日本の田舎暮らしの良さ、サスティナブルなくらしがここにある「ブラウンズフィールド」
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サスティナブルの先駆け的存在「ブラウンズフィールド」
「ブラウンズフィールド」、そして「中島デコ」。
マクロビオティックやヴィーガンなライフスタイルをする人で、この名前を知らない人はいないでしょう。
自然との共生や自然循環、サスティナブルなど、今でこそ世界中で声を上げる人が増えています。
それよりはるか前の今から21年前の1999年に東京から千葉県いすみ市に移り住み、子どもたち、動物たち、植物や虫や鳥、すべての生き物と共に自給自足しながら共に暮らすことを目指したのが、中島デコさん。
何もなかった外房のいすみ(当時は夷隅郡)に、生き方を伝えるオーガニック村を作り上げました。
世界中から住み込みスタッフを受け入れ、共同生活をし、みんなで力と知恵を合わせて何者からも搾取せず、そして環境負荷をかけない暮らしを体験しながら学んでいきます。
自然栽培で米、麦、大豆や野菜を育て、味噌、醤油、酢などの調味料、梅干しやお茶もジャムもみんな手作り。
それからカフェや宿泊施設を運営し、ワークショップを行ったり。
21年前には母屋と田んぼと畑だけでスタートしたブラウンズフィールドも、今は「慈慈の邸(じじのいえ)」、そして空き家になった旧家をクラウドファウンディングで買い取りリフォームして作った「サグラダコミンカ」と、宿泊施設も増えてより大きなコミュニティを形成しています。
千葉県いすみ市といえば、学校給食のすべてのごはんを無農薬無化学肥料の有機米にした日本初のオーガニックタウン。
ここに移住者が増えたのも、いすみ鉄道をオーガニック列車として走らせるイベントをするなど、いすみが自然と共生する街として力を入れているのも、その牽引者はこのブラウンズフィールドであることは間違いありません。
中島デコさんの生き様に見る「足るを知る」ということ
贅沢はどこにもない、ミニマムでていねいな田舎暮らし。なのにいつもスタイリッシュで美しく、清らかでかっこいい中島デコさんはカリスマ的な存在です。
凛とし、活力に溢れ、そしてキュートな佇まいは、ナチュラル派にとっての憧れ。いつだって女でありながら、そして輝いていること。これはできそうでできないものです。
自給自足生活は楽なことばかりではありません。朝から晩まで身体を使ってすることが山積みなはず。
薪を割り、火を起こし、もみ殻を外して井戸水で玄米を炊く。掃除は、はたきをかけ、ほうきで掃いて雑巾がけをする。掃除機は使いません。
蚊帳を張って、いのちを大切に、虫は蚊であっても殺めません。都心で暮らす人々にとっては想像できない昭和30~40年代にタイムスリップしたような生活は、昭和の人間であればどこか懐かしく思えるに違いありません。
柱に染み付いた炭や、味噌や醤油の発酵の匂いがやわらかく心身を包んで生命力を呼び起こしてくれます。
住み込みスタッフのみなさんの、きらきらな笑顔とピカピカなお肌を見れば、充実している暮らしぶりであることがよくわかります。
自然界に感謝し、自然に負荷をかけない、汚さない、そのために行なわれていることたち。日々の積み重ねやひとりひとりの行動のひとつひとつが自然や環境に影響するということを都会にいる私達は忘れてしまいがちです。
ごはんをいただいた後のお皿はウエス(古着等を小さく切って汚れを拭くための布)で拭いてから洗うことで、使う水は最小限に、そして排水として流す水もなるべくきれいになります。
トイレットペーパーも流さずにためて燃やします。ちいさなことをコツコツと……どこかで聞いたようなセリフが頭をよぎりました。
身(からだ)と土は同じ
日本人に備わる”もったいない”の精神は、大量生産・大量消費、大量廃棄のサイクルの中で忘れられ、そして食料廃棄量世界一の汚名を持つようになってしまっています。
今目の前にあるものを大切にいただく。島国で四季のある日本では、稲を神様とし、五穀豊穣を祈り食材を大切に、余すことなくいただく工夫の中で、発酵や乾物、漬物などの保存食が生まれてきました。
世界が認める和食文化とは、そういった叡智と繊細な旨味であり、一汁三菜を基本にしたバランスのとれた健康的な食です。
ブラウンズフィールドでは、食卓をみんなで囲み、大皿でとりわけながらいただきます。
分かち合い、同じエネルギーのものをいただけば、おのずと心もひとつになり、信頼関係が生まれるのだと思います。これはまさに家庭でも同じこと。
今や全国の小中学生の約22万人が孤食で、1人でごはんを食べているという報道がされていましたが、本来、家族はみんな同じ釜の飯をいただくことで、絆ができるのでしょう。
