森と海を感じ、美味しいごはんに癒される。アースツリーカフェ【千葉県鴨川市】
自然豊かな田園風景が広がる南房総・鴨川まで、都心から車で走ること2時間弱。
今回は、私も気に入って何度も訪れている、地元のとっておきカフェをご紹介したいと思います。
目次/Contents
自然とつながれる場所、アースツリーカフェ
「日本の渚100選」にも選ばれた美しいビーチにほど近く、青々とした松林が広がる絶好のロケーションにある、「アースツリーカフェ」。雑穀を取り入れたヴィーガン料理と、肉や魚を使ったメニューの両方が楽しめます。
6年前にオープンして以来、地元の人はもちろん観光客やサーファーなど、皆に愛される癒しスポットです。扉を開けて足を踏み入れれば、まるでお店の中にまでさわやかな風が吹き抜けているよう。
今回はオーナーの松田真一(まつだしんいち)さんに、カフェをオープンするまでの経緯や食事への想いについて、たっぷりとお話を伺いました。
旬の野菜と雑穀が織りなす、大地のごはん
まずは、一番気になるお食事のこだわりについて。
「日本の田舎料理や家庭料理というイメージで、作っています。
まだお店をオープンする前に友人の畑を手伝っていたとき、彼の奥さんがお昼になると振る舞ってくれるごはんが、本当に美味しかった。
ベニヤ板を渡しただけの簡単なテーブルに、とれたての新鮮野菜のおかずが何種類かと、玄米おにぎりなんかが並ぶんです。
このスタイルはすごくいいなぁと感じたのが、今ランチでお出ししている「雑穀プレート」の原点になっていますね」
看板メニューの「雑穀プレート(926円+税)」はヴィーガン対応で、野菜それぞれの色や形が活かされた心踊るような盛り付け! 箸置きにさりげなく流木が使われているのも、海を感じられて嬉しいですね。
この日のメニューは、玄米ごはんとお味噌汁に、蕎麦の実入りのコロッケ、夏野菜のラタトゥイユ、厚揚げと小松菜のけんちゃん煮、キュウリとミニトマトの酢の物、即席しば漬け、とうもろこし、オレンジドレッシングのかかったサラダ、と盛りだくさん。
「雑穀プレート」はその名の通り、雑穀を使ったおかずがメインになります。
他にもひえをフィッシュフライ風にしたり、もちきびとじゃがいもを一緒に炊いて、車麩や大根に乗せたりと、その内容はバリエーション豊か。他のおかずも日替わりで内容が変わるので、頻繁に訪れたくなってしまいますね。
圧力鍋でもっちりと炊かれた玄米は、慣れない人にも食べやすい味わい。その日の気分で、黒米や小豆などを一緒に炊き込んだりして、変化をつけているそうです。
お店でお出ししている、無農薬・無化学肥料の玄米「さわのはな」は、こちらで購入することができます。
こだわりの調味料や食材のコーナーも。
毎日の献立は、主に地元のオーガニック農家さんから届く野菜の顔を見てから決めるのだとか。
「いつも季節のものしか来ないので、野菜の旬がよくわかります。僕も自宅のそばで夏だけ畑をやっているんですが、もっと自然のサイクルを感じながら生活したいと思っているので、今後はできれば一年通して畑仕事をやりたいですね」
「雑穀プレート」はヴィーガン対応ですが、「ジャークチキンプレート」など、ガッツリ食べられるメニューも揃っています。
最初はお肉ばかり食べに来ていたお客さんが、野菜の美味しさに驚いて「雑穀プレート」のファンになることもあるとか。ベジタリアンの人もそうでない人も、そのときの体調や気分に合わせて、垣根なく食事を楽しめるのが魅力です。
ヴィーガンスイーツも充実!
デザートは奥さまが作られているそうで、マフィン各種やスコーン、豆乳プリンなど豊富なラインナップ。そのうち半分ほどが、卵や乳製品を使わないヴィーガン仕様です。
バナナマフィン(389円+税)
エスプレッソマフィン(417円+税)
ふんわりとした食感のマフィンは、甘すぎず絶妙な美味しさでした。
さっぱり爽快感あふれる、ゆずスカッシュ(463円+税)
サマーブレンドのハーブティー(500円+税)
夏バテに効くセージやレモングラスなど、この季節の身体に優しいハーブがブレンドされているそう。
しみじみと美味しいごはんとスイーツに、自然を感じられてリラックスできる、こだわりの空間。あまりの居心地のよさに、つい時間を忘れてゆっくりしてしまいそうです。
アースツリーカフェが生まれるまでのストーリー、そしてこれから
そもそも松田さんがカフェを始められたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?
