ミシュラン掲載の日本料理店で「本物の野菜寿司」をリーズナブルに。日本料理 まるやまかわなか【札幌・円山公園】
ミシュラン掲載店でありながら、肩肘を張らない価格で至高の日本料理をいただける「日本料理 まるやまかわなか」。
近年ブームの野菜寿司ですが、こちらでいただけるのはいわゆる「もどき寿司」ではなく、野菜ひとつひとつに向き合い、素材を生かした本物のお寿司です。
「和食の根底に流れるものは精進料理です」という店主の川中さん。
数々の日本料理コンクールで連続金賞を受賞する店主が生み出す、ヴィーガン日本料理の世界へお連れします。
名店が集まる円山のとっておきの場所。
2011年にオープンしたこちらのお店。札幌市営地下鉄東西線・円山公園駅の4番出口からすぐです。
地下へ続く階段の先には、連日満席で海外からもお客様がいらっしゃる人気の日本料理店が待っています。
落ち着きがあり、まるで別空間に来たよう。時間を忘れてゆっくり過ごせます。
北海道版ミシュランに掲載されたお店は、「地産の食材を生かし、味わい深く趣豊かな日本料理を気取らずにリーズナブルに」がテーマ。
日本料理 まるやまかわなかは、若くして北海道日本料理展で3年連続金賞を受賞した、川中謙介(かわなかけんすけ)さん(写真)の最高の技術による料理を、ランチで1,000円代から食べられるという心踊るお店です。
カウンター席では、繊細にお料理が作られていく様子を真近に見ながらお料理をいただけます。
料理人のお料理に向き合う真摯な姿勢、その迫力が伝わってきます。
四季折々最高のお料理をリーズナブルに。
まるやまかわなかの一番人気は、こちらの「八彩(やさい)弁当」。
写真のお惣菜と野菜寿司のほかに、お椀・炊き合わせ・甘味・コーヒーもついてきて、1,650円(税込)という驚きのお値段。
予約でヴィーガン対応が可能です。早速ヴィーガン日本料理をご紹介して行きましょう!
まずは炊き合わせから。黄金色のだし汁に包まれた野菜は、切り方一つをとっても美しさと繊細さが伝わってきます。
注目すべきはこのだし汁。だし汁ですら野菜のそのもの味を殺してしまうことがあるという川中さん。そのため、毎日変わる素材の様子を見ながら、都度組み合わせを変え、丁寧にだし汁をあわせます。
「グルタミン酸と、動物性食材のイノシン酸があわさった一般的な一番だしと違い、乾物だしはアミノ酸が強く出すぎる場合がある。
そうなるとバランスが悪くなり、素材の味同士を活かせなくなってしまうんです。だし汁は加減をみながら、どんこ・かんぴょう・大豆・昆布を使っています。」(川中さん)
玉手箱のような重箱を開けると現れたのは、華やかなお惣菜とお寿司!
お惣菜は、
- よもぎの胡麻豆腐、らっきょうの赤ワイン漬けをそえて
- 大徳寺麩の白和え
- 厚揚げと小松菜の煮浸し。
- 豆乳のおかき揚げ
などなど。
今まで出会ったことのない、ふわふわの食感の「豆乳のおかき揚げ」。クリームコロッケをもっともっと軽く、とろっとろにとろけるような食感した感じでしょうか。
豆乳で葛もちを作り、おもちを砕いたものを衣にして揚げているそうです。
魚にみたてた豆腐で作った「さわらもどき」。
「黒豆・上新粉とごぼうのおもち」は、まるで小さなアートのようです。どのお料理も見ているのが楽しくなる、「目にも美味しい」お料理です。
おまちかねの野菜寿司です!
なんだろうと気になるネタがたくさん。
右からトマト、梅で色出ししたレンコン、生の七味をあわせた人参、ピーマンと続きます。
珍しいピーマンのお寿司は、特有の苦味がなくとても爽やか!
トマトは昆布のだし汁で味付けされ、噛むたびにトマトの旨味とだし汁がミックスされ、じわーっと口の中に美味しさが広がります。
アナゴみたいに見えますが、こちらは茄子です!しいたけは、柚子胡椒のアクセントがピリッと効いています。
まるやまかわなかの野菜寿司は、素材にぴったりのアクセントが添えられていて、口の中で味わうごとに美味しさの変化を楽しめます。
お寿司の定番ネタとしてスタンダードになって欲しい!
「シャリはコシヒカリとこしいぶきを使用し、その季節に合わせて配合を変えています。その年によってお米の出来も変わるので。手で触って違いがすぐわかります。
一升炊いて、10CCの水分量が違うだけでもわかるくらい、僕らは敏感なんです。」(川中さん)
「単純こそ至高」の無駄のない料理
川中さんの実家はお寿司屋さん。今の自分があるのは、生まれた時から調理場がある家で育ち、一般的な自宅キッチン以外のものを見てきたのが大きかったといいます。
若手ながらもその巧みな技術を評価され、お店を構えたのが8年前。
「和食の根底に流れるものは、精進料理が強い」と感じていたそうで、オープンから動物性食材を使わないヴィーガン対応日本料理・野菜寿司をメニューに入れていたといいます。
まるやまかわなかのヴィーガン日本料理には、他と圧倒的に違うことが2つあります。
一つはその”華やかさ”です。
「僕の中には、精進料理だから地味という発想はもともとないですね。野菜だけでもこんなに華やかにできるんだよと。
お客様は、女性が9割なので特に華やかさを心がけています。男性より女性の方が3割も色彩感覚がいいと言われてますからね。」(川中さん)
もう一つは、”絶妙な味の組み合わせ”です。
炊き合わせのような素材と素材の組み合わせだけでなく、お寿司のネタのように小さな一品の中でさえ、味の組み合わせを完成させています。単調にならない美味さがあるのです。
「和食ではよく『口(くち)』と言うのですが、『香り』はすごく大事な部分です。
『口』と言えば、ゆず・木の芽だったり、変わったところでは胡椒がありますが、料理を引き締めるアクセントのような『口』を常に考えています。
料理は『単純こそ至高』だと思っています。こねくり回したらなんでもごまかしが効くと思うんですよ。だし汁と口当たりで僕は勝負したいと思っています。」(川中さん)
お店に入ってすぐに目にする書、孫子の「正正の旗、堂堂の陣」。正々堂々の語源になった言葉です。
旗に常に高い目標を掲げ前進していくことと、お堂のように固く礎を構えて、基本を忠実に守ること。攻めもあるけど、守るものもあるという完全無欠の様を表します。
精進料理や和食の基本がありながら、だし汁の組み合わせや食材などで、日本料理の新しさを常に考えている、まさに川中さんのお料理のようです。
そんな川中さんのこれからをお伺いすると、
「野菜寿司もだいぶ認知もされ、海外からのゲストも多く、ヴィーガンのリクエストが増えました。
日本ではまだヴィーガン対応できるお店は多くないですが、本当は精進料理がある日本がいちばんヴィーガン対応しやすいと思います。
海外のお客様が目に見えて広がっているので、もっと野菜寿司を知ってもらいたいですね。
年配の方も多いので、体に優しい素材の味、自然由来の食材の味をもっと引き出してあげるような料理が作れたらいいなと思います。」(川中さん)
どの季節に行っても観光を楽しめる北海道・札幌ですが、ヴィーガン日本料理を食べるためだけに行くのもオススメできるお店です!
※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。
店舗情報
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