エディフルフラワーを使いこなす3つの方法とは?華やかな食卓を簡単に演出!

公開日:2019/07/17

エディフルフラワーは、食べることのできる花です。

日本で良く利用されているのは、菊や桜の花ですが、他にも蘭・百合・金魚層・パンジーなど、その種類は豊富。普段は観賞用として飾られている花でも、食べられるものがあるんです。

エディフルフラワーを使えば、いつもの野菜料理も華やかになります。

エディフルフラワーとは…

エディフルフラワーは食用花のこと。本来、無毒であれば、どんな花でも食することができますが、観賞用で売られている花は、農薬を使っている場合が多く注意が必要です。

したがって、エディフルフラワーを購入する場合は、必ず「食品」として販売している花を利用しましょう。また、ご自宅で育てた花を食用として利用する場合も、農薬を使わない清潔な花を使いましょう。

エディフルフラワーに向いた花


エディフルフラワーとして向いている花は、華やかで彩りが綺麗な色のもの。また、摘んだ後もすぐにしおれない花がおススメです。

日本では、菊や桜の花をエディフルフラワーとして良く利用しています。菊は、おひたしや酢飯の彩りに多く使われます。桜は、塩漬けしたものにお湯をそそいでを「桜茶」とし、おめでたい席で飲まれています。

また、お刺身に添えられる穂紫蘇(ほじそ)というピンクの花は、葉も一緒に香りを楽しめるエディフルフラワーです。

広い意味では、ブロッコリーやカリフラワーの可食部は「花のつぼみ」になるので、これもエディフルフラワーの一つと言えます。菜の花やフキノトウのなど、灰汁のある春の花は、生で食べずに加熱した方が美味しくなります。

エディフルフラワーの特徴


エディフルフラワーを使う時は、その色や花の特徴を知りましょう。花や野菜・果物の色は、4つの色素からなります。

クロロフィル
緑色系の色素で、水に溶けません。加熱で変色するため、長時間の熱を加えると色が悪くなってしまいます。しかし、NaHCO₃(炭酸水素ナトリウム)で発色が促進されます。重曹を灰汁抜きなどに利用するのはそのためです。

カロチノイド
黄・橙・赤色系の色素です。カロチノイド中でも、ビタミンAの成分である「カロチン」は、油脂で吸収が促進されます。

また、カロチノイド色素は、熱・酸・アルカリで安定します。例えば、黄色の菊をおひたしにする際に酢や塩を加えるのは、酸やアルカリにより色が安定するためです。

フラボノイド
淡黄系の色素で水溶性です。酸で安定し、アルカリで発色します。また、金属イオンで緑色や褐色に変化します。例えば、ゴボウの白を綺麗に出すために酢を加えるのは、酸により色が安定するためです。

アントシアン
赤・紫系の色素で、酸性で赤になり、中性で紫、アルカリ性で青に変わります。例えば、シソの葉は、塩もみすると青緑になり、梅の酸で赤く染まります。

また「ポリジ」の花は、白ワインに入れると、ブルーだった花がワインの酸でピンク色に変化します。お食事前に、ポリジの花を用意し、飲む前に入れてもらう。そんな演出の仕方もエディフルフラワーならではの楽しみ方です。

このようにエディフルフラワーは、これらの色素の組合せから色ができあがっています。色素は、調理や保存の影響を非常に受けやすいので、エディブルフラワーのそれぞれの特徴をふまえながら利用しましょう。

今回は、簡単なエディフルフラワーの3つの使い方で、華やかになる食卓のコツをお伝えします。

花をシンプルに添えて使う

華やかな色のエディフルフラワーは、料理の色と対照的な色の花をシンプルに添えるだけで、豪華なイメージになります。切ったフルーツや野菜と一緒に単体でも使えて便利です。

オレンジとキンギョソウのフルーツ盛り


皮ごとむいたオレンジに、キンギョソウのピンクとミントの緑を合わせた盛り付け例です。果物や野菜は、メインの食材と違った色のエディフルフラワーを使うと綺麗に見えます。

キンギョソウ
金魚のような花を咲かせ、赤やピンク、黄色、白とたくさんの色がある可愛らしい花です。あまり苦味が強くなく、さっぱりとした味で、他の料理を邪魔せずに、色々な味付けで食べられます。

塩キャベツのナスタチウム添え


塩でもんで、ごま油で味付けしたキャベツにナスタチュームを添えた盛り付けです。シンプルな料理こそ、華やかなナスタチュームが良くあいます。一緒に、ナスタチウムの葉も湯がいて加えると彩りもきれいになります。

ナスタチューム
蓮のような葉をもち、「キンレンカ」として親しまれているナスタチューム。プランターで簡単に育てることができるので、エディフルフラワーとしておススメです。

葉はサッと湯通しして刻むと、ほろ苦い味わいで薬味としても使えます。花は、赤や黄色、オレンジがあるので、そのまま花としても、花弁を散らして使っても、お料理に良くあいます。

ただし、水分を含みやすく時間が経つとしおれてしまうので、花は食べる直前に盛り付けましょう!

