甘酒に含まれるアルコールはどれくらい?度数や種類について解説

更新日:2023/10/16 公開日:2023/06/18

甘酒には、名前のとおりアルコールを含んだものがあります。

酒類と比べると量は少ないため、とくに厳しい法律や制限はありませんが、アルコールを含んでいるために飲まない方がいい方や、運転などで注意すべき場面があることを覚えておきましょう。

この記事では、甘酒に含まれるアルコール度数のほか、アルコールの入った甘酒が向かない方や、おすすめの甘酒を紹介しています。アルコールの有無や飲んでも大丈夫か不安がある方は、ぜひ最後までお読みください。

甘酒にアルコールは含まれている?

白い器に入った甘酒
甘酒には、大きく分けて2種類があります。

・酒粕で作られたもの:微量のアルコールが残る
・米麹で作られたもの:アルコールが含まれない

これらの甘酒は、どちらも米を主原料とし、発酵して作られますが、酒粕由来のものは微量のアルコールを含むのに対して、米麹由来のものはアルコールを含みません

また、日本の酒税法では、アルコール分1度以上の飲料を「酒類」と定義していますが、酒粕甘酒は基本的にアルコール度数1%未満のため、酒類には分類されません。

そのため、市販の酒粕甘酒を飲んで酔うということはまず考えにくいです。しかし、極端にアルコールに弱い方や、アルコール度数が低いと言い切れない手作りの甘酒を飲む方は、注意が必要です。

アルコールを摂取したくない方は、アルコールが含まれない米麹の甘酒を選ぶ必要があります。

酒粕甘酒と米麹甘酒は作り方が異なるため、アルコール度数だけでなく、風味や栄養価もそれぞれです。

次章では、双方の特徴や違いを解説しているので、参考にしてください。

甘酒の種類と特徴・飲む量の目安

陶器に入った酒粕甘酒とお皿に乗った酒粕
米麹甘酒と酒粕甘酒は、甘みの成分アルコールの有無含まれる栄養成分が異なります。両方の特徴を知った上で、そのときに合った甘酒を選ぶといいでしょう。それぞれの特徴を詳しく解説するので、参考にしてください。

米麹甘酒

米麹甘酒は、蒸した米に米麹を混ぜ合わせ、60℃前後の温度で発酵させて作られたものです。冬場に酒造りの最盛期を迎える酒蔵が、閑散期である夏の商売として作っていたとも言われます。

米麹甘酒は、アルコールを含んだ原材料を使っておらず、発酵過程でアルコールが発生することもないため、どんな方でも飲めるのが特徴です。発酵によって米のデンプンがブドウ糖に変化することで、ほのかなやさしい甘みが感じられます。

米麹甘酒には、ビタミンB群・必須アミノ酸・食物繊維などが含まれています。

酒粕甘酒

酒粕甘酒は、日本酒の製造過程で発生する酒粕を原料にしています。酒粕とは、日本酒の原型となる「もろみ」を搾って、日本酒となる液体を抽出したあとに残ったものです。

酒粕には8〜9%程度のアルコールが含まれますが、甘酒として飲む場合は、水や湯で溶かして約80℃で加熱するため、アルコール分はほとんど飛んでしまいます。飲みやすくするために、砂糖などを加えることが多いです。

酒粕甘酒には、たんぱく質・食物繊維・ビタミン類・ミネラルなどが含まれています。

1日あたりの摂取目安量は?

甘酒の摂取目安量はとくに決まっていませんが、1日200g程度(缶1本相当)が良いでしょう。

微量のアルコール量でも、飲み過ぎはアルコールの摂りすぎにつながります。また、甘酒は糖質が多いため、食事バランスの面でも必要以上に飲み過ぎるのはあまりおすすめできません。

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アルコールを含んだ甘酒が向かない人は?

