スーパーフード「スピルリナ」の優れた栄養効果について解説!
スピルリナは藻の一種で、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維など、日常的にとるべき栄養素をバランス良く含んでおり、「スーパーフード」と言われています。ただ、日本では同じ藻類のクロレラがよく知られているため、違いがよく分からない方もいるでしょう。
この記事では、スピルリナの特徴や含まれる栄養素と働き、クロレラとの違いなどを解説しています。さらに、スピルリナを美味しく料理に取り入れる方法にも触れているので、自分のスタイルに合った取り入れ方を知りたい方は、参考にしてくださいね。
目次/Contents
スピルリナとは?
スピルリナは、0.3〜0.5mm程の大きさです。名前は、英語のスパイラルにあたるラテン語の螺旋(らせん)を意味しています。
スピルリナの歴史は非常に古く、35億年前から生息しています。藍藻類(あいもるい)で、一見植物のように見えますが、古代生物独特の特徴を持っています。
植物が光合成でデンプンを作るのに対し、スピルリナはグリコーゲンを作ります。「動物性デンプン」とも呼ばれるグリコーゲンは、肝臓や筋肉に蓄えられるエネルギー源で、人間をはじめ、動物にとって欠かせないものです。スピルリナがこのような特徴を持っているのは、植物と動物が分化する以前に誕生したためと考えられています。
鮮やかな色素を持つスピルリナは、食品に色を加える添加物としても使用されています。スピルリナの持つ青色色素フィコシアニンで作られたスピ・ブルーは、アイスクリームなどのお菓子にも取り入れられています。
食用としてのスピルリナの歴史
高温・高アルカリ・高塩分という厳しい環境で繁殖するスピルリナは、アフリカや中南米の熱帯〜亜熱帯地域を中心に、古くから生息しています。中でも有名なのは、アフリカ中央部にあるチャド湖です。
チャド湖は塩分濃度が高い湖で、周辺は砂漠が多く、厳しい環境にあります。人々は昔から、自生しているスピルリナを乾燥させ、貴重なたんぱく源として摂取してきました。
1964年に、ベルギーの学者が、チャドでスピルリナから作られた乾燥パンを調査したことから、スピルリナの栄養価の高さが知られるようになりました。
その後、さまざまな成分を含むスピルリナは、スーパーフードとして広まっていきます。
スピルリナの栄養成分と期待できる主な効果
スピルリナには、たんぱく質を構成するアミノ酸や、ビタミン・ミネラル・脂質など、栄養素が豊富に含まれています。
ここでは、スピルリナの持つ豊富な栄養成分の中でも代表的なものを紹介します。日頃から栄養バランスを意識している方や、これからも若々しくいたい方は、ぜひ参考にしてください。
たんぱく質
たんぱく質は、炭水化物や脂質と同じように、エネルギーを作り出す三大栄養素の一つです。たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、筋肉や臓器、皮膚や髪の毛などの構成成分になります。
スピルリナには、たんぱく質の原料である必須アミノ酸がバランスよく含まれています。また、スピルリナの50〜70%がたんぱく質で構成されています。
ビタミン
ビタミンには、体の機能を正常に保つさまざまな働きがあります。
ビタミンは体内でほとんど合成できないため、食事での摂取が必要です。スピルリナには日常的にとる必要があるビタミンB類や、βカロテンが含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、暗い場所での視力の維持や、皮膚や粘膜のサポートに関わっている栄養素です。
ミネラル
スピルリナはカルシウム・カリウム・マグネシウム・マンガン・亜鉛など、さまざまなミネラルを含んでいます。
その中でも、とりわけ豊富なのが鉄です。鉄は、現代の日本人には不足しがちな栄養素で、さまざまな食品から意識して取り入れる必要があります。
食物繊維
スピルリナには、食物繊維ペクチンが含まれています。
ペクチンは果物などに含まれ、ジャムなどの加熱料理にも使われています。ペクチンは、腸を整えてスムーズな便通を促す、血糖値の急上昇を抑える、血液内のコレステロール値を下げる働きなどが期待されています。体内で不要になったものをデトックスするために、日常的にとりたい成分です。
核酸
核酸は細胞内に存在する成分で、細胞が日々新しく生まれ変わるのに必要です。
細胞を新しく作り出すためには、DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)の2種類が必要です。DNAは細胞の遺伝情報を持ち、RNAが遺伝情報をもとに細胞の材料となるたんぱく質を作ります。このため、核酸は、若々しさや健康を保つのにも重要な成分です。
スピルリナとクロレラの違い
スピルリナに似た食品に、クロレラがあります。
クロレラは、スピルリナより先に健康食品として広まったため認知度が高いです。どちらも藻類の一種ですが、クロレラは緑藻類、スピルリナは藍藻類と種類が異なります。歴史が古いことや、たんぱく質・ビタミン・ミネラルを豊富に含む点は共通していますが、外見や生存環境などが異なります。もっとも大きな違いは、栄養吸収率の高さです。
スピルリナの特徴は栄養吸収効率の高さ
スピルリナの大きな特徴は、栄養吸収効率の高さです。細胞壁が薄いため体内に吸収されやすく、消化吸収率は95%もあると言われています。
一方、クロレラはスピルリナのように栄養価は高いものの、細胞壁が強固なためそのままでは消化されにくいという難点があります。高い栄養価を効率的に吸収できるスピルリナは、貧困地域を救う「スーパーフード」として、アフリカ地域の栄養改善プロジェクト食品にも取り入れられています。
スピルリナの摂取方法
スピルリナ食品には、錠剤のサプリメントタイプと粉末状のタイプがあります。錠剤は、飲みたいタイミングに合わせて手軽に飲むことができます。粉末タイプは、いつもの料理に取り入れるのがおすすめです。
例えば、果物をたっぷり使ったスムージーに混ぜても良いですし、カレーや煮込み料理の隠し味として使う方法もあります。あるいは、手作りドレッシングでサラダの彩りを鮮やかにしても良いでしょう。
ただし、スピルリナをとりすぎると、健康に影響が出る可能性があります。市販のパッケージの摂取目安を守り、体調が優れないときは摂取を控えるようにしてください。
まとめ
スピルリナには、ビタミン・ミネラル・たんぱく質・食物繊維など、幅広い栄養成分が含まれています。
サプリメントやパウダーなど、バリエーションがあるので、忙しいときにさっと飲んだり、料理の食材として取り入れたり、自分のライフスタイルに合わせてスピルリナを楽しんでくださいね。
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