新宿のど真ん中で、手作りおやきを!! 日本一健康的なファストフードを目指す女性ユニット、おやきカンパニー。

おやきといえば信州・長野が有名な郷土料理であり、伝統食です。

その昔、お米が貴重であった頃に、小麦粉・雑穀粉などを使っておばあちゃんやおかあさんが一つ一つ手作りしていたおやき。

愛情もおいしさも包み込まれ、各家庭それぞれの味があります。かまどで蒸して囲炉裏で焼いて食べたり、野良作業の時にも携帯する、おにぎり的な位置づけでもありました。

素朴なまんじゅう生地に包み込まれるのは、あんこ・切り干し大根・きのこ・茄子・かぼちゃなどなど。その季節の野菜や山菜、お豆などを中心にした具がたっぷりと入ったおやきを頬張ります。

しょっぱいお惣菜系のもの、甘いおまんじゅう的なものとバリエーションも無限大で、筆者も長野に降り立つ時には必ずお土産に買う大好物。(筆者の出身の山梨では生地にとうもろこし粉を使うため、また一味違っています。)

そんなおやきのとびきり美味しい専門店が新宿にあると知り、これは行かねば!!と早速足を運んで参りました。

おやきカンパニーの場所や詳細な情報はこちら

オーガニックジャンク。ポータブルで気軽なヘルシーファストフードを。


「OYAKI Company(おやきカンパニー)」は、新宿御苑の新宿門のすぐ目の前、新宿駅からも5分ほどのところにあります。

今の時代にマッチしたとびきり美味しいおやきを作りたい。片手で食べられるおやきは、世界に通ずる世界一健康的な日本のハンバーガーになるのでは!!と、発信型のお店として2016年12月にスタートしました。

おやきカンパニーのオーナーの”のむさん”、”ともさん”のお二人は飲食経営10年目というベテランで、既にこのお店が4店舗目。

料理が全くできない頃からカフェバーを運営、その時は冷凍のたこやきやフライドポテトをおつまみに提供していたそうです。

そこから、きちんとお客様のエネルギーとなる食べ物を作り提供したいと料理を学び、オーガニックのダイニングバー「森のうえ食堂」を、おやきカンパニーと同じビルの6階にオープン。

グランドピアノを置き、健康的なものを食べつつ夜楽しめる場所を作りました。

しかし、夜12時まで営業するライフスタイルの中、のむさんはひどいアトピーを発症してしまいます。

人間が本来生き物としてとるべきライフサイクルを考えると、この夜型の生活は身体を壊してしまう、、、。自身の経験を経て、朝型で身体によい食べ物を届けられる、ポータブルで気軽なファストフードのおやきに行き着いたそうです。

100%JAPANESE(=国産)に徹底してこだわるのは、日本の穀物を次世代につなげ、その循環に貢献したいというオーナーののむさん・ともさんお二人の思いから。

お二人は、国産、すなわち暮らす場所のものを食べることこそが健康になれるという「身土不二」の考えを持っています。

全てはご縁でつながるおやき。ビッグなハンバーガーサイズのおやきには、生産者から直接届く、自然栽培の旬のお野菜を使った具材がたっぷり入っています。

包まれているのは、日本の気候風土に育まれた豊かな自然・食文化・作り手の方たちみんなの思い、、などなど。

その一つ一つをリスペクトし、それらの集大成として大切に焼き上げたおやきをお客様のもとへ届けたいと、のむさん・ともさんのお二人は語ります。

冷めてもふわふわで固くならない、おいしいおやき


小麦粉を甘酒と天然酵母で発酵させ、探求して作られた生地は、ピザ生地のようにふわっ、もちっとしたおいしさ。

この日のラインナップはこちら。


緑色のマークがヴィーガン対応のものです。野沢菜きのこの生地は、地粉のもの以外に、グルテンフリーの玄米生地が選べました。毎日ともさんが選んだ1種類のおやきを数量限定で玄米生地のものも用意しています。

