アーユルヴェーダで使われるオイルの効能と作り方を解説!

更新日:2023/08/03 公開日:2023/07/24

一人ひとりの体質や個性に向き合うアーユルヴェーダでは、人や環境によって合うオイルが変わってきます。

しかし、アーユルヴェーダの根本となる考え方自体はとてもシンプル。必要なオイルを揃えたり、セルフケアをしたりすることは、意外と難しくありません。

この記事では、アーユルヴェーダの考え方や、体質に合ったオイルの種類、マッサージによるセルフケア方法を分かりやすく紹介しています。

日常にアーユルヴェーダを取り入れたい人は、ぜひ参考にしてください。

アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダで取り入れられる素材
アーユルヴェーダは、紀元前1,000年頃にインドで発祥した、世界3大医学のひとつです。

アーユルヴェーダの考えでは、自然界は5つの元素(空・風・火・水・地)から成り立っています。

そして、人の体は、この元素を3つに分類した「ドーシャ(体質)」というエネルギーを有しています。

  • ヴァータ:空と風の性質
  • カパ(カファ):水と地の性質
  • ピッタ:火と水の性質

ドーシャは、3種類とも全ての人に内在しており、状況や体調によって日々バランスが変化します。

そのため、日々自分の体調や内面を見つめながら、適切なケアをする必要があります。

アーユルヴェーダで使うオイルの効果と選び方

オイルを使ったアーユルヴェーダマッサージ
アーユルヴェーダでは古くから、病の治療やドーシャのバランス調整に、オイルが使われてきました。

オイルの種類は、無塩バターから作られる「ギー」をはじめ、ハーブやスパイスを使ったものなど、さまざまです。

ここでは、アーユルヴェーダにおけるオイルの効能やドーシャ(体質)に合わせたオイルの選び方を紹介します。

オイルの基本的な効能

アーユルヴェーダにおけるオイルは、食用だけでなくマッサージとしても使われています。

食用の場合は、食材と合わせて食欲を増進させる効果、腸内のすべりを良くして便通を促す効果、ビタミンを取り入れることで若々しさを保つ効果、などが期待されています。

マッサージに使用する場合も同様の効能が期待できるのに加え、マッサージによる血行促進効果、疲れを和らげ睡眠の質が上がる効果なども期待できるでしょう。

体質にあったオイルの選び方

アーユルヴェーダでのオイルは、そのときのドーシャ(体質)に合ったものが良いとされます。

  • ヴァータ:セサミオイル
  • カパ(カファ):セサミオイル
  • ピッタ:ギー、ココナッツオイル

セサミオイルには体を温める働きが、ギーやココナッツオイルには体をクールダウンさせる働きがあります。

現在の自分の体質がどのドーシャ(体質)に偏っているかは、こちらの記事でセルフチェックしてみてくださいね。

アーユルヴェーダを日常に。〜心身を幸福に導くインドの伝統的な生命科学を知る〜」

これらのオイルの中から、次章では主要なオイル2種類を紹介いたします。

オイルの種類①:パーフェクトオイル「ギー」

瓶に入ったギーとスプーン
「ギー」とは、無塩バターで作られる、不純物が含まれないオイルです。バターを加熱し、全ての不純物を取り除くことで、純粋な100%のオイルを抽出することができます。

