5種類の薬味を使った「手作り金山寺味噌」でヴィーガン中華料理を作ろう~野菜麻婆&回鍋麩~

果物・穀物・豆を加えて作るなめ味噌のひとつに、金山寺味噌があります。金山寺味噌は、そのまま野菜等につけて食べるのが主流ですが、調味料としても大活躍です。

今回は、「手作り金山寺味噌」の作り方と、それを使った中華料理の「ヴィーガン野菜麻婆」、肉の代わりにお麩を使う「回鍋麩(ホウコウフ)」のレシピをご紹介します。

金山寺味噌とは


金山寺味噌はなめ味噌の一つで、野菜・果物・豆・穀物を発酵させた調味料です。

その発祥には、宋から帰国した僧が和歌山の寺で伝えたとの言われがあります。また、歴史をたどると、空海が唐の「金山寺」から持ち帰ったという説もあります。

いずれにしてもこの金山寺味噌は、中国から伝わった古くからの調味料として、今も日本で使われています。

金山寺味噌と中華料理の相性


金山寺味噌は、刻んだナスやショウガ等の野菜を塩もみして、麦を加え発酵させて作ります。

日本の味噌は、米・大豆・塩を原料としているものが8割です。そして日本独自の麹菌が味噌の発酵を助け、風味豊かな味わいにします。

一方中国の味噌は、作業工程は日本と同じく大豆や麦、米を塩と一緒に発酵させるのですが、発酵に使う菌は、日本の麹から作られるものとは異なります。

麻婆豆腐などの中華料理で使われる味噌の醤(ジャン)には、多くの種類がありますが、代表的なものに、

  • 豆鼓醤(トウチジャン)・・・大豆を塩漬けにして発酵乾燥させた味噌
  • 甜麵醬(テンメンジャン)・・・小麦粉を発酵させた甘い味付けの味噌
  • 豆板醬(トウバンジャン)・・・四川料理の代表的な辛み味噌

があり、中華料理では、これらの種類の醤(ジャン)を組み合わせて調理することで旨味を増して味に変化をつけています。

日本の味噌で中華を作る時、八丁味噌や麦味噌などの組み合わせでコクを出しますが、中華料理の醤(ジャン)のように様々な違いはありません。

しかし、この金山寺味噌を利用すれば、野菜や果物が味噌を風味豊かにするため、中華料理のアクセントに良く合うメリットがあります。

5種の薬味入り金山寺味噌の栄養と食薬


今回は、麦を発酵させ味噌にする過程は行わず、市販の麦味噌を使いました。その中に、糠漬けした5種類の野菜を加えています。

この5種類の野菜は、漢方では、食薬としても利用される野菜です。中華料理に合わせてそれぞれの野菜の栄養価や効能と、食薬としての役割も合わせてお伝えします。

ナス
ナスは、秋野菜の代表です。ほとんどが水分ですが、カリウム・ビタミンA・ビタミンC・食物繊維などが多く含まれています。

ナスの栄養価の特徴は、紫色素に含まれるアントシアニン系のポリフェノール類です。ナスのポリフェノールは数種類ありますが、特に「ナスニン」と呼ばれる成分には、強い抗酸化作用があり、肌のトラブルや眼精疲労に効果があると言われています。

食薬としては・・・

  • 五味/甘
  • 五性/涼
  • 帰経/脾胃大腸

ナスには、体のほてりやむくみを取る効果があると言われています。また、胃腸の働きを助け食欲が増進する効果もあると言われています。

ミョウガ
ミョウガは水分が多く、カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・リンなどのミネラルを多く含む薬味の一つです。

