自然野菜のありのままを表現!自然派イタリアンとナチュラルワインが味わえる「momento」(東京・吉祥寺)
2021年3月、吉祥寺駅から徒歩5分ほどのところにオープンしたmomento(モメント)。
白を貴重とした清潔感あふれるかわいらしいお店は、素材や調味料にこだわり、すべて手作りされています。
本場のイタリアン・ヴィーガンが楽しめるお店を取材してきました。
実は同店の有本シェフは、2020年9月に開催されたヴィーガン料理の日本大会にて、フレンチの巨匠・三國シェフから審査員特別賞を受賞した実力派なんです。
共同経営者の井上さんとともに、「momento」の料理に関する素敵なお話をたくさん伺ってきました。
目次/Contents
momentoとはイタリア語で「今」の意味
「過去でも未来でもなく、今を楽しんで、今、この瞬間を大切に楽しんで生きたい。そして、1+1=2ではなく、1+1=無限大。井上と一緒にやることで、イタリア料理が持つ可能性を表現したいと考えたときに、『momento』はちょうどいい言葉だと思ってお店の名前にすることにしました」(有本シェフ)
有本シェフのおばあ様はイタリア料理人、お父様はフレンチの料理人だそうです。
小さい頃から「美味しい物」でおもてなしをすることのすばらしさを肌で感じながら育ったという有本シェフ。
一度は、料理とまったく違う世界に進んだものの、幼少期に見た、「美味しい物は人を笑顔にする」光景が忘れられず、自分も料理の世界へ。
日本のイタリアンレストランで修業し、自分の「美味しい物」を表現するために白馬でお店を開店。その3年後、本場のイタリアンの勉強がしたくなり、イタリアへ渡ります。
ピエモンテ州のリストランテやマルケ州のアグリツーリズモで修業を重ねてきました。有本シェフの「美味しい物」へのこだわりは、彼の行動力にも表れていると思います。
有本シェフがヴィーガン料理の魅力を知るきっかけとなったのが、アグリツーリズモ。
ここは、宿泊もできる施設があり、レストランの横には広大なオーガニック畑。スタッフが愛情を込めて野菜を育て、その日に採れたオーガニック野菜をマンマシェフが調理。
野菜本来の自然の味を極限まで引き出し、ほかの素材とマリアージュ。まるで魔法がかかった料理。その料理を食べた人みんなが自然と笑顔になるのです。
(フルーツと空豆のボート)
有本シェフが初めてマンマシェフの野菜料理を食べた時に、どこか懐かしさと野菜の持つ力と初めて出会い、体が震えるぐらい感動したそうです。
「韓国料理は宮廷料理、フランス料理は王室料理。でも、イタリア料理はマンマの料理。その土地で作られた旬な素材を使ったシンプルな『ケ』の料理なんです。
トマト、玉ねぎとオリーブオイルだけでシンプルなトマトソースが作れるのですが、それだけで本当に美味しく作れるのです。その土地で採れる旬の素材が持つ自然の味を食べられる、『今』にこだわって作るのがイタリア料理の醍醐味です」(井上さん)
とことん素材と向き合って、こだわり続けたい
(リコッタチーズの蕪ラビオリ、プラントベース)
イタリアに渡る前は、お肉でも、魚でも、野菜でもとにかく「美味しい物」を作ることにこだわってきた有本シェフ。
自信のトマトソースをマンマシェフに食べてもらった時に、「私の方がもっと美味しいわよ!」と言われ、半信半疑で彼女のトマトソースを食べた時の衝撃は今でも覚えているそうです。
そこから、マンマシェフの下でイタリアンの極意を必死に勉強したそうです。
「東洋人がイタリアンを作ってもイタリア人には絶対にかなわないと思っていた矢先に、ヴィーガンパルミジャーナをマンマシェフの友達が食べて、『とても美味しいよ』と言ってくれました。
そして、マンマシェフが嬉しそうに、『この子が作ったのよ!』と、東洋人の僕が作ったことを彼に話す姿を見た時は、本当に嬉しかったですね。苦労して修業してきたかいがあったと思えた瞬間です。帰国後も、この時の想いを料理に込めて作っています」(有本シェフ)
