秋は根菜パワーですっきり鼻づまり解消!~しあわせこよみごはん~

更新日:2019/09/30 公開日:2019/10/03

秋に多い咳・鼻炎・鼻づまり。

秋は、陰陽五行では金のエネルギーに当たり、その関連臓器に当たる肺・大腸の症状が出やすくなります。特に、もともとこれらの臓器の弱い人はなおさらです。

残暑厳しい9月を経て、急に気温が下がりはじめるここ最近の秋は、気温差が激しく気候も不安定。体調を崩し鼻や呼吸器の症状に悩まされる人も多いのではないでしょうか?

マクロビオティックでは、病気や不調は生命(=身体)からの教えと捉えます。

「悔い改める」ではなく、「食い改める」チャンスです。

私はマクロビオティックに出会い、苦しかった鼻炎、風邪をひいた後の副鼻腔炎、花粉症による、子供の頃からの耳鼻科通いから解放されました。

今日はその食べ方と対処法、今なおこれらの症状に苦しんでいる人にもおすすめの、おいしくて簡単なおかずをご紹介します。

マクロビオティックにみる鼻炎の原因とは?


鼻炎は、過剰に摂取した動物性のたんぱく質を、腸で分解吸収しきれないことによっておこるアレルギー症状とも言われています。

花粉症やアトピー人口が増えたのも、飽食や、食の欧米化による日本人の食生活の変化は無関係ではありません。

また、鼻づまりの原因は呼吸器の不調、そして関連臓器である腸の環境も乱れていることが多いものです。

鼻の不調は、右と左でその人の体調と食の傾向があらわれます。

右なら甘いもの+動物性食品、左なら甘いもの+油や人工的なもの、添加物といったものが多いのかもしれません。

あらゆる不調や病気は、からだが健康を守ろうとアンバランスを教えてくれているもの。健康維持能力に感謝し、食やライフスタイルの歪みがないかを見直したいですね。

薬を飲む前に!~鼻炎、副鼻腔炎、鼻づまりの人へ~


凝縮のエネルギーが働く秋、身体は毛穴も締まり脂肪も蓄え寒さに耐えうる体制になり、特に色々なものを溜め込みやすくなります。

気を付けたい食べ方

  • 早食い、大食い、お水やお茶で流し込む食べ方
  • おかずが多すぎる食べ方
  • 甘いもの・夏野菜・冷たいもの・果物の食べ過ぎ
  • 加工品やファストフードで食事を済ます(食品添加物・人口甘味料などの多いもの)

控えるとよい食べ物(かつての私が大好きで沢山食べていたものもこれでした)

  • 乳製品(牛乳・バター・チーズ・生クリーム・ヨーグルト)
  • パン・焼き菓子
  • 精白されたもの(精白糖・精白粉類等)
  • 甘いもの・スイーツ全般
  • さつまいも類
  • 油もの・ナッツ類(ペーストを含む)
  • 卵・動物性食品
  • わさび※肺や呼吸器の弱い人

おすすめの食べ物

  • れんこん
  • 大根
  • きのこ
  • 玄米
  • 味噌・ぬか漬け・納豆などの発酵食品
  • 三年番茶(飲み物)
  • 果物なら火を通したりんご
  • コーレン(※自然食品店などで売っている乾れんこんの粉末。お湯などで溶いて飲むと、たんの絡む湿った咳や鼻炎に効く民間療法食材)

オススメの自然療法

・断食または少食

・塩番茶での鼻うがい:三年番茶に塩をひとつまみいれたもの(体液に近い塩分濃度)で鼻うがいを繰り返す。三年番茶と天然塩の殺菌作用、血液浄化作用で鼻腔に溜まった粘液を洗い流す。

・れんこんパスタ:れんこんのすりおろしに生姜のすりおろし少しと地粉(※無精白の国産小麦粉)をいれて混ぜ合わせたものをガーゼなどに塗り、鼻と鼻のまわりからおでこまでパックのように貼る。副鼻腔に溜まった粘液を溶かしだす効果が。

