【閉店】レシピのないベジフードで、毎日違う楽しみ。6889cafe(ロクハチハチキュウカフェ)【南町田】≪中編≫
更新日:2019/02/01 公開日:2017/09/16
6889cafeは2018/7/31で閉店しました。
南町田のオリジナルベジレストラン「6889cafe(ロクハチハチキュウカフェ)」。
マクロビオティック、ビーガンの枠にとらわれないベジメニューは、外国人から近所のママさんまで、幅広い人達から人気を集めています。
オーナーの友井さんに様々なお話をお伺いしている今回のインタビュー。中編では、6889cafeをオープンするに至った経緯、友井さんのカフェメニューの考案の仕方について紹介していきます!
≪前編≫地元のベジ・ノンベジから絶大な支持を得るオリジナルベジフード。6889cafe
目次/Contents
その日にある食材と気温、体感で作る「セレクトメニュー」。
前編で紹介したお店の看板メニュー「カフェセレクト」は、店内でも友井さんしか作ることができないんだとか!
「その日、お店の冷蔵庫を開けて、その中身と気温、体感でデリのメニューを考えます。レシピがないんです(笑)。でも、だからこそ、その日その日にマッチしたデリを作ることができているんだと思います。」
毎回カフェセレクトを食べるお客様からは、「同じデリなのに、この間と味が違う!」と言われることもあるんだそう。
「その時の体感や、他のものとのバランスで、同じメニューでも味が変わることがあります。メニューと環境や体感のバランスで、日々アイデアを出して作っていますので、それも楽しんでもらえたら!」
同じメニューでも、毎日違うものが楽しめる。そしてそれを楽しみに通ってくれるお客様がいる。それは、友井さんの感覚に、お客様が信頼を置いているからこそ。
「ちなみに他のメニューはきちんとレシピがありますよ(笑)。他のスタッフが唯一作れないのはカフェセレクトだけ。毎日同じなのは玄米だけですね!」
まさに名物メニュー!通って味を比べたくなりますね。
ママさんの駆け込み寺&家族のリセット食。
現在は、ご近所の主婦の方がメインのお客様だという6889cafe。
「駅前の再開発もあり、このあたりは新しいマンションがどんどん建っています。以前は私と同年代か、年上のお客様が多かったんですが、今は若いお母さんも増えてきましたね。皆さん、お子さんの食事にはとても気を使っています。」
お客様の中には、小麦アレルギー、乳アレルギーのお子さんがいるママさんもいるそう。友井さんは、何を食べさせて良いかわからない、というママさんの相談に乗ることも少なくありません。
「お店に来るお客様の中で、ビーガンの方は実は少ないんです。ほとんどの方が、ノンベジで野菜料理を知りたい方。相談されたら、可能な限りノウハウをお伝えしています!」
近所のママさんの駆け込み寺的な役割も果たしている、6889cafe。友井さんは、野菜料理をリセットの食事療法として、たまにで良いので取り入れてほしいと話します。
「外食の日の中で、毎回ではなくても、たまにリセットの日として、6889cafeを使ってもらえればと思っています。お肉、お魚のように、毎日の食事の中のカテゴリーの一つとして野菜料理を入れてほしい。ノンベジの方が食べても美味しいメニューを沢山揃えています!」
自分達が食べたいものをビーガン仕様で食べられるように開発していったという友井さん。味付けには自信があります。ノンベジの方のエピソードとして、こんな話をしてくれました。
「ある時、友人がご主人を連れて6889cafeを訪れたんです。ご主人は大のお肉好き。ベジレストランというと来てくれないので、友人は6889cafeがベジレストランだとは伝えずに、ご主人を連れてきていました。食事を終えて、帰りにご主人が私に一言『ここのからあげは、どの部位を使っているんですか?』。
大豆であることを伝えると、ご主人はびっくり!『全然わからなかった!これなら毎日でも食べたいです。』と。そのご夫婦は、それから月1回、揃って6889cafeで食事をしに来てくれます。」
夕方には、家での夕食用にデリを買っていくママさん達も多い6889cafe。地域のリセット食として、皆さんそれぞれに、友井さんのベジフードを取り入れているようです。
近所のママ友からの一言で、カフェ経営を決意。
友井さんがこの場所でカフェをオープンするに至ったのは、ママ友からも後押しも大きかったそう。
「子供が幼稚園に通っていた時に、持たせたお弁当に興味を持ってくれたママ友がいたんです。我が家は家族全員ビーガンなので、子供のお弁当もビーガン仕様。お肉に見えるものも全てお肉『風』のものでした。」
ママ友がお弁当のおかずを食べてみると「美味しい!なにこれ?」という反応が。子供を介して、友井さんのご飯を食べてみたい!」とリクエストをもらいます。
「それから、ママ友会などで持ち寄りでご飯を食べる時も、私が持って行くものに皆さん驚いてくれました。ある日、ミートボール風のおかずを持っていたら、皆さん『友井さん、みんなに気を使ってお肉を持ってこなくても良いよ!』と言ってくれるんです。
『お肉じゃないのよ』と食べてもらうと、みんなびっくり!『こういうメニューがあるお店があるといいな!友井さんやってよ!』と。ちょうど、自分ができることを何か始めたい、と思っていた時期だったんですが、ママ友の言葉に後押しされ、やってみよう、と思いました。」
ちょうどご主人が持っていた土地のテナントが空いており、ご主人からも後押しをされて、6889cafeがついにオープンします。
「そもそも、中華、フレンチ、イタリアンという料理のカテゴリーがある中で、「ビーガン」というカテゴリーがあっても良いのではないか?とも考えていました。でも、ビーガンというとなかなか広く受け入れてもらえないかな、と思ったので、『オリジナルベジレストラン』。
都内の本格的なビーガン、マクロビのお店からすると少し邪道なところもありますが(笑)ポイントさえ押さえていれば美味しいベジフードができますよ!と提案できるものを作っています。」
ベジ、ノンベジ関係なく、近所の人達に親しまれる敷居が低いベジレストランは、ノンベジの友人達の強い後押しから始まったものでした。
お肉、お魚、本物の味を熟知しているからこその味を。
友井さんは、もともと食べることが大好き。洋服や化粧品にはお金をかけず、とにかく食べることにお金をかけていたそう。
「ビーガンになる前は、お肉やお魚料理もかなりたくさん食べ歩いていました。まわりにグルメな友人、知人がたくさんいたので、有名レストランなど、評判のお店で良いものをたくさん食べました。本物の味を経験したことで、今のカフェの味ができていると思います。」
本物の味を知らないと、いくら頑張ってもその味を出すことはできません。お肉の味、肉らしい食感をわかっている友井さんだからこそ作ることができるベジフード。
もっと美味しくするために、もっと食感を近づけるために…。友井さんは、舌が覚えている本物の味を頼りに、様々な食材を探り、思考錯誤を繰り返しています。
≪後編≫へ続く…
次回は、友井さんがビーガンになった経緯と、自宅でビーガンフードを作るためのアドバイス。お楽しみに!
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