1日1回からはじめるマクロビオティック生活の4つのルールと3つの食べ方〜西邨マユミのプチマクロ生活〜
はじめまして、マクロビオティック・ヘルス・コーチの西邨マユミです。
普段はアメリカで、個人のお宅でお料理するパーソナル・シェフをしていますが、たまに日本に帰ってきて、私の提唱する「プチマクロ」料理を紹介するイベントなどを行うノマドライフを、もう30年余り続けています。
目次/Contents
「病気になる前に健康な食事を」アメリカで感じたこと マドンナとの出会い
「マクロビオティックについて勉強したい!」そんな気持ちでアメリカにわたり、久司道夫先生のもとで勉強を始めたのは20代の時でした。
それから子育てをしながら、久司先生のクシ・インスティテュート・ベケット校が設立してからは、講師として世界中の方を相手にマクロビオティックについて教えてきました。
教える傍らで気づかされたのが、言わずもがなでもありますが、食と健康は密接にかかわっていること。
特にがん患者の方のお食事をつくる中で、病気になってから食の改善を行うのではなく、病気になる前に、普段の生活から食を意識することが大切なのだと、考えさせられました。
でも、それをより多くの方にどうやったら意識してもらえるのか?
方法はいろいろあると思いましたが、私の場合は「社会的な影響力のある人」にマクロビオティック料理を試してもらい、食と健康の関係を発信していただくこと、でした。
そんな想いが強くなっていた時、お声がけいただいたのが、マドンナ一家のパーソナル・シェフだったのです。
マドンナとマドンナの家族の食事を提供する生活は、合計すると10年になります。
2001年に始めてから7年間、3食提供しながら、マドンナの体が変わるのを見てきました。
マクロビオティックでは、7年間毎日マクロビ料理を食べると、細胞から変わると言われています。
マドンナのワールド・ツアーに同行して、ドイツやイギリスなど各国をめぐり、各国のマクロビ仲間の助けを得ながら、彼女と彼女の家族に料理を提供する生活は、大変ながらも、たくさんの学びを私にもたらしてくれました。
7年間の後に2年ほど離れましたが、2011年の3.11をきっかけに再びパーソナル・シェフとして働き、気づけば通算10年。
今はマドンナのパーソナル・シェフはしていませんが、マドンナの鍛え上げられた姿を映像や紙面で目にするたび、あの頃を思い出したりもします。
マドンナのパーソナル・シェフで知ったマクロビオティックの広がり
マクロビ料理が広く知られるようになったのは、マドンナをはじめとするハリウッド・セレブによる実践がきっかけです。彼女たちの美しい体は、身体の中から美を作り出す大切さを教えてくれました。
また同時に、そこでの経験は、私のマクロビ料理に対する「ではならない」としていた固定概念を打ち砕くものでした。
激しい動きをする、「アスリート」ともいえる彼女の体力をどのように維持させるのか。
玄米やお味噌汁やお漬物、といった、マクロビ料理の基本でもある和食の食材に慣れていない人に、どのように3食食べてもらえばよいのか。
試行錯誤の毎日は、私の中で「いかに無理せず体に良いものを楽しむか」という「プチマクロ(petit macro)」の考えにつながっていきます。
プチマクロとは
「プチマクロ」は私が作った言葉です。「1日1食でも魚やお肉を摂らない食事にしましょう」というのが、この言葉に込めたメッセージです。
Vegewelの記事によれば、日本でベジタリアンもしくはビーガンは、全体の4.5%だそうです。また、週に1回以上、意識的に動物性食品を減らす食生活を送る「ゆるベジ(ゆるベジタリアン、フレキシタリアン)」は、全体の12.5%になります。
調査では、マクロビティックを日常的に取り入れている方は1.4%。まだまだマクロビ人口はわずかな状況です。
