とろみづけにも米粉!〜おつまみや料理の1品に。簡単すぐできる厚揚げの米粉あんかけ〜
普段のお料理で、とろみづけと言えば片栗粉を使うご家庭は多いと思います。
先日、米粉パンのワークショップのランチに、米粉でホワイトソースを作ったところ、参加者の方から、
「米粉は冷えても大丈夫なんですね。片栗粉でとろみをつけると、お料理が温かいうちはとろみがついているが、冷めるととろみがなくなる」と話題に上がりました。
片栗粉のとろみは、冷めるとなくなってしまうのですね。
インターネットでそのことを調べてみたところ、片栗粉でのとろみのつけ方にはコツがあることがわかりました。
片栗粉を加えてから、「1分ほどは十分に熱を加える」必要があるようです。
米粉でとろみをつける時は、十分に熱を通すことは必要ですが、一度とろみがついたらそのとろみが消えることはありません。
片栗粉のように、加熱の仕方のコツを気にする必要がないのです。
ただし、米粉を使う場合、米粉の種類をきちんと選択する必要があります。
今回は、とろみづけに適した米粉の選び方と、米粉でとろみづけをした「厚揚げの米粉あんかけ」のレシピをご紹介します。
目次/Contents
作りたいものによって米粉の商品の選択基準が変わります
上新粉や白玉粉もお米の粉です。
上新粉はうるち米、白玉粉はもち米が原料です。
米粉は、様々なメーカーから「製菓用」「料理用」「パン用」など、用途別にたくさんの種類の商品が出ています。これらはうるち米が原料となっています。
パン用やお菓子用の米粉MIX粉には、添加物やグルテンが入っている商品もあります。アレルギーがある方は特に注意して成分表示をご覧になってくださいね。
水10g、米粉10gで2種類の米粉を溶かしました。両方ともスーパーで「米粉です」と案内される商品です。
しかし、商品によって、溶け具合が全く異なります。
左側(A)は、水分量が米粉が溶けるのに十分ではないですね。右側(B)はサラサラに溶けています。
「同じ米粉なのに2種類ってどういうことですか?」と質問されたことがあります。
米粉には用途別基準が定められ、パッケージに用途表記がされている商品もあります。
両方とも1番(菓子・料理用)に分類されるのですが、実はこのように違いがあるのです。消費者は実際に上記のような実験をやってみて、どんな種類の米粉か知って使うことが必要です。
米粉でお菓子などを作って失敗した経験はありませんか?また、そんな話を友人などから聞いたことはありませんか。
レシピ製作者が米粉(B)で作り、そのレシピを見たあなたは米粉(A)で作った場合、どうなるでしょう。想像してみてください・・・
レシピどおりの水分では、米粉に対して十分な量ではなく、型に流し込むことも困難な状態になります。
米粉が溶けるまで水分を足し、それを型に入れて焼いた場合には、比重の重い粉が下に沈んだ状態での焼き上がりとなるので、作りたかったお菓子の出来上がりとは、イメージが全く違うものになること、想像に難くないですね。
レッスンやワークショップ開催時にはいつもこの実験をして、参加者の方たちに見ていただいています。
そうすると、「じゃあ、商品(A)は良くないね!」という感想・意見が出てきます。
しかし、その意見、見方は作りたいものによって180度変わってくるんです。
とろみをつけたい場合にはどうでしょう。
サラサラ溶けてしまう(B)の商品の場合、たくさんの量の米粉を入れないとなかなかとろみがつけられません。
一方、(A)の商品の場合は、少ない量でしっかりとろみをつけることができます。よって、先ほどの例とは違い、とろみをつける場合には、(A)の商品の方が適している、ということになりますね。
また成形をしたいメニュー(米粉ひじきハンバーグ)の場合も、しっかり水分を吸収し形が作れる、(A)のような米粉のほうが適していることになります。
米粉ひじきハンバーグのレシピはこちら
米粉を毎日の食卓の献立に。ひじきの煮物×お豆腐に米粉を使ってベジハンバーグ!
お酒のおつまみにも、食事の一品にも!厚揚げのあんかけ
今回は、とろみづけを「上新粉」でしてみたいと思います。
お持ちの米粉が、溶かすのに多くの水分を必要とするもの(上記の実験のAに近いもの)であればそれで代用できます。
材料
- 厚揚げ 1/2枚
- 長ねぎ千切り 少々
<とろみ>
- 水 20g
- 上新粉 5g
<ソース>
- 水 20g
- 酒 8g
- 醤油 5g
- みりん 5g
- ごま油 3g
- 塩 ひとつまみ
作り方
① 厚揚げを一口大に切り、フライパンまたはトースターなどで表面にこんがり焼き目を付ける程度に温めて、お皿に盛り付ける。
② 鍋(ソースパンなど)にソースの材料を入れて一煮立ちさせ、全体に混ぜ合わさったらいったん火を止める。
③ 上新粉と水をよく混ぜ合わせ、粉をしっかり溶かす。
④ ②へ③を小さじ3杯ほど加え、よく混ぜ合わせる。
⑤ 再び点火し弱火で混ぜ一煮立ちさせ、とろみがついたら火を止める。
※とろみが弱いと感じる場合は火を止めて③を足し、再び加熱してください。冷めるとその状態より固まるので、少しゆるめのところで火を止めると良いです。
⑥ ①の厚揚げの上にあんをかけ、長ネギを添えて完成。
日本人は昔から、お米の粉を季節ごとに使っています
うるち米を原料とした上新粉や、もち米を原料とした白玉粉など、お米の粉は江戸時代から和菓子の材料としても使われてきたそうです。
これら従来からのお米の粉は、用途や使い方も明確になっていて、名称だけでその粉の種類の性質がわかる状態になっています。
実家に住んでいた頃は、いつも母親が彼岸の時のお団子を、常備していた白玉粉で作っていました。どの家庭でも当たり前に使い方を知っているお米の粉なのではないでしょうか。
お米の粉は、製粉技術の向上により、ここ数年で薄力粉のように洋菓子にも使える商品が出てきました。それが、『米粉』として販売されているものです。
レッスンやワークショップ参加者の方たちに、米粉のことを色々お伝えすると驚かれます。「店頭に並んでいる『米粉』、みんな同じ『米粉』なのにこんなにも商品によって違うものなの!?『米粉』はみんな同じだと思ってた!」ということです。
米粉は、同じ「米粉」だけれども、商品によって性質・用途が異なります。和菓子に使われるお米の粉のように明確な分類分けがされていないということを理解して、上手に使っていきたいものです。
少しずつでも米粉と仲良しな人をたくさん作れるように、こうしてお伝えしていきたいと思います。
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