しあわせこよみごはん ~マクロビオティックにみる冬を快適に過ごす食べ方と過ごし方~

更新日:2019/02/01 公開日:2017/12/16

(タイトル書: 書家 小澤路代)

マクロビオティックをベースに学び、実践し、活動する5人での連載「しあわせこよみごはん」。

旬(こよみ)にあわせバランスを取る過ごし方・食べ方・旬の食材の活用・メニュー(レシピ)など、皆さんの日常生活のお役に立てる情報を、この「しあわせこよみごはん」のページを通じてお伝えしているシリーズ第二弾は、「冬」です。

冬は温めて養生


日が短く日照時間も最も少なく、寒さが厳しくなるこの季節。

根菜をはじめ冬野菜たちは、寒さに負けず凍らないよう甘味を増しておいしくなります。

そして自然界の生き物である動物や私たち人間も、寒さと乾燥に耐えうるよう脂肪やエネルギーを蓄えて身を守ろうとする仕組みになっています。

陰陽五行では「水」のエネルギーの季節となり、冷えにもっとも弱い臓器である腎臓、そして膀胱、生殖器のトラブルが起きやすくなります。

「冷えは万病のもと」というように、冬はからだを冷やさない工夫と、動物も活動が鈍り冬眠する季節であるように、十分な休息をとることが大切です。

手仕事や寒仕込みの味噌づくりなど、家仕事やセルフメンテナンスにも適する季節。

また、これから立春までは、年末年始で公私とも多忙になり、免疫が下がりやすい季節でもあります。

何を気を付けて過ごすとよいか、どんなものを食べたらいいのか、どんなケアをしたらよいかを、等身大でお伝えしていきます。

冬を快適に過ごすために~冬の食べ方


冬の間、生き物の活動は緩慢になり、エネルギーを内に込めて眠ったようになります。同じように、人間も冬はエネルギーを蓄える「貯蔵」の時期です。

代謝機能が弱まり屋内に閉じこもりがちな冬は、内臓が冷えないように温かい食べ物をとるのが基本です。

一年のなかでは陽性の肉や魚をいただくのに最も適したシーズンでもありますが、動物性食品は消化に多くのエネルギーを必要としますので、食べ合わせとして消化剤となる野菜やきのこ類をたっぷりとり、体に取り込んだ食品を完全に消化する食べ方をしましょう。

冬は、陰陽五行では「腎」にあたり、腎臓や膀胱(生殖器)が最も活動する時期。これらの臓腑は寒さに弱いため、身体が冷えたり不摂生な生活を続けたりすると、機能が衰えやすくなってしまいます。

腎臓は”生命の源“とも言われる重要な臓器ですので、冷えないようにすることが大切です。

☆冬に起こりやすいトラブル、ダメージを受けやすい臓器

冬の寒さによる冷えから腎臓や膀胱(生殖器)が弱ると、婦人科系トラブル、不妊症、甲状腺機能異常、骨や歯のトラブル、耳のトラブル、抜け毛、排便障害・排尿障害・夜尿症、足腰の弱りや痛み、記憶力の低下、などの症状を招いてしまいます。

☆冬におすすめの食材

そば、黒豆、黒米、黒ごま、昆布、ひじき、のり、わかめ、ごぼう、大根、人参、蓮根、自然薯、豆味噌、たくあん、高野豆腐、切り干し大根、くるみ、豆類、雑穀、など。

☆冬に控えた方がいい食材

冷たい食べ物や飲み物、生の果物(特に南国の果物)、生の野菜、乳製品、化学的に加工した塩、砂糖、動物性脂肪の多いもの、など。

☆冬におすすめの調理法

火や圧力を多くかけるなど陽性の要因をより多く加えた調理。 コトコトじっくりと優しく長く火にかけた調理(食材を大きめに切る)、土鋳鉄などの重たい鍋での調理、しっかりとした味付け、など。


*これから週に一回、以下のメニューとコラムをお届けしていきます。

・「黒い食材パワーで代謝をUP〜冷え性改善」~Miyumi
【メニュー】
二色そば団子(甘酒くるみ味噌とごまだれ)
(蕎麦の実ボール、季節野菜の蕎麦の実あんかけ→「Vegewel Club」限定レシピ)

・「生殖器/足腰を強くする食材」~Yuki
【メニュー】
ごぼうの養生煮、ごぼうの養生煮の展開料理(葛湯、春巻き)
(りんごと蕎麦粉のガトーインビジブル→「Vegewel Club」限定レシピ)

・「腎と骨/干し野菜を使った料理」~Rika
【メニュー】
干し野菜の焼き蕎麦、切り干し大根と高野豆腐の煮物
(干し大根ステーキ→「Vegewel Club」限定レシピ)

・「小豆で解消?耳のトラブル」~Hiroko
【メニュー】
小豆茶、小豆・黒米入り玄米ごはん、デーツ小豆餡
(小豆白玉入り甘酒南瓜のお汁粉→「Vegewel Club」限定レシピ)

・「漂う水のエネルギー・昆布、海藻類」~Noriko
【メニュー】
野菜の昆布締め、昆布の活用レシピ
(黒豆の磯辺かき揚げ→「Vegewel Club」限定レシピ)

マクロビオティックとは?


マクロビオティックとは、健康で幸福に自由に生きるためのライフスタイルのこと。自然と調和し季節や環境・体調に応じてバランスをとることで、快適に過ごせるというライフスタイルです。

マクロビオティックで大切にすることに、

  1. 一物全体(食材をまるごと皮までいただくことで、そのエネルギーごといただく)
  2. 身土不二(身も土もつながっている。暮らす土地で採れる旬のものをいただく)
  3. 陰陽調和(陰=ゆるめる力、陽=引き締める力の対照的なエネルギーのバランスをとる)
  4. 自然なもの(伝統的製法で作られた調味料、農薬や添加物など化学的なものが使われない自然な形でつくられた食材、自然界にあるものをいただく)

があります。

動物性食材を摂らないビーガン(ヴィーガン)との違いで一番大きいのが、この四つをベースに、起きること(事象)や症状などを自分でコントロールして、食べ方や過ごし方のバランスをとっていくということ。

それによって、本来もつ自然治癒力や免疫力が高まり、心身HAPPYに過ごせるという考え方です。

” 暦に合わせた食材(旬のもの)には力強い生命力があり、美しく、何より美味しい。

まごころを込めて調理するあたたかな気持ちは、食材にも食べる人にも伝わります。

こよみに寄り添って、人に寄り添って、自分の心に寄り添って、、、いのちをつくる日々のごはんが、皆様の穏やかさと健やかさとなりますように。

そして楽しく幸せな日々をおくれますように、、、、 ” 

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五十嵐有希

五十嵐有希

リマクッキングスクール師範科修了
KIJ レベル1修了
一般社団法人内臓マッサージ協会認定セルフチネイザン講師、チネイザンマスターコース修了、カッサセラピスト
全米ヨガアライアンス200時間修了
Under the light認定ヨガインストラクター
経絡YOGA指導者

ヨガを通してマクロビオティックに出会う。食が体だけでなく心もつくることを実感し自然に寄り添う生き方や日本の伝統的な文化を大切にしたいと思うようになる。脱ステロイドによる皮膚炎を克服し、マクロビオティックを学ぶ中でチネイザン(氣内臓)に出会い、内臓へのアプローチで心身の安定や人生の巡りが良くなることを実感。対個人のチネイザン施術やセルフチネイザンを伝えるワークショップを通して幸腹(こうふく)を分かち合う活動を行っている。ヨガの指導、マクロビオティック普及を目的としたResetプロジェクトのメンバーとしても活動中。