豆乳に含まれるタンパク質の量は?牛乳・植物性ミルクとの違いを解説
豆乳には、原料となる大豆に由来する植物性タンパク質が含まれています。
豆乳と一言で言っても、スーパーやコンビニで目にする豆乳にはさまざまな種類があります。豆乳の種類によってタンパク質の量は違うのか、牛乳や他の植物性ミルクとの違いはあるのか、知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、豆乳の種類の違い、豆乳に含まれるタンパク質の量と主な栄養素、牛乳や他の植物性ミルクとの違いを解説します。豆乳を使ったおすすめのレシピや飲み方もご紹介しているので、参考にしてください。
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目次/Contents
豆乳の主な栄養素
豆乳100gあたりに含まれる主な栄養素は、以下の通りです。
・カロリー:44kcal
・タンパク質:3.6g
・脂質:2.0g
・炭水化物:3.1g
・食物繊維:0.2g
・カリウム:190mg
・カルシウム15mg
他にも、豆乳には3大栄養素の代謝を助けるビタミンB群、血行促進・抗酸化作用を持つビタミンEなどが含まれています。
また、大豆イソフラボン・サポニン・レシチン・オリゴ糖・フィチン酸なども含まれ、美容や健康に効果が期待できます。
ここでは、以下の2つの栄養素について詳しく見ていきましょう。
タンパク質
豆乳コップ1杯(200ml)あたりのタンパク質含有量は7.2gです。ただし、豆乳に含まれる大豆固形分の量によって異なるため、詳しくは商品の表示ラベルを確認しましょう。
タンパク質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪・ホルモンなどを構成する重要成分です。タンパク質には、肉や魚・牛乳などに含まれる動物性タンパク質と、穀類・大豆などに含まれる植物性タンパク質があります。
豆乳は、大豆由来の植物性タンパク質や、体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが特徴です。
イソフラボン
豆乳には、大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンには、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きがあり、更年期障害の症状改善効果や、加齢に伴う骨粗鬆症の予防効果が期待されています。
豆乳の種類と特徴
市販されている豆乳は、日本農林規格(JAS規格)によって、次の3つに分類されます。
・無調整豆乳(豆乳):大豆固形分8%以上・大豆タンパク質含有率3.5%以上
・調整豆乳:大豆固形分6%以上・大豆タンパク質含有率2.8%以上
・豆乳飲料:大豆固形分2%以上・大豆タンパク質含有率0.9%以上
豆乳の種類は、大豆固形分(製品から水分を除いた残りの成分)と大豆タンパク質含有率が何%かによって分けられています。商品パッケージに明記されているので、購入する際の参考にしてください。
無調製豆乳
大豆に熱処理を加え、繊維質を取り除いた乳白色の液状そのままのものを無調整豆乳といいます。
無調整豆乳は、3種類の豆乳の中で最も多くのタンパク質を含んでいます。添加物が入っていないため、大豆本来の味が楽しめるのが特徴です。反面、大豆臭さが苦手な方には不向きかもしれません。
コップ1杯(200ml)あたりのカロリーは88kcal、脂質は4.0gで、他の豆乳より低くなります。
調製豆乳
豆乳に大豆油・その他の食用植物油脂・砂糖・塩などを加えたものを調製豆乳といいます。
無調整豆乳に比べて豆臭さが抑えられるため、飲みやすい傾向にあります。ただし、砂糖などが入っているため、コップ1杯(200ml)あたりのカロリーは126kcal、脂質は7.2gと、無調整豆乳より多いです。
また、調製豆乳の大豆固形分は6%以上で、タンパク質の量は無調整豆乳より少なくなります。
食品成分データベース 豆類/だいず/[その他]/豆乳/調製豆乳
豆乳飲料
調製豆乳に、果汁やコーヒー風味原料などを加えたもので、バナナ味・紅茶味・コーヒー味など、さまざまなフレーバーが出回っています。
豆乳飲料の大豆固形分は2%以上で、3種類の中では最もタンパク質の含有量が少ないです。コップ1杯(200ml)あたりのカロリーは118kcal、脂質は4.4gなので、調製豆乳と比べると脂質はさほど多くありません。
