ヴィーガンが魚を食べない理由と魚の代わりに食べるもの、ペスカタリアンについて解説

菜食主義、ヴィーガンと聞くと、肉を食べないというイメージが強い方もいるかもしれません。

ヴィーガンの方は、動物性製品の使用に反対するライフスタイルを体現しており肉だけはなく魚や魚介類も食べません。

では、ヴィーガンが魚を食べない理由とは一体何なのでしょうか?また、魚の代用として食べるものとは何なのでしょうか。

本記事では、なぜヴィーガンは魚を食べないのか、詳しく解説していきます。

また、ヴィーガンと似ているものの、魚も食べるペスカタリアンについてもどのようなものなのかをみていきましょう。

そもそもヴィーガンの定義って何?という疑問がある方は、こちらの記事からチェックしてみてくださいね。ヴィーガンの定義や選ばれる理由、メリット、食事で気を付けるべきことなどについて解説しています。

ヴィーガンとは

ヴィーガンとは
ヴィーガンとは、動物由来の食材を食べないいわゆる菜食主義者のことです。ただし、ベジタリアンとは違って、製造工程にも動物由来の成分が使われていてはいけません。

食材に関しては、肉や魚はもちろん、卵・はちみつ・乳製品なども食べないのがヴィーガンです。

またヴィーガンの中には、動物の皮を使ったかばんや動物由来の素材を使った日用品などもすべて、使用しない「エシカルヴィーガン」というライフスタイルの方もいます。

エシカルヴィーガンは、食べ物だけでなく、革製品や羽毛などあらゆる動物製品を使用せず「動物にも人にも地球にも優しく生きていこう」というライフスタイルを体現します。

ヴィーガンが魚を食べない理由

ヴィーガンが魚を食べない理由
ヴィーガンではない人と比較すると、食べられるものや身につけられるものなど制限が多くなりますが、なぜ自ら選ぶのでしょうか。

ヴィーガンの人は通常、下記のような理由から動物性製品の消費、魚を食べることを避けています。

・倫理的な理由
・環境保護的な理由
・健康的な理由

どの理由もヴィーガンにとっては大切な理由です。

倫理的な理由

ヴィーガンが魚を食べない理由の一つ目は、倫理的な理由です。

一般的に、倫理によるヴィーガンの菜食主義は、「動物を殺すこと自体に反対する場合」と「畜産動物の取り扱いに問題がある」として反対する場合に分かれるケースがあります。

最新の研究では魚にも痛覚があることが判明していて、ケガや死に対する恐怖も持ち合わせているのではないかとされています。

動物愛護という観点から見て、「人間は動物を搾取することなく生きるべきであるという主義」に反するため魚を食べません。

環境保護的な理由

環境保護、というのもヴィーガンが魚を食べない理由の一つです。

ヴィーガンの多くの方は環境に対する関心が高く、世界的な魚の乱獲が問題となっているため、魚を食すことに抵抗があるというわけです。

なぜなら、魚の乱獲が続くと、特定の魚種が絶滅する恐れがあり、魚の一部が絶滅してしまうと海の生態系のバランスが崩れてしまうからです。

海の生態系が崩れると、多くの海洋生物にも何かしらの影響が出てしまうことは避けられません。

さらに、陸の生物にとっても他人ごとではなくなってくるでしょう。海の生態系のバランスを保つためには、一部の魚といっても絶滅を避けることが大切です。

絶滅を避けるには、乱獲しすぎないことや絶滅を避けるためのシステムの構築なども必要ですが、何より食べないことが一番です。

そのため、環境保護的な理由から、魚を食べない方が一定数います。

健康的な理由

「健康意識が高いのならなおさら魚を食べるべきでは?」と思う人もいるかもしれませんが、案外そうではありません。

確かに魚には体にいい成分が多く含まれていて、その成分はサプリメントなどの健康補助食品に使われるほどに優秀です。

しかし同時に、魚は有害物質を含むこともあります。

代表的なものは水銀で、水銀は人間が多量に摂取すると健康被害が出るだけでなく死に至る場合も考えられます。魚類の中には水銀を含んでいる種類もあり、よく食用として供されるマグロ類もその一種です。

そのほかにも、海に流れ着く極小のプラスチックや有害な液体など、海にはさまざまな汚染物質が流れ込んでいることを忘れてはいけません。そういった汚染物質は年々増え続け、海洋汚染は深刻な問題となっています。

