東京都庁食堂でベジメニューが食べられる!食の多様性を東京の中心から。【東京都庁第一本庁舎32階職員食堂・東京都】

東京に住んでいても知らない人が多いのでは?

東京都のランドマーク・東京都庁。その中にある「東京都庁第一本庁舎職員食堂(以下、都庁食堂)」、一般の方も利用が可能なんですよ!

増え続ける外国人観光客や食制限への対応から、都庁食堂では2018年10月より毎週月曜日にベジメニュー(動物性食材不使用・ヴィーガン)の提供を始めました。

さらに、野菜小鉢などのベジ仕様の単品メニューが毎日提供されており、食制限のある方も安心して美味しいご飯を食べられます。

地産地消・フードロスにも取り組み、東京都を訪れる方への情報発信の場にもなっている、都庁食堂の魅力に迫ります。

そして、今回ベジメニュー導入に至った経緯を、東京都人材支援事業団の八嶋さんと、運営会社ユーレストジャパン株式会社の竹村さんにお伺いしました。

地上142m、東京都を一望しながらお食事を。

東京都庁には展望室があり、富士山や東京スカイツリーといった東京の眺望を楽しめます。展望室に行った後に都庁食堂でランチを取るという観光客の方も多く、国内外の多くの方で賑わっています。

お伺いした日も、外国人の方やベビーカーを押したママさん達の憩いの場となっていました。

都庁食堂があるのは第一本庁舎の32階。一般の方は入り口で手続きをしてから向かいます。


メニューは30品近くあり、蕎麦一つをとっても、稲庭風や茶そばなど、豊富なバリエーション。和洋中味わい豊かで、東京都産の食材を使用したメニューも多数!いつ訪れても飽きることがありませんね。


ベジメニューがあるのは北側コーナー。「ヘルシーランチ」のカテゴリーの中で、週1回月曜日のランチ営業時(11時30分~14時00分)に提供されています。お値段は600〜700円台(税込)。

アレルゲンの表示もバッチリでわかりやすいので、アレルギーの方にも喜ばれますね。

注文は、券売機で食券を購入するスタイルです。


注目して欲しいのは、こちらのアラカルトコーナー。小鉢やサラダがずらりと並んでいますが、「VEGAN」の表記が。アラカルトコーナーでは、毎日ヴィーガンメニューを提供しているんです。

もちろんドレッシングも、いつでもヴィーガン!

サラダを食べようと思っても、卵黄や動物性のエキスがドレッシングに入っていて食べられないことがよくあるので、これは嬉しい!


「海藻のわさび和え」や「カリフラワーのマリネ ゆず風味」など、どれも美味しそう!ライスと組み合わせることで、自分好みに定食をカスタムして楽しめます。

ベジ・メニューは完売続出!?気になるメニューは?


この日のベジメニューは「揚げ豆腐と野菜の和風あん」。

揚げ出し豆腐は外はカリッと、中はふわふわ。物足りなさがありません!揚げ出し豆腐には欠かせないつゆも、カツオなどの動物性出汁を使わずに、上品に仕上げています。

きのこで出汁をとったスープは旨味たっぷりでもう絶品!おかわりしたいほどでした。


メニューはこの他に、「大豆ミートのガパオ」、「大豆ミートの回鍋肉」、「茄子の蒲焼き丼」などがあるそうです。どれも食べてみたくなるものばかり。

小池百合子都知事もベジメニューを召し上がったそうですよ!


遠くまで広がる、ビル群。東京の街並みを見渡しながらのランチもいいですね!

「ただ食べるだけではなく、発信の場」として。


「2020年に向けて諸外国の方々がいらっしゃるということで、東京都として、食の多様性の面から様々な方にメニューの提供ができるように始めました。」

と、ベジメニュー導入のきっかけをお話いただいた東京都人材支援事業団の八嶋さん。(写真左から事業団:村上さん、八嶋さん/ユーレストジャパン:竹村さん、長谷川さん)

食堂の運営会社であるユーレストジャパン株式会社の竹村さんは(写真右から2番目)、お客様の反応について、

「全体で700食のうち、ベジメニューは1日60〜80食用意しますが、ほぼ毎回完売です。値段がヴィーガン専門店より安いのでお求めやすく、大豆ミートや豆腐でボリュームがあるので男性の方もよく召し上がっていますね。」

と語り、ベジメニューが多くの方から好評なことがうかがえます。


食堂では、フェアトレードコーヒーの販売や、エコ・環境に関する取り組みなども行われています。

環境局の指導の下、喫茶コーナーでは、プラストローに代わり、紙ストローを試用したことも話題になりました。

「東京都として環境政策に重点を置いていますので、それを受けて、食堂でも都の政策的事業に協力しています。

『チームもったいない』にも登録し、毎週2、3回規格外の野菜を使用したメニューを展開しています。

下支えではないですが、食はみなさんにとって身近なので、そこを通じて、『こういう政策もあるよ』と、職員や一般の方、都民に向けて啓発・発信しています。この活動によって、みなさんと東京都が繋がればと思っています。」(八嶋さん)


2020年に向けての取り組みとしては、グローバルギャップ(オリンピックの選手村で提供される食材に必要な食の安全基準。)を取得した食材を使ったメニュー提供も企画。

既に東京都内の農家さんが認証を受けたタイミングで、地産地消をPRしたイベントランチを提供しました。

ただの「食べる場所」ではなく、「発信の場」でもあるからこその取り組みですね。

東京都の政策を受けて、事業団と事業者さんが協力しあい、官民が一丸となって運営しているのが伝わりました。

今後、利用者の声を聞きながらメニューのラインナップを増やしていきたいとのことです。観光の方も、都民の方もぜひ訪れてもらいたいおススメの場所です!

//////////≪あとがき≫//////////////////////

ポール・マッカートニー氏は「ミート・フリー・マンデー(MEAT FREE MONDAY)」として、週に一日だけ菜食を実践すること」を提唱し、地球温暖化を食い止め、かけがえのない資源を守ることにつながるとしています。

都庁食堂の取り組みが、都民だけではなく全国的に広がっていけばいいですね。

日本でポール・マッカートニー氏のミートフリーマンデーの活動を展開するミートフリーマンデーオールジャパンの詳細はこちらから。
http://www.meatfreemondayjapan.com/
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※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

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岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガンフードアナリスト®︎
ベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなどヘルシーな食のフードライターとして活動。 保育士経験から子供たちの未来を守るため、オーガニックや自然栽培など食の安全にも取り組む。インバウンド対策やアレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するセミナー等も開催。自身も10年以上のヴィーガン。 メディア出演:The Japan Times、日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」、チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」等。