「昔からものづくりが好きで、建築関係のサラリーマンをしていました。でも当然ながら、自分の理想を形にできる環境ではなかった。
30歳になるときに、そろそろ思い描いたものを自由に形にしてみようかな、と思いました。それには、お店のデザインからメニューまで自由に組み立てられる、カフェが面白いんじゃないかと思って」
カフェ開業のための第一歩として参加した起業セミナーで、松田さんは運命の出会いを果たします。
「そのセミナーにカフェ経営者の方がいたので、すぐにでも働かせてください、とお願いしました。
カフェのことは何もわからなかったので、とにかく勉強したかった。そこが本当にたまたま、ヴィーガンのカフェ(旧アサンテサーナカフェ)だったんです」
それが松田さんにとって、初めてのヴィーガンとの出会いだったといいます。そして賄いを食べながら働くうちに、心身の変化を感じるようになったそう。
「今思うと、それまではイライラすることがよくありました。気づけばそれがなくなり、いつも機嫌よくいられるようになっていました。
毎日2時間半かけて通勤していたので、肉体的にはハードだったはずですが、疲れも感じにくくなっていた。
これはすごいと思い、自分だけがこの心地よさを独り占めしていてはもったいない、周りにもこの食事を伝えたいと思いました」
鴨川でカフェのオープンが決まったとき、ヴィーガンのメニューを取り入れるのは、松田さんにとってごく自然な流れだったそうです。
「都会から遊びにきた人にも、食事から自然を感じてもらえたらと思っています。
今の人は時計に合わせて生活しているけれど、鴨川に移住してきて新鮮だったのが、自然のリズムに人間が合わせていること。
畑仕事なんてまさにそうで、冬になる前にこの準備をしておかないととか、一年を通して自然が基準なんですね。ここでの食事が、本来誰もが持っている感覚を目覚めさせるスイッチのひとつになれば嬉しいです」
早起きしてサーフィンをするのが日々の楽しみ、と笑う松田さん。お店の壁のそこここに、海を感じさせるアートが。
テーブルの上には、旅や自然、ネイティブアメリカンに関する本が並びます。
Wi-Fiがサクサクなのも、嬉しいポイントですね。
店内ではカフェオリジナルのタンブラーや、フェアトレードの雑貨なども販売しています。
その名の通り、大地にしっかりと根付き、豊かな実をつけ、木のふもとに集まる虫や動物たちの住処となる森のように、周りに恵みと癒しを与える「アースツリーカフェ」。
わざわざ遠くから訪ねてくるお客さんが絶えないのも、納得です。
鴨川に来るサーファーやアスリートにベジタリアンの方が多いこと、外国人の観光客が増えたことなどもあり、今後はヴィーガンメニューのさらなる充実を考えているそうです。ますます、行く口実が増えてしまいますね!
松田真一さん(右)、奥様の佐知子さん(真中)、娘さん(真中下)。笑顔が素敵で、まるでファミリーのようなスタッフの皆さん。
さいごに松田さんに、今後の展望についてお伺いしました。
「来年の秋頃、ここと同じようなスタイルのカフェを、木更津にオープン予定です。
都会と自然との中継地点にお店を構えることで、海や山など、もっとワイルドな環境へ遊びにくるきっかけになれたらと思っています」
新しいお店もきっと、松田さんの熱い想いが詰まった、皆に愛される場所になるに違いません。
アースツリーカフェでは現在、キッチンとホールのスタッフを募集しています。自然を感じられる最高の環境で働きたい人、美味しいまかないが食べたい人は、ぜひご応募を!
お腹がいっぱいになったあとは、ぜひ近くのビーチを散歩してみては。気持ちのいい潮風と波の音に、日々の疲れも癒されるはず。
アースツリーカフェで美味しいごはんを食べて、鴨川の自然と戯れて。リフレッシュできる贅沢な週末になること、間違いなしです。
※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。
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