ココナッツの食べ方知ってますか?食べられる部分についておさらいしよう
「ココナッツの食べ方は?」と聞かれたら、皆さんは幾つ思いつくでしょうか?
果肉を食べるほか、ミルクやオイルなど、ココナッツからは様々な食品が作られますが、具体的な利用・調理法まで詳しく知っている方は少ないのではないかと思います。
この記事では、ココナッツの基本情報をはじめ、多彩な食べ方とおすすめレシピ、栄養価や身体へのメリット、摂取の際の注意点などを詳しくご紹介します。
目次/Contents
ココナッツについての基本情報
ココナッツは、約3,000種類あるヤシ類の代表品種「ココヤシ」の果実です。
ココナッツは、インドネシア・フィリピンなどのアジア太平洋地域、アフリカ西岸部、中南米など、平均気温が約25〜27℃、日照時間2,000時間以上、降水量1,500〜2,500mlの熱帯・亜熱帯地域に分布しています。
土中のミネラル分を使って生育し、海水も好むため、塩分濃度が高い地域でも育ちます。苗を植えてから約6〜8年で実がつき、約70〜80年間は収穫が可能です。
市場に出ているココナッツは、若い緑色の「ヤングココナッツ」と、熟した茶色の「オールドココナッツ」に分けられます。
前者は果汁が多く果肉は少ないのに対し、後者は果肉部分が厚く、果汁は少量です。
ココナッツの食べ方(割り方)!白い部分が食べられるの?
ココナッツは3層の厚い皮に包まれています。そのため、外側の皮を取り除いた上で一部を切り取るか、全体を割るかなどしないと中身を食べることができません。
ここでは、ココナッツの食べ方を部位別にご紹介します。
果肉(中身の白い部分)の食べ方
日本で売られているココナッツの大半は、一番内側の皮(殻)を残した状態です。
皮の表面には、端から端まで3本の筋が入っており、それらが1点に集まる部分に3つの窪みがあります。
その3つを指で押して、最も柔らかい窪みに包丁の刃などを当てて穴を開け、まずは果汁を全て抜き取りましょう。
次に、殻を横にして回転させながら、包丁の背などを使って果実を半割りにするイメージで強く叩きます。十分割れ目が入ったところで手で割ります。
割ると、白い果肉が現れます。若いヤングココナッツの果肉はプルプル柔らかく、熟したオールドココナッツは固めです。
「ココナッツウォーター」の飲み方
皮(殻)に穴を開けてストローを刺せば、果汁(ココナッツウォーター)を直に飲むことができます。もちろん、一旦ボウルなどに果汁を取り出し、グラスなどに移して飲んでも良いでしょう。
果汁は、特に未成熟のヤングココナッツに豊富です。電解質が含まれており体内に効率よく吸収されるため、「天然のスポーツドリンク」とも呼ばれます。
「ココナッツミルク」の作り方
半割りにした(オールド)ココナッツの果肉を薄くカットし、果肉の重量の約1.5倍ほどの水と合わせて3〜4分間、フードプロセッサーで攪拌します。
ココナッツの脂肪分を十分に取り出すためにしっかり攪拌したら、布巾などで搾って濾します。
搾れば搾るほど脂肪分が抽出され、風味豊かなココナッツミルクが出来上がります。
完成したココナッツミルクは、牛乳の代わりにスイーツ作りに使ったり、スムージーやコーヒーに入れたりできます。
また、カレーやスープ、煮込み料理、炒めものに使うと、甘い風味とまろやかなコクがプラスされます。
「ココナッツオイル」の作り方
ココナッツオイルは、ココナッツミルクから手作りできます。
まず、ココナッツミルクを鍋に入れて火にかけ、焦げ付かないように時々かきまぜながら煮詰めていきます。
すると、白濁していた液体が、薄黄色がかった透明の液体と白い固形物に分離し始めます。
さらに加熱を続け、固形物が茶色く変色してまとまってきたら火を止めて濾すと、ココナッツオイルの完成です。
ココナッツオイルは、他の調理油と同様に炒め物やスイーツ作りに使えるほか、飲み物に加えたり、サラダ・フルーツなどのトッピングに使ったりして食べられます。
(参考)実が固くて割りにくいときは?
