オーガニック食品は安全性が高い?無添加・サステナブルとの違いも解説
オーガニック食品は、自然環境や生態系に、できるだけ負担をかけずに作られた農産物を使っています。また、余分な農薬などを使わないため、体への負担や刺激が少なく、自然や体にやさしく、比較的安全性の高い食品です。
オーガニック以外に、「無添加」や「サステナブル」と表記された食品もありますが、これらはオーガニックと似ているようで、意味が少し異なる場合もあります。
この記事では、オーガニック食品の基準や「無添加」「サステナブル」との違い、オーガニック食品を扱うショップを紹介しています。自分に合った食品を選べるように参考にしてください。
目次/Contents
オーガニック食品(有機食品)とは?
オーガニック食品とは、化学合成農薬や化学肥料に頼らず作られた農産物や、それらを原料とした加工食品を指します。「有機食品」も、オーガニック食品と同義です。
近年、食材店やレストランでよく見かける「オーガニック」という言葉ですが、化学肥料や農薬を使っていなければ、どんな野菜や食品にも使えるわけではなく、規格が定められています。
ここでは、「オーガニック」と表記するための条件を簡単に説明していきます。
オーガニックと名乗るには決まりがある
オーガニックと名乗るには、日本の有機JASの認定を受ける必要があります。
例えば、農産物の場合だと、認定を受けるには土作りから植え付け・生育・収穫までに、禁止されている農薬や化学肥料を使わないなどの条件があり、認定までに数年単位の年月が必要です。
加工食品で表示する場合は、原料の95%以上が有機JAS認定を受けた食材であることなどが必要です。
認定を受けていない農産物や食品は、「有機」や「オーガニック」の表示はできません。
また、意外と知られていませんが、オーガニック野菜は必ずしも無農薬野菜ではなく、環境に負荷をかけない範囲で定められている農薬や肥料の利用は認められています。
オーガニックと混同しやすい「無添加」「サステナブル」
「無添加」や「サステナブル」も、オーガニックと同じような印象がありますが、これらは意味が似ている部分はあるものの、厳密には異なります。
・無添加:食品添加物が不使用である
・サステナブル:食品の製造や使用に持続可能性がある
「無添加」という表示は、食品添加物不使用の加工食品に使われています。
ただし、「無添加=安全」というイメージを利用して、元々添加物を使う必要がない食品にまで無添加表示がされるなど、表記が濫用されることもあります。
そのため、無添加の表示をチェックする際は、何が無添加なのか、他商品とどう違うのかを見比べると、自分が求めている無添加食品なのか判断ができます。
2022年からは、食品表示ガイドラインの見直しにより、「着色料無添加」や「甘味料無添加」など、添加・不添加の表示がより分かりやすくなりました。
SDGsの頭文字でもある「サステナブル」は、「持続可能性がある」ことを意味し、必要以上の資源を利用せず、ある資源を有効に使うことで、自然や生態系と共生できる状態を指しています。
食品におけるサステナブルは、オーガニック野菜のように自然と共生した農法だけでなく、地産地消で輸送エネルギーを抑える、食品ロスを減らすなどの取り組みも当てはまります。
オーガニック食品のメリット
必要な基準を満たした有機野菜やオーガニック食品は、環境や生態系だけでなく、消費者である私たちにとってもメリットがあります。
ここでは、消費者の立場からどのようなメリットがあるのか、詳しく解説していきます。
安全性が高い
オーガニック食品は農産物に使われる化学肥料や農薬が制限されているため、体内に人工的なものが入る可能性が少ないです。
また、オーガニック加工食品も、オーガニック食材の割合が重量の95%以上であることや、科学的に合成された添加物の不使用が定められているため、オーガニックの素材を十分に取り入れることができます。
家族に少しでも安全なものを食べさせたい方や、加工品特有の添加物や調味料の味が苦手な方にとって、オーガニック食品は安心して食べることができる食品です。
環境に配慮されている
オーガニック食品で使われる農産物は、一般的な農産物と比べて環境への負荷が少ないです。
例えば、有機野菜は、家畜の糞や油かすを肥料として使う、昆虫や微生物を生息させて害虫から農産物を守るなど、化学肥料や化学合成農薬に頼らず自然由来の方法で栽培されます。これにより、土壌や生態系への影響が最小限に抑えられます。
日頃の食事でこうしたオーガニック食品を選ぶことは、環境やまわりの生態系に貢献することにつながるのです。
食材本来の味が楽しめる
オーガニックの農産物は、自然由来の農薬や肥料で育てられるため、害虫などの外的ストレスを受けやすい食材です。
植物は、外的ストレスによって活性酸素が増えると、対抗するために抗酸化物質を作り出します。オーガニック野菜は、より強いストレスに対抗した結果、慣行栽培の農産物と比べて、食材の味が力強くなります。
味には好みがあるものの、素材本来がもつ味を楽しみたいなら、一度はオーガニック食品を試してみるといいでしょう。
栄養価が高い
オーガニック野菜は慣行栽培のものよりも栄養価が高いと言われています。
これは、オーガニック野菜に外的ストレスが大きく、活性酸素に対抗する抗酸化物質が増えるためです。