花をドリンクに入れて使う

水やお湯にエディフルフラワーを入れると、お客様がいらした際のおもてなしとして、お洒落なドリンクができます。氷にすると、花が沈んでも美しく開いた見た目をキープでき、とっても綺麗になります。

エディフルフラワーのロックアイス


色とりどりのスミレ・ナデシコ・パンジーなど、お好きな皿花を製氷皿で凍らせます。水を張った製氷皿の上に、花弁が開くように花を置きます。後は、冷凍庫で固めるだけ。使う時は、氷をコップに入れ、水や茶をそそぎます。

ナデシコ
ピンクや赤が綺麗で、ギザギザとした花弁が特徴のナデシコ。くせの無い味と香りで、色々な料理に添えて使えます。使う際には、生のまま汚れをキッチンペーパーで取り除き、丁寧に洗います。

パンジー
味が薄く、ほんのり青臭さのある味です。色も豊富でシンプルな料理に良くあいます。花弁が縮みやすいので、つんだ後はすぐ利用しましょう。また保存する際は、水気を避け、1つずつ重ならないように保管しましょう。

スミレ
スミレは、加熱しても美味しく食べられるエディフルフラワーの一つです。砂糖漬けにすると長期保存ができます。ただ「ニオイスミレ」の種と根には毒が含まれているので、注意してください。

色も紫、白など450種類以上あるため、どれを食用にしてよいか迷ったら「食用」として販売しているものを使いましょう。

菊茶


菊の花を温かいウーロン茶に浮かべて、一緒に召し上がります。大きな菊は、花びらをちぎって利用しましょう。また、菊の花は薬膳効果もあるので、お茶を入れた水筒にそのまま入れて飲めば、すっきりした気分になれます。

他にも、お酒に浸して「菊花酒」としても使えます。


エディフルフラワーとして利用できる菊の花は、薬膳としても利用されています。主に「体の上の方(頭や目の症状)」に良いとされています。薬効としては、頭痛・のぼせ・目の疲れなど。他に、解熱・解毒・鎮痛・消炎・抗菌作用もあるとされています。

そのまま食べても、茹でて、揚げても美味しい菊の花。初めてエディフルフラワーを使うのであれば、比較的手に入りやすい菊がお勧めです。

花の香りを使って調理する

エディフルフラワーには、特徴的な味のないものと、花の香りが強いものがあります。この香りのある花を利用して、料理の幅を広げる方法があります。

バラ・桜・梅・菊などは、ほんのりと甘い香りでお菓子にも良くあいます。また、香りの強いハーブ系の花は、ほんの少し料理に加えるだけで風味が増し、シンプルな味付けでも美味しくいただけます。

ラベンダー豆腐


切った豆腐に、エキストラバージンオリーブオイル・ホワイトバルサミコ酢を同量。後は、少しの塩で味付けし、ラベンダーを散らしただけの一品です。シンプルなのに香りがいっぱいで、豆腐の豆の香りも引き立ちます。

ラベンダー
紫色の小さな花が特徴で、香りが豊かです。お茶としても、焼いた料理のスパイスとしても利用できます。

乾燥したものを使うのが一般的ですが、もし生の花が手に入ったら、ぜひエディフルフラワーとして食卓に添えてみてください。一輪でもラベンダーの香りが広がります。

菊のちらし寿司


野菜だけのちらし寿司でも、菊の花を散らすと卵のような見た目になり、錦糸卵の代替食として使えるため、卵アレルギーやヴィーガンの方も安心して召し上がれます。あまり多く散らさず、さりげなく他の具材が見えるように盛り付けるのがポイントです。

以上、エディフルフラワーの簡単な使い方をご紹介しました。花が綺麗に咲く時期に、エディフルフラワーを使った華やかな食卓を演出ください。

参考文献:新エスカ21「調理学」

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松下 和代

松下 和代

食事は、「心のこもった温かい手で」をモットーに児童養護施設に住み込みで働く。さらに、栄養士として、ミルク会社のメールマガジンの編集・栄養・保育相談を担当後、フリーで各種保育施設の献立制作や栄養相談・テレビ・雑誌・WEB等で栄養関連の執筆を行う。現在は、ライター稼業兼、こじんまりとした料理教室を主宰。栄養士・調理師・保育士・食品アドバイザーの資格所有。趣味は、ホラー漫画とフィギア集め。