埼玉県初のフリースーパー開催! 3,000点以上の食品が全て無料 (主催CAWAZ)【日高市】
更新日:2019/02/01 公開日:2017/10/31
10/8(日)、国内では2か所目、埼玉県では初となるフリースーパーが、日高市にて開催されました。
世界でも大きな問題となっている「食品ロス」。サスティナブル(持続可能)な社会への意識が高まる中、日本でも食料廃棄率の問題が見直されています。
フリースーパーとは何なのか?また、日本ではどのくらい食品ロスが問題になっているのか?
今回は、フリースーパー開催当日の様子と、主催の『非営利団体CAWAZ』池田たいき(いけだたいき)さん、ゆいきさんご兄弟のインタビューをお届けします。
目次/Contents
フリースーパーってなに?
フリースーパーは、企業や個人からまだ食べられる余った食品を集め、来場者に無料で配るスーパーのことです。
食品ロス問題に対する意識を高めようと、今年7月にオーストラリアのシドニーで、世界初、全て無料のスーパーが誕生しました。
日本初のフリースーパーは、今年9月に多摩市の『NPO法人シェア・マインド』が開催した『無料スーパー』。今回の日高市が日本では2か所目で、埼玉県では初の開催です。
食品ロスになるところだった食品を配ることで、生活に困っているの方々の支援にもなっています。
食品ロスとは?
フードロスともいわれます。まだ食べられる状態の食品なのに、廃棄されてしまう食品のことです。
廃棄されてしまう食品には、さまざまな理由があります。製造する段階で、規格を外れてしまったもの。店舗での売れ残り。家庭やレストランでの食べ残し。
購入後、冷蔵庫に入れたまま期限が切れてしまったり、傷んでしまった食品など、本来なら美味しく食べることができる食品が廃棄されている現状があります。
平成26年度推計(農林水産省)では、日本の食用仕向量(国内市場に出回った食料の量)が8,294万トン。そのうち食品廃棄物は2,775万トンです。
廃棄されたうち、食品ロスが621万トンもある現状です。もったいない話です。
ちなみに家庭から出る食べられる状態の廃棄食品は282万トンで、食品ロスの中の半分に迫ります。
また、廃棄する食糧を燃やすには燃料が必要です。廃棄食糧が増えれば、燃やすのに必要な燃料も増えます。環境にも良いことはありません。
今、食品ロスを減らそうと、いろいろな取り組みが行われています。フリースーパーもその取り組みの一つです。
埼玉県初のフリースーパーが日高市にて開催
都心から約1時間で、緑豊かな町、高麗川駅に到着します。この日は青空が広る良いお天気に恵まれました。
高麗川駅から畑や住宅地を進んで行くと、約1,900世帯が住む、こまがわ団地があります。この団地の真ん中に建っている『こまがわ団地自治会館』が、今回のフリースーパーの会場です。
CAWAZメンバーの友人や、SNSでの募集を見た、30名を超えるボランティアが集まりました。
ボランティアの中には、自分の地域でもフリースーパーを開催したいと、チラシの掲示やポスティングから手伝いをしている方も。
また、当日野菜の寄付をしたり、エコバックを忘れた参加者にビニールの手提げ袋を寄付する方もいました。
当日は、3,000点以上の食品が用意されました。常温食品のみの予定でしたが、冷蔵品や青果コーナーもでき、自治会館の和室に食品が並びました。
皆さんに食品が届くよう、お1人10点までの上限をルールとして配布。食品は、それぞれが必要としているものを、ルールに沿って選んでもらいます。
食べ切れそうにないものは、むやみに持ち帰らず、きちんと断る姿も。今回は第1回目なので、間口を広く、どなたでも参加可能でした。
開始1時間前からフリースーパーを楽しみにしていた方が集まりだし、急遽、整理券を配布。目の前の広場は入場を待つ人の列ができました。
入場は、危険のないよう10名ずつの入れ替え制とし、ボランティアが誘導します。当日の来場者はお子様からご年配の方まで幅広く、250人以上。大盛況でした。
参加後には、たくさんの皆さんがアンケートに答え、袋いっぱいの食品を手に、笑顔で帰って行きました。
主催団体のCAWAZ(カワズ)代表の池田さんご兄弟より開催の経緯や、今後の活動についてをお聞きしました。
左が弟のゆいきさん、右が兄のたいきさん
CAWAZとは、どんな団体なのですか?
「CAWAZは、『Creaters Assosiation to Wakuwaku-suru Ashita(クリエイターズ アソシエーション ワクワクスル アシタ)』の略称で、教育と福祉に特化した、まちづくり団体です。
日高市で育ち、故郷を活性化していきたいと集まったメンバーです。」
なぜ今回フリースーパーを開催することにしたのですか?
「きっかけは、この地域に、生活に困っている方の問題があると、ソーシャルワーカーの母から聞いたことです。
何かできることはないかと考えた時、以前、北欧を旅した時に見た光景が浮かびました。
スーパーが、消費期限の切れる前に、困っている人へパンを配布していたんです。
北欧では、他にも食料廃棄をなくす取り組みが、あちこちで当たり前のように行われていました。それが頭にインプットされていたこともあり、食品ロスを利用したフリースーパーの開催を考えました。
国内初の多摩市で開催されたフリースーパーの見学にも行き、日高市で開催の気持ちが固まりました。」とゆいきさん。
『Second Harvest Japan(セカンドハーベストジャパン)』に後援していただくことになった経緯は?
※セカンドハーベストジャパンは、まだ食べられるにも関わらず、様々な理由で廃棄されている食品を、食べ物に困っている人に届ける活動を行っているNPO法人です。
「今回後援の『Second Harvest Japan(セカンドハーベストジャパン)』の創立者、マクジルトン・チャールズさんが、ここ日高市にお住まいなんです。
とても近くなので、直接今回の試みをお話しし、協力をお願いしました。」
フリースーパーや食品ロス問題に関する今後の展開を教えて下さい。
「初めての試みなので、今回出た課題を改善し、次に繋げていきたいです。食品ロスを減らし、必要としている人に食品を届けていきたいですね。
そしてここをフリースーパーの活動拠点とし、広めていきたいです。
食品ロスになるところだった食材を使用した、『子ども食堂』の開催も準備しています。特に、未来ある子どもたちの笑顔と可能性は活動のモチベーションとなっているんです。
子どもたちの輝かしい未来のためにも力を注いできたいです。」
CAWAZでは、今後の活動や、ボランティアの募集をfacebookでお知らせしています。
『非営利団体CAWAZ』
https://www.facebook.com/cawazkoma/
世界でも大きな問題となっている食品ロス。
削減に向けて、今自分ができることを考え、行動してみませんか?
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