車を運転する女性
アルコールを含んだ甘酒が向かないのは、次のような方です。

・妊娠〜授乳期の女性や小さなお子さん
・アルコールに弱い体質の人
・自動車などの運転手
・信仰上の理由などでアルコールを摂らない人

当てはまる方は、原材料表示をしっかり確認するなど、工夫する必要があります。

それぞれ具体的にみていきましょう。

妊娠〜授乳期の女性や小さなお子さん

妊娠〜授乳期は、アルコールを含んだものは極力避けるようにしましょう。

妊娠期にアルコールを摂取すると、胎盤を通じておなかの赤ちゃんに入り、発育に影響を与えてしまう恐れがあります。また、授乳期も母乳を通じてアルコールが赤ちゃんの体内に入るため、注意が必要です。

未成年の子供も、肝臓でアルコールを分解する能力が未発達なため、アルコールはおすすめできません。甘酒そのものはアルコール度数が非常に低いですが、可能であれば米麹のようなアルコールを含まない甘酒を選ぶようにしましょう。

アルコールに弱い体質の人

アルコールに弱い体質の方も、アルコールを含んだ甘酒には注意を払う必要があります。

酒粕甘酒は加熱でアルコールを飛ばしているため、含まれるアルコールは微量です。しかし、酒粕に含まれたアルコールを完全に取り除くことは難しく、アルコールに敏感な体質の方は、酔いがまわったり、体調が悪くなったりする可能性もあります。

また、普段お酒を飲む方でも、体調が優れないときは無理に飲まない、あるいはごく少量に抑えるように心がけましょう。

自動車を運転する人

自動車などを運転する場合、甘酒で酒気帯び運転につながる可能性は低いものの、いくつか注意すべき点があります。

行政で酒気帯び運転とみなされるのは、次のような場合です。

・呼気中アルコール濃度が0.15mg/l以上の場合

アルコール濃度0.15mg/lというのは、ビール中瓶1本(アルコール濃度5%、500ml)の飲酒に相当します。

酒粕甘酒のアルコール濃度は1%未満のため、酒気帯び運転として取り締まりを受ける可能性は少ないかもしれません。しかし、酒気帯び運転の基準に満たなくても、アルコール摂取が運転時の注意力低下などに影響することが分かっています。

そのため、運転をする方は飲む量を控えめにする、アルコール度数がわからない手作りの甘酒は控えるなど、注意が必要です。

信仰上の理由でアルコールを摂らない人

信仰を理由に、アルコールを摂取しない方もいます。

具体的には、イスラム教では禁酒の考えがあるため、アルコールを含んだ飲料や食品を控える方が少なくありません。また、ヒンドゥー教でも飲酒は好ましくないと考えられています。さらに、仏教でも「五戒」と呼ばれる規範の中に「不飲酒(ふおんじゅ」が謳われており、一部地域では禁酒をする人たちも存在します。

日本では文化的に酒類は身近な存在ですが、地域や信仰によっては、少量のアルコールも摂取しない厳格な方もいます。大勢の場で甘酒を振る舞う場合は配慮が必要です。

アルコールが飲めない人向けの甘酒の飲み方

米麹甘酒とますに入った白米、穂
アルコールが飲めない方が甘酒を飲む場合は、米麹甘酒を選んだ方がいいでしょう。

先ほどもお伝えしたように、酒粕甘酒に含まれたアルコールを完全に飛ばすのは難しく、どうしてもわずかに残ってしまいます。

酒粕甘酒のアルコール度数は、酒類よりもずっと低いため、問題ない方は飲んでも構いませんが、体質的に苦手な方や不安がある方は、無理に飲む必要はありません。

また、人に振る舞う場合は、誰でも飲める米麹甘酒を出すのが無難です。

まとめ

グラスに入った冷やし甘酒
甘酒には、アルコールを含む酒粕甘酒と、アルコールを含まない米麹甘酒があります。

酒粕甘酒のアルコール量は酒類と比べて微量なので、体質や状況に問題がなければ飲んでも問題ありませんが、アルコールが苦手な方や子育て中の方が飲む場合は、米麹甘酒を選んだ方が良いでしょう。

大勢の場で甘酒を提供するときは、アルコールへ配慮し、米麹甘酒を選ぶのが無難です。記事を参考にしながら、場面に応じて甘酒を楽しんでくださいね。

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