見た目はまるで生レバー?信長も愛した赤こんにゃく(滋賀)
赤こんにゃくは、滋賀県の近江八幡の特産品です。
一般的にこんにゃくと言えば白っぽいものという印象ですが、赤こんにゃくはその名の通り、とても赤いです。滋賀県ではこの赤こんにゃくが家庭で普通に食べられています。
目次/Contents
赤こんにゃくの特徴
赤こんにゃくは、色こそ赤く特徴的なものの、味は普通のこんにゃくとあまり変わりありません。ちなみにこの赤い色は「三二酸化鉄」という着色料によるものです。
こんにゃくは、成分のほとんどが水分。水分を除いて一番多いものが食物繊維のグルコマンナンという成分です。グルコマンナンはもともと水溶性の食物繊維ですが、こんにゃくを作る過程で不溶性に変化します。
不溶性食物繊維は、水に溶けないため腸の中をそのまま通り、腸を刺激し動きを活発にしたり、有害物質を取り込んで便として体外に排出してくれる働きがあります。
こんにゃくが「お腹の砂おろし」「身体の中を掃除してくれる」と言われるのはこの食物繊維の働きによるもので、ちゃんと理にかなっているんですね。
また、グルコマンナンは水分を吸収し膨らむ性質があるため、こんにゃくを食べると強い満腹感を感じられます。これが暴飲暴食を防ぎ、ダイエットに効果があると言われている所以です。
ちなみにこんにゃくは保湿効果が高いことでも知られています。こんにゃくを温めて身体に当てる「こんにゃく湿布」は、身体の芯まで熱を届けてくれ、不調な部分の改善が期待できるものです。食べた時の効果同様、こんにゃく湿布でも身体の毒素を排出する効果があると言われています。
こんにゃくは、食物繊維が豊富で低カロリー、満腹感もあるためダイエットに良い一方、あまりに食べ過ぎると腸閉塞になるリスクが指摘されています。身体に良いものでも食べ過ぎは禁物。
適量を心掛けて摂取するようにしてくださいね。
赤こんにゃくの歴史
赤こんにゃくが誕生した理由は諸説あるようですが、その中の一つに織田信長が関係している、というものがあります。
近江八幡では、「左義長まつり」という有名な火祭りがあります。山車に赤紙を飾り、男性が女装して町を巡行するこのお祭り、もともとは安土城下で行われており、織田信長も派手な衣装で自ら踊りだし、祭りを盛り上げていたと言われています。
この左義長祭りにちなみ、織田信長がこんにゃくまで赤く染めさせた、というのが赤こんにゃくの由来の一説です。派手好きな織田信長の性格を表す面白いエピソードですね。
ちなみに近江八幡では、冠婚葬祭等の”なんぞごと”には赤こんにゃくがつきものです。この地区の料理は、琵琶湖の湖魚を炊いたものなど、見た目が地味だったため、お膳がパッと華やぐ赤こんにゃくは昔から重宝されていたようですね。
赤こんにゃくの美味しい食べ方
赤こんにゃくは、通常のこんにゃくと同じ食べ方が一般的です。
昆布や椎茸でだしを取り、煮つけにしたり、細切りにして炒め物に混ぜても彩りよく、美味しくいただけます。味噌田楽も良いですね。
また、こんにゃくを冷凍し「氷こんにゃく」にし、それを自然解凍して調理すると身が締まり、くさみもなくなりますよ。ステーキやからあげ、天ぷらにして食べると、お肉の代替品としてとても美味しくいただけます。天ぷらは海苔や大葉を巻くと風味が加わりおすすめです。
また、生で食べられる赤こんにゃくの場合は、薄く切って刺身のように食べることもできます。上にネギやスライスした玉ねぎを乗せれば、彩りも良く見た目はレバ刺しのようですね。
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