こちらの生地は食感を研究の末、やっと最近完成したものだそう。おかゆパンの原理で、玄米のおかゆに微粒な玄米粉をブレンドして作ったものです。

事前予約があれば、色々なおやきを玄米生地で用意してくれるそうです。


イートイン限定のスペシャルセットは、おやき1個または玄米のおにぎり2個+八百万サラダ+お茶またはお味噌汁で1,000円(税込)と、とってもリーズナブル。

取材スタッフ2人は、どれも食べたくてヴィーガンメニューのおやき4つ全てをリクエストしました。

お味噌汁は麹の生きたいいお味噌なので、出汁は使わないのだとか。

ともさんは、「忙しくて菓子パンや加工品で済ます人が多いけれど、具と本物のお味噌があれば、お湯を入れるだけで簡単に美味しいお味噌汁が作れることを知って、家庭に持ち帰ってほしい」と言います。

この日のお味噌汁は、日本の伝統食の高野豆腐とあおさのり。糀の甘さとおいしさが空腹に浸み渡りました。


朝イチで訪れたため、大きなせいろで蒸されたおやき、炊きあがったばかりの玄米などをカウンター越しに見られたのもワクワクする時間でした。

伝統調味料や懐かしい日本の道具たち=ざる・せいろ・火鉢・巻きす・うちわなどが並ぶ光景にもほんわかと癒されます。


そして出てきた「八百万(やおよろず)サラダ」がまたすごい!


スイスチャードと淡竹(はちく)たけのこは炭火で焼いて、さやえんどうやビーツはせいろで蒸して、人参と蕪はマリネ、きのこはソテー、フレッシュリーフは生でとそれぞれのお野菜が最高の美味しさになるように手間暇かけて作られています。

まさにこの一皿のサラダに八百万の神様がいるようです。


そしてバーガーのように紙に包まれたおやき。

ジューシーな旨味が詰まった「きり干しお揚げ」


「新玉春キャベツテリヤキ」は、みずみずしい新玉ねぎとキャベツの具。時間が経っても生地がべたべたにならないように、もち麦に自家製テリヤキソースを吸わせたり、マッシュポテトでコーティングするという細やかな工夫が。


おやきの定番「野沢菜きのこ」は玄米生地をチョイス。すこし茶色味がかった生地は噛むほどに玄米の深い味わいとおいしさが拡がる食べ応え。


別腹のデザート「橙カスタード」。橙の皮のほろ苦さと酸味に自家製の豆乳カスタードクリームが合わさり、さわやかな味わいの新しいおやき!

どれもまた食べたい美味しさです。

夏には和風グリーンカレーのおやきも登場予定だそうです。材料を国産に徹底しているため、スパイスのかわりにハーブを使い研究。カレースープはおからに含ませて包むそうです。こちらも楽しみです。

おやきの隅々にまで栄養バランスや日本の優れた食材を生かす工夫がされています。

絶妙のコンビネーション、すてきなお二人のユニット


フード・ドリンク類のサーブ、ちらしや掲示物、インテリアなど、クリエイティブ担当ののむさんと、お料理・メニュー考案などを担当するともさん。

長年の信頼関係から生まれる二人の間合いとバランスが醸し出すお店のエネルギー。自然体で楽しんでいるお二人の笑顔に会いたくて通いたくなってしまいます。

ビッグなヘイワの圧力鍋で炊きあがったおいしそうな玄米から甘い香りが漂います。


”ここちよい暮らしをしている人が作るものは美味しい”

と語るお二人。その先頭を行くような生き方をも伝えています。

色々なものとの共存、頑張らなくたっていいんだということ、そして自分なりのリラックスに気づく場所になってほしい。

社会人としての経験から、毎日に忙殺される人たちへ、メッセージを送っています。


お二人のアンテナと目利きで選ぶ生産者さんたち。

たとえば西多摩郡瑞穂町で女性一人で自然農を営む「きりり農園」を営むのは元音楽家の方。音楽を奏でていたら野菜へ行き着き、ドイツなどに渡り自然農法を勉強して野菜をクリエイトしているのだそう。

「女性こそ農業に向いていると思う。料理を作る女性だからこそわかることもあり、お料理を想定してお野菜の組み合わせなどを考えられるから」とおっしゃるともさん。

毎回送られてくる野菜ボックスを開ける時のワクワク感がたまらないそうです。

「季節のあぜ道に咲く花や、野草、旬の息吹もそのまま直送されてくるから。」

それぞれの生産者さんの個性を、彼女たちがオーケストラに仕上げています!