豆乳の豆臭さが苦手な方は、調整豆乳や豆乳飲料を選ぶなど、目的やシーンに合わせて使い分けると良いでしょう。
食品成分データベース 豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳飲料・麦芽コーヒー
簡単レシピを紹介しているので、ぜひ試してみてくださいね。
牛乳・他の植物性ミルクとの違い
牛乳の代わりに植物性ミルクを使う場合、成分や栄養素の違いが気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、豆乳と以下4つの飲料との違いを解説します。
・牛乳
・アーモンドミルク
・オーツミルク
・ココナッツミルク
1つずつみていきましょう。
牛乳
豆乳と牛乳の一番の違いは、タンパク質の種類です。豆乳のタンパク質は植物性であるのに対し、牛乳のタンパク質は動物性です。牛乳コップ1杯分(200ml)のタンパク質量は7.2gで、さほど変わりません。
牛乳のカロリーは、コップ1杯分当たり122kcalと、豆乳より高めです。豆乳には、貧血予防の効果がある鉄分が含まれていますが、牛乳には含まれていません。
カルシウムは、牛乳のほうが約7倍多く含まれていますが、豆乳には大豆イソフラボンやマグネシウムが含まれているため、骨や筋肉の発達にも良い影響が期待できます。
アーモンドミルク
アーモンドミルクは、その名の通りアーモンドを原料として作られる植物性ミルクです。そのため、含まれるタンパク質は豆乳と同じ植物性です。
コップ1杯分(200ml)あたりのタンパク質は1.0gと、豆乳に比べて約1/7程度です。
砂糖不使用のアーモンドミルクの場合、カロリーは約39kcalで豆乳の半分程度です。また、脂質と炭水化物も低くなります。
一方、ビタミンEやカルシウムは、豆乳と比べて多いです。
オーツミルク
オーツを原材料とするオーツミルクは、豆乳と同様、植物性ミルクです。コップ1杯分(200ml)あたりのタンパク質含有量は、豆乳と比べて少ないです。
オーツミルクは豆乳と比べて、食物繊維やビタミンB2・B12が豊富に含まれています。また、あっさりしてクセがなく、飲みやすいのが特徴です。
ただし、オーツミルクには、豆乳と比べて糖質が約2倍ほど多く含まれているため、ダイエット目的なら豆乳のほうがおすすめです。
ココナッツミルク
ココナッツミルクは豆乳と同様、植物性ミルクです。コップ1杯分(200ml)あたりのタンパク質含有量は、豆乳の約1/2と少なめです。また、鉄分も豆乳よりココナッツミルクの方が少ないです。
一方、カリウムは豆乳よりココナッツミルクに多く含まれています。
ココナッツミルクのコップ1杯分あたりのカロリーは314kcal、脂質は32.0gと、他の植物性ミルクと比べて最も多いため、飲み過ぎには注意が必要です。
豆乳を使った簡単レシピ
豆乳は、飲むだけでなく料理やスイーツにも活用できます。
料理に使う場合は、味付けされていない無調整豆乳がおすすめです。スイーツやドリンクには、甘味がついた調製豆乳を使えば、おいしさが引き立つでしょう。
ここでは、豆乳を使ったレシピを4つご紹介します。
料理①まろやか豆乳納豆汁
材料:4人分
納豆…2パック
豆腐…1/2丁
油揚げ…1~2枚
こんにゃく…1/2枚
にんじん…1/2 本
ごぼう…1/2本
芋がら…15g
調製豆乳…200ml
みそ…大さじ4~5作り方
①油揚げは油抜きして細切りにする。こんにゃくは下ゆでし、食べやすい大きさに切る。芋がらは、パッケージの表示どおりにもどし、食べやすい長さに切る。豆腐はさいの目に切る。にんじんは半月切りに、ごぼうはささがきにして、さっと水につけて水けをきる。納豆は細かく刻む。②鍋に水600mlを入れ、芋がら、にんじん、ごぼうを加えて火にかける。煮立ったらこんにゃく、油揚げ、豆腐を加え、にんじん、ごぼうがやわらかくなるまで煮る。
③納豆、みそを鍋の湯で溶いて加え、豆乳を加えてひと煮立ちさせる。
引用:日本豆乳協会
料理②ごどうふ
材料:作りやすい分量・8×12cmの流し缶1個分
無調整豆乳…500ml
くず粉…大さじ4(50~60g)
〈あん用〉
水…200ml
顆粒だし…小さじ1
みりん…小さじ1
しょうゆ…小さじ1
かたくり粉…大さじ1
わさび…少々作り方
①なべにくず粉を入れ、豆乳を少し加えてよくとかし、粉っぽさがなくなったら残りの豆乳を加える。②①のなべを中火にかけ、へらでなべ底をこすりながらまぜる。
