最強の薬膳ベジ中華に出会った!ラーメン・チャーハンもヘルシーに。彩膳中華杏ZU(さいぜんちゅうかあんず)【名古屋・丸の内】

更新日:2019/02/02 公開日:2018/04/27

野菜を多彩に使う中華料理はベジに向いています。でも、添加物や油が気になるところ。

そんなイメージを覆す、化学調味料・白砂糖不使用、食材にこだわった中華料理を発見。しかも薬膳を取り入れた体にやさしい中華料理なんです。

煮卵まで野菜で表現してしまうクオリティーの高さに脱帽。

彩膳中華杏ZU(さいぜんちゅうかあんず)の有井博(ありいひろし)シェフにお話をお伺いし、薬膳中華の魅力に迫ります。

彩膳中華杏ZUの場所や詳細な情報はこちら

シェフもびっくり!世界から人が押し寄せてきた


杏ZUがあるのは丸の内駅からすぐ。海外のレストランサイトに取り上げられ、その1週間後には海外からお客様が杏ZUを目当てに来日し、シェフ自身もびっくりしている状況になっています。


駅近ですが古民家を生かした佇まいで、ホッとできるお店の雰囲気。ランチタイムは動物性食材不使用のベジラーメンランチ(950円〜税抜)が日替わりでいただけます。

ディナーでは肉・魚を使ったメニューとヴィーガンメニューを用意、ベジタリアンもノンベジさんも一緒に楽しめるお店です。

煮卵まで再現、最強のベジラーメン・ベジメニューをレポ!


杏ZUのヴィーガンメニューにハズレはありません!どれを食べても美味しいです。が、絶対食べて欲しいメニューがあります。

それがこちらのベジラーメン・「担々麺」(980円・ハーフ550円共に税抜)です。


まず麺がすごい!口に含んだ時にツルッ・モチッ・ムチッな食感と噛みごたえが見事なバランスです。国産小麦使用だそう。

大豆ミートの肉味噌は八丁・西京味噌、粗糖、ケチャップを使っただけ。薬膳のスパイスを使ったかのような複雑な味の重なりはどこから来ているのでしょうか。


こちら、どうみても卵ですよね?!

卵の黄身のボサッと感と白身のゼラチン質、卵の少し酸味がかったところまで再現されています。お塩とネギ油がポイントだそうですが、ここから先は企業秘密!

卵を食べられない方にも食を楽しんでもらいたいというシェフのやさしさから生まれました。


「生湯葉のあんかけチャーハン(780円税抜)」

湯葉と、とろ〜り中華あんに包まれたチャーハンはとてもリッチなお味です。

野菜だけで作られているので、しつこい感じがありません。


「油淋鶏(ヴィーガンメニュー)(750円税抜)」

うわ〜!まるでお花畑。こんなフォトジェニックな中華料理にはなかなか出会えません。

大豆ミートはふわふわ。よく水に浸して揉むのが大豆臭くないポイントです。油淋鶏ソースはヴィーガンのオイスターソースを手作りしたものを使っています。

ゆりねのお花はちょうどいい酸味。南天に見立てたのはミニトマトよりも小さな可愛らしいマイクロトマトです。


「黒酢酢豚(ヴィーガンメニュー)(1,000円税抜)」

酢豚は濃厚本格的なソース。黒酢ソースはやっぱりこのトロトロ感でしょう!程よい酸味にコク・旨味・甘みを感じます。黒酢だけだと日本人に合わないので、日本の酢をブレンドしているそう。

紫色のジャガイモ・シャドウクーンや、チョロギ、山芋の赤ちゃん・ムカゴなど野菜がたくさん。

「山芋は中医学では山の薬と書きます。呼吸器・消化器を整え、補機、つまり元気が出る食材です。でも、食材の性質で見るとすごく穏やかなんです。」(有井シェフ)

動物性食材不使用のスペシャルメニューも。


杏ZUでは食を楽しむスペシャルメニューが用意されています。こちらは年一度のお楽しみ、「動物性不使用のビーガン薬膳おせち」。

その内容もとっても豪華。春菊の薬膳湯葉巻き・百合根のライスペーパー巻き・大東寺麩ときのこの含ませ煮などなど、食べてみたいと唸ってしまうメニューの数々。

和風のおせちに飽きた方にもおススメです。年末のお渡し日には配送もできるので遠方の方も杏ZUの味を食べられるチャンスですね。


食後のお楽しみヴィーガンのスイーツも!中華のスイーツはラードを使っていることが多いので、胡麻団子や月餅風など、中華ならではのスイーツがヴィーガンで食べられるのは嬉しいですね。

