枝豆と大豆は収穫時期が違う同じ植物!栄養や特徴を徹底解説

大豆は、枝豆とどのような違いがあるのか、考えたことはありますか?

実は、枝豆は大豆のような豆類には含まれず、緑黄色野菜の仲間です。

この記事では、大豆・枝豆それぞれの定義や含まれる栄養素、主な種類・品種など、2つの違いについて解説します。

さらに、大豆・枝豆それぞれの美味しい茹で方やおすすめレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧下さい。

大豆と枝豆は同じもの?明確な違いを解説

お豆腐とおからと大豆
大豆と枝豆は、もとは同じものです。

主な違いは収穫するタイミングで、枝豆は熟しきっていない大豆を収穫したもの、大豆は熟してから収穫したものです。

枝豆を育て続けることにより、色が茶色く変色し、さらに乾燥させることで大豆になります。

大豆は、植物性タンパク質が多く含まれており、タンパク質が不足しがちな方におすすめです。

一方、枝豆は、大豆に比べてタンパク質は少ないものの、ビタミンなど美容・健康に役立つ栄養素が豊富に含まれています。

イソフラボンの含有量に違いはあるか

大豆と枝豆は、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをするイソフラボンの含有量にも違いがあります。

大豆に含まれるイソフラボンの量は、100gあたり100〜200mgほどです。一方の枝豆は、100gあたり約10mgのイソフラボンが含まれています。

大豆に多く含まれるイソフラボンには、骨粗鬆症の予防・改善効果が期待できます。

特に、女性は閉経後に女性ホルモンが減少することで、骨粗鬆症になりやすいといわれているため、イソフラボンは積極的に取り入れたい栄養素です。

大豆アレルギーの場合は枝豆もNG

大豆アレルギーを持っている場合は、黒豆や納豆はもちろん、味噌・醤油・豆腐・きな粉など、大豆を原料とした食品を避ける必要があります。

枝豆は、豆類ではなく野菜類に分類されますが、もとは大豆と同じ豆からできているため、大豆アレルギーを持っている場合は、食べるのを控えましょう。

大豆アレルギーの症状には個人差があるものの、咳やかゆみ、蕁麻疹(じんましん)を起こす場合があります。

「もやし」は大豆からできている?

