今さら聞けない甘酒〜酒粕と米麹(糀)から作られる甘酒の違い〜
寒い冬の到来、防寒対策として身体の中から温める「甘酒」はいかがですか?
今日は、「今さら聞けない甘酒〜酒粕と米麹(糀)から作られる甘酒の違い」をお届けします!
スーパーやコンビニ、自動販売機でも目にするようになった人気の「甘酒」ですが、冬になると様々な場所でふるまわれることがあります。
甘酒のふるまいは、酒粕が冬に多く出回る季節に甘酒を作り飲む習慣と、米を作っている農家が収穫を感謝して米麹を使って甘酒を作り神様にお供えする風習があったことに由来しています。
目次/Contents
甘酒の種類や違い
甘酒には酒粕から作られるものと、米麹から作られるものの2種類があります。
酒粕の甘酒は、酒粕をお湯で溶いて、砂糖などお好みの甘みを加えて作られます。ソフトドリンク(清涼飲料水)という分類ですが微量のアルコールを含む場合があります。
米麹の甘酒は、お酒と言ってもアルコール成分を含まず、子供やお酒が苦手な方でも安心して飲むことができます。
材料は米麹とお米とお湯で作られます。
お米のつぶつぶ感が残っていて飲みごたえのあるタイプと、つぶが残っておらずサラッとしてお料理などに使いやすいタイプがあります。
米麹甘酒と酒粕甘酒の栄養素の違い
米麹甘酒と酒粕甘酒は、原料が異なるため、含まれる栄養素にも違いがあります。
米麹甘酒には、ブドウ糖・オリゴ糖・コウジ酸・ビタミンB郡・食物繊維などが含まれています。
酒粕甘酒には、タンパク質・食物繊維・アミノ酸・ビタミン・ミネラルなどが含まれています。
酒粕が原料の甘酒
酒粕の甘酒は、砂糖等で甘味を付けることにより、酒粕を無駄にすることなく非常に安価で販売することができるアイデア商品です。
酒粕の甘酒の特徴
- アルコール分の残留
- 食物繊維が豊富
- 甘味の主成分がショ糖
- 糖類を加える為、高カロリー
酒粕甘酒の製法
酒粕とは、麹を発酵させ日本酒を精製した際に残る固形の副産物です。
よって、酒粕甘酒は、酒粕に砂糖や塩、水を加え、混ぜながら煮込むことで、自宅でも作ることができます。お好みで生姜やバナナなど、自分が好きなものを加えてオリジナルの酒粕甘酒を作ってみてはいかがでしょうか。
米麹が原料の甘酒
米麹で作られる甘酒は、アルコールが含まれていないため、小さなお子さんでも安心して飲むことができます。
麹の甘酒の特徴
- アルコール分が含まれない
- ミネラルが豊富
- 甘味の主成分がブドウ糖
- 自然な甘みで低カロリー
米麹甘酒の製法
米麹甘酒は、麹と蒸したお米のみを発酵させます。麹の持つ消化酵素によりお米のデンプンがブドウ糖に分解され甘みとなります。
もち米を用意して炊飯器や鍋、魔法瓶などを使用することで、自宅でも作ることが出来ます。複数の作り方があり、作り方により味にも違いがあります。
「麹」と「糀」の違い?
「麹」とは、米・麦・大豆などの穀物に、麹菌(コウジカビ)を繁殖させたものをいいます。
「こうじ」を漢字で書くと、「麹」と「糀」の2種類の漢字がありますが、米以外の穀類や豆類で作った麹と選別するために、米で作ったものは米の花と書いて「糀」と表記する場合があります。
「麹」と「糀」の違いから見る歴史
「麹」と「糀」の漢字の違いは、日本の歴史にも関わっています。
麹は中国から伝わった漢字ですが、糀は明治時代につくられた和製漢字です。日本の文化において、昔から麹は重要なものであったため、米で作ったものを区別し、糀として表すようになったと考えられています。
「生麹」と「乾燥麹」の違い
麹には「生麹」と「乾燥麹」があります。味や栄養価はどちらもほぼ同じです。
一般的に麹といえば、生麹のことをいいます。生麹は生きている「生の麹菌」なので、麹菌の力は強いものの雑菌に