基本の玄米をいただきます!〜西邨マユミのプチマクロ生活〜

こんにちは、マクロビオティック・ヘルス・コーチの西邨マユミ(にしむら・まゆみ)です。

今年は6月に日本を出発してから、ウィスコンシン州で娘の出産に立ち会って、7月からはアラスカのマクロビオティック・コミュニティへ移動、夏を過ごしています。

1年ぶりのコミュニティでは、懐かしい友人との再会はもちろん、自然の中で命と向き合い、いただいた自然の恵みを「いただく」ことを改めて体感する日々を過ごしています。

アラスカのマクロビオティック・コミュニティ


日本に帰ると「マユミさんはアメリカではアラスカに住んでいるんですよね?冬は寒くありませんか?」と聞かれますが、基本的には夏の一時期、このコミュニティで過ごしています。

以前は「ティピ」というネイディブ・アメリカンのテントで生活していましたが、最近はロッジにグレードアップしました(笑)。

このコミュニティとの出会いは、私がクシ・インスティテュート・ベケット校で料理講師をしていた頃に遡ります。

当時まだアメリカではお味噌やお豆腐が今ほど当たり前に流通しておらず、購入することが難しいため、自分たちで作らないといけなかったのですが、私が教えた生徒の中で、お味噌の作り方が上手な若者がいました。

彼に聞いたら「自分が生活しているマクロビオティック・コミュニティでは、大抵のものを作っているから」とのこと。驚いて「ぜひ自分もそのコミュニティを見てみたい!」と訪れたのがきっかけで、もう20年以上通い続けています。

コミュニティでは、気候の関係上栽培ができない大豆など以外は、基本自給自足を原則としています。

夏にはみんなで船に乗って、昆布を取りに行ったり、子どもも独自のスタイルで教育をするなど、自然の中で共同体を作り、自然と共に生きる生活を行っています。


興味本位で参加するのは難しいコミュニティですが、そこで生活する中で、自身のひどいアレルギーが改善され、薬漬けとなっていた毎日から解放された方や、家族との距離の取り方を学んだ方など、自分の心と身体に向き合い、身体からの声に耳をかたむけることができるようになる、私たちが本来持つ身体のパワーを再発見できる場所です。

私もここで夏を過ごす中で、パワーチャージしています。

秋に帰ってきたときに、またみなさんにアラスカで培ったパワーをお裾分けしますので、楽しみにしてくださいね。

それは玄米おにぎりから始まった


さて、ベジウェルでは西邨マユミのプチマクロな生活を紹介させていただいていますが、プチマクロの基本と言えば、「玄米ごはん」をあげたいと思います。

私がマクロビに出会ったきっかけは、実は玄米おにぎりなんです。

当時付き合っていたボーイフレンドとサンフランシスコで年末を過ごす約束をしていたんですが、待ち合わせ場所にやってきた彼から手渡されたのが、玄米おむすび。

聞けば、彼が当時住んでいた東海岸のボストンから5日間かけて大陸を長距離バスで横断している間、この玄米おにぎりで過ごしていたんだそう。

そしてその時に玄米おにぎりと一緒に手渡されたのが、桜沢如一(アメリカではジョージ・オーサワの名前で知られています)の『新食養療法』という本でした。

帰国後この本を読み進めながら、「よし、できることをやってみよう」と試したのが玄米を食べること。食べて10日あまりで、お通じが改善し、肌にも変化が。

自分が変わると嬉しいですよね、もっともっと試してみたい、きちんと勉強したいという気持ちが膨らんで、その気持ちが私のアメリカ行きを後押しします。

玄米おにぎりとの出会いが、今の私につながったと言えるでしょう。

玄米を食べる


玄米は圧力鍋、土鍋、炊飯器で炊く方法があります。簡単なのは炊飯器ですが、圧力鍋も慣れればそれほど手間ではありません。

また、土鍋で炊くときは圧力鍋や炊飯器で炊く場合と違ってお米がパラパラになりやすいので、焼き飯を作るのにも向いています。レシピによって使い分けてみましょう。

ちなみに私のレシピではカップ(200ml)が基本です。よく、「それって何グラムですか?」と聞かれるんですが、基本的にカップと計量スプーンで計っていて、私のレシピにはグラムやmlという単位は登場しませんのでご注意を。

お料理教室でたまに間違えて「250mlのカップで計ってしまって…」という方がいますが、問題なし。それ以外の材料もすべてその250mlのカップを基準に計れば大丈夫です。

今回ご紹介するのはすべて玄米2カップ分(つまり400ml分)の作り方。まずは玄米2カップををさっと水洗いして、ざるに揚げて水を良くきってから、6~8時間、または一晩水に浸けておきます。

それから皆さんのお手持ちの圧力鍋や土鍋、炊飯器でご飯を炊き始めましょう。

圧力鍋でご飯を炊く場合

浸水させた玄米の水を切ってから、圧力鍋に玄米、新しく水2と1/2カップ、自然塩をひとつまみ又は昆布を切手大1枚入れます。

蓋をして中火で圧力をあげた後、火を弱めて、25〜35分間炊いて、火を止め、圧が自然に下がるのを待ってから、蓋をあけます。このとき、鍋の底に、フレームディフレクターを入れると、ご飯が焦げ付くのを防ぐことができます。

しゃもじを水ですすいでから、鍋の縁にそってぐるっと回して、ご飯に十文字を入れて、底の方からふっくらと他の容器に移します。ご飯を押さえつけないように気をつけましょう。空気を入れる事によって甘さが増すようです。