・れんこんのしぼり汁または大根のしぼり汁をティッシュに浸して、詰まった方の鼻腔に入れる

・どくだみの生葉を揉んで鼻に詰める

・片鼻呼吸法(ナディショーダナともいう)

・ヨガのポーズでは、鋤(すき)のポーズ、逆さかだち、弓のポーズ、魚のポーズ、コブラのポーズ。そして足首、首の詰まりをとるよう回す。

・ボディスクラブ(蒸しタオルで体をマッサージ)または乾布摩擦やラップの芯でマッサージ:呼吸器に関連する皮膚を刺激し強くして自律神経を整えるとともに、血行促進効果で代謝を高め排出を促す。

・おなかに「こんにゃく湿布」:鍋にたっぷりの水と海塩大さじ1、あく抜きしていないこんにゃくを入れ火にかけ、沸騰してから20分ほどグラグラと煮る。煮たこんにゃくをトングなどで取り出し、厚手のタオル2枚にくるんで温める。

・腸のマッサージ:少し前かがみの状態で右の下腹に当たる骨盤の内側から時計回りに内臓をマッサージする

(注意)これらの自然療法・民間療法は、副作用がなく安全ですが、効果には個人差があります。体質によってかぶれなどが出ないかパッチテスト等をしてから行うことをお勧めします。

溜まった粘液を溶かしてくれるおいしいレシピ


◇大根

陰陽五行で秋の色は「白」。

これからの時期におすすめの白い食べ物の代表格は、大根です。

消化酵素の多い大根には、ジアスターゼというでんぷんの分解酵素や、プロテアーゼというたんぱく質の分解酵素が豊富なため、お肉の消化を助けてくれます。

また、天日干しした切り干し大根は、ビタミンDやカルシウム・食物繊維などが豊富なだけでなく、おひさまパワーで甘味やうま味がたっぷり。

体内に蓄積した陰性な脂肪を強力に溶かしてくれるため、ダイエット中の人やコレステロールが高めの人、脂肪肝や胆石の人にもおすすめの食材です。

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大人でも掘り出し困難!辛味が美味しい練馬大根(東京)

◇れんこん

れんこんに含まれるタンニンは、炎症を抑え細胞を強化してくれる効果があります。

また、れんこんは見た目はのとおり穴があいて見通しがよいため、鼻や気管の通りをよくしてくれると言われています。ビタミンCや食物繊維も豊富です。

◇きのこ

乳製品の毒消しともいわれるきのこは、食物繊維が豊富で低カロリー。脂肪代謝を助け、リンパ管をきれいにしてくれます。

そして、その香りと味わいと食感が、うま味と満足感を与えて食べ過ぎを防いでくれます。

◇葛

ご存知、葛根湯の原料でもある葛には体を温めて、腸を整える作用があります。

食べると気持ちがほっとするため、ストレス緩和になると言われています。そして散漫で気持ちがまとまらない時には、精神を集中させる効果も。

れんこんもちと焼ききのこのみぞれあんかけ

【材料(4人分)】

  • れんこん 250g
  • 豆腐 60g
  • 戻した干ししいたけ(みじんぎり)(※)2枚
  • 生姜 少々
  • 玄米粉 大さじ2(または米粉)
  • くず粉 大さじ2
  • 醤油 大さじ1
  • 菜種油 大さじ2

(焼ききのこ材料)

  • まいたけ 1/2パック
  • しめじ 1/2パック
  • しいたけ 2枚
  • しょうゆ 小さじ1

(おろしあんかけ材料)

  • 椎茸昆布だし(※上の干ししいたけで出汁を取る)300ml
  • 大根おろし 200g
  • 切り干し大根 7g
  • 塩 小さじ1/2
  • 醤油 大さじ1
  • 葛粉 小さじ1(同量の水でといておく)
  • かいわれ大根、しし唐等青みの添え物 適量