ココナッツが固すぎて割りにくいからといって、包丁やドライバーなどを無理に使うと、怪我をする可能性があって危険です。
固くてなかなか割れない場合は、果汁を完全に抜き取った後に電子レンジ等で加熱して、殻にひびを入れましょう。
その後、冷ましてからタオルなどで包み、さらにビニール袋に入れてコンクリートなどに叩きつけると割ることができます。
あるいは、タオルで包み、実を回しながらハンマーで強く叩き、ひびを入れて割るという方法もあります。
<レシピ有>ココナッツのおすすめの食べ方を紹介
ココナッツの果肉やココナッツミルク、ココナッツオイルは、どのような食べ方をし、どんな料理に使うと美味しく楽しめるのでしょうか。
ここでは、ココナッツの様々な活用方法の中から、特におすすめの食べ方をご紹介します。
果肉(中身の白い部分)はスイーツに最適
ココナッツの果肉は、乾燥させた加工品でも市販されています。
果肉を約1cm程度に細長く削った、シャキシャキ食感の加工品が「ココナッツロング」、ザクザクとした食感で、粗びきした粉末状の加工品が「ココナッツファイン」です。
どちらもそのまま食べたり、トッピングにしたりするほか、スイーツの材料にもよく使われます。
ヤングココナッツの柔らかな果肉なら、そのままでも、わさび醤油などにつけても美味しく食べられますよ。
ここでは、ココナッツの果肉の風味と食感が楽しめるマフィンのレシピをご紹介します。
ココナッツマフィン
<材料(小さめマフィン10個)>
ココナッツ果肉 70g
小麦粉 50g
片栗粉+米粉(小麦粉でも良い) 20g
大豆粉(小麦粉でも良い) 10g
てんさい糖 50g
BP(ベーキングパウダー) 小さじ1
豆乳 60g
ココナッツオイル 10g
自然塩 少々<作り方>
1.ココナッツ果肉を細かく包丁で切る。2.【A】小麦粉、片栗粉(+米粉)、大豆粉、てんさい糖、BP、塩をボウルに混ぜる。そのあと、ココナッツの果肉も混ぜる。
3.【B】豆乳とココナッツオイル(溶かしたもの)を別のボウルに混ぜる。
4.【B】のボウル(液体)に【A】を入れてさっくり混ぜる。
5.マフィンカップに流し込んで、180度の予熱後のオーブンで18分〜20分。
引用:クックパッド
ココナッツミルクでカレーにコクを出す
ココナッツミルクはそのまま飲むほか、飲み物や料理、お菓子作りにも活用できます。
手作りも可能ですが、缶・紙パック入りの市販品もあるので、上手に活用しましょう。
ココナッツミルクはコレステロールを含まず、カリウム・鉄・マグネシウムが豊富な上、100gあたり約150kcalとヘルシーなミルクです。
ここでは、ココナッツミルクでまろやかに仕上げる、野菜カレーの作り方をご紹介しましょう。
やみつき!ベジタリアンカレー。濃厚♪何度でも食べたい!