ミョウガの香り成分、アルファピネンはヒノキにも含まれ、リラックス効果があると言われています。

食薬としては・・・

  • 五味/辛
  • 五性/温
  • 帰経/肺胃脾大腸

冷えを取り、血行促進をうながし生理不順に良いとされる食薬です。

ショウガ
ショウガは、辛みが強く独特の香りが多くあります。中でも特徴的な成分は3つ。

一つは「ジンゲロール」と呼ばれる殺菌、発汗、体を冷やす効果がある成分です。

そして二つめは「ショウガオール」と呼ばれる成分で、血管を広げ血流を良くし、体を芯から温める効果があります。

三つめは「ジンゲロン」と呼ばれる成分で、長時間の加熱により分解して作られます。

香りは「ジンギベレン」と言われる独特の成分があります。

また、漬物や酢漬けにするとカルシウムの栄養価が上がります。

食薬としては・・・

  • 五味/辛
  • 五性/温
  • 帰経/肺脾胃

ショウガは、発汗して寒気を取り除くため、初期の風邪に良いと言われています。お腹を温め、胃の冷えや嘔吐を止める効果や解毒作用が期待されます。

ユズ
酸味が強く香りが良いユズは、柑橘類の中でも寒さに強い性質があり、ビタミンCが多い食材です。

クエン酸は、体が疲れると体内にたまる乳酸を燃焼するのに役立つ成分ですが、ユズはこのクエン酸が豊富に含まれる食材です。

他にも、ビタミンB1・B2、カルシウムも含まれています。

食薬としては・・・

  • 五味/甘酸
  • 五性/涼
  • 帰経/脾肝

ユズは、気を巡らせ胃の不快感を和らげ、食欲を増進し、肝を潤す作用、咳や痰をおさえる効果があると言われています。

青山椒
独特な香りと辛みがあります。薬味として多く利用され、葉は木の芽として、種子は、かば焼きなどに使われています。

栄養成分は、カルシウム・鉄・ビタミンB1・ビタミンB2などが含まれています。

特に、注目したい成分が、山椒類に含まれる「サンショール」。辛みの元となる成分です。

他には「シトロネラール」と呼ばれる成分は、山椒の香りの素となり、食中毒の予防や消炎作用に使われます。

食薬としては・・・

  • 五味/辛
  • 五性/熱
  • 帰経/脾胃腎

解毒作用や、食欲がない時、胃のもたれなどに利用されています。

金山寺味噌とそれを使った野菜麻婆・回鍋麩のレシピ

5種の野菜入り手作り金山寺味噌

材料

  • 麦味噌 100g
  • ナスの漬物 80g
  • ミョウガの漬物 20g
  • ショウガの漬物 10g
  • ユズと青山椒 合わせて3g
  • 水あめ 45g
  • 焼酎 40cc

作り方
① ナス・ミョウガ・ショウガを、食べやすい大きさの薄切り(またはみじん切り)にする。

② 麦味噌に、水あめと焼酎を加え混ぜる。

③ ①を②と合わせ、すりおろしたユズと青山椒を加える。

ヴィーガン麻婆豆腐(大豆ミートを使った麻婆豆腐)


大豆たんぱくを利用して作るヴィーガン麻婆豆腐も、手作り金山寺味噌を使えば、コクのある本格的な味に近づきます。

八丁味噌と金山寺味噌を使うことで、甘みと辛さをアップします。お好みで、白味噌や麦味噌を利用ください。

材料(4人分)

  • 豆腐(2cm角切りして水切りする) 1丁
  • 大豆ミート(乾燥のひき肉タイプ) 100g
  • 乾燥シイタケ(薄切りタイプ) 5g
  • ニンニク(みじん切り) 5g
  • 唐辛子(輪切り) 適量
  • ごま油 大1
  • スープ(野菜と昆布) 600㏄
  • 片栗粉 大2
  • ネギ(飾り用) 適量

(A)調味料

  • 金山寺味噌 60g
  • 八丁味噌 30g
  • 黒砂糖 大1
  • 醤油 小2
  • 五香粉 少々

作り方
① 乾燥のままのシイタケ・大豆ミートを沸騰した湯につけて1分煮込む。

② ①をざるにあけて、ごま油をしいたフライパンでニンニクと一緒に炒める。

③ ②にスープと唐辛子を加えて、沸騰したらあくを取る。

④ あくを取り、10分ほど中火で煮込んだら調味料(A)を加えて弱火で5分ほど煮込む。

⑤ ③にとろみ用の片栗粉を水20㏄~50㏄で溶いて(水の量は煮込んだ③の水分量で調節する)とろみをつける。

⑥ 最後に豆腐を加えてひと煮立ちして出来上がり。盛り付け時にネギを飾る。

回鍋麩(キャベツとピーマンと麩の味噌炒め)


回鍋(ホイコウ)は、字の通り「鍋を回して作る料理」を意味します。

中華料理の炒め物を美味しく作るコツは、強火で短時間に炒めること。そのため具材は同じ大きさ、同じ固さにしておきます。

回鍋は、キャベツやピーマンを同じ大きさに切って火を通し、中華鍋を回しながら次々に材料を炒めて作るためこの名がついているのです。

今回は、ロウ(肉)の代わりに、下処理した麩を使って作ります。

材料(2人分)

  • キャベツ 80g
  • ピーマン 1個
  • ネギ 5cm
  • 玄米の麩 6個
  • ごま油 適量
  • 片栗粉 適量

(A)調味料

  • 金山寺味噌 30g
  • 醤油 小1

作り方
① キャベツ・ピーマンを一口大の食べやすい大きさに切る。

② ネギはみじん切りにする。

③ 玄米麩は、昆布だしに醤油少々入れて味付けたもの(分量外)で柔らかくし、水気を切って片栗粉をまぶす。

④ ごま油で、②のネギを香り付けたら③の麩を炒めてパリッとさせ取り出す。

⑤ ④の鍋に油をたして、キャベツ・ピーマンを入れて火が通るまで炒める。

⑥ ⑤に④の麩を加えてなじんだところに、(A)の調味料を加えてからめる。

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松下 和代

松下 和代

食事は、「心のこもった温かい手で」をモットーに児童養護施設に住み込みで働く。さらに、栄養士として、ミルク会社のメールマガジンの編集・栄養・保育相談を担当後、フリーで各種保育施設の献立制作や栄養相談・テレビ・雑誌・WEB等で栄養関連の執筆を行う。現在は、ライター稼業兼、こじんまりとした料理教室を主宰。栄養士・調理師・保育士・食品アドバイザーの資格所有。趣味は、ホラー漫画とフィギア集め。