植物に限らず、私たちの体内でも、活性酸素が過剰に産生されると、老化や動脈硬化などの悪影響を及ぼします。活性酸素の過剰な産生を抑える方法のひとつとして、野菜や果物がもつ抗酸化物質が注目されています。
オーガニック食品のデメリットと背景
オーガニック食品には環境面や味、栄養などでメリットが多い反面、いくつかのデメリットもあります。
オーガニック食品のデメリット
・収穫量が少ない
・通常の食品より割高
・購入できる場所が少ない
オーガニック野菜は栽培中の外的ストレスが大きいため、慣行栽培よりも育ちにくく収穫量が少なくなります。
さらに、栽培工数は慣行栽培以上にかかるため、価格が割高になりやすいです。
収穫量が不安定なことや、価格が割高な実情が、安定して食材を揃える必要があるスーパーなどでの取り扱いが少ない大きな要因になっています。
近隣でオーガニック野菜を購入できない場合は、オンライン販売などを利用することになるため、商品価格にプラスして配送コストがかかります。
オーガニック食品を選ぶ際は、こういった現状のデメリットや背景を加味しながら、自分に合ったものを選ぶのが大切です。
オーガニックは食品だけではない
オーガニックと聞くと食品のイメージが強いかもしれませんが、実際にはアパレルやコスメなど、さまざまなオーガニック商品が存在します。
例えば、オーガニックコットンは、普通の綿花栽培と比べて害虫駆除や除草剤をなるべく使わずに栽培されたものです。
オーガニックコットンの栽培は、土壌や地下水、生息する微生物への影響を最小限に抑えられるため、サステナブルやエシカル(倫理・道徳)を重視するアパレルブランドを中心に広がっています。
また、オーガニックコスメでは、保湿効果に必要な油脂成分にオーガニック植物オイルを使用するなど、オーガニック植物のエキスを取り入れています。
オーガニックコスメは、肌への刺激が少ないものが多いため、環境だけでなく人にも優しいのが特徴です。
オーガニック食品が購入できるショップ4選
国内ではオーガニック市場はまだ大きくないものの、徐々にオーガニック食品やグッズを扱うショップが増えています。
最後に、オーガニック食品が購入できるショップを4つを紹介しますので、ぜひ一度のぞいてみてください。
①「コストコ」
コストコは、オーガニック食材を多く取り扱う、アメリカ発祥の倉庫型スーパーマーケットです。オリジナルブランドのKIRKLANDを含め、全食品の約半数がオーガニック食材と言われており、積極的にオーガニック食品を販売しています。
生鮮食品コーナーでは、ほうれん草・マッシュルーム・バナナ・デーツなどのオーガニック農産物が並び、加工食品コーナーでは、パスタ・グラノーラ・お茶などが取り扱われています。
また、オンラインショップでは、食品やコスメを含めたオーガニック商品約70点が購入できるので、近くに店舗がない方はオンラインショップをのぞいてみてくださいね。
②「iHerb」
「iHerb」は、世界の3万種類以上にのぼるウェルネス製品を、オンラインで購入できるサービスです。
オーガニック商品も多数取り扱っており、お茶・オイル・シロップ・スパイス・オートミールなど、多くの食品がラインナップされています。
iHerbは185ヶ国以上にサービス展開しているため、商品の種類が多岐にわたります。日本ではなかなか見られないオーガニック食品も注文可能です。
海外のオーガニック食品が気になる方や、さまざまなオーガニック食品を試してみたい方に向いています。
③「こだわりや」
「こだわりや」は、オーガニックや自然食品を中心とした日本発のショップで、関東エリアを中心に約50店舗展開しています。
こだわりやで取り扱う幅広いオーガニック食品の中には、国産の調味料やドレッシング、乾物などの加工食品も多く、コストコやiHerbとはまた違ったラインナップです。
日本の農業に貢献できる食材を選びたい方には特におすすめです。
オンラインショップもあるので、ぜひ利用してみてくださいね。
④「Good Good Mart」
「Good Good Mart」は、日本最大級のソーシャルグッド&エシカル専門オンラインショップです。
オーガニックやヴィーガン、グルテンフリーの食品はもちろん、環境やフェアトレードに配慮した商品も多く扱っています。
人・環境・体にやさしい厳選された商品ラインナップは、食への関心の高まりと共に注目を集めています。
さまざまな商品があるので是非、ご覧になってください。
オーガニック食品をはじめてみませんか?
オーガニック食品は、自然と長く共生するための選択肢のひとつです。
しかし、流通量の少なさや価格の面から、オーガニック食品に興味があってもなかなか購入する機会がなかった方もいるでしょう。
日本ではまだオーガニック食品が普及しているとは言えませんが、オンラインサイトやSNSが浸透し、海外のオーガニックブランドや国内のオーガニック食品が手に入れやすくなりました。
食べるものすべてを変えることは難しくても、好きなものから少しずつオーガニック食品を取り入れることで、私たちの体や自然に、小さな変化が生まれるでしょう。
ぜひ楽しみながら、オーガニック食品を取り入れてみてくださいね。
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