「ビーガン食を継続したことで五感が研ぎ澄まされた!」柔術を通じてビーガン食の魅力・食の大切さを広めたい。ブラジリアン柔術家石井拓(いしいたく)さんインタビュー
2015年ブラジリアン柔術アメリカナショナル選手権で優勝した日本人アスリートの石井拓(いしいたく)さん。
彼がビーガン食を始めたきっかけは、「減量」。実際にビーガン食を試したところ体調がよくなり、より集中して柔術に打ち込むことができたそうです。
さらに、ビーガン食を通じて出会いが増え、ビーガンになることを決意。昨年の11月の選手引退後、今もなおビーガン食を継続しています。
現役を引退した今「ビーガンの魅力やオーガニック(自然農法)を広めたい」と熱く語る石井さん。石井さんに「ビーガン食の魅力」と「今後の展望」についてお話を伺いました。
目次/Contents
ブラジリアン柔術とはどのようなスポーツですか?
ブラジリアン柔術とは、寝技を主体とする組技系の格闘技です。
その歴史は、1914年にブラジルへ渡った講道館柔道の前田光世(まえだみつよ)氏(通称コンデ・コマ)が、地元の有力者であったガスタオン・グレイシーの長男カーロス・グレイシーにその技術を伝えた事に端を発します。
ブラジリアン柔術は格闘技としての実践性を備えていますが、基本的には身を守るための護身術です。
柔術を始めたのはいつ頃ですか?
小学校の時にバスケットボールをやっていたのですが、テレビで総合格闘技を観て、総合格闘技にあこがれを抱くようになりました。そして、総合格闘技のベースを作るために柔道を始めました。
しかし、投げ技より寝技の方が自分に向いていると感じ、高校生の時に寝技中心の柔術に転向しました。そして、柔術の世界チャンピオンになりたくて、ハワイの大学に留学をしました。
「ビーガン食」を始めたきっかけについて教えてください。
柔術は、柔道やレスリングのような体重別競技で、「計量」があります。選手は試合前に過酷な減量をし、計量後には元の体重近くまで戻すことが求められます。
ウエイトコントロール後、いかにしてベストなコンディションで試合に臨むのかが、試合結果に影響していきます。
ウエイトトレーニングでは、体組成自体を改善しながら、無理な食事制限を行うことなく体脂肪率を緩やかに下げることが必要です。
しかし、どの体重カテゴリーにエントリーをするのかによっては、それだけでは「計量」にパスをすることは難しいことになります。
自分も試合前に減量を行い、計量後元の体重近くまで戻すということをやっていましたが、「減量」がとてもストレスになり、なかなかトレーニングに集中することが困難でした。
そこで「普段から体重管理をすれば試合前に減量をしなくてもよいのでは?」と思い、知識がないままお肉や乳製品を全て止めて野菜中心の食事を始めました。
今までお肉を食べるのが習慣でしたので、野菜だけの食事は大変かと思いましたが、実際はまったくそうではありませんでした。
幸いにも留学していた時、柔術の先輩がダウン トゥ アースというベシタリアン専門のオーガニックスーパーで働いていたので、色々教えてもらいながら実践することができました。
現役時代はどのような食事をしていましたか?
アメリカにいた時は、気軽にオーガニック食材をスーパーで買えましたし、ファーマーズマーケットでは新鮮なフルーツや野菜が安く買えました。
そこで、簡単に作れて食べられるものばかりを練習後自宅で作って食べていました。味付けもシンプルに、塩や胡椒をベースにした野菜炒めや、素材を活かしたサラダが中心。
朝はフルーツ、昼は玄米か全粒粉のパスタに野菜とフルーツ、そして夜は、玄米と野菜を食べていました。
サプリメントは、ビーガン食にしてから疲労回復が早いと感じていたので、追い込み期以外はほとんど摂りませんでした。
ただ、ビーガン食をしていても減量は必要です。引退直前の試合では8キロ減量をする必要がありました。
その時は、なかなか体重が減らず、断食やジュースクレンジングをしたりして乗り切りましたが、頭がくらくらして集中するのに大変でした。その時、炭水化物の重要性を知り、バランス良い食事が大切だと実感しました。
ビーガン食を始めて良かったことや困ったことはありますか?
ビーガン食を始めてから「体が楽になり、疲労回復も早くなった」と感じます。
試合が終わると時々お肉を食べることもありましたが、お肉を食べると「胃もたれが酷く、練習についていけない」と感じたので、「ビーガン食」について色々調べてみました。
そうしたら、野菜だけでもタンパク質や、アスリートに必要な栄養素が適切に摂れることがわかったんです。
積極的に玄米・穀物・全粒粉パスタを摂ったり、ソイミートを時々使ったりしたので、満足感のある食事は摂れていました。
あくまでも個人的な感想ですが、ビーガン食を継続したことで、五感が研ぎ澄まされ、相手の動きを感知しやすくなり、トレーニングに集中することができました。また、精神面でも安定してきたと感じます。
アメリカでは、柔術や格闘技をやっていて、ビーガン食を選択している人が意外に多いです。あがり症で人とのコミュニケーションが苦手な自分に対しても優しく接してくれて、ビーガン食を介して友達の輪が広がりました。
今でもビーガン食を介して色々な出会いがあり本当に感謝しています。
日本に帰ってきてビーガン食を知っている人が少なく、またビーガンやベジタリアン食を提供するレストランが少ないことに気が付きました。
都会ですと一部のコンビニエンスストアやスーパーでビーガン食を買うことができますが、手軽にビーガン食が食べられる環境がまだ備わっていないことが残念です。
今後の展望について教えてください。
ビーガン食と出会い「マインド・ボディー・スピリット」全体のバランスの重要性について考えるきっかけを得ました。そして、ビーガン食を通じて沢山の出会いがありました。
アメリカでは、有機野菜が普及していますし、気軽にビーガン食を食べることができます。
留学時代身近にあったビーガンコミュニティーやオーガニックコミュニティーでは、親が子供たちに「良いものを食べることの大切さ」・「お互い笑顔で助け合う」ということを教えているのが印象的でした。
この考えは柔術にも共通していると思いました。
ブラジリアン柔術のカルロス・グレイシーは、「一族の名前を守るには常に健康であることだ」と考え「栄養と身体能力との関係」に着目し、研究を始めました。
彼は栄養学の教育を受けたことはありませんでしたが、多くの専門家による研究から学び、自分と家族を使って「グレイシーダイエット」を作りあげました。
この食べ方には食べ物の制限はないのですが、「ジャンクフードではなく、体に良いものを選択して食べる」という考え方がベースにあります。
彼は、護身術の有効性を理論ではなく事実で証明してきたように、この食事法を実践したことで、90代になっても肉体的に、また精神的も健康を維持し、柔術の指導や練習を続けることができました。
日本ではファストフードや加工食品、添加物を使った食品が沢山あります。自分は、柔術を通じてビーガン食でも動けることを証明し、ビーガン食の魅力やオーガニック(自然農法)を広め、地域活性化に貢献したいと思います。
また、練習の質を高め、怪我をしない体を作るためには、食にこだわることが重要であるということも、柔術を通じて伝えていきたいと思います。
数時間のインタビューでしたが、将来を担う子供たちの話になると、とても優しい眼差しで語られるところがとても印象的でした。
まだまだ食の多様性が問われる日本。現役を引退した今新たな挑戦を始めた石井さん。今後のご活躍にも期待したいと思います。
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