肌トラブル解決には肺・大腸~しあわせこよみごはん~

更新日:2019/10/01 公開日:2019/10/05

陰陽五行でお肌と関連する臓腑は肺と大腸です。(下記の五行配当表をご参照ください。)中医学でいう肺は、臓器としての肺だけでなく呼吸器系の働き全般を指します。

五行に対応する五臓と五腑は表裏関係にあります。金に対応する肺と大腸も表裏関係にあり、どちらか一方の調子が悪いともう一方も悪くなるということが起こるのです。

そのため、意外かもしれませんが、古くから肺(呼吸器系)疾患を治療するために、大腸を整えるという方法があります。

五行(木・火・土・金・水)のそれぞれの要素は互いに影響し合っているため、単純に肺と大腸だけというわけではありませんが、お肌のトラブルを解決するために最初に着目して対応すべきは肺と大腸といえるでしょう。

〜五行配当表(一部をご紹介)〜

五行
五臓
五腑 小腸 大腸 膀胱
五季 土用
五色 青(緑)
五味
五官
五主 血脈 毛・皮

アレルギー症状の主な原因は??


陰陽五行で秋に関連する臓器の肺・大腸には、リンパ管が網の目のように張り巡らされていて、私たちの60兆個の細胞から出た老廃物や二酸化炭素を排泄しています。

リンパ管には免疫細胞が集中しているため、そのリンパ管が滞って目詰まりを起こすと、排泄しなければならない老廃物などが流れず肺や大腸に溜まってしまいます。

その結果、免疫力が低下して不調の原因となるのです。また、肺や大腸で処理しきれない老廃物が、アレルギー症状や炎症といった形で皮膚に現れてしまうこともあります。

リンパ管の滞りを招く原因は、「あぶら(常温で固体のものを『脂』、常温で液体のものを『油』と使い分けることが多いようです)のとり過ぎ」と言われています。

動物性であっても植物性であっても、あぶらの摂り過ぎには注意したいものです。それでもやっぱり食べたい、やめられない、ということはありますよね。

そんな時は、食べたものを完全に消化させてくれる消化酵素のある食材を一緒に食べ合わせたり、すでに体内に溜まったあぶらを溶かしてくれる食材を摂ったり…と、これまでの連載でご紹介した関連する内容やレシピをぜひご活用くださいね。

※こちらの記事も合わせてご覧ください
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しあわせこよみごはん~腸と体を整える食事バランス~

肌を丈夫にする食材は?


陰陽五行では色では白、味では辛味の食材が肺や大腸を養います。

白といっても、白米や白いパンなどの精白製品にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が除かれてしまっていますので、玄米や部付き米、全粒粉のパンなどを積極的に摂りたいですね。

乳製品にも白のイメージがあるかもしれませんが、乳製品には日本人にとって分解しにくいと言われているタンパク質や油分が含まれています。肺や大腸のリンパ管を詰まらせ、アレルギーを引き起こす原因となりますので、なるべく控えたい食材です。

ここでいう「白」くて「辛」い代表的な食材は、大根・生姜・ねぎ・玉ねぎで、皮膚にトラブルがある場合には特におすすめです。

これらの野菜に含まれる自然でやさしい辛味は、毛穴の掃除をして呼吸器の働きを高めてくれます。根のある野菜でもありますので、大腸の働きを活発にする食物繊維か豊富です。

大根に含まれるジアスターゼという酵素やネギ類に多い硫化アリル、ビタミンBには整腸作用があり、大腸の働きを促進します。

辛味というとスパイスが思い浮かぶかもしれませんが、皮膚トラブルがある場合は注意が必要です。辛味の強い刺激性のある食べ物の常食は大腸を弱め皮膚の炎症を招いてしまいます。

スパイスの代わりに、やさしい辛味を料理に活用しましょう。また、秋・冬の時期におすすめの調理方法である「時間をかけた調理」を行うことで、辛みが甘みに変わり優しい味わいとなります。

今回ご紹介するのは、ねぎ味噌。マクロビオティックでは基本的な常備菜で、動物性たんぱく質の消化を促進します。

空気が乾いて風邪が流行り始める季節。血行をよくする成分や殺菌力のあるねぎ、からだを温めたり造血作用に優れたた味噌は、風邪にもおすすめです。

また、ねぎ味噌は、呼吸器系を浄化する代表的なメニュー。身近な材料で簡単に作れて日持ちします(冷蔵庫で一週間程度)。食養生としては、毎食小さじ1杯ずつ、ご飯に添えていただきます。

ねぎにじっくり火を通すことで辛味が甘みとなり、その甘さと味噌の旨味がよくあう滋味深い味わいです。ごはんのお供、おむすびの具材にはもちろん、お湯で溶けば即席で味わい豊かなお味噌汁にも。