5人のお子さんたちをマクロビオティックで立派に育て上げたデコさんは身をもってこれを確信しています。
「震災、そして2019年の水害、台風被害などさまざまな自然災害の時も、水があり、育てた作物や保存食があり、火が起せたから恐れはありませんでした。そして助け合える仲間がいたら怖いものはありません。その土地で採れた旬のものをいただくことで、私達もしっかりと地に足を着け、根を張って揺るがぬ強さとたおやかさが作り上げられるのです」(デコさん)
本物のFarm to table~ライステラスカフェのごはん
自然界が与えてくれる豊かな恵み。春にはたけのこや山菜やふき、秋には栗や柿などの果実類、畑で育てた作物や、手作りした乾物や保存食を使い自家製した発酵調味料を使って作るヴィーガンのごはん。
そして毎日焼き上げるおいしいVeganケーキやプリン、クッキー。目の前に拡がる緑の楽園を眺めながらいただくごはんやスイーツは至福の美味しさです。
決して色あせることのない懐かしくて新しいごはん。この日のおかずは、自家栽培の大豆のファラフェル。芳醇な甘さと美味しさが口いっぱいに拡がり、大豆ってこんなに美味しかったかしら?と思うほど。
畑から摘んできたパクチーの可憐な白いお花がとってもかわいらしく、大豆ファラフェルの上に飾られていて、さらにテンションが上がります。
デザートは敷地内で採れた野生のよもぎを使った米粉のパウンドケーキ。豆腐クリームが添えられています。さわやかな香りと美味しさ、野草の生命力にからだが喜ぶ感じです。オリジナルのプレートやカップも土と手作りのあたたかさが感じられます。
薪が積まれ、秋の稲刈り後は稲穂がはざかけされたり、干し柿がつるされる、そんな季節の移ろいを楽しめるカフェ。
店内は靴を脱いで上がり、寛いだり、テラスでは農園のカエルの合唱や鳥のさえずりを聞きながら、ひと口ひと口を大切に味わいたくなる、そんな場所がここにはありました。
生きる知恵があれば何があっても大丈夫
ブラウンズフィールドで住み込みをしていた人の中には、今や世界で大きな活躍をしている人も大勢います。
ここで身に付けた、筋の通った自然をリスペクトする生き方、いのちを尊重した素材を最大限に生かす料理、モノづくり、アート、それぞれの表現とフィールドでブラウンズフィールドの魂を繋いでいます。
いつか移住して田舎暮らしをしたいけれど、便利な生活に慣れてしまっている自分にできるのだろうか?という人、もしくは月に一回でも命の洗濯をしに自然に帰りたい!などと思われる人はぜひ、東京から2時間で行けるブラウンズフィールドへ足を延ばしてみてください。
移住のためのステップとして、ここにきて住み込み体験をするのもおすすめです。また、月一の通いでリフレッシュを兼ねてサスティナブルな暮らしを総合して学べる「サスティナブルスクール」もあります。
毎年人気ですぐに予約で埋まるサスティナブルスクールは、田植え、稲刈り、梅干しづくり、味噌づくりなど一年の営みを月一回通いで学ぶことができます。
また、なかなか遠くていけないけれど、ブラウンズフィールドを感じてみたい人には、その時期の旬の味覚や手作りがぎゅっと詰まった「季節のお届け便」も不定期で頒布されていますので、SNSでチェックしてみてくださいね!
次世代に繋いでいきたいことや、じんわりするような懐かしさと温かさを感じる時間、大切なことや本当の豊かさに気づく場所がここにあります。
日々の生活をムダにせず、大切にする暮らしこそが、かっこいい。そう確信できる場所です。
「Brown’s Field(ブラウンズフィールド)」
住所:千葉県いすみ市岬町桑田1501-1
TEL:0470-87-4501
http://brownsfield-jp.com/
「ライステラスカフェ 」
営業日時:金、土、日、祝日 11:00-17:00
中島デコ
ブラウンズフィールド主宰。マクロビオティック料理研究家。
16歳でマクロビオティックに出会い、23歳で結婚を機に実践。自宅で料理教室をはじめる。5人の子供を育て上げた経験に基づく料理とマクロビオティック指導が多くの支持と共感を得る。1999年に千葉県いすみ市に移住。田畑付き古民家スペースの「ブラウンズフィールド」を主宰し持続可能な自給的生活を目指す。ブラウンズフィールド内に週末カフェ「ライステラスカフェ」、イベント宿泊施設「サグラダコミンカ」、ナチュラルオーベルジュ「慈慈の邸」をオープン。国内外でイベント、講演会やマクロビオティック料理講師として活躍中。著書に『ブラウンズフィールドの丸いテーブル』〈ブラウンズフィールド〉、『中島デコのマクロビオティック』シリーズ〈パルコエンタテインメント事業局〉、『生きてるだけで、いいんじゃない』〈近代映画社〉など多数。
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