ビーガンやオーガニックの老舗店。世界中のオーガニック食材を扱っているアリサンオーガニックセンター/阿里山(アリサン)カフェが伝えたいこと【埼玉県日高市】

今年30周年を迎えるアリサン。その全てを司っている「アリサンオーガニックセンター」は、世界各地のオーガニック食材を扱う老舗中の老舗です。

そして、同じ建物内にあるのが、「阿里山カフェ」。ビーガン・ベジタリアンメニューも豊富ですが、ノンベジの方も楽しく集い、美味しいものが食べられるお店にしたいという願いから作られました。

ビーガンやベジタリアンに特化しているのかと思いきや、「食のバリアフリー」という、Vegewelの理念と全く同じ考えを持っていた事に縁を感じます。

みんなで楽しく食事をする事の大切さ、安全で美味しい食事の大切さを未来に繋げていきたいという思い。

阿里山カフェをまとめている台湾人のYawen(ヤウエン)さんに、オリジナルのオーガニック食材の仕入れや販売ルートについて、阿里山カフェ誕生の経緯など、沢山の秘話を伺ってきました。

阿里山カフェの場所や詳細な情報はこちら

世界中を旅しながら、食材探し!3本の柱からなるアリサンの生い立ちを伺いました。

アリサンは、3つの大きな柱で成り立っています。

1「アリサンオーガニックセンター」
ベジタリアンフーズを基本に、ナチュラルなライフスタイルの提案や場所の提供(カフェやイベント)を行う、アリサンの組織全体を司る本体。

2「テングナチュラルフーズ」
世界各地から届くオーガニック・ベジタリアンの食材、エスニックフード、エコ雑貨などを扱い、オリジナルの新商品を開発提案しているお店。

阿里山カフェに併設されたショップと、オンラインショップがあります。阿里山カフェのショップでは、曜日限定で地元生産者による無農薬・無化学肥料の旬の野菜やパンの販売も。

3「阿里山カフェ」
土日祝日のランチには行列ができてしまうほどの人気カフェ。広いウッドデッキでは、1年を通して新鮮な野菜を使ったベジタリアンランチを満喫できます。

午後には高麗川を眺めながらカフェタイムも楽しめます。


風光明媚なその場所に建つ、ひときわ目立つボルドー色の洋風の建物が阿里山カフェ。アリサンオーガニックセンターのオフィス・カフェ・住居を兼ねた建物です。


埼玉県日高市にある阿里山カフェは、彼岸花で有名な巾着田がすぐ側にあり、シーズンの週末には1日で1,000人以上の人が訪れます。


ゴールデンウィーク・夏休みシーズン・休日には、そばを流れる高麗川でバーベキューをするファミリーや若者達、最近ではトレッキングの後に立ち寄る人達も。


カフェの入り口はぬくもりある木の扉。

インタビュー当日、Yawen(ヤウエン)さんが、流暢な日本語で詳しいお話を聞かせてくださいました。

「オーナーはアメリカ人の John C Bayles 通称ジャック。アメリカで動物学を学んで、環境関連の仕事をしていました。

畜産における動物達の悲惨な状況を知り、エコなライフスタイル・ベジタリアンライフをアメリカで送っていました」

旅好きだったは彼は、30年以上前に日本を訪れ、この国を大変気に入ります。しかしある問題が発生。それは「食べられる物がない!」

当時の日本は高度成長真っ只中で、添加物や加工食品だらけ。困ったジャックは「アメリカから食べるものを取り寄せよう!」と ひらめいたそうです。

「始めは自分が食べたいものを取り寄せていたジャックでしたが、周りの友人や外国人のベジタリアンがその事を知り、需要が多くなっていきました。

資金もそんなになかったジャックは、日本のアンティーク家具をアメリカに輸出して資金を捻出しました。

それをもとに、アメリカからシリアルなどのオーガニック食材を取り寄せ、それがテングナチュラルフーズをビジネスとして立ち上げるきっかけになったんです」

出始めの頃は東急ハンズやナチュラルハウスに物販を卸してスタートしたテングナチュラルフーズ。今ではネット販売が主流になり、全国的にアリサンの商品を買うことが可能になりました。