③なべ底にへらを動かしたあとが残る程度にとろみがついたら、さらに5分ほどねる。
④流し缶などの容器を水にくぐらせ、③を流し入れ、そのまま冷ます。
⑤④の容器をひっくり返し、食べやすい大きさに切って器に盛る。
⑥なべにあんの材料を入れて、まぜながら中火にかけ、なべ底にへらのあとが残る程度までとろみをつける。
⑦⑤にわさびをのせ、⑥のあんをかける。
引用:日本豆乳協会
お菓子①紅茶豆乳寒天
材料 (4人分)
調整豆乳(紅茶味) 600ml
粉寒天 小さじ1(2g)
きな粉 大さじ4(30g)作り方
1 鍋に豆乳を入れ、粉寒天を振り入れていく。
2 火をつけてふつふつとしてきたら、火を弱め混ぜながら3分ほど加熱して粉寒天をしっかりと溶かす。
3 容器に4等分で流し入れ、あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
4 固まって、食べるときにきな粉を大さじ1ずつかけたら完成。
お菓子②もちもちクレープ
材料:6~7人分
調製豆乳…200ml
白玉粉…50g
米粉…50g
こしあん…適量
あんずのシロップ漬け…適量作り方
①白玉粉と米粉を合わせ、豆乳を少量ずつ加えながらヘラで混ぜる。
②フライパンに油を薄くひき、①を薄く流し入れて弱火で焼く(30mlのたねを直径15cmくらいに広げるのが目安)
③両面を焦げ目がつかない程度に焼いたら、オーブン用シートの上にとり出す。
④粗熱がとれたら、こしあんをバターナイフなどで薄く塗る(なるべく薄く塗るのがポイント)。
⑤スライスしたあんずを散らして生地をくるくると巻く。
✽ 生地を冷蔵するとかたくなりますが、ラップで包んで電子レンジで加熱すると柔らかさがもどります。引用:日本豆乳協会
豆乳が苦手な方へおすすめの飲み方
豆乳を日常生活に取り入れたいけれど、「大豆っぽさが苦手」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
豆乳の味や風味が苦手な方に向けて、おすすめの飲み方をご紹介します。
紅茶・コーヒーに入れて飲む
まず1つ目は、紅茶・コーヒー・ココアに入れて飲む方法です。無調整豆乳は大豆固形分が多いため、豆臭さが気になる場合があります。紅茶やコーヒーなど風味の強い飲料と組み合わせると、比較的飲みやすくなるでしょう。
ただし、豆乳は熱を加えると凝固しやすい性質があるため、一気に温めると分離してしまうことがあります。ホットで飲む場合は、少量ずつゆっくり入れるようにしましょう。
きなこを混ぜて飲む
2つ目は、きな粉を混ぜて飲む方法です。きな粉にはタンパク質やカルシウム、食物繊維が含まれているため、豆乳だけで飲むよりも栄養価が高くなるでしょう。
また、きな粉には糖質が少なく、低糖質ダイエットに向いています。さらに、食物繊維の働きで腸内環境を整え、便秘解消の効果も期待できます。
バナナをつぶして混ぜる
3つ目は、バナナをつぶして混ぜる方法です。豆乳の豆臭さが解消され、バナナの甘味によって飲みやすくなるでしょう。また、豆乳とバナナを凍らせてミキサーにかければ、簡単にバナナシェイクが完成します。
バナナにはカリウムが豊富に含まれているため、むくみ解消の効果が期待できます。食物繊維も豊富に含まれるため、便秘予防にも役立つでしょう。
「豆乳ヨーグルト」として取り入れるのもおすすめ!
参考として、豆乳ヨーグルトを試してみる方法もおすすめしています。
豆乳ヨーグルトは豆乳特有の風味が抑えられ、ヨーグルトのようなマイルドな味わいが楽しめます。さらに、豆乳と同様に栄養価が高く、健康にも良いとされています。
フルーツサンドなど、豆乳ではできないアレンジもできますので、以下の記事を参考にぜひお試しください!
豆乳ヨーグルトが気になっているという人はぜひ、この記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、豆乳に含まれるタンパク質の量と主な栄養素、牛乳や他の植物性ミルクとの違いを解説しました。
豆乳は、大豆固形分(大豆タンパク質含有率)や豆乳以外の原材料の有無によって、無調整豆乳・調製豆乳・豆乳飲料の3種類に分類されます。それぞれ栄養成分や風味が異なるため、さまざまな使い方を楽しめるでしょう。
今回ご紹介したレシピやおすすめの飲み方を参考に、ぜひお好みの豆乳を生活に取り入れてみてください。
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