土鍋(あるいは蓋のきちんとできるお鍋)でご飯を炊く場合

浸水させた玄米を水切りした後、土鍋に、玄米とお水4カップ、自然塩をひとつまみまたは昆布切手大1枚を入れ、中火で沸騰させた後、火を弱めて水が無くなるまで約1時間炊きます。

それから圧力鍋と同じように水に濡らしたしゃもじで十文字に切って、お米を押さえつけないようによそって出来上がり。

炊飯器でご飯を炊く場合

浸水させた玄米を水切りした後、炊飯器に水を4と1/2カップ、自然塩ひとつまみを入れ、玄米モードがある場合は玄米モードのスイッチを押して炊き上げます。

炊き上がったら、蓋を開けて1/2カップのお水を加えて「保温モード」にします。お水がなくなったらできあがり。

玄米モードがない場合ですが、通常の「白米」モードでスイッチを入れて炊き上げ、それに1/2カップのお水を足して再度スイッチを入れて炊きます。

玄米モードがある場合でも、炊飯器の場合圧がかからないために、どうしてもぼそぼそしがち。それを解消するために一度炊き上げた後、お水を足して再度炊き上げることで、ふっくらと仕上げることができます。

圧力鍋でご飯を炊くとき、シュンシュンいうのではじめはドキドキしますが、慣れると土鍋で炊くよりも短時間で作れるので簡単です。

朝だったら玄米ごはんにお味噌汁、そしてお漬物があれば、それだけで気持ちもすっきり、その日一日元気に過ごせます。ちょっと食欲がない、というときは玄米粥も嬉しいですね。

お昼のお弁当に玄米おむすびはどうでしょう?土鍋で玄米を炊くとどうしてもお米がパラパラになるので、ヤキメシにすることが多いのですが、圧力鍋で炊くと、玄米がパラパラしないので、おむすび向き。

右の手と左の手としっかり結んで作ったおにぎりは、梅干しを入れておくと日持ちもよく、お弁当にぴったりです。

ゆかりをご飯の中にまぜたり、炒りごまを周りにつけたり、自分好みのおむすびに出会うまでトライするのも楽しいですよね。食材を組み合わせることで意外な発見があるかもしれません。

ちなみに私は、ごま塩をざっとまぜて、キュッと握ったものが大好き。焼き海苔をくるっとまいて、噛り付くとき、本当に幸せな気持ちになります!

アクティベート


お米を炊く前に水洗いをしてから、お米は6~8時間、あるいは一晩水に浸けるのですが、このことを「アクティベート」と呼びます。

マクロビオティックには「一物全体(いちぶつぜんたい)」という考えがあります。

簡単に言えば、口にする穀物を精製せずに食べましょうということ。精製されていない玄米には、白米にはないミネラルなどの栄養分がたっぷり。また食物繊維もあるので翌日のお通じも違います。

そして玄米と白米の大きな違いは、精製された白米と違って、玄米は「生きている」こと。お水に浸けておくと、自然に芽がでてきます。いわゆる「発芽玄米」ですね。それがアクティベートです。

精米された白い米は、水に浸して放置しておくと腐ってしまいます。玄米にある、眠っていたエネルギーが発芽しようとして動き出すようなことが白米にはありません。

私はよく「貯金」という言い方をするんですが、アクティベートされた食材を選ぶことで、自分の体内にしっかりエネルギーを蓄えることができます。これは穀類や野菜だけでなく、たんぱく質も同じです。

動物性のものを一切食べてはいけないということではありませんが、たんぱく質は、豆類などの植物性の食材からでも充分貯金できる。腸が吸収しやすいのはどちらかということですね。

土も食材も人間の体もそうやってつながっていて、命がアクティベートしていくのです。


プチマクロの基本は、このアクティベートされた玄米を食べること。

一日の食事の4割から6割を穀物で採る食べ方では、ぜひ「アクティベート」されたものをきちんと取り、食べ物のエネルギーをきちんと取り込めるようにしたいですね。

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西邨マユミ

西邨マユミ

マクロビオティック・ヘルス・コーチ/パーソナル・シェフ
日本パーソナルシェフ協会 顧問
一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ) アドバイザー
一般社団法人ChefooDo(シェフ―ド)会員

1982年に単身渡米、マクロビオティックの世界的権威である久司道夫氏に師事。
その後、マサチューセッツ州のクシ・インスティテュート・ベケット校の設立に参加し、同校の料理主任および料理講師に就任。同時に、がん患者や子どものために食事を作る経験を通して、また働く女性でも無理なく続けられるよう、時代のニーズに合ったマクロビオティックのあり方を提唱・実践している。
2001年より通算10年間にわたり歌手マドンナ一家のパーソナル・シェフをつとめ、ワールドツアーにも参加。その他にもブラッド・ピット、ミランダ・カー、スティング、ガイ・リッチー、ゴア元副大統領など多くのセレブリティに食事を提供してきた。現在は国内外で精力的に活動中。

● 西邨マユミの主要著書
『正しい食欲のつくり方』(ワニブックス、2015年)
『三河みりんで味わうプチマクロ料理』(キラジェンヌ、2013年)
『心とカラダを整える スムージー&スムージー』(講談社、2013年)
『Mayumi's Kitchen 日本語版』(講談社、2011年)

● 西邨マユミが監修を行っている主な商品
HAPPY DATES(UHA味覚糖)http://uha-kanshoku.com/index.html 
海と大地のデリ(イオン)https://www.aeon.com/content/note/umi-daichi/