ひよこ豆の茹で方は?時短のコツや保存方法、栄養についても解説
更新日:2024/12/23 公開日:2022/11/19
ひよこ豆の茹で方を知ると、ヴィーガン料理や健康的な食事に役立てることができます。今回は、ひよこ豆を料理に使いたいと思っている方に向けて、ひよこ豆の茹で方を解説します。ひよこ豆に含まれる栄養などもあわせて紹介するので、役立ててください。
目次/Contents
ひよこ豆とは?
ひよこ豆は、大豆ほどのサイズの豆類で、ガルバンゾーとも呼ばれます。アジア西方を原産として、7500年前のトルコの記録などにも残されていますが、その後ヨーロッパやインドにも伝わり、盛んに食べられるようになりました。
現在の主な生産国はインドで、西アジアや中南米などでも栽培されています。一方、日本では気候が合わず栽培が難しいため、販売されるひよこ豆のほとんどが、アメリカやメキシコからの輸入です。
ひよこ豆は、各国で煮物として多く食べられています。ひよこ豆を煮込んだインドのダールをはじめ、スペインでは鶏肉と煮込んだコシードなどが食べられています。
ひよこ豆は乾燥と水煮の2種類ある
店頭で手に入るひよこ豆には、乾燥タイプと水煮タイプの2種類があります。
乾燥タイプのひよこ豆は、水に浸して戻し、その後茹でて料理に使います。水煮タイプは缶詰やレトルトパックに入って販売されています。水戻しが不要なので、開けてそのまま使えるのが魅力ですが、乾燥タイプに比べると割高です。
ひよこ豆の戻し方
乾燥ひよこ豆を戻すには、水を使う方法と、熱湯を使う方法、炊飯器を使って戻す方法の3種類があります。
水で戻す方法
乾燥タイプのひよこ豆を水で戻す方法は、以下のとおりです。
1.ボールにひよこ豆を入れ、しっかりと洗う。洗い終わったらボールに入れておく
2.ボールに、ひよこ豆の4~5倍の分量、新しい水を入れて豆を浸す
3.冷蔵庫に8時間以上入れておく(最大24時間)
特に難しいことはなく、よく洗ったら水に浸けて、ひと晩冷蔵庫に置いておくだけです。
浸けておく時間は、最低でも6時間確保することをおすすめします。6時間では少し硬い可能性もあり、できれば8時間は置いておいたほうが良いでしょう。
時短したい場合は熱湯で戻す
戻す時間を短縮したい場合は、熱湯を使ってひよこ豆を戻しましょう。ひよこ豆をすぐに使いたいという場合に役立ちます。具体的なやり方は以下のとおりです。
1.ボールにひよこ豆を入れ、しっかりと洗う。洗い終わったらボールに入れておく
2.ひよこ豆の4~5倍の分量、熱湯を沸かしてボールに入れる
3.冷めないよう保温をしながら2~4時間待つ
炊飯器でのひよこ豆の戻し方
炊飯器でひよこ豆を戻すこともできます。熱湯をかけてひよこ豆を戻す場合、温度が徐々に下がってくることが問題です。保温をすると2時間ほどで戻すこともできますが、ボールのままでは保温がなかなかうまくいきません。
そこで、炊飯器を使うと、上手に保温することができます。炊飯器のなかにひよこ豆と熱湯を入れたら、炊飯器の保温機能をつけたまま2~4時間待ちましょう。
より美味しく、ふっくらとひよこ豆を茹であげたい場合は、30分でも水に浸けて浸水させ、その後にお湯に入れ替えて炊飯器に移し、2時間ほど保温しながら待つのが効果的です。
ひよこ豆の茹で方
乾燥ひよこ豆を戻したら、いよいよ茹でていきましょう。ひよこ豆の茹で方は以下のとおりです。
1.ひよこ豆と戻し水を鍋に移し、火にかける
2.中火で30~40分茹でる
3.アクが出てきたらお玉で取る
沸騰させながら茹でるだけのシンプルな方法です。茹であがるまでの目安時間は30~40分ですが、お湯から上げる前に柔らかくなったかどうか味見をすると良いでしょう。
ひよこ豆は、圧力鍋を使って茹でることもできます。圧力鍋を使う場合は、水戻しできていれば加圧時間の目安はおよそ5分です。
圧力鍋の性能によって適切な加圧時間が変わるため、自分の鍋で5分の加圧から始め、適切な時間を探してみましょう。圧力鍋で加圧する場合は、鍋の容量に対して、豆の量が多くなりすぎないよう注意してください。
ひよこ豆を茹でた後の冷凍保存方法
ひよこ豆は冷凍保存ができます。一度に茹でる量を多くして、冷凍保存しておくと便利です。
冷凍保存する場合は、小分けにして保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから冷凍しましょう。空気に触れると、その部分から乾燥と劣化が進み、食感が損なわれます。
できれば、保存パックに煮汁ごとひよこ豆を入れて冷凍し、使うときは煮汁ごと解凍することをおすすめします。スープやカレーなら、煮汁ごと調理できます。
冷凍保存したひよこ豆は、1ヵ月を目安に使い切りましょう。
ひよこ豆に含まれる栄養は?