外国人のファンも沢山、愛されるお店


おやきが外国人にも人気なのはご存知ですか?長野を訪れて一度おやきを食べた外国人の方にとって、それは忘れられない味になるそうです。

「おやきの生地はどこか欧米系の方も食べ慣れたパンにも通ずるから、馴染みやすいんだと思う」と、ともさんはおっしゃいます。

ともさんは、オーストラリアに6年間住んでいたことがあり、のむさんはバックパッカーとして色々な国を旅していたため、英語接客とコミュニケーションもばっちりです。

お客様に台湾系の方も多いのは、常時3~4種類のおやきが五葷抜き(※ニラ・ニンニク・ネギ・ラッキョウ・アサツキを入れない)だから。

他におにぎりやみそ汁も五葷抜き対応しています。

まさにおやきは世界中、どんな食のポリシーの人でも楽しめるユニバーサルフードです。

我々が取材している時にも、これから帰国するという外国人グループが最後にテイクアウトに買いにきていました。

日本の思い出に残る味「OYAKI」素敵ですね。

”配達おやき屋”~デリバリーで元気を届ける


おやきは配達・ケータリングも行っています。注文は1週間前までを目安に、少量であれば当日でも対応可能な場合があります。

オフィスでのランチに、ミーティングや懇親会に、新宿御苑でのピクニックやヨガ、お花見などの時にも、、、様々なシーンで会話とコミュニケーションが生まれるおやき。

オフィスにおやき・サラダ・生きた甘酒・味噌汁・玄米おにぎりなどを届ける「歩くおやきコンビニ」や、「ランチおやきボックス(おやき2個+ベジタブルスティック)税込850円)」、「バラエティーおやきボックス」の配達も、これからさらに広げていきたいそうです。

ベジタリアンやグルテンフリーのニーズにもマッチするOYAKIカンパニーのおやきは、ランチミーティングにも最適ではありませんか!

外国人の方には、日本の食材を伝えるきっかけになるかもしれません。

※配達・ケータリングの詳細についてはこちら
http://nomusantomosan.com/delivery/

これからの展望や夢をお聞きしました。

「もっとたくさんの方におやきを知ってもらえ、繋がりが生まれる、もう少し広いハコを持ちたいと思っています。ワークショップや、おやき料理教室などができたらいいなと」

お二人は、忙しい中でも和裁を習ったり、日本の伝統と知恵を守り継承することを目指しています。そして何より人生を謳歌すること。

世界一健康なファストフード屋を目指す素敵な女性ユニットののむさん・ともさんの今後の活躍の場にも期待です。


イラスト:此花あかり

Vegewel特典

おやきカンパニーから、素敵な特典をいただきました!

「Vegewelを見た」で、オーダーいただいたメニューに「ミニ酵素ドリンク」をお付けいたします! ※6月末まで

この機会に是非おやきカンパニーへお越しください!

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

おやきカンパニーの場所や詳細な情報はこちら

Vegewelでレストラン検索


Vegewelは、ベジタリアン・オーガニック・グルテンフリーなど、あなたの食のライフスタイルに合わせてレストランを検索できるWebサイトです。

食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

千葉芽弓/Miyumi Chiba

千葉芽弓/Miyumi Chiba

千葉芽弓(Miyumi Chiba)
ベジフードプロデューサー
Vegewel プロデューサー
Tokyo Smile Veggies 主宰

日本に根付いた伝統食を生かしたベジ・ヴィーガン食から健康や環境保護などの社会問題の解決や、ダイバーシティとしての真のおもてなしを目指し、メニューコンサルタント・製品開発・食育を行う。