実際にお店で出しているズッキーニとナス、豆乳を使ったパルミジャーナへの想いを聞き、有本シェフのイタリアンにかける覚悟と素材へのこだわりを知ることができました。
有本シェフのお料理は、どれもが優しく華やかなものばかり。お花のハンカチのブーケパスタを実際にいただきましたが、優しさと楽しさを感じる一品で食べると自然に笑顔になりました。
(ズッキーニとナスのパルミジャーナ)
素材にこだわるもうひとつの理由
お店のコンセプトは、「地球に優しい、環境にやさしい、体にやさしい、美味しく楽しく食べて健康になってもらいたい」。
自然のもの、旬のものを使って一番美味しい形で食べていただきたいという想いは、同じ食卓を囲む人全員を考えてのこと。
可能な限り添加物が含まれない調味料を使用し、お肉を食べる人には、海外で注目されている、オーガニックグラスを食べて放牧されて育った牛を使用した料理を提供。
(スモークチーズと蕎麦のクレープ、プラントベース)
「私たち人間は、動物が住んでいるところにお邪魔しています。私たちの『食べ物』を意識することは、『健康』だけでなく、『地球全体の環境』を意識すること。農薬や添加物を使うことは、便利なのかもしれません。
また、ホルモン剤や抗生物質を使って育てる家畜も安定供給には必要なのかもしれません。しかし、昔からのやり方でその土地にあった野菜を育てている農家さんや自然の環境で家畜を育てている生産者さんのことを知り、料理を通じて社会に貢献をしたいという想いが強くなりました。
momentoの料理が、知らない人にも知っていただいたり、自然のものを食べてその味や良さに気づいたりするきっかけになれれと願っています。momentoでお食事されたお客様に、何かを感じていただけたら嬉しいですね」(有本シェフ)
日本ではまだ珍しい本場のイタリアン・ヴィーガンや本場のナチュラルイタリアンにこだわり続ける思いを教えていただきました。
今後の展望は?
「食の質の大切さを知るきっかけになったコロナ禍だからこそ、あえてこのタイミングでmomentoを開店しました。このチャレンジを機に、固定種の野菜をはじめ、無農薬の農家さんとも繋がることで、日本の畑を残し、環境を良くしていくことにこだわっていきたいですね。
これからも旬の素材、盛り付けにもこだわっていきたいです。お客様には、自然派ワインと本場のイタリアンディナーをゆっくりと味わいに来ていただけたら嬉しいです」(井上さん)
「ヴィーガン料理を『単なる野菜料理』ではなく、『美味しいと思って食べた料理が植物性だった!』と思えるような料理を作っていきたいです。そして、何より本物を求める人が集まる場所にmomentoを育てていきたいですね」(有本シェフ)
取材を終えて
近年、ようやく「ヴィーガン料理」という言葉を聞く機会が増えましたが、精進料理以外にヴィーガン料理を提供するレストランやカフェは少なく、スーパーのデリーコーナーでもほとんどないのが現状。
海外では、「レストランのお客さんの半分以上がヴィーガンでない人」というヴィーガンレストランも珍しくありません。
本当に美味しいからヴィーガンでない人もヴィーガン料理を食べに行くのです。少しずつではあるものの、そのような環境が日本でもできつつあるような気がします。
「momento」の本場のイタリアンヴィーガンを日本で広めていく挑戦は始まったばかり。これからも温かく見守っていきたいと思います。
店舗情報
モメント(momento)
営業時間 平日 17:30〜21:00 土日祝 11:30〜14:00 / 17:30〜21:00
定休日 火曜日と不定休
TEL 070-4002-5496
住所 東京都武蔵野市御殿山1‐3‐9 1F-C
予約は公式HPから
Instagram
禁煙・喫煙 完全禁煙
席数:12席
※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。
店舗情報
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