ひよこ豆にはさまざまな栄養が含まれています。糖質や脂質、カロリーを含め、ひよこ豆の栄養素について解説します。
ひよこ豆の糖質・脂質・カロリー
ひよこ豆に含まれる糖質と脂質、カロリーは、以下のとおりです。
<ゆで>100gあたり:糖質15.8g、脂質2.5g、カロリー149kcal
ひよこ豆は大豆に比べてやや糖質量が多い傾向にあるため、糖質制限などをしている場合は注意しましょう。
※参考:日本食品標準成分表
タンパク質
ひよこ豆には、100g中に20gのタンパク質が含まれます。これは豚肉や鶏肉と同じくらいの量です。
タンパク質は、肉や魚から摂取すると考えられる事が多いですが、ひよこ豆も良質なタンパク源として充分な役割を果たします。からだの正常な機能を維持したり、髪や爪を良質に保ったりするために欠かせないタンパク質を、ぜひ、ひよこ豆から補いましょう。
※参考:日本食品標準成分表
食物繊維
ひよこ豆には、食物繊維も豊富に含まれています。ひよこ豆に含まれる食物繊維の多くは、不溶性食物繊維と呼ばれるもので、水分をよく含み、腸内で善玉菌のエサになったり、腸の運動をうながしたりする役割を果たします。
そのため、ひよこ豆には腸内環境を整える作用が期待できます。便通を整えるなど、体調の維持に役立つでしょう。
ビタミン
ひよこ豆には、ビタミンB群とビタミンEが主に含まれます。
生きるために必要なエネルギー源となるビタミンB群は細かく8つに分けられますが、このうちの7つがひよこ豆に含まれます。とりわけ多いのが葉酸です。葉酸は細胞分裂に必要なビタミンで、特に胎児の健康な発育にとって重要な栄養素です。
このため妊婦には、妊娠前から葉酸の摂取が必要であることがわかっています。
ビタミンEは体内の酸化を防ぐ、抗酸化作用のあるビタミンです。老化を遅らせ、体内外の健康を保つのに役立ちます。
※参考:葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
ミネラル
ミネラルにはさまざまな種類がありますが、ひよこ豆に含まれるのはカリウム・カルシウム・鉄などです。
カリウムは体内の塩分を調整する役割があり、塩分を取りすぎたときは体外に排出してくれます。カルシウムは、健康な骨や歯を保つのに必要な成分です。鉄は貧血予防に重要な役割を果たします。
ミネラルは、いずれも体内の調子を整えるために必要な成分です。これらの他にも、ひよこ豆には亜鉛や銅、マグネシウムといったミネラルが含まれます。
イソフラボン
イソフラボンはポリフェノールの一種で、大豆にも含まれています。女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをすることから、正常な月経周期を保ったり、更年期障害の症状をやわらげたりする可能性があります。
ひよこ豆の健康効果
上記のようにさまざまな栄養素を含むひよこ豆には、いくつかの健康効果が期待されています。
まずは、腸内環境が整い、お通じの改善につながります。ひよこ豆には不溶性食物繊維が豊富に含まれているため、水分を保持しやすく、便のかさを増して柔らかく保つことができるのです。
食物繊維は、腸内でビフィズス菌などの善玉菌のエサになり、腸内細菌のバランスを整えるのにも役立ちます。
また、ひよこ豆は、低GI(GI値33)で、糖尿病予防に適した食品でもあります。低GI食品は血糖値の急上昇を防ぐため、血管へのダメージも少なくなります。
さらに、代謝に必要なビタミン・ミネラルが含まれるため、代謝促進やむくみの防止にもつながります。
ひよこ豆の茹で方を知って、ヴィーガン料理を楽しもう!
ひよこ豆は、家庭で茹でて、気軽に食べることのできる食材です。タンパク質をはじめとする、さまざまな栄養素が豊富に含まれており、動物性食材を含まないヴィーガン料理に大活躍します。
是非、ひよこ豆を使って、栄養たっぷりの食事を楽しんでください。
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