海外セレブも取り入れる、海藻の嬉しいヘルシーパワーとは?3種の海藻比較付き

公開日:2019/02/03

海に囲まれている島国の日本では、海の幸は、なじみ深く大事な食材。

そんな海の幸の一つが「海藻」です。今まで海外ではほとんど食用にされることがなかった海藻ですが、最近では、低カロリーで栄養豊富なことから、広く関心が高まっています。

ビクトリア・ベッカムやマドンナ、ミランダ・カーなど、欧米のセレブリティたちも食事に取り入れているそう。

今回は、そんな注目を浴びている海藻ついて、ご紹介していきます!

「海藻」と「海草」ってどう違うの?

かいそうを漢字で書く時、「海藻」?「海草」?と迷ったことはありませんか?

読み方が同じなので、混乱してしまいますよね。

「海藻」と「海草」、読み方は同じでも、実は別ものです。

大きく違うのは、繁殖のしかた。


海藻は、胞子によって繁殖する藻類。

多くは食用とされ、昆布・もずく・ワカメ・ひじき・アオサ・アオノリ・テングサなどが挙げられます。根・茎・葉の区別がはっきりしておらず、英語では「Seaweed」と呼ばれます。


一方、海草は、種子によって繁殖する種子植物。

根・茎・葉の部分が区別でき、食用にされることはほとんどありません。

アマモやスガモなどが挙げられ、英語では「Sea grass」と呼ばれています。

期待される海藻のヘルシーパワー

では、海藻にはどんなヘルシーパワーが期待できるのでしょうか。

それはこちら。

<食べ過ぎ予防>


海藻に豊富に含まれる水溶性食物繊維は、水分と混ざると粘性が高まりゲル状になります。それが胃腸内をゆっくり移動するため、お腹が空きにくくなり、食べ過ぎを防いでくれるとされています。

特に昆布は、水分を含むと口の中で50倍に、胃の中ではなんと100倍の大きさになるそう。

ダイエット中のヘルシースナックとしても良さそうですね。

<生活習慣病予防>
水溶性食物繊維は粘性があるため、食物の移動を緩やかにし、炭水化物の消化・吸収を阻害します。結果として血糖値の上昇が緩やかになって、糖尿病や肥満の予防と軽減になると考えられています。

さらに、水溶性食物繊維には吸着性があるため、コレステロールやコレステロールから作られる胆汁酸などを吸着してくれます。

それらがそのまま体外に排出されるため、コレステロールの上昇が抑えられ、脂質異常や動脈硬化なども起こりにくくなるとされています。

また、カルシウムが豊富なため、骨粗しょう症予防も期待されています。

<腸内環境を整える>
水溶性食物繊維は大腸内で善玉菌の餌となり、善玉菌を増やし、悪玉菌を減少させます。

そのため、腸内フローラのバランスが整えられ、大腸の健康を保ってくれると言われています。

<デトックス効果>
体内に有害物質が蓄積されると、様々な異常や病気をもたらします。

海藻に含まれる水溶性食物繊維のアルギン酸には、腸内の悪玉菌を作りだす有害物質を排泄する働きがあるとされています。

<内臓脂肪を減少させる効果にも期待!?>


昆布をはじめ、ワカメやひじきなどの褐藻類の海藻には、色素の一種「フコキサンチン」が含まれています。このフコキサンチンに、脂肪の燃焼を促進する働きがあることが研究から明らかになっています。

まだ研究段階だそうですが、海藻に含まれる成分が肥満対策に役立つ可能性があるかもしれません。

<現代人に不足しがちなミネラルの補給>
海藻は、海水中の栄養素が溶け込んだ海で育つため、ミネラルを多く吸収しています。

中でも、骨や歯を強くするカルシウム、骨の形成と筋肉の活動に大きな役割を持つマグネシウム、体内の水分調整をするカリウムなどが豊富に含まれています。

現代人は特にミネラルが不足しがちなので、海藻でミネラルを補給するのも良いでしょう。

3種の海藻の特徴と食べ方

どれもお近くのスーパーで売っている手に入れやすい海藻です。選ぶ際の参考にしてみてください。

昆布


グルタミン酸で美味しい旨味
昆布は、旨味物質であるグルタミン酸を含んでいます。旨味は食材に味わいや奥行き・深みを持たせてくれます。

そのため、旨味を上手に使うことで、塩分が少なくてもしっかりした味わいが出て、料理の満足度を上げてくれます。

ヨウ素の含有量は食品中でトップレベル
ヨウ素は、喉にある甲状腺で作られる、甲状腺ホルモンの材料になるミネラル。

甲状腺ホルモンは、細胞の新陳代謝を促進し、皮膚・爪・髪を常に健康な状態に保ったり、脳や知能の発達を促進する働きがあります。

そのため、乳幼児や育ち盛りの子供にとっては特に必要な成分でもあります。

食べ方:お出汁・煮しめ・佃煮・昆布巻き・塩昆布・湯豆腐など
昆布は消化が良くないので、時間をかけて煮込み、柔らかくしてから食べた方が良いでしょう。

昆布でダシをとるときは、鰹節や椎茸などに含まれる旨味成分、イノシン酸やグアニル酸と組み合わせることで、旨味の相乗効果を得られるとされています。昆布だけでも美味しいですが、別の旨味成分とも組み合わせて味の違いを楽しんでみてください。

またダシをとった後の昆布もまだ使えます。佃煮にしたり、素揚げしたり、刻んで醤油や三杯酢、お好きなドレッシングなどで和えても美味しいですよ。

ワカメ


海藻の中でもトップクラスの豊富なビタミンK
ビタミンKは、骨の形成を助けたり、怪我や鼻血などの出血を止めるのに必要な血液凝固作用があります。

食べ方:味噌汁・スープ・サラダ・煮物・酢の物・炒め物など
ワカメには、茎わかめ・めかぶなど、部位により美味しさも色々あります。

茎わかめは、熱に強いため、炒め物・煮物でも美味しく食べられます。

めかぶは、和え物や麺のトッピングとしても美味しいです。

ワカメの色々な部位を楽しんでみてください。

ひじき


豊富なカルシウム
ひじきには、カルシウムが牛乳の約12倍も含まれています。牛乳を飲まない方は、ひじきでカルシウム不足を補っても良いでしょう。

さらにカルシウムの働きを助け、骨の形成に関係するマグネシウム・ビタミンKも含まれているため、骨や歯の健康維持やストレスの改善などに効果が期待できます。

豊富な鉄分
ひじきに豊富に含まれる鉄分は、細胞の活性化や貧血の予防・改善に役立つと期待されています。

食べ方:煮物・炊き込みご飯・サラダ・チャーハンなど
ひじきの鉄は、非ヘム鉄なため吸収があまり良くありません。しかし、ビタミンCやたんぱく質と組み合わせると吸収率がアップするので、レモンをドレッシングにしたひじきサラダや、大豆などと混ぜたひじきの煮物などもオススメです。

いかがでしたでしょうか。

海藻には良い効果がたくさんありますが、ヨウ素が多く含まれるため、摂りすぎると甲状腺機能を低下させる原因になるとも言われています。多量に食べ過ぎないようにご注意くださいね。

ぜひ、普段の料理に海藻を取り入れ、海藻パワーを実感してみてください。

ご自身が、少しでもヘルシーとなるきっかけとなりますように。

参考資料
◾️本「海藻王国」/鈴木克也ほか著/エコハ出版/2018年
◾️日本食品標準成分表2015年版

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