【作り方】

① れんこんは洗って節のまわりの黒い部分や汚れは取り除き、節や皮ごとすりおろす。

② ①に水切りした豆腐を崩し入れて、出汁をとった干ししいたけのみじんぎり・生姜すりおろし・玄米粉(または米粉)・葛粉、醤油をいれて混ぜ合わせる。

③ フライパンになたね油を敷き、②のれんこんもちを揚げ焼きする。

④ きのこは適当な大きさに手で割いて(椎茸はお好みの大きさ切る)、魚焼きグリルにアルミホイルを敷いた上に並べ、醤油をまわしかけて弱火で香ばしく焼く。

⑤ 鍋に椎茸昆布だしと、さっと洗った切り干し大根を入れて火にかける。沸騰したら弱火で3分煮て切り干し大根は取り出す。


⑥ ⑤に塩、醤油、水溶き葛粉を加え再度沸騰させて白っぽさがなくなるまで火を入れ、大根おろしを加えて沸騰したら弱火で3分程煮て火を止める。

⑦ 器に⑥のみぞれあんを分けいれて、れんこんもち、焼ききのこを入れ、かいわれ大根を飾る


今が旬の小ぶりの柿1つ分をくり抜き、実を刻んだものと、⑤で取り出した切り干し大根を、梅酢(※)小さじ1強で和え、春菊も混ぜて盛り付ければ、上の写真のように副菜1品が簡単に出来上がります。

(※)梅酢とは?
梅干しを漬けたときに出てくる水分のこと。通常の酢は酒が酢酸発酵してできるもので身体を冷やし緩めると言われます。

熟成したいい塩分と梅のクエン酸・ポリフェノール・リンゴ酸といった有効成分や旨味が詰まっており、塩や甘味を入れずに酢のもの・酢飯などに使えるため、常備調味料のひとつに持つと便利です。

大根豆知識

大根は皮の近くほどビタミンCの含有量も多いので、無農薬栽培の大根は皮ごと使うのがおすすめです。

大根の葉にはカルシウム・鉄分が多く、CやAなどのビタミン類は、根より多く含まれています。

捨てずに細かく刻んで生姜ごま油で炒め、醤油で味付けし、いりごまと和えてふりかけにすると美味しくいただけます。

塩茹でして刻み、ごはんに和えて大根葉ごはんにするのもおすすめ。

また、葉を天日干しにしてさらし袋に入れ、煮だしたお湯をお風呂に入れると「大根の干葉湯(ひばゆ)」に。身体の芯から温まり、内臓の血流がよくなると言われています。

子宮や前立腺、泌尿器に問題のある方は、腰の部分だけをこのお湯に入れて局部を温める「腰湯」が症状の緩和と改善に役立ちます。

辛い鼻炎になりたくなければ、日本人の日常の食事=ケの日の食事である、ごはん・味噌汁・漬物・煮物といった基本的な和食が一番です。

鼻づまりや副鼻腔炎が続くと集中力がなくなり、やる気が出ず、始終だるさがとれなくなってしまいます。また、耳や歯へも菌が回りやすくなります。

不要な粘液を溜め込まない、サラサラよどみのない体に!

食卓からはじめてみませんか?

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「金のエネルギー」の秋は、根菜パワーを!切り干し大根のちぢみ~しあわせこよみごはん~

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千葉芽弓/Miyumi Chiba

千葉芽弓/Miyumi Chiba

千葉芽弓(Miyumi Chiba)
ベジフードプロデューサー
Vegewel プロデューサー
Tokyo Smile Veggies 主宰

日本に根付いた伝統食を生かしたベジ・ヴィーガン食から健康や環境保護などの社会問題の解決や、ダイバーシティとしての真のおもてなしを目指し、メニューコンサルタント・製品開発・食育を行う。