今さら聞けない、ベジタリアンって?~健康への近道?!ベジタリアンのディープな世界~

更新日:2023/01/17 公開日:2018/04/19

2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人を迎え入れようと、都内にはベジタリアンレストランやカフェ、ベジタリアン対応可能な店舗が増加傾向にあります。

海外においてベジタリアンは、スマートで意識が高いように捉えられていますが、日本では偏食や変わり者と見られる風潮があるように感じます。

今回はまだまだ理解され難いベジタリアンにフォーカスして「今さら聞けない、ベジタリアンって?~健康への近道?!ベジタリアンのディープな世界~」をお届けします。

野菜だけを食べる人が「ベジタリアン」ではなかった!

ベジタリアンとは「菜食主義者」と訳されるため、ベジタリアンの『ベジ』はベジタブルの『ベジ』と誤解されがちですが「健全な・活力のある・生命力にあふれた」という意味のラテン語のベジトゥスが語源です。

植物性の食品のみを食べる人というイメージが強いベジタリアンですが、実は細かいカテゴリーに分かれ、限定された動物性食品を食べるベジタリアンが数多く存在します。

つまり、ベジタリアンは野菜のみを食べる人ではなく、植物性食品中心の食生活を続けている人のこと。

動物性食品を一切摂取しない人は「ベジタリアン」ではなく「ヴィーガン(ビーガン)」と区別され、厳格なヴィーガンはあらゆる目的で動物性のものを摂取しません。

今さら聞けない、ビーガンとベジタリアンの違い!

日本のベジタリアンは約570,000人


2023年1月にVegewelが実施した『日本のベジタリアン・ビーガン・ゆるベジ人口調査』によると、日本のベジタリアン率は5.9%。

日本人の約740,000人がベジタリアンという結果がでました。

日本のベジタリアン・ビーガン・ゆるベジ人口調査

2013年12月に世界無形文化遺産に登録された和食。

それを目当てに訪れる訪日外国人が増加する一方で、鰹節などの動物性食材を使った出汁がベジタリアンにはネックとなっています。

欧米ではベジタリアンはすでに市民権を得ていて、レストラン・社員食堂・学生食堂などでも、ベジタリアンメニューがスタンダードになりつつあります。

しかし、日本のベジタリアンは未だにマイノリティな存在で、インバウンド対策も大きく出遅れています。

世界最大のベジタリアン大国インドは、人口の約30%がベジタリアン!


インドは、アヒンサー(非暴力・非殺生)といった宗教上の観念により、ベジタリアンを実践している人の割合が世界一多い国です。

その中でもインド独自の宗教ともいえるジャイナ教は「採取時に地中の動物・虫・微生物を傷つけることがある」として、ジャガイモやタマネギなどの根菜類を避ける厳格な教えもあるそうです。

ベジタリアンでなくても食べてみたい!台湾素食


インドに次ぐアジアのベジタリアン国、台湾では約10%の人がベジタリアンです。台湾には、台湾素食(たいわんそしょく)という、独自の食習慣があります。

素食では、肉・魚・卵・乳製品に加え、五葷(ごくん)と呼ばれる、ネギ・ニラ・ニンニク・ラッキョウ・タマネギも食べません。

五葷は宗教的な教えに従い、興奮作用が強いことと、内臓や腎臓などの器官に強い影響を及ぼす可能性が高いことから避けられている食材です。

台湾素食では、大豆・きのこ・こんにゃく・グルテンなどを使って、肉や魚のような食感を再現した「モドキ料理・モドキ食材」が有名です。

完成度が高くボリュームがあってバラエティ豊かで美味しい!となれば一度は味わってみたいですね。

新月と満月の日にベジタリアン


仏教徒の多い台湾やベトナムなどでは、旧暦の1日(新月)と15日(満月)にベジタリアン食(精進料理)を食べる風習があります。

仏教の慣わしに沿った「菜食の日」は、普段ベジタリアンではない人も動物性食品を避けるとか。

満月の日には心身の吸収力が高まり、新月の日には浄化力が働くと言われますが、デトックス目的に菜食をするには絶好のタイミングなのかもしれませんね。

ベジタリアンになるのには様々な理由があります


宗教・健康・体質・思想・道徳・環境・食の安全・動物愛護・地球環境保全・ファッションなど。

近年、世界中で35歳未満のベジタリアンが急速に増加傾向にあります。

「動物性食品の摂取を減らすことが健康につながる」といった考えが背景にあり、今後どのような変化が起こるのか期待したいですね!

