「オーガニック」「無農薬」「有機栽培」の野菜の見分け方完全解説!

更新日:2022/10/11 公開日:2022/09/11

「オーガニック野菜を選びたいけど、どうやって選べばいいのだろう?」「そもそもオーガニック野菜と一般的な野菜、無農薬野菜の違いがわからない!」

こんな疑問を抱いたことはありませんか?

この記事では、「オーガニック」についてなんとなく知っているけれど、「無農薬」や「有機栽培」との違いや、野菜の見分け方が分からない方に向けて、言葉の定義や見分け方のコツを伝授していきます!

オーガニック=有機栽培

そもそもオーガニックは英語の「organic」に由来した言葉です。この言葉は「有機栽培」を意味しており、一般的にオーガニックは有機栽培と同じ意味を持つ言葉であると考えて問題ありません。

また、オーガニックな食材とは

“化学農薬、化学肥料、化学土壌改良材を2~3年以上使用せず、有機質肥料を使って栽培された農産物”
引用:今さら聞けない、「オーガニック」って?有機栽培のこと?- vegewel style

と言われています。

さらに、後述しますが農林水産省が定めている規格があり、これを満たす商品だけが「オーガニック」や「有機」という言葉を使用できることになっています。

オーガニック野菜をどうやって見分けるの?

では、オーガニック野菜をどうやって見分ければいいのでしょうか?主に2つの見分け方のコツがあります。

①JASマークの有無で見分ける
②栽培の仕方で見分ける

本記事では上記2つのコツの詳しい内容について説明していくので、順番に見分け方をマスターしていきましょう!

①JASマークの有無で見分ける

JASマークとは

JASに関して、農林水産省は

“日本農林規格等に関する法律(JAS法)に基づくJAS制度は、食品・農林水産品やこれらの取扱い等の方法などについての規格(JAS)を国が制定するとともに、JASを満たすことを証するマーク(JASマーク)を、当該食品・農林水産品や事業者の広告などに表示できる制度です。”
引用:農林水産省 JASについて

と説明しています。

JAS規格にはさまざまな種類があり、その中には「有機JASマーク」というものがあります。有機JASについて、農林水産省は

“有機JASマークは、有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。
この「有機JASマーク」がない農産物と農産物加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。”
引用:農林水産省

と説明しています。

少し表現が固いのでかいつまんで説明すると「有機JAS」とは、オーガニックか否かを国が判断する制度であり、「有機JASマーク」は、国に認められた有機農産物やその加工食品にのみ付与されるマークであり、水戸黄門様の印籠のようなものです。

また、農林水産省は「有機農産物」の定義をまとめており、大まかな定義をご紹介します。

  • 化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避ける
  • 土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる
  • 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産する
  • 採取場において、採取場の生態系の維持に支障を生じない方法により採取する

こういった厳しいチェックをクリアした野菜や、その加工品のみが、「オーガニック〇〇」「有機〇〇」と名乗れるのです。

JASマークの意味を知ったうえで気になるのは「実際にどういったマークがあるんだろう」ということでしょう。

JASマークは主に4種類あります。とはいっても、最低1種類だけ把握すればオーガニックか否かは正しく見分けられるので安心してください。

では実際にマークを見ていきましょう。

有機JASマーク

有機JASマーク
引用:農林水産省
ではまず初めに、絶対覚えておくべき1つ目のマークがこちら。

有機JASを満たす農産物などに付与されるマークです。

有機JASマークが付されていない農産物、畜産物及び加工食品には「有機〇〇」などと表示することができない決まりのため、JASマークがあることを確認できれば安心できます。

裏を返せば、JASマークがついていなのに「有機〇〇」等の名前がついている農産物には要注意です!

ちなみに、有機JASマークは、太陽と雲と植物をイメージしたマークだそうです。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品を表しているみたいですね。

JASマーク

JASマーク
引用:農林水産省

続いてJASマークの説明です。

このマークは食品・農林水産分野において農林水産大臣が定める国家規格(品位、成分、性能等の品質など)を満たす食品や林産物などに付与されるマークです。JASマークによって、国内市場に出回る食品・農林水産品の品質や仕様を一定の水準に揃えることができています。

そのため、JASマークがついていれば国が認める水準の品質が保障されていると捉えることが可能なため、見分ける時の一助になるでしょう。

特色JASマーク

特色JASマーク
引用:農林水産省

3つ目は特色JASマークです。

このマークは平成30年12月28日に新しく制定されたマークです。これまであった「特定JASマーク」「生産情報公表JASマーク」「定温管理流通JASマーク」を統合して、相当程度明確な特色のあるJASを満たす製品などに付けられます。

試験方法JASマーク

試験方法JASマーク
引用:農林水産省

最後は試験方法JASマークです。これは国際的な指針に基づいて機能性成分を試験した野菜に対して、国がその結果を保証するマークとなります。

試験方法JASマークを付与された例として、生鮮トマト中の「リコペン」が挙げられます。

リコペンは善玉コレステロールを増やす働きがあることが報告されています。試験方法JASマークを付与されているために、「リコペン」を全面的にアピールして販売することができています。

最近よく聞く「この食材は〇〇効果があります」といった文言を見かけた際には、試験方法JASマークの有無を見て、信頼できるかどうか判断することも重要です。

JASマークの選定基準

ここまで読み進めていく中で、「なんでもかんでもJASマークを付けてるんじゃないの?」「本当に信頼できるのだろうか?」と疑問に思われた方がいるかもしれません。

ご安心ください。

JAS制度のもとで、判断を下していく有機登録認証機関は農林水産省がしっかりと選定しているだけでなく、「有機登録認証機関一覧」を常に公開しています。

どんな機関がJASマークの認定をしているのか、いつでもチェックできるくらい透明性が保障されているため、安心して信用できると考えられます。

参考:農林水産省 有機登録認証機関一覧

JASマークは日本だけ?外国産の食材はどうなのか?

