オリンピックに向けて、再開発が盛んに行われていて、高層住宅などがたくさん建つそうです。ファミリー層が多く住むことになるので、30代、40代のお客様に、是非いらしていただきたいですね。

「美味しい」と感じていただくだけでいい。一つひとつの出会いを大切にしていきたい。


−−Manu kuに込められた思いについてお聞かせください。

私自身はマクロビオティックをベースとしていて、その良さをフィードバックしたいと思っています。しかし、マクロビオティックを強制するつもりはありません。

お料理を食べて、「美味しい」「体があったまるな」といったことを、ちょっとだけ感じていただけたらいいんです。

普段忙しくて3度の食事もままならない方や、ついついお菓子をたくさん食べてしまいがちな方などに対して、食べ物がどれだけ大切か、少しでも気づくきっかけとして、マクロビオティックをベースとしたお料理を丁寧にお作りしていきたいと考えています。

最近嬉しかったことは、つい先日ご結婚されたお客様が、結婚式の前日に、わざわざManu kuを訪ねて下さったんです。

その方は結婚式の準備や転職など、様々なことが重なって、とてもお疲れのご様子でした。「元気を出すために来ました!」と仰ってご飯を食べていかれたのですが、お元気になられてとてもお幸せそうでした。

お元気になられたことも、お忙しい中いらしてくださったことも、とても嬉しかったです。Manu kuをやってよかったと思えた出来事ですね。

このお店でのたくさんの出会いの一つひとつを、これからも大切にしていきたいと思います。

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岡野さんの旦那様が築地でマグロを扱っていらっしゃる関係で、いつも新鮮なマグロを使ったポキ丼もあります(1日5食限定)。ノンベジの方にはこちらもオススメ。乳製品・卵・白砂糖不使用です。


店内は白い漆喰と杉に柿渋を施したテーブルが置かれていて、とても落ち着きます。

2階には4畳半二間の和室があって、「色々な交流の場としてマヌクーが育っていければ嬉しい」と話す岡野さん。こちらは、ワークショップやイベントなどで貸し出しをしようと考えているそうです。

ご興味のある方は是非Manu kuさんまで、直接お問い合わせくださいね。

壁は岡野さん自らお友達と一緒に塗ったそうで、「たくさんの人の氣が込められて、とても暖かい場所になりました」と話されていました。

おっしゃるとおり、ほっこりとした、なんとも言えない落ち着いた空気が流れています。

ゆっくりと食事を楽しみたい、じっくりと素材の味をかみしめたい、そんなときに訪れたい、ちょっと大人の雰囲気が漂うお店でした。

※オーナーの岡野則子さんが執筆した、「しあわせこよみごはん」の記事はこちら。
食物繊維で腸の動きを活発に。身体もポカポカ温まる、人参と玄米のポタージュ~しあわせこよみごはん~

しあわせこよみごはん~食物繊維と腸について~

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

Manu kuの場所や詳細な情報はこちら

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Aya Wada

Aya Wada

アパレルの企画を20年以上経験したのち、聴く事・書く事・伝える事に興味を持ち、取材・インタビューをメインに活動するフリーライター。

体調を崩したことをきっかけに食への関心が高まり、マクロビやアーユルヴェーダなどに興味を持つ。

カラダに良いだけでなく、美味しく、気軽にできるベジ生活に憧れて、日々勉強中。