本当は年に4回?豆=鬼?「節分」の本当の意味とは?

更新日:2022/01/11 公開日:2022/02/02

2月3日の豆まきのイメージが定着している節分ですが、本来は年に4回あるものなのをご存じでしたか?

節分とは


節分は、「季節の節目」という意味です。今は立春の前日、2月3日が節分として定着していますが、「立夏」「立秋」「立冬」の前日も合わせて、実は年に4回あるのが「節分」なのです。

節分が今のように「立春の前日」を指すようになったのは、江戸時代以降と言われています。

2月3日に豆をまくのは何故?


昔から、季節の変わり目の節分は邪気や悪霊が入り込みやすいと言われてきました。それを防ぐための習慣が、「魔よけ」。「豆まき」は、立春の節分の魔よけ行事です。厄をもたらす鬼を豆で打ち払い、福を内に招き入れる、ということで「鬼は外、福は内」と言いながら炒った豆を投げます。

ちなみにこれには「寒かった季節を外へ追い出し、春を迎える」という意味も込められています。

また、豆まきに使われる豆は「福豆」と言われ、良いイメージが強いですが、実は全く違う意味もあるのを知っていましたか?

炒る前の豆は硬いですが、陰陽五行では硬いものは「金」に属されます。金=金棒→金棒を持った鬼、ということで、豆を鬼に見立てる考え方があるのです。つまり、火で炒ることで鬼を封じ、それを投げつけたり、食べてしまうことで邪気を払うことができるというわけです。まくのが「豆」であるのには、このような理由があったんですね。

ちなみに、豆をまく理由にはこんな説もあります。

豆は「五穀」の一つ。五穀とは「米、豆、麦、粟、黍」のことですが、日本では昔から五穀に魂が宿っていると考えられ、「五穀豊穣」を願い、様々な儀式も行われていました。

特に、米と豆は、神事の占いでも使われており、神と人を結ぶ食べ物と考えられていました。豆まきでまいた豆を食べるということは、神様と同じものを食べる「神人共食」。人々は、まいた豆を食べることで神とのつながりを感じていたのです。

恵方巻はあのコンビニエンスストアが名づけ親?


今や豆まきと並んで節分の恒例になっている「恵方巻」。

その年の吉方を向いて、太巻きを無言で丸ごと食べる、という縁起を担いだ行事ですが、もともとは大阪など一部の地域で行われていたもの。ここまで全国規模の行事になったのは、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」が全国発売を始めた1998年以降のことです。

実は「恵方巻」という名称も、セブン-イレブンが初めて使ったと言われています。このように、企業の販売戦略が、伝統行事を広めていく例はたくさんありますね。恵方巻同様、今は一部の地域でしか知られていない伝統行事が、10年後には日本全国で当たり前に行われている、なんていうことが、今後もあるかもしれません。

ちなみに2022年の恵方は北北西。

恵方巻の具は、七福神にちなんで7種類が縁起が良いとされています。ベジタリアンやヴィーガンでも、甘辛く煮付けたテンペの油揚げや、しいたけ・人参・いんげん・アボガド・かんぴょう・豆腐で作る卵もどき・きゅうりなどで、彩り良い恵方巻ができますよ。

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AYA OKUDA

AYA OKUDA

フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。
得意分野は、日本の伝統行事食、食の日本史・世界史、テーブルコーディネート。
好きな分野は、カレー、ビール。