JASマークは日本特有の制度です。そうなると、

「外国産の野菜はちょっと不安だな・・・」

そんな声もあるのではないでしょうか?

実は、外国から輸入される野菜も、国内の野菜と同様に、むしろそれ以上に厳しくチェックされています。

国が諸外国と交渉を交わしてきたおかげで、日本が提示した条件をパスした有機畜産物等だけにJASマークが付与されることになっています。

参考:農林水産省 有機食品の検査認証制度

そのため、国内外問わず、どんな食材であってもJASマークの有無を見るだけで、オーガニック野菜か否かを判断できるようになっています。

②栽培の仕方で見分ける

しかし、JASマークを申請するのに費用が掛かるという事情があるために、必ずしも全てのオーガニック野菜に有機JASマークがついているわけではありません。

そこで、栽培の仕方について知ることを通じて、JASマークに頼らずにオーガニック野菜を見分けられるようになる必要があります。
栽培の仕方で見分ける

従来の農法である慣行栽培

まず初めに慣行栽培とは、皆さんがよくスーパーマーケットで見かける一般的な野菜に用いられる栽培方法です。

農薬や肥料も使われていますが、農林水産省の「特別栽培野菜に係る表示ガイドライン」に準じた慣行レベル(地域慣行栽培基準)内の使用量しか認められていません。

そのためオーガニックではないですが、十分安心して食べることができます。

農薬や肥料が比較的少ない特別栽培

続いて特別栽培とは、

“その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物”
引用:農林水産省

と言われています。そのため、慣行栽培と比較すると使われている農薬や肥料の量は少ないといえます。

自然に近い環境で育てる自然栽培

自然栽培とは、生態系を乱す化学肥料・農薬(合成・天然を問わず)の使用を控え、自然の力を引き出して作物を永続的に栽培していく栽培手法のことです。

有機栽培とは異なり、公的機関の認定はありませんが、農薬と肥料を一切使わずに栽培していることがほとんどです。そのため、有機栽培を上回る徹底したこだわりをもって育てられた野菜に出会えるかもしれません。

オーガニックな野菜とそれ以外の野菜って何が違うの?

ここまでくれば、オーガニックな野菜の見分け方が身についたことでしょう。

ですが、「オーガニックにそんなにこだわる必要はあるのかな・・・」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、オーガニックな野菜の特徴を改めておさらいしていきましょう。
オーガニックな野菜とそれ以外の野菜って何が違うの?

オーガニックはおいしい?

確かにオーガニック野菜を好んで買っている人の中には「他の栽培よりもオーガニックのほうがおいしい」とお話しする方もいらっしゃると思われます。

しかし、オーガニックだからといって、手放しで美味しいと断言するには難しい部分もあるのが現状です。

とはいえ、自然の恵みを受けて育った野菜であり、旬の野菜を扱うことが多いオーガニック野菜の魅力は十分大きいのではないでしょうか。

オーガニックは値段が高い?

一般のスーパーでも有機野菜が買えるようになってきたことで、有機野菜を目にする機会が増えてきたと思います。しかし、相変わらず値段が高いという感想を抱く人も少なくありません。

確かに厳しい基準をクリアして初めて有機(オーガニック)と名乗ることができるため、その分手間がかかり、コストがかかってしまうのは仕方がないかもしれません。

この、値段が少し高いデメリットの部分を帳消しにするメリットが次に説明する安全性です。

オーガニックは安全

オーガニック野菜を買う理由としてよくあげられるのが、安全性の観点です。

結論、オーガニックは一般の野菜に比べて、化学的危害リスクはかなり低くなっています。

というのも、肥料には植物の油かすを発酵させるなどして自然のものを原料として作成する有機肥料と、鉱物を化学的に加工してつくられた化学肥料があるのですが、有機栽培では有機肥料のみを使います。

そのため有機栽培のほうが化学的物質が付着していたり、取り込まれている量は少ないです。

しかし、だからといってオーガニックは化学物質が検出されないことを保証するものでないので、オーガニック=ゼロリスクと容易に考えてしまわぬよう注意しましょう。

まとめ

オーガニック野菜の選び方を解説してきましたが、改めておさらいをしていきます。見分け方は2つ。

①JASマークがついている場合は、JASマークの有無で見分ける
②JASマークがついていない場合は、栽培の仕方で見分ける

この2つの選び方を知ってるあなたは、もう既に近所のスーパーでも自分の目でオーガニック野菜か一般の野菜かを判別することができるはずです!

オーガニック野菜の選び方をマスターして、楽しいオーガニックライフを送りましょう!

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