<材料(4人分)>
じゃがいも 1個
たまねぎ 1個
にんじん 1/2本
にんにく 1片
しょうが 1片
ひよこ豆の水煮 1缶(100g)
[A]カレー粉 大さじ2
[A]ガラムマサラ 少々(あれば)
[B]カットトマト缶 1缶(400g)
[B]ココナッツミルク 1缶(400ml)
[B]トマトペースト 15g
[B]豆乳ヨーグルト 大さじ2
[B]砂糖 大さじ1と1/2
[B]塩 大さじ1/2
オリーブオイル 大さじ2と1/2
ご飯 適宜
パクチー 適宜<作り方>
1.じゃがいも、たまねぎ、にんじんは1.5cm角切りにする。にんにく、しょうがはすりおろしにする。2.次にオリーブオイル 大さじ1を弱めの中火で熱し、にんにく、しょうがを炒める。香りがたったらじゃがいも、たまねぎ、にんじんを加え、5分ほど炒める。塩をふたつまみ、水大さじ2(分量外)を加え、ふたをして弱火で8分ほど蒸し煮にする。
3.具材を端に寄せ、オリーブオイル 大さじ1を熱する。A カレー粉大さじ2、ガラムマサラ少々を加えて香りをたたせ、全体を炒め合わせる。
4.ひよこ豆の水煮、B カットトマト缶1缶(400g)、ココナッツミルク1缶(400ml)、トマトペースト15g、豆乳ヨーグルト大さじ2、砂糖大さじ1と1/2、塩大さじ1/2を加えて混ぜ、ふたをする。沸騰したら弱火にかえ、ときどき混ぜながら10分ほど煮る。オリーブオイル大さじ1/2をまわしかけて混ぜる。ご飯とともに盛り、パクチーをのせる。
引用:Nadia
ココナッツオイルでヴィーガンバターが作れる
植物性の油から作られるバター状の食材「ヴィーガンバター」は、乳製品のバターより低カロリーかつヘルシーで、乳製品が食べられない方でも安心して楽しめます。
また、使用する植物性油によって、様々な味わいや食感、香りなどを楽しめるのも魅力です。
ここでは、ココナッツオイルと豆乳ヨーグルトで作る、舌触りがクリーミ―であっさりテイストなヴィーガンバターのレシピをご紹介しましょう。
千葉芽弓さんの自家製無添加ヴィーガンバター
<材料(出来上がり量150g程)>
無臭ココナッツオイル 100g
豆乳ヨーグルト 50g
オリーブオイル 大さじ1
白梅酢 小さじ2<作り方>
1.ボウルに無臭ココナッツオイル(クリーム状くらいの固さ)、豆乳ヨーグルト、オリーブオイルを入れ、泡立て器でよく攪拌してなめらかにする。2.1に白梅酢を入れて、さらによく混ぜ合わせる。
3.棒状などに成形するか、空き瓶などに入れて30分以上冷やし固めたら完成。
※冷蔵庫で1週間から10日程を目安に使い切るようにする。
引用:Vegewel
ココナッツに期待できる効果
ココナッツの脂質に豊富に含まれるのが、抗菌・抗ウイルス作用があるラウリン酸です。
ラウリン酸は中鎖脂肪酸の一種で、肝臓で吸収されてエネルギーとして使われやすいため体脂肪になりにくく、ダイエットや体型維持効果が期待できます。
また、脳のエネルギーとなるケトン体の生成を促し、認知機能を向上させる働きも報告されています。
さらに、果肉に多く含まれる食物繊維は、腸内環境の改善に、果肉と果汁に豊富なカリウムは、ナトリウムの排出を促して、むくみ解消や高血圧予防に役立ちます。
ココナッツの適切な摂取量と注意点
ココナッツミルク100gのエネルギーは157kcal、カップ1杯(200g=200mℓ)だと314kcaⅼです。
これは、茶碗1杯分の白米(約150g)のカロリー(234kcal)よりも多いため、飲み過ぎは避け、1日にカップ1杯までを摂取の目安としましょう。
また、ココナッツオイルは1日1回、大さじ2杯(約180g)の摂取が望ましいとされています。
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、脳にエネルギーを補給するケトン体の生成を促してくれます。
ケトン体は体脂肪を燃焼して作られるため、ココナッツオイルの摂取にはダイエット効果も期待できますが、必要以上に摂取するとカロリー過多となる可能性があります。
また、糖質はケトン体の生成を阻害するため、同時摂取は避けるようにしてください。
ココナッツを食事に取り入れる際の注意点
生のココナッツを家庭で割る際は、怪我に気をつけましょう。
青果は冷蔵庫で保管し、2週間以内を目安になるべく早く使い切ってください。
ココナッツミルクは酸化しやすいため、缶詰入りのものは開封後別の保存容器に移しかえて冷蔵庫に入れ、3日以内に消費しましょう。
また、ココナッツオイル・パウダー・ミルクの摂り過ぎによるカロリー過多には要注意です。
ごく少数ながら、ココナッツアレルギーの症例も報告されており、摂取した後に不調が出た場合は注意が必要です。
まとめ
プラントベースな食生活の強い味方であり、様々な健康・美容メリットが期待できる食べ物、ココナッツ。
今回は、日本ではまだその実像が十分に知られていない、ココナッツの魅力や食べ方を解説しました。
ココナッツを使った加工食品は数が多く、比較的手に入れやすいのも嬉しい特徴です。
この記事を参考に、それぞれのニーズや体調に合わせて、普段の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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