ギーの発祥の地であるインドでは、世界でもっとも牛が多く暮らしています。牛は、インドの人にとって神聖かつ身近な存在です。

昔から牛との結びつきが強いインドでは、植物油と並んで長年にわたってギーが重宝されてきました。

ギーのもつ特徴やアーユルヴェーダにおける効能、現地での使い方などを見ていきましょう。

特徴

ギーの特徴は、その栄養価にあります。

ギーには乳脂肪の脂質だけでなく、ビタミンA・Eやリノール酸、中鎖脂肪酸などが含まれます。

アーユルヴェーダでは、ギーは記憶力や知力、活力を増やし、疲労や毒素を取り除く優れたオイルとして、古くから取り入れられてきました。

使い方・注意点

インドでは食用として一般的なギーは、その高い保湿力から、薬用クリームの原料としても使われます。

また、さまざまな栄養成分が含まれるため、マッサージオイルや目のケア、パックなど、美容アイテムとしても広い用途を持っています。

オイルの種類②:人気の「セサミオイル」

セサミオイルと白胡麻
セサミオイルとはごま油のことで、アーユルヴェーダでは「すべてオイルの王」と言われ、万能なオイルとして重宝されています。

ごま油と聞くと、強いごまの香りや茶色い色を想像するかもしれませんが、アーユルヴェーダで使用するものは、無色透明でごまの香りが少ないものです。

ここでは、アーユルヴェーダで使われるセサミオイルの特徴や、マッサージやトリートメントで使う際の手順、注意点を紹介します。

特徴

アーユルヴェーダで使われるセサミオイルは、「太白ごま油」です。

一般的なごま油はごまを炒って作るため、ごまの香りと茶色が特徴的ですが、太白ごま油はごまを炒らずに生のまま搾るので、香りと色がありません。

また、セサミンなどのごま特有成分が含まれており、抗酸化作用が期待できます。

もちろん、美容だけでなく、料理用の油として使うことも可能です。

材料・作り方

セサミオイルは、使う前に加熱(キュアリング)が必要です。

加熱をすることで、皮膚への吸収率や抗酸化作用が高まると言われています。加熱の手順は次の通りです。

1.土鍋や厚みのある鍋に太白ごま油を入れ、弱火でゆっくりと加熱する。

2.90℃程度に達したらすぐに火を止めて冷ます。

3.冷めたら光を通しにくい容器に入れて冷暗所で保存する。

使い方・注意点

前述した通り、アーユルヴェーダでセサミオイルを選ぶときは、ごまを炒らずに作っている「太白ごま油」を選びましょう。

また、油は加熱後すぐに温まるため、火加減には注意が必要です。

さらに、加熱直後の油は火傷の原因になるため、必ず冷ましてから使うようにしてください。

ごま油が合わない人は

ごま油は体が冷えやすい人にはおすすめですが、中にはごま油を塗ると汗をかきやすくなる、顔が赤くなるという人もいます。

ごま油が体質に合わない人や、ごまアレルギーがある人は、米油など、他の植物性油を使うことも可能です。

身体の部位ごとのマッサージ方法

足をマッサージする女性
オイルを使ってアーユルヴェーダマッサージをする場合は、次のポイントを意識してみてください。

  • 500円玉程度のオイルを手のひらにのせ、両手で擦り合わせて使う
  • 手のひらを全体に密着させて少し早く動かす
  • 手のひらのオイルが乾いてきたら、補充する

使う直前に手のひらで人肌温度に温め、マッサージの動作を少し早くすることで、肌内部にオイルが浸透しやすくなります。

ただし、食事の直後、胃もたれや便秘などの体調不良時、生理中や妊娠中のオイルマッサージは控えるようにしてください。

ここからは、部位別のマッサージ方法を紹介します。

耳はヴァータの座(スポット)とも言われる、冷えや風邪につながりやすい場所です。

体を温めたいときは、意識してケアしてください。

1.両手に小さじ1程度のオイルを塗る

2.両手で耳の付け根をつかみ、後ろ向きに引っ張りながらまわす(各5回)

3.耳をつかみながら、付け根から外側へ平らになるようにしごく。上・中・下に分けて3回ずつ行う

4.耳穴や耳の内側全体に人差し指をはわせ、全体にオイルをすりこむ

頭皮・髪の毛

頭は自律神経を整える場所です。シャキッとしたい朝や疲れた夜に行い、心身をリセットしてあげましょう。

頭皮にオイルを刷り込むことを意識するのがポイントです。

オイルをつけすぎると、頭皮や髪の毛がベタつきやすいので、注意してください。

1.手のひらにオイルをとり、頭のエネルギーポイント(眉毛の上から指8本分上のあたり)にオイルをすりこむ

2.両手の指の腹を髪の生え際にあてて、前から後ろに、頭頂に向かってマッサージする

3.後頭部に指先の腹をあてて、上から下に向かって同様にマッサージする

手足

手足のマッサージは血行促進を助けます。手先や足先が冷えやすい人は、定期的にマッサージを続けることで効果が期待できます。

【手の場合】
1.手のひらにオイルを数滴たらして、こすりながら温める

2.温めたオイルを手の甲から手のひら、指先、爪に塗っていく

3.手の甲の骨と骨の間をマッサージしていく

4.指は、関節のまわりでくるくる円を描いてマッサージする

5.親指と人差し指の間の水かき部分を、もう一方の親指と人差し指で挟んで押す

6.反対の手も同様に行う

【足の場合】
1.右手で、右足の付け根から足首まで、上から下に向かってマッサージする。足の後ろ、前、内側、外側の順に行う

2.右膝に右手全体を当て、内側から外側に向かって円を描くようにオイルをすりこむ

3.右足の指に右手をあて(足の甲側)、端から中心に向かって(小指、親指、薬指、人差し指、中指の順)指1本ずつにオイルをすりこむ

4.右足裏を、かかとから指に向かって、3と同じ順にマッサージする

5.左足も同様の手順で行う

オイルトリートメント後のお風呂もおすすめ

アーユルヴェーダでは、バスタイムを使ったオイル入浴法があります。

オイルトリートメントをしてからお風呂に浸かることで、体を温め発汗させ、オイルの吸収を良くして、体内の不要なものを排出できると言われています。

バスタイムは呼吸が深くなるため、リラックス効果も高まります。

アーユルヴェーダオイルをデイリーケアに取り入れてみよう

ソファでリラックスする女性
アーユルヴェーダのオイルマッサージは、ポイントを押さえれば、専門のサロンではなく自宅で自分でできるケア方法です。

できれば、毎日決まったタイミングでケアできるのが理想ですが、難しければ週末や決まった曜日からはじめても良いでしょう。

アーユルヴェーダで大切なのは、自分の心身が満たされているか、内面を見つめ続けること。心身のバランスに応じて、日常の中に取り入れてみてくださいね。

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