ほかの料理へ展開ができますので、今回はその展開料理もあわせてご紹介します。

ねぎ味噌のレシピ


【材料(作りやすい分量)】

  • 長ねぎ 中3本
  • 味噌 大さじ1.5(体調、好み、季節に応じて。すべて麦味噌でも、麦味噌と豆味噌を半々でも)
  • 水 味噌と同量
  • ごま油 小さじ1

【作り方】
① ねぎを洗う。特に青と白い部分の境目は土が残らないように丁寧に洗う。ひげ根がついていれば捨てずによく洗う。

② ①を1m m幅の小口切りにし、青い部分と白い部分に分ける。ひげ根はみじん切りにする。

③ 厚手の鍋をあたため、油を入れ鍋の全体に行き渡らせる。ひげ根を入れて中火で炒める。鍋の奥側に寄せて、手前の空いたところにねぎの青い部分を入れて軽く炒める。軽く火が通ったら、ひげ根と混ぜて炒める。

④ ③がしんなりしてきたら鍋の奥側に寄せて、手前の空いたところにねぎの白い部分を入れて軽く炒め、 上にねぎの青い部分をかぶせて少しおいてから、全体を合わせて炒める。

⑤ 水を加えて蓋をして弱火で蒸し煮する。
⑥ ねぎによく火が通り、甘いにおいがしてきたら、味噌をのせて蓋をして汁気がなくなるまで煮る。
⑦ 汁気がなくなり、味噌がふわっとしたら、全体をあわせて水分を飛ばして仕上げる。

展開料理①里芋のねぎ味噌和え


【材料(2人分)】

  • 里芋 4個
  • ねぎ味噌 大さじ1

【作り方】

① 里芋はタワシか布で洗い、皮ごと蒸す。蒸気のあがった蒸し器に里芋を入れ、竹串がすっと通るようになるまで15分ほど蒸す。

② 蒸し上がった里芋を、むきやすいよう天地を少しだけ切り落としてから皮をむく。

③ 皮をむいた里芋を一口大の大きさに切り、ねぎ味噌で和える。

お好みで、ねぎ味噌に白練りごまやオリーブオイルを混ぜて和えてもコクが出て美味しいです。

展開料理②椎茸のねぎ味噌詰め焼き


【材料(2人分)】

  • 椎茸 4枚
  • ねぎ味噌 大さじ1
  • すり白ごま 大さじ1
  • 油 小さじ1/2

【作り方】

① 椎茸はかさと石づきを切り分ける。石づきはみじん切りにする。

② 鍋かフライパンに油を入れてあたため、石づきを炒める。しんなりしたら火から下ろして、すり白ごま、ねぎ味噌と合わせる。

③ ②を椎茸のかさに詰める。

④ フライパンをあたため、③の椎茸の表面を下にして蓋をして弱火でじっくり蒸す。(椎茸の水分で蒸されます)10−15分ほどして椎茸が一回り小さくなり、火が通るまで蒸したらできあがり。

大腸と深い関係のある皮膚と同じ形容をした食材は皮付きの食べ物の話です。玄米の糠や小麦のフスマ、根菜類の皮には、潤い成分があり皮膚トラブルに有効です。

他にも、ご飯・お味噌汁・煮物・おひたし、といった水分をたっぷり含んだ食事に切り替えると皮膚に艶や潤いが戻ってきます。

お菓子では蒸したもの、葛や寒天などを用いた水気を含むものがおすすめです。

空気の乾きが気になり始める季節。乾燥に負けない、内側から潤うお肌を目指して積極的に取り入れていきましょう。

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五十嵐有希

五十嵐有希

リマクッキングスクール師範科修了
KIJ レベル1修了
一般社団法人内臓マッサージ協会認定セルフチネイザン講師、チネイザンマスターコース修了、カッサセラピスト
全米ヨガアライアンス200時間修了
Under the light認定ヨガインストラクター
経絡YOGA指導者

ヨガを通してマクロビオティックに出会う。食が体だけでなく心もつくることを実感し自然に寄り添う生き方や日本の伝統的な文化を大切にしたいと思うようになる。脱ステロイドによる皮膚炎を克服し、マクロビオティックを学ぶ中でチネイザン(氣内臓)に出会い、内臓へのアプローチで心身の安定や人生の巡りが良くなることを実感。対個人のチネイザン施術やセルフチネイザンを伝えるワークショップを通して幸腹(こうふく)を分かち合う活動を行っている。ヨガの指導、マクロビオティック普及を目的としたResetプロジェクトのメンバーとしても活動中。