難しくない!薬膳中華は身近な料理でした。


国際薬膳調理師の資格を持つ有井シェフ。

薬膳と聞くと、難しいスパイスを使っているのかな?と思いましたが、もっと身近なものでした。

「薬膳料理は中国伝統医学の考えに基づいた料理で、『季節の食材を取り入れましょう』ということです。

暑いときは体の熱を取るもの、寒いときは体を暖めるものという考えを、季節の食材に組み合わせて取りいれます。珍しいスパイスを取り入れるだけではないですよ(笑)。


今はいつでもスーパーで同じ野菜が買えるので、寒い時期にトマトを食べるなんて、冷え性になると思うこともあるでしょう。

でも、無理して食べないのではなく、そんな時には体を温める生姜のドレッシングを取り入れるように組み合わせることも薬膳ですね。自然に基づいたお料理なんですよ。」(有井シェフ)


お店には健康意識の高い常連さんもよくいらっしゃいます。有井シェフの安心・安全な中華料理への想いが地域の方にも伝わっています。

「これだけ調子が悪い人が増えているので、薬膳料理を食べることが、食材や料理を見直すキッカケになればいいなと。

経済面が気になる方は、自分の体になるものがどこからきて、何でできてるのか見ることから始めてみたらどうですか、とお声がけします。

僕は提案しますが、選ぶのは消費者の方です。しかし、聞かないとわからないし興味も持てないところです。一人でも多くの人が食に気を持ってもらえたら。」(有井シェフ)

薬膳ベジ中華は料理人としての再スタートでした。


12年ほど薬膳料理をやっている有井シェフがヴィーガンメニューを取り入れたのは、2年前からです。

シェフの奥様にアレルギーがあり外食できるところがあまりなく、同じようにヴィーガンメニューを探す健康・美容に気をつける方・食に制限がある方と出会うことがあったそうです。

「何でも食べられる方は、ヴィーガン対応メニューがないことは何ともないことだと思うんですが『食べられない』という方は辛いだろうなと。」(有井シェフ)

ヴィーガン料理を始めるにあたり、化学調味料・白砂糖不使用に切り替え、今まで使っていた調味料を全て入れ替えた有井シェフ。そのことで、12年続けていた味が一から作り直しになってしまいました。

今は岩戸の塩・みりん・麹など日本の調味料を使い、油も米油や地元のほうろく菜種油を選んでいるそうです。

「中華料理が敬遠されている理由を考えれば、そこを盛り返すヒントがある。中華料理は料理としてバランスがいいと思います。

食べる方は何を使って料理が作られているか見ることができないので、作る側がこうした努力で地道に信頼を作っていくしかない。」(有井シェフ)


食に制限のあるお客様が訪れるようになった中、有井シェフは新たな取り組みとして、出張で薬膳レッスンや親子教室を始めました。

「僕が目指すところは、うちにいらっしゃる全ての人が食を楽しめるお手伝いしたい。」(有井シェフ)

米粉の餃子の親子教室では、ハートや星型だったり自由にお子さん達が料理を作っていたそう。

アレルギーで餃子を食べることができなかった子が、おばあちゃん達に「今日餃子食べたんだよ!」って喜んで報告しているメールと写真がシェフの元に届いたそうです。


「食にはいろんな役割がありますよね。お祝いだったり、贅沢、冠婚葬祭も。けど、基本は楽しまないと!

新しい食に対するこうした取り組みは26年間続けてきた、自分の料理人としての役割の再スタートだと思いました。僕のライフワークです。」(有井シェフ)

名古屋駅から地下鉄で3分。今日も体にやさしく美味しい薬膳中華を用意して、心やさしいシェフが杏ZUで待ってます。

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

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岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガンフードアナリスト®︎
ベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなどヘルシーな食のフードライターとして活動。 保育士経験から子供たちの未来を守るため、オーガニックや自然栽培など食の安全にも取り組む。インバウンド対策やアレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するセミナー等も開催。自身も10年以上のヴィーガン。 メディア出演:The Japan Times、日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」、チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」等。