食も国籍もボーダーレスでつなぐ友達の輪!ビーガンやベジタリアンの旅行者も安心して泊まれるゲストハウス。きっかけは海外のゲストハウスで受けた、優しさ、暖かさに対する感謝の気持ち。「Guesthouse Fete(ゲストハウスフェイテ)」【両国・蔵前】
「Fete」(フェイテ)とは、「From Experience To encounter.」。
訳すと「体験から出会いを」。その名の通り人との出会いを大切にし、そこから生まれる体験を生かし、世界中を旅する国内外の人達で賑わっている宿「Guesthouse Fete」(ゲストハウスフェイテ)。
今では「民泊」・「ゲストハウス」という名前でよく聞く、部屋をシェアし、安く宿泊できるシステムは国内外のバックパッカーのみならず、一般の観光客にも支持され始めました。
Feteは昨年2月にオープンしてまだ1年にも満たないのに、30ベッドあるお部屋はほぼ満室。なぜこのようにうまくいっているのか気になりますよね。
しかも1階にあるカフェ「Ca fete(カフェテ)」は、宿泊者だけでなく一般の人も利用できる、ビーガン・ベジタリアン対応のお店です。
若くして支配人となった岩本秀央(いわもと ひでお)さんの経歴がまた特殊!
この宿の支配人になった経緯など楽しくお話を伺ってきました。
目次/Contents
- 1 きっかけはクロアチアを旅していた時に、言葉もわからずお金も無かった自分を助けてくれた現地のゲストハウスの温かさ。
- 2 シェフは洋食出身のもと宿泊者。「ビーガン料理の提供を始めたので、Vegewelで取り上げていただきたい」と言う依頼が舞い込んできました。
- 3 フリーアコモデーションを取り入れスタッフはボランティア。宿泊者も協力し合って宿を運営しています。
- 4 ワンコインで過ごせるイベントは毎夜大盛況!外国語を話してみたい、海外の情報を知りたいフリー客も気軽に参加。
- 5 フレンドリーで楽しい今の場を、さらに地域の方との交流を深めていける場にしたい。
- 6 店舗情報
- 7 Vegewelでレストラン検索
きっかけはクロアチアを旅していた時に、言葉もわからずお金も無かった自分を助けてくれた現地のゲストハウスの温かさ。
両国駅・蔵前駅から1キロほどのところ、大通りから少し入った静かな一角にある「Guesthouse Fete(ゲストハウス フェーテ)」。
近隣には、両国国技館・江戸東京博物館・スカイツリー・隅田川と下町を代表する建物があります。
ヨコヅナ町だと思ってこの公園を目安にFeteを検索したものの、ヒットせず…よく見たら、ヨコアミ町。両国=横綱と思い込んでいました。(笑)
休日の早朝、平日とは違い交通量もグッと少なく、静かな街並みを歩くこと10分程。近くには公園がありジョギングやウオーキングもOK!
こんなかわいい扉が目印です。
店先のボード。ベジタリアンとビーガンフードのカフェの文字が嬉しいですね。
Cafe とFeteをかけわせたネーミングが可愛らしい カフェ 「Ca fete(カフェテ)」!
小さな時からサッカー少年だった岩本さん。サッカーでのドイツ短期留学後、なぜか動物看護師の道を目指しました。(岩本さんの特殊な経歴!ドルフィントレーナーもやっていらしたんですよ)
でもやはりサッカーが好き!とドイツのクラブチームに所属。サッカー三昧の日々を送っていました。
しかし周りが日本人ばかりだった環境から離れたくて、チームを辞めクロアチアへ。なぜクロアチア?