また動物性由来の食品にはコレステロールが多く含まれている傾向があり、過剰な脂質や糖質の食事は栄養価が偏ることがあります。

そのような食事は一時的に快楽を人間の脳に与えますが、あらゆる不調や病気を引き起こします。

ヴィーガンはそのような習慣を避け、必要な栄養素を植物から摂取するので、成人病になるリスクも軽減されることがあります。

ヴィーガンが魚の代わりに食べるもの

ィーガンが魚の代わりに食べるもの
ヴィーガンは、魚は食べませんが魚の代わりに食べるものもあります。

もちろん、サプリメントなどで必要な栄養素を補っている人もいますが、サプリメントは魚の代わりとはいえないでしょう。

基本的にヴィーガンが食べるのは、植物が100%の食品です。

中には、豆腐ベースで作られたハンバーグのようなものやココナッツオイルで作られたバターといった、プラントベースでありながら動物性素材を使ったかのような見た目と味の代替商品もあります。

また、植物性素材100%であっても味も見た目もまるで魚、という食品もあります。

ヴィーガンは、これらの代替品を食べることで、植物を美味しく食べるだけでなく、食卓を豊かにしています。

ヴィーガンのお料理に興味がある方は、こちらの記事もご覧ください!

ペスカタリアンについて

ペスカタリアンについて
ペスカタリアンとは、ヴィーガンとは違って肉は食べないけれど魚は食べるという人の集まりです。

ペスカタリアンは厳格なヴィーガンとは違って、魚類だけでなく貝や甲殻類も食すことがあります。

もちろん肉類についてはヴィーガンと同じで、食べることはしません。

また、哺乳類に分類されるクジラやイルカについても同様です。出汁については個人差がありますが、基本的には鶏がらやとんこつなども避ける傾向にあるといえるでしょう。

なぜペスカタリアンを選ぶのか

なぜペスカタリアンを選ぶのか
ペスカタリアンを選ぶ理由は人それぞれですが、動物の肉や、動物由来の素材を使わないのは動物を傷つけたくないから、というのはヴィーガンと共通した認識です。

そんな中でペスカタリアンが魚を食べる理由は、魚介類が動物とは違って食べる際に精神的苦痛を感じにくいというのが挙げられます。

そのほかには、漁業は比較的二酸化炭素の排出量が少なく、環境に配慮できていると考えることもできるからです。

また、肉類だけでなく魚も食べないヴィーガンは、栄養的に偏る可能性もあるためという理由もあります。

動物を食べることは無理だとしても動物性たんぱく質は栄養素として必要となってくるため、魚から補おうという考えです。

さらに、食べ物に関して100%植物性素材・成分だけに限ってしまうと制限が多くなり、旅行や外食はもとより日常生活を楽しむことができなくなってしまう可能性が高いというのも、ペスカタリアンを選ぶ理由の一つとして挙げられます。

ペスカタリアンが魚を食べるメリット

ペスカタリアンが魚を食べるメリット
ペスカタリアンが魚を食べるメリットは、いくつかあります。

・ヴィーガンに比べて制限が少なく選択肢が広がる
・動物性たんぱく質や亜鉛・カルシウムを補充できる
・青魚に含まれる栄養素で生活習慣病を予防できる
・外食をしやすい

そもそも、肉類だけでなくはちみつや乳製品・卵・魚など植物以外の食品をすべて制限してしまうと、選択肢がほとんどありません。

せっかくおしゃれなレストランを見つけても、ヴィーガンに対応していなければ食べられないからです。

当然飲み会や呼ばれていったパーティーなども、制限が多すぎるために食べ物に手を付けることができないといった場合も考えられます。

つまり、ヴィーガンのように制限があまりに多すぎると、選択肢がなくなってしまいます。

もちろん、ヴィーガン専用のレストランを探すことはできますが、そもそもヴィーガンに対応しているレストランがそこまで多くありません。

一方でペスカタリアンは、魚や乳製品など食べられるものも多いため、外食をしやすいといえるでしょう。

ペスカタリアンというスタイルも知っておこう!

まとめ
ヴィーガンは魚を食べませんが、魚の代わりに植物をベースにしてさまざまな代替料理や代替品を考案しています。より美味しい食事をしたい、と考える人が多くいるわけです。

ヴィーガンがいいのかペスカタリアンがいいのかは一概にはいえません。どちらもそれぞれに魅力があり、始めた理由もさまざまだからです。

ヴィーガンになりたい、ヴィーガンのように動物性食品を摂取せずに生活していきたいと考えている人は、ペスカタリアンもいるということを覚えておきましょう。

Vegewelでレストラン検索


Vegewelは、ベジタリアン・オーガニック・グルテンフリーなど、あなたの食のライフスタイルに合わせてレストランを検索できるWebサイトです。

食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

Vegewel編集部

Vegewel編集部

日本初のプラントベース・ポータルサイトVegewelの編集部です!Vegewelはプラントベース(植物性/ヴィーガン)の情報に特化したWebサービスで、2016年10月から運営しています。観光庁発行の「飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド」では日本サービスとして唯一掲載され、飲食店に対して登録が推奨されています。