ステビアに危険性があるというのは本当?原料や安全性を解説

ステビアは、毒性や発がん性がないことが認められている天然甘味料です。

現在は、日本以外にも多くの国で使用されていますが、過去には危険性が疑われていた時期もありました。

そのため、この記事を読んでいる方の中には、ステビアが本当に安心できる甘味料なのか、不安に思う方もいるかもしれません。

この記事では、ステビアの特徴や危険と言われた経緯、摂取のメリットに加え、甘味料を使用する注意点についても解説していきます。

砂糖よりずっと甘いステビアとは

陽に当たるステビアの葉
ステビアは、植物由来の天然甘味料です。

砂糖と比べて甘みが強いため、砂糖に代わる甘味料として、長年にわたりさまざまな食品に使用されています。

ここでは、ステビアの持つ特徴について、詳しく見ていきましょう。

ステビアは天然由来の甘味料

甘味料の名前として知られるステビアは、本来は南米に自生するキク科植物の名前です。

1970年、日本に種子が持ち込まれたのをきっかけに研究が始まり、甘味料の開発が進められました。

ステビアは葉に強い甘みがあり、噛むと植物のスッとした甘さが口に広がるのが特徴です。

甘味料として使用するには、収穫した葉を乾燥させ、甘みを抽出・精製します。

砂糖よりずっと甘いのに糖質制限できる

甘味料ステビアの特徴は、その甘みの強さです。

ステビアの甘味度は砂糖の200〜300倍あるため、砂糖より少ない量でもしっかり甘みが感じられます。

そのため、砂糖の代わりに使用することで、糖質のカットにつながります。

ステビアは、1990年代後半に低カロリー清涼飲料水が相次いで発売された「ニアーウォーターブーム」をきっかけに需要が高まり、消費者にも名前と特徴が広く知られるようになりました。

様々な食品に利用されているステビア

清涼飲料水と植物性ヨーグルト
天然甘味料のステビアは、1970年代に日本で研究が始まったのをきっかけに、これまでさまざまな食品に使用されてきました。

カロリーオフなどの健康目的はもちろん、苦味やにおいのマスキング用途でも活用されています。

また、大豆たんぱく質特有の雑味をマスキングする効果も期待できるため、プラントベース食品にも取り入れられています。

ステビアは危険性がある?

ステビアの葉とスプーンから器に乗せられる甘味料
ステビアはさまざまな食品に使われていますが、インターネットなどのニュースで、危険性があるのではと不安を感じる方もいるようです。

ここでは、ステビアは本当に危険ではないのか、なぜ危険と言われるようになったのか、解説していきます。

ステビアの危険性は殆どない

結論から言うと、現在の研究では、ステビアに毒性や発がん性がないことが明らかになっており、危険性はほとんどありません。

海外でも、アメリカ・中国・EUなど、多くの地域でステビアの使用が認められています。

日本では、国としてステビアの摂取基準は設けていませんが、過去に行われた摂取量調査では、国際基準となっている1日あたりの許容量(ADI)を大きく下回っていることがわかっています。

そのため、平均的な食事の範囲での使用なら、量としても問題ないと言えるでしょう。

以前は危険性があると誤解されていた

ステビアを不安視する声がみられるのは、1968年に発表された論文がきっかけと言われます。

当時、サイエンス誌にて、「ステビアエキス」における妊娠率の低下を懸念する論文が掲載され、ステビアに危険性があるとのイメージが持たれてしまいました。

しかし、その後30年以上にわたる研究と調査を経て、妊娠への悪影響や、毒性・副作用などの危険性は認められないことが分かっています。

こうして安全性が明らかになったことが後押しになり、国内外でステビアが広まっていきました。

子どもに与えるには注意が必要か?

ステビアは、子供に与える際も、特別な注意は必要ありません。

甘みを持ちながらも糖をほとんど含まないステビアは、子供向け歯磨き粉の甘味成分としても利用されています。

ステビアを使った食品も同様に、子供が摂取しても問題ありませんが、加工食品や清涼飲料水の摂り過ぎは栄養が偏りやすいため、食事全体のバランスは意識するようにしましょう。

多量摂取は避けバランス良い食事を

ステビアそのものは安全性が認められているものの、そればかりを摂取する食生活は、あまり好ましくありません。

甘味料が多い偏った食事を続けると、栄養バランスが崩れ、それ自体が安全なものであっても、体の不調につながる場合があります。

ステビアにおいても適量を心がけ、できる範囲で野菜や果物、マメ類など、幅広い食材から栄養をとることを意識すると良いでしょう。

キク科アレルギーの方は注意が必要という情報もある

ステビアはキク科に属しており、キク科のブタクサやヨモギにアレルギーがある場合は、同様にアレルギー反応を起こす場合があります。

実際の症例として、食後にじんましんが出る、喉がイガイガする、咳が出るなど、即時型アレルギー反応が報告されています。

キク科アレルギーの方は注意するようにしましょう。

ダイエット中の人や、糖尿病の人へのメリット

コーヒーとドーナツ
いくつかの注意点はあるものの、ステビアは、ダイエットでカロリーを意識している方や、糖尿病で糖質をコントロールしたい方にはメリットがある甘味料です。

ステビアは少量で十分な甘みがあり、実質的に糖質0であることが大きなメリットです。

砂糖の代わりにステビアを使うことで、カロリーや血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。

甘味料の分類と違い

ティースプーンに盛られた甘味料
私たちが日常で使う甘味料は、ステビアの他にも多岐にわたります。

実際のところ、どの甘味料にどんな特徴があるのか、違いが分からない方も多いでしょう。

甘味料は、大きく以下の2つに分けられます。

  • 糖質系甘味料:砂糖・ブドウ糖・フラクトオリゴ糖・糖アルコール類など
  • 非糖質系甘味料:ステビア・スクラロースなど

砂糖やブドウ糖、果糖などの糖質系甘味料は、糖質として分類され、カロリーがあるのに対し、非糖質系は使用量がわずかなため、カロリーをほとんど伴いません。

ここでは、同じ非糖質系甘味料である、スクラロースの特徴について見ていきましょう。

スクラロースとの違い

ステビアは植物に含まれる甘味を抽出した「天然甘味料」なのに対して、スクラロースは砂糖を化学合成した「人工甘味料」です。

スクラロースは砂糖の600倍の甘さを持ち、微量で甘みが感じられるため、カロリーオフを謳った食品に用いられるほか、薬の苦味を抑える目的でも使用されます。

スクラロースは危険なのか

人工甘味料であるスクラロースも、ステビア同様に危険性を不安視する声がきかれます。

スクラロースは、国際機関で安全性が認められ、世界中で使用されている甘味料です。

一方で、120℃以上の高温で加熱したときに、有害物質が生成される可能性を示唆している研究報告もありますが、最終的な結論までは至っていません。

ステビア同様に、スクラロースを含む食品も、商品の表記に従って調理・摂取すること、必要以上に摂取しすぎず、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。

適正な量でおいしく取り入れよう

ステビアと紅茶
ステビアは、砂糖と比べて強い甘みがあり、カロリーを抑えることができるため、ダイエットや糖質制限を意識している方にとっては、上手に活用したい甘味料です。

また、ステビアには副作用や毒性は認められず、危険性はありません。

とはいえ、甘味料の使いすぎや、甘味料を使った加工品に偏った食生活は、体に悪影響を与える恐れもあるため、注意が必要です。

ステビアの特徴やメリットだけでなく、甘味料を多用するリスクも理解した上で、バランスに合った取り入れ方をしてください。

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