「日本人が少ないと思ったからです」と岩本さん。クロアチアでは、その後の岩本さんの人生を変えるようなたくさんの出会いがありました。
「言葉もしゃべれずお金もなかった僕に、安い価格でたくさんのもの与えてくれ、多くの出会いがあったのが、日本人オーナーが経営するクロアチアのゲストハウスでした。
そこで経験した楽しい思い出と、たくさんの人との出会いは、僕の人生にたくさんの選択肢があることを教えてくれました」。
と岩本さんは当時を懐かしむように話して下さいました。
クロアチアで宿泊していたゲストハウス。
岩本さんは、クロアチアでのゲストハウス滞在の後再度クラブチームに戻りましたが、サッカーの情熱が薄れ、半年ほどで帰国することになります。
帰国してもクロアチアのゲストハウスで過ごした日々が忘れられず、自分も絶対にゲストハウスを始めようと決心。
ホステルでバイトをし、ヒッチハイクで日本中を回り、語学とゲストハウス運営のためのノウハウを学んだそうです。
色々なイベントを企画したり、たくさんの人脈ができてきた最中に、今のゲストハウス運営の話が舞い込んで、トントン拍子に話が進んで行きました。
「宿を始めてみると、海外のお客様が来て1番困るのが、ベジタリアンやビーガンの方の食事。この辺にはベジやビーガンの方が食べられる飲食店さんが全くなく。
ベジタリアンの方たちはスーパーに行って野菜をサラダにして食べたり果物をそのまま食べたりしていました。それを見ていて、なんとかしてあげられないものかといつも思ってたんです」。
そこから岩本さんは、ビーガン・ベジタリアンの人でも食べられる食事の提供をしようと思うようになります。
シェフは洋食出身のもと宿泊者。「ビーガン料理の提供を始めたので、Vegewelで取り上げていただきたい」と言う依頼が舞い込んできました。
ビーガン料理を考えていた時に、岩本さんは新潟で和食を作っていた調理人の真田(さなだ)さん(現在のシェフ)と出会います。
サナダさんは元々この宿のお客さん。岩本さんは、人を引き寄せる運がおありのようです!
ビーガンやベジタリアンの人も一緒に食事ができるメニューの提供をしたいと言う岩本さんの思いに共感してくれたサナダさんは、このゲストハウスのシェフになることに!
「もともと1階はカフェスペース。すぐに料理の提供ができる状態だったので、11月からカフェをオープンしました。
初めは外国人がたむろする不思議な場所のように思われていましたが(笑)、カフェをオープンすることで近隣の方にも受け入れられ、今ではカフェタイムにコーヒーを飲みに来てくれたり、海外から来ている宿泊客と楽しく話をしていくようになりました」。
と、うれしそうにお話をしてくださった岩本さん。
なんとこの日シェフのサナダさんは山登りにいかれていて不在。お話を伺いたかったのですが残念!
インタビューをしているうちに、ランチタイム!ということで、ライターもカフェでランチを頂きました。
カレーと豆乳ベースのキノコのパスタランチを注文。シェフが仕込んでいてくれるおかげで、不在でもメニューはバッチリ美味しく作れます。
笑顔が爽やかな、岩本さん(向かって右)と、宿泊しながら宿のお手伝いをしているスタッフ。
写真奥の窓ぎわは、冬晴れでポカポカと暖かく、まるでサンルームのようです。
豆のカレー。香辛料がきいていてほっこりする美味しさです。
豆乳とキノコのクリームパスタ。とてもクリーミーでこちらも美味。サイドのサラダドレッシングはナッツを使った風味のあるドレッシング。カレー、パスタともドリンク付きで¥900(税込)。
ビーガンケーキもいただきました。サイドはブルーベリージャム。はちみつはお好みで。
シェフが作るカレーやパスタはとても美味しくボリュームもあってリーズナブルな価格です。ビーガンスイーツや、世界中のクラフトビール・珍しいビールが置いてあるのもこのようなゲストハウスならではでしょう。
見たこともないような珍しいビールも!
フリーアコモデーションを取り入れスタッフはボランティア。宿泊者も協力し合って宿を運営しています。
ここでの運営は宿泊者のボランティアによるもの。宿泊代を払う代わりに宿を手伝うと言うシステム(フリーアコモデーション)で成り立っています。
このフリーアコモデーションは、人数の枠があるので誰もができると言うわけではありませんが、海外からの観光客が日本の文化に触れるために、1ヵ月くらいボランティアをすることもあるそうです。
その国その国の文化や生活習慣に触れたい場合は、やはり短い観光では限界があります。このように長期で滞在をしながら日本のことを知っていただくと言うのはとても良いことなのではないでしょうか。
近隣諸国の言語を話せる方がボランティアに入ってくれると、その人が世界中にインフォメーションできるというのも、SNSが普及した今ならではの発信方法ですね。
お店の運営だけでなく、創業までの内装やお店作りも岩本さんの人脈作りの努力の結果!友人の力を借りてDIYで作り上げコストを抑えました。
ワンコインで過ごせるイベントは毎夜大盛況!外国語を話してみたい、海外の情報を知りたいフリー客も気軽に参加。
なんといってもこのゲストハウスでのおすすめは、毎日夜8時から行われる500円のイベント。宿泊者だけではなくどなたでも参加可能なイベントです。
たこ焼きパーティーだったり焼きそばパーティーだったり、その内容はバラエティに富んでいます。
時には海外からの宿泊者が自分の国のお料理を振る舞うこともあるそうで、なかなかインターナショナルなイベント!
最近では飛び込みで外からのお客様が来店したり、近隣の方が参加することも。以前とはずいぶん変化が見られるようです。
まさに友達の輪ですね。
イベントではミートアップ!出会いの日もあり、異文化交流ができます。
皆さんお互いの国の情報交換をしたり、次に行く国に思いを馳せたりなさるそうです。
海外の方は陽気なので、お酒が入ると歌を歌ったり、話も盛り上がります。騒音の問題もあるのですか?と聞くと、イベントは21時までの1時間で問題が起きると言う事は無いそうです。
たこ焼きイベントの様子。
「はじめの頃は近所迷惑じゃないかと思っていたんですが、最近ではこのイベントがずいぶん認知されてきたようで、ご近所の方々も暖かく見守ってくれているようです。地元の人との交流は僕の目標でもあるので、嬉しいですね。
最近では大学のイベントや、ワークショップにも利用され始めました。
大学には海外留学生もいるので、同郷の仲間とのひと時を送ったりすることもあるみたいです。ちなみにこんなイベントもやるんです」。
とポスターを見せていただきました。
明治大学のクリスマスイベント。
そのイベントが行われた実際の様子。
フレンドリーで楽しい今の場を、さらに地域の方との交流を深めていける場にしたい。
1Fはカフェ。コーヒーを飲んだり、ランチを食べたり、夜にはみんなで食事をしたりと、リビング的な要素も含めみんなの交流の場になっています。
2・3階の宿泊スペースを見せて頂きました。
清潔感のある2Fリビング。
女性専用ルームの就寝スペース。
お風呂は無いですが、近くに銭湯があり、なかなかの人気だそう。シャワーブースもいくつかあり、皆さん綺麗に使っています。
「体験から出会いへ 」がテーマのFete。ゲスト同士、ゲストとスタッフ、そして地域の人と、一緒に体験した人がより仲良くなれる。ただの出会いではなく、別れた後も 繋がれる関係を作れるような場所を目指している岩本さん。
岩本さんはこれから、日光に二軒目のゲストハウスを考えているそうです。
「ここより少し小さい規模ですが、日本の歴史ある名所、観光地でもある日光は海外の観光客もとても多いので、オープンが楽しみです」。
と次のステップを話して下さいました。
若さ溢れる爽やかな若者達が盛り上げる、「Guesthouse Fete」 のこれからが楽しみです!
【「Guesthouse Fete」(ゲストハウス フェイテ)】
住所:東京都墨田区石原1丁目39-1
tel:08035994622
guesthousefete@gmail.com
URL:
http://fete-guesthouse.com/
※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。
店舗情報
Vegewelでレストラン検索
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