おコメ由来の自然な甘さ。体にやさしい甘味料「米飴」
疲れている時に食べたくなるものといえば甘いスイーツ。でも、砂糖がいっぱい入った食べ物は、血糖値を急上昇させて体を冷やすため、心は満足したとしても体は悲鳴を上げているのかもしれません。
甘いものを食べるのであれば、できるだけ体への負担を少ない甘味料を選びたいもの。そこでオススメしたいのが、昔ながらの製法で作られた米由来の「米飴」です。
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目次/Contents
米飴とは
米飴は、米と麦芽を糖化させて作る甘味料です。その歴史は古く1000年以上前から存在していたともいわれています。砂糖が高価で貴重だった時代には“庶民の甘味料”として広く親しまれました。
甘さは白砂糖の半分以下で、自然な甘さと穀物由来の風味が特徴。とろみ具合はメーカーによって異なり、ハチミツのようにトロッとして使いやすいものから、どろりと粘度が高いものまで様々あります。
ちなみに水飴は、デンプンを酸や糖化酵素で糖化した甘味料で、人工的に製造されるものがほとんどです(タイトル画像のように「米水飴」と表記されているものは米飴)。米飴と水飴は別物なので注意しましょう。
米飴の種類
米飴は使用する材料によって2種類に分けられます。うるち米・もち米から作られるのが「米飴」、玄米から作られるのが「玄米米飴」です。
うるち米はやさしい甘み、もち米は濃厚な甘みが特徴。玄米は穀物のコクと風味を感じられます。その他にも古代米を配合したタイプなど、栄養価の高い米飴もあります。
米飴の作り方
米飴作りは、昔ながらの伝統的製法が現在もなお続けられています。
まず、米を蒸して大麦麦芽粉末と混ぜ、麦芽のもつ酵素で米デンプンを糖化させます。じっくり時間をかけて甘い液体ができあがったら濾し、その液をさらに煮詰めていきます。
アクを取り除きながら、好みの固さまで煮詰まったらできあがりです。
作業工程は一見シンプルながら、温度管理や煮詰め加減を見計らうには熟練の経験が必要です。丹念にアク取りをして雑味をなくし艶やかに仕上げるなど、手間暇をかけることで美味しい米飴が生まれます。
栄養価と体への負担
米飴にはビタミンB群やミネラルが豊富に含まれ、栄養価の高さから、かつては子どもや病人への養生食としても重宝されてきました。
白砂糖が急激に血糖値を上げる「単糖類」である一方、米飴は体内でゆっくりと吸収される「多糖類」です。
体の中で少しずつ分解が進むことにより、インスリンの大量分泌による血糖値の乱高下を避けられ、それに伴うミネラル分の消費も少なく済みます。
さらに、マクロビオティックの陰陽では、米飴は白砂糖よりもやや陽性よりです。つまり、砂糖よりも体を冷やしにくく、甘味料の中では体にやさしい部類といえます。
料理やお菓子作りでの使用効果
米飴は料理でも大活躍!砂糖やみりんの代わりに使用でき、美しい照りを出し、コクと風味をアップさせる効果があります。煮魚・照り焼き・佃煮など、和食との相性は抜群です。
また保水性があるため、カステラやケーキなどの焼菓子に使用すると生地がしっとりするのも特徴。自然な甘みを活かし、やさしい味わいのお菓子に仕上がります。コーヒーや紅茶の甘味料としても重宝しますよ。
栄養満点で穏やかな甘みをもつ米飴。甘いものをやめられない方や、砂糖断ちしてみたい方は、まず普段使っている砂糖を米飴に置き換えてみてはいかがでしょうか?
日本人の味覚に合う伝統的甘味料は、きっと体にスッとなじむのを感じられるはずです。
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