もやしの中には、大豆から成長したものもあります。

そもそも、もやしは植物名ではありません。

「芽し」「萌し」「生し」など、豆や米、麦の種子を水に浸して発芽させたものを通称して、もやしと呼んでいるのです。

一般的にスーパーで出回っているもやしの多くは、緑豆を発芽させたものですが、大豆を原料とした「大豆もやし」という種類もあります。

「小豆」は大豆とは違う属性の豆

豆類と一口に言っても、実は属する分類は多岐に渡ります。

大豆と小豆は、同じ豆類、マメ科に分類されますが、大豆はダイズ属の植物、小豆はササゲ属の植物であり、全く違う種類です。

ササゲ属には、小豆のほかにも大納言やささげ、緑豆などの種類が属しています。

小豆はあんこに加工されることが多く、どら焼きや大福など和菓子の材料として使われます。

【大豆】栄養成分や主な品種

木のスプーンに乗せたきなこ
ここからは、大豆の主な栄養成分と、主な品種についてみていきましょう。

まずは、栄養成分です。

大豆はタンパク質を筆頭に、カリウム・葉酸・リンなどが含まれています。

大豆は別名「畑の肉」と呼ばれ、肉類に匹敵するタンパク質を含んでいます。茹でた大豆(黄大豆)に含まれるタンパク質の含有量は、100gあたり14.8gです。

また、カリウムは100gあたり530mg、葉酸は41μg、リンは190mg。

カリウムにはむくみ改善効果、葉酸には妊娠中に胎児の健康をサポートする効果、リンは骨・歯の健康を助ける効果が期待できます。

さらに、大豆イソフラボンには、血中コレステロールを低下させる作用があり、生活習慣病の予防・改善効果が期待できます。

大豆の主な種類については、以下にまとめました。

黄大豆:一般的にみかける大豆

黄大豆は、日本の家庭で最も親しまれている大豆の種類です。

数ある大豆の中で一番生産量が多く、豆腐や味噌など、さまざまな大豆加工品に使用されています。

クセがなく、用途に合わせた品種改良が盛んなのも特徴です。

「フクユタカ」「ユキホマレ」は、日本で最も多く栽培されている品種です。

また、「エンレイ」は味噌に、「スズマル」は納豆に適しているなど、品種によって加工方法が異なります。

黒大豆(黒豆):丹波黒豆が有名

黒大豆(黒豆)とは、皮が黒い品種の大豆です。

皮が黒色をしているのは、アントシアニン系の色素によるもの。

アントシアニンはポリフェノールの一種で、生活習慣病の予防などさまざまな健康効果が期待できる成分です。

黒豆から作られる黒豆茶にはポリフェノールが豊富なため、健康の一環として摂取する方もいます。

代表的な品種は「丹波黒」で、独特な甘味が特徴。正月のおせちの材料として広くていた知られ、煮豆として頂くことが多いです。

青大豆:珍しい大豆

青大豆は、黄大豆や黒大豆に比べて流通が少ない豆です。

完熟しても緑色を保持する珍しい種類であり、栽培している農家が少ないのも出回りづらい理由です。

青大豆の特徴は、甘みの強さ。青大豆のきな粉は、鮮やかなライトグリーンになるため「うぐいす粉」とも呼ばれています。

和菓子の「うぐいす餅」には、うぐいす粉が使われています。

【大豆】色々な食品に加工される

散らばった豆
大豆は主に、加工品として流通することが多いです。蒸したり煮たりした後に発酵させると、納豆や味噌、醤油が出来上がります。

また、絞って豆乳にし、熱を加えると、豆腐・油揚げ・ゆば・がんもどきなどになります。

大豆の搾り粕である「おから」も健康食品として注目を集めています。

さらに、大豆は脂質が高いため、大豆油を抽出することも可能です。油を除いた脱脂大豆は、大豆ミートやしょうゆなどの原料になります。

加工品の種類が多いのも、大豆が日本で親しまれ続けている証拠と言えるでしょう。

【大豆】茹で方とおすすめレシピ

ザルの上の大豆
大豆は、加工食品で口にすることが多いかもしれませんが、自分で茹でて食べるのもまた違った美味しさがあります。

ここでは、大豆の茹で方と、大豆を使ったおすすめレシピをご紹介していきます。

大豆の茹で方

大豆を加工するには、茹でることが必須です。

大豆は、茹でる前の下準備として4〜5倍量の水に約6時間以上浸けます。

時間が経つと水を吸って2.5倍ほどの大きさに膨れ上がり、ふっくらとした見た目に変わります。

その後、大豆と4〜5倍の水を鍋に入れ、塩を入れて中火で加熱します。

煮立ってきたら、おたまでアクをすくい、ペーパータオルで落としぶたをします。約1時間かけ、弱火でじっくり火を通していきます。

落としぶたには、大豆を乾燥させず、熱を均等に伝える働きがあります。

水面から大豆が出ないように、定期的に差し水をしながら茹でるのがコツです。

大豆が柔らかくなったら火を消して、そのまましばらく置いておくのもポイント。

大豆は、すぐに鍋から上げてしまうと、豆にシワがよりやすくなります。

また、大豆をつけ置きすることで、ゆで汁に含まれた栄養やうま味成分が、再び大豆の中へと吸収されていきます。

レシピ:粗みじん大豆ハンバーグ

粗みじんにした大豆をたっぷり入れた、食べ応えのある一品。

ナツメグやセージが加わった本格ハンバーグです。

ビーガンの粗みじん大豆ハンバーグ

【材料】
・水煮大豆(粗みじん) 200g
・●ピーマン 2個
・●玉葱 1/2個
・●大蒜 1片
・●生姜 1片
・◎片栗粉 大さじ1
・◎オートミール(orお麩) 大さじ4
・◎オリーブオイル 大さじ1
・◎塩胡椒 適量
・◎ナツメグ 小さじ1/2
・◎セージ 小さじ1/2
・◎コンソメ 小さじ1
【ハンバーグソース】
・ケチャップ 大さじ3
・ソース 大さじ3

【作り方】
1.水煮大豆は粗く、●は細かくみじん切りにする。※FPを使う場合は、大豆水煮がペースト状にならないように短めで回してね。

2.1に◎を合わせて丸め、フライパンに薄くオリーブオイルを引いてから焼く。蓋をして片面4分づつ。※焼目が着くまで触らない

3.焼けたハンバーグを出したフライパンで、ケチャップとソースを合わせて焦げないように混ぜながら軽く温め、ハンバーグにかける。

引用:クックパッド

レシピ:大豆粉と豆腐のしっとりクッキー

大豆粉をお豆腐で練った、しっとり食感が特徴のクッキーです。

糖質が少なく、ダイエット中のおやつにもおすすめです。

大豆粉と豆腐のしっとりヘルシークッキー

【材料】
・大豆粉:100g
・絹ごし豆腐 150g(3個セットのもの1パック)
・アーモンドパウダー 30g
・アーモンドダイス(無くても◎) 大さじ2〜3
・ココナッツオイル 大さじ4
・きび砂糖 大さじ3
・自然塩 ひとつまみ