アメリカで私が実感したのは、すでに意識してマクロビオティックやビーガン、ベジタリアン食を実践されている方ではなく、普段は肉や魚を摂取しているという方々へ、「マクロビオティックは難しいものでもないし、制限が多い食事でもない」ということを伝える重要性でした。
そこで「プチマクロ」という言葉を使って、1日1回、もしくは週に1回でも良いから、お肉やお魚を抜く生活をしませんか、と提案させていただいています。
プチマクロのルールは4つ。
ルール1:全粒穀物が主役
バランスの取れた食事が大切だと考えます。
大体「白くない(精製されていない)穀物」が40-60%、野菜が20-30%、お豆や海藻が5-10%、お味噌汁など汁物は5-10%が、バランスの取れた食事といわれています。よって、玄米などの全粒穀物が、私のレシピではよく登場します。
この割合は、ダイエットで穀物を減らしたい、などがあれば3割程度にしたり、夕食には穀物を摂らないなど、調整しましょう。
ルール2:有機野菜をたっぷり
マクロビオティックでは野菜は20-30%といわれますが、できるだけ有機野菜を選ぶのがお勧め。
ただよくイベントでも「といっても近くのお店で扱っていない」「値段が高いので、毎日は…」といわれます。そんな時は無理せず、できる範囲で有機のお野菜を選んでください。
ルール3:動物性食材は控える
プチマクロ料理ではお魚、お肉は摂取しません。「今日はプチマクロに挑戦するぞ」というときは、魚や肉を摂るのは控えましょう。お味噌汁の出汁も鰹節などは使わず、昆布と椎茸に。昆布と椎茸だけでも十分美味しい出汁になります。
ルール4:白砂糖は控える
白い精製されたお砂糖は一番敬遠してほしい食材のひとつ。
「精製されたものはなぜいけないんですか?」と聞かれますが、精製されたものは白砂糖に限らず、ミネラルなど本来食材が持っていた栄養素が失われています。また、人の手によって精製されることで、植物本来の持つ力を摂取できなくなります。
よく、マクロビオティックは砂糖を使わないのでスイーツなどないのでは、と思われますが、マクロビオティックでは甘味としてキビ糖やてんさい糖、メープルシロップを使うので、甘いレシピはたくさんあります。私自身、甘いものには目がありません(笑)!
食べるときの3つの注意
プチマクロの4つのルールを理解したうえで、テーブルにプチマクロなお料理を並べて、いただきます…でも待ってください!その前に3つの食べ方を確認しましょう。
プチマクロの食べ方その1:30回以上よく噛む
よく噛むと満腹感につながるので、食べすぎも防ぐことができます。またよく噛むことで、唾液が出るので、食べるときに体への負担を減らすこともできます。
ちなみに、マクロビオティックでおススメする食べ物は、30回以上噛んでも甘みがしっかり口の中に残りますが、チーズで試してみると、チーズって本当はあまり美味しくない食べ物だと気づかされます。一度あなたの目の前にある食べ物で試してくださいね。
プチマクロの食べ方その2:腹8分目
美味しくても食べ過ぎるのはもちろんNG。「ここでストップ」と意識しましょう。空腹は最高の調味料とも言われていますが、食べ過ぎないことは、健康の維持にもつながります。
プチマクロの食べ方その3:就寝3時間前に食べ終わる
寝る3時間前に食べ終わり、食べ物をきちんと消化しましょう。寝る直前に食事をすると、身体は消化吸収に集中してしまい、睡眠時に脳や身体を休めることができなくなるといわれています。その結果、睡眠の質が下がり、自律神経や健康にも影響することになります。
いかがですか?
プチマクロの4つのルールと3つの食べ方は、よく考えると、昔から言われている昔ながらの食べ方をしましょう、ということ。
これから月に1回、プチマクロのルールにもとづく食べ方や食事をご紹介していければとおもいます。
またみなさんからの「これを知りたい」というご質問にも答えられたらと思いますので、みなさんのご質問、お待ちしています!
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