オーガニック食材の物販からスタートしたテングナチュラルフーズは、その後「阿里山カフェ」をオープンさせて行くこととなります。


テングナチュラルフーズのパンフレット。


旅行が好きだったジャックは、日本のみならずアジアを旅して回っていました。そんな時訪れた台湾で、ジャックはフェイさんに出会います。

パートナーとなったジャックとフェイさんは、オーガニック食材を探し求め世界中を旅します。

「阿里山はパートナーのフェイさんの故郷、台湾にある山の名前です。そこに住む人々は自然を愛しお互いに助け合い生きています。そんな阿里山のような安らげる場所にしたいと願い、アリサン(阿里山)が社名になりました」

ビーガン・ベジタリアンでは先端を行く、ドイツを始めとするヨーロッパやオーストラリア、スパイス王国インドなど、世界中を旅しながら、食材を探すだけでなく、レストランにも多く立ち寄るという、勉強に余念がない二人。

時には生産農家を訪れることもあり、気に入った食材は生産者と直接コンタクトを取り、仕入れることもあるのだとか。

より良いものを仕入れたいと思うジャックとフェイさんの情熱を感じます。

光がサンサンと降り注ぐデッキスペースはオールシーズン快適!開放感あふれる空間でのベジランチは最高!


うららかに流れる高麗川が見下ろせるウッドデッキは、暖かい日差しが差し込みゆったりと時間が流れます。


丈夫なビニールカーテンで仕切られ、冬場はストーブも数台置かれて快適です。

気候が良くなるとビニールカーテンを開け、屋根も自動開閉、全天候型のスペースです。晴れた日は気持ちいいですね!

ペット連れも一緒に過ごせるスペースがあるのが嬉しいです。


ペット連れ専用の入り口はこちら。

「ジャックの希望は、『安心安全なものを楽しくみんなで食べてもらいたい!』そういったライフスタイルの提案だったんです。

ビーガン・ベジタリアン・ノンベジということにこだわるのではなく、美味しいものをみんなで楽しく食べられるスペースを作ること。

その思いからスタートした阿里山カフェも、15年の歳月が流れました」

カフェをまとめているヤウエンさんは、フェイさんの姪なのだそう。カフェのスタートからいらっしゃる、阿里山カフェを最もよく知る方です。

ヤウエンさんに、お料理の説明をしていただきました。


通常メニューの他に、ボードメニューで本日のおすすめがあります。ビーガンメニューにはVマークが付いていてとてもわかりやすくなっていました。


オーダーしたのは本日のおすすめ2品。

素食麻婆豆腐(ベジマーボードウフ)と、お豆と季節野菜のカレーを選択。どちらもサラダとお惣菜が付いて(税込1,150円)。

麻婆豆腐は、薬膳のような辛さ。カレーもコクがあり野菜が美味しかったです。思いのほかボリュームがあり、男性でも十分満足できますよ!

スイーツも充実。トラディショナルスイーツとビーガンスイーツに分かれています。


アップルパイが好評で直ぐに売り切れると聞き、メインメニューのオーダーと同時にキープ。ホットアップルパイとビーガンアイス(税込780円)はボリューミー、食後に知人とシェアしていただきました。


ドリンクメニューは種類が豊富。オーガニックのコーヒーはもちろん、オーガニックハーブティー・チャイ・ヨギティー・トラディショナルハーブティー・ソイミルク・キッズ向けの飲み物等があります。

シンボルはテング。世界中から集まるオーガニック食材は、スタッフみんなで検討して商品化を進めます。

ジャックが日本でオーガニック食材を扱い始め、ビジネスとしてスタートさせた時につけた名前が「テングナチュラルフーズ」。

当時外国人の高い鼻は日本人にとっては天狗のように見えたそうで、ジャックのニックネームはテング!それをネーミングにしたそうです。


カフェと併設されているテングショップ入り口に、大きな天狗のお面がかかっています。テングショップの名前の由来がニックネームだった事を知っていれば、なるほどと頷けます。