【作り方】
1.ココナッツオイルは瓶ごと湯煎にかけて溶かす。

2.材料を全てボウルに入れてよく混ぜ合わせる。

3.生地をまとめてラップの上に置いて、上からラップをかけて麺棒やローリングピンで8mm厚さにする。

4.ラップのまま冷蔵庫で1時間ほど生地を寝かせる。

5.オーブンを180℃に予熱しておく。

6.お好みの型で生地を抜いて180℃のオーブンで15〜20分焼く。

7.焼き上がったらワイヤーラックの上で冷ます。

引用:クックパッド

【枝豆】栄養成分や主な品種

枝がついている枝豆
枝豆には、タンパク質のほか、ビタミン・食物繊維・鉄・カリウムなどが豊富に含まれています。

茹でた枝豆のタンパク質含有量は、100gあたり11.5g。ビタミンB1は0.24mg、ビタミンKは33μg、鉄は2.5mg、カリウムは490mgです。

ビタミンB1は糖質の代謝を促し、ビタミンKは止血作用に関わるビタミンです。鉄は、貧血予防効果が期待できます。

また、枝豆には、400以上の種類があると言われています。ここからは、主な品種をみていきましょう。

白毛:国内で最も流通している

白毛は、全国的に栽培されており、国内で最も多い枝豆の種類です。

サヤのうぶ毛が白いことから「白毛」と言われており、1つのサヤに2〜3粒の豆が入っているのが特徴です。

白毛豆のブランド枝豆として有名なのは、青森県津軽地方の「毛豆(けまめ)」、神奈川県三浦半島の「はねっ娘会(はねっこかい)」、千葉県君津市の「小糸在来®(こいとざいらい)」などです。

茶豆:東北地方に多い

茶豆は、東北地方を中心に栽培されています。

サヤの中の豆が茶色の薄皮を被っていることが「茶豆」と呼ばれる所以です。

夏が旬の枝豆ですが、茶豆の収穫時期は8月上旬〜9月中旬頃と少し遅めです。

茶豆は、糖度が高く甘みのある味わいが特徴。茹でた直後は、スイートコーンのような香りが楽しめます。

代表的な品種は、山形県鶴岡市周辺で収穫できる「だだちゃ豆(だだちゃまめ)」や、新潟県黒埼村小平方の「黒埼茶豆(くろさきちゃまめ)などがあります。

黒豆:黒い品種の枝豆

枝豆の黒豆は、黒大豆が成熟する前に収穫したものを指します。

サヤの中の薄皮がほんのり黒くなっており、粒が大きく、深い甘味とコクが凝縮された独特の味わいが特徴です。

収穫時期は、9月下旬〜10月中旬と茶豆よりも遅く、生産量も少ないことから、市場に出回りづらい枝豆です。

関西地方で多く栽培される黒豆の代表ブランドは、京都の丹波地方で収穫できる「丹波の黒豆」。

丹波の黒豆を品種改良した「紫ずきん(むらさきずきん)」は、京都府だけで収穫できます。

【枝豆】茹で方とおすすめレシピ

器に入った枝豆
今は冷凍枝豆もあり、手軽に枝豆を楽しむことができますが、旬の時期にはやはり生のものを茹でて食べるのがおすすめです。

ここでは、枝豆の美味しい茹で方と、枝豆を使ったおすすめレシピをご紹介していきます。

枝豆の茹で方

枝豆を美味しく茹でるには、枝豆の選び方と下ごしらえが重要です。

目で見て購入できる場合には、豆がしっかり詰まっているものを選びましょう。みずみずしさがあるものもおすすめです。

下ごしらえの際に先端を少し切っておくと、水まわりが良くなり、豆に味がつきやすくなります。

また、塩もみをしておくのもポイントです。枝豆は、茹でる水に対して4%の塩加減が基本なので、そこから半分の塩を使ってもみ込んでいきましょう。

塩もみができたらお湯を沸かし、残り半分の塩を鍋に入れます。沸騰したら塩もみした枝豆を入れ、4〜5分程度茹でていきます。

再沸騰したら、火を少し弱めましょう。落し蓋をするとムラなく全体に熱を伝えることができます。

茹で上がったら、ザルに上げて冷まします。水につけると水っぽくなってしまいます。

冷めたら、美味しい枝豆の出来上がりです。

レシピ:枝豆とひじきのお豆腐ナゲット

おつまみから子どものおやつまで、さまざまなシーンに合う一品。

ヘルシー且つ食物繊維たっぷりなメニューです。

袋で作るから手が汚れない!枝豆とひじきのお豆腐ナゲット

【材料】
・枝豆 150g(1/2袋)
・絹豆腐 100g(1/3丁)
・ひじき(乾燥) 大さじ1
・サラダ油 大さじ1
・【A】酒 小さじ1
・【A】しょうゆ 小さじ1/2
・【A】塩 小さじ1/4
・【A】片栗粉 大さじ3

【作り方】
1.枝豆はゆでて、さやから豆を取る。ひじき(乾燥)は水で戻す。絹豆腐はキッチンペーパーで周りの水気を軽く取る

2.ビニール袋に1、A 酒小さじ1、しょうゆ小さじ1/2、塩小さじ1/4、片栗粉大さじ3を入れてよく揉み込む

3.フライパンにサラダ油を入れて熱し、2を絞り出し、中火で焼き色がつくまで両面焼く

引用:ナディア

まとめ

籠に盛られた枝豆
大豆と枝豆は、収穫時期だけでなく、含まれる栄養素にも違いがあります。

それぞれの特徴や主な品種、美味しい茹で方やおすすめのレシピなど、大豆や枝豆を使って料理する際は、ぜひこちらの記事を参考にしてみて下さいね。

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