ベジタリアンの種類

ベジタリアンには細かな分類があり、それぞれ食べられる食物が制限されています。

【エシカルヴィーガン】
植物性食品のみを食べます。衣食住すべてにおいて、動物性のものは生活に取り入れません。

【ダイエタリーヴィーガン】
植物性食品のみを食べます。身につける物に動物性(革・毛皮・ウール・シルク)が含まれることがあります。

【フルータリアン】
基本的に果物・種子・ナッツなどを中心に食べます。(収穫後も食物自体を殺さないものに限定)

【ラクト(乳製品)ベジタリアン】
基本的に穀菜食で乳製品・蜂蜜を食べます。

【オボ(卵)ベジタリアン】
基本的に穀菜食で卵も食べます。(蜂蜜は食べません)

【ラクトオボ(乳製品・卵)ベジタリアン】
基本的に穀菜食で乳製品・卵を食べます。

【ペスコ(魚)ベジタリアン】
基本的に穀菜食で魚介類・乳製品・卵を食べます。

【ポウヨウ(鶏肉)ベジタリアン】
基本的に穀菜食で、鶏肉・魚・乳製品・卵を食べます。

【オリエンタルベジタリアン】
五葷を除く植物性食品のみを食べます。(五葷とは、仏教用語で禁葷食のことでネギ属の植物)

【セミベジタリアン・フレキシタリアン】
基本的に穀菜食で、野菜中心に食べます。動物性食品を食べる割合が極めて少ないです。

【ノンミートイーター】
肉以外のものを食べます。

【ローフーディスト】
生食または、酵素が豊富な45〜47℃以下で調理したものを食べます。

【マクロビアン】
陰陽に基づく玄米菜食のマクロビオティック食を食べます。

ベジタリアンと一口にいっても種類は様々。他にも細かな分類があるようですが、食のバラエティが広がれば広がるほど、新しくベジタリアンのカテゴリーも増えていくようですね。

ベジタリアンのメリット


【生活習慣病の予防(高血圧・動脈硬化・心筋梗塞など)】
動物性食品を摂取するよりも低脂肪で血液がサラサラになり、循環器への負担が減るので、身体が軽くなり疲れにくくなると言われています。

【便秘の解消・美肌効果】
野菜に含まれる、不溶性食物繊維・水溶性食物繊維の両方を摂取することでスムーズなお通じに。身体をデトックスでき、お肌も生き生きします。また、動物性の脂を摂取しないので、皮脂が減り体臭が軽減される方もいます。

【脳の機能向上】
動物性の脂肪は通常の消化活動の3倍以上の時間がかかると言われています。ベジタリアンの食事は消化で使うエネルギーを脳に回すことができ、食後に眠くならずに集中力がアップするという人も多いです。

ベジタリアンのデメリット


【栄養面】
植物性食品だけでは、タンパク質・鉄分・亜鉛・カルシウム・ビタミンB12・オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が不足しがちな傾向にあります。不足しがちになる栄養素は意識して取り入れる【工夫】が必要です。

  • タンパク質・鉄分・亜鉛は、大豆製品・穀物・バジル・小松菜・ほうれん草など。
  • カルシウム・ビタミンB12は、小松菜・青梗菜・干し海苔や海藻類など。
  • オメガ3脂肪酸は、ゴマ・くるみ・フラックスオイル(亜麻仁油)・キャノーラオイル(菜種油)など。

また、消化を助ける発酵食品と合わせて食べると吸収が良くなります。

【外食できるお店が限定されてしまう】
ベジタリアンメニューが浸透してない日本では、外食できるお店を探すのも一苦労。食べられるものがあるか?ベジタリアン対応が可能か?だけでなく、ノンベジの人と料理のシェアができないなど、外食での悩みはつきません。

Vegewelでは、ベジタリアンはもちろん、食制限のある方にピッタリなレストラン検索のお手伝いをしています。

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ベジタリアンの強い味方になりますよ!

【周囲の人に気を使わせてしまう】

  • 家族・友人・同僚などから、ベジタリアンに対して理解を得ることができない。
  • 栄養不足にならないかと心配させてしまう。
  • 空気が読めない人と思われてしまう。

ベジタリアンであることを口外しない、隠れベジタリアンも密かに存在しています。

今日食べるものが明日のあなたを作る!


身体に良い食べ物とは、食べる人や食べ方によって変わります。

「わたしたちの身体は食べたものでできています」

何を食べようが、食べまいが、その選択は自由です。

ベジタリアンもノンベジタリアンも、個人の思想を尊重し合い「食べられるけど食べない」というオプションもあり!とカジュアルに受け止めたいですね。

食べたいものを美味しく食べることが、心と体の健康につながります。

あなたは今日何を食べますか?

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kiki

kiki

静岡生まれ
元ソロバックパッカー。行きあたりばったりで30ヶ国以上を現地の人のように旅をし、多くの人生経験を積む。野菜全般を口にしない超偏食から食べられることの有り難さを旅を通して学び好き嫌いのない人生へ好転する。鼻を頼りに美味しい物を探すのが得意。
海より山、肉より野菜、撮られるより撮るのが好き。

子どもの頃の夢だった〈幼稚園の先生〉を調理師として〈幼稚園の‘給食’の先生〉となり叶え、大好きな子どもたちの成長を間近で見守っている。
安全・安心はもとより、誰でも楽しく食べられるバリアフリーな給食の提供が目標。
ヨガインストラクター・ライター
夫と子どもの3人暮らし