オーガニックの野菜やパンも販売されます。


日本には無い海外の食材にワクワクしますね。

「ジャックとフェイは、世界中の食材を探すためによく旅に出ます。今まで信頼関係で結ばれてきた生産者とのコミニュケーションを兼ね、いろいろなところに訪ねて行くんです。

そのように集められた世界中の新しい食材は、帰国すると全てスタッフにミーティングで説明します。また、二人が海外のレストランで食べたお料理・食材の内容・雰囲気・味などの情報も、全てスタッフに伝えられます。

新しい食材は、スタッフが食べて細かく観察し、販売できそうかどうかを時間をかけて検討するんです」

食材の販売検討だけではなく、食材の料理方法や使い方などの研究もスタッフ間で意見交換をして進行していくそうです。


時間をかけて開発し続けた商品達が所狭しとお店に並んでいます。


世界中から輸入している食品が、ご覧のようにたくさん!ハーブやスパイスも数多くあります。

ネット通販でも購入できますが、やはり手に取って商品の説明を聞きながら ショップで直接買うのが楽しいですね!

「特にオーガニック食材に関しては、生産地の環境がとても大切なので、実際に産地に出向くことが多く、生産者とのつながりも大切にしています。」


アリサンは、オーガニックセンターとは別に倉庫があり、日本に来た食材は一度その倉庫に入ります。その後、オーガニックセンターで小分けして出荷される仕組みです。

物流まで管理しているアリサンのシステムは、30年の歴史が作り上げたものなのです。

アリサンは、今年の春の幕張メッセで行われたFOODEX JAPAN 2018(フーデックスジャパン2018)に出店しました。3,000社以上が参加する大イベントで、26年前から参加し続けています。

消費者のとコミュニケーションも大切にしているのですね。

10月のアリサンマーケットでは、30周年のアニバーサリーイベントを実施予定。乞うご期待!


アリサンは、毎年7月と10月にオーガニックカーニバルを開催しています。特に10月は催し物としては大きく、マーケットを楽しみに全国から人が訪れます。


「今年はアリサンオーガニックセンターが創立して、30周年のアニバーサリー!より大々的に協賛店を集め、イベントとしては盛大に行う予定です」


カーニバルの時には、カフェの奥にある建物でヨガが行われたり、中庭でコンサートが行われたりするそうです。

お天気が悪くてもカフェスペースのエリアはビニールでしきられるのでそちらで楽しく過ごせます。


お店で出しているメニューが載っている、アリサンのレシピ本も出ています。

お料理・スイーツと幅広く掲載されています。

現在、ショップやお店の中をリフォーム中のアリサン。これからが楽しみです。

アニバーサリーの年にアリサンをご紹介できて良かったと思っています。オリジナルの記念品も考えていらっしゃるそうなので待ち遠しいですね!

詳しくはホームページに載っていますので、ご興味のある方はぜひご覧下さい。

「アリサンオーガニックセンター」
住所:埼玉県日高市高麗本郷185-2
tel:042-982-4812
fax:042-982-4813
email : info@alishan.jp
http://www.alishan-organics.com

「阿里山カフェ」
阿里山カフェの場所や詳細な情報はこちら

「テングナチュラルフーズ」
tel:042-982-4811
fax:042-982-4813
受付時間:9:00〜18:00(月〜金曜日)
email:Tengu@alishan.jp
https://store.alishan.jp/
http://www.alishan-organics.com

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

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食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

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Kaoru

Kaoru

新潟で有機野菜・無農薬野菜を作る友人を訪問するうちに、体に良いものを美味しくいただけるようにと、ナチュラルフードコーディネーターを取得。東京以外にもたくさん有るベジに関する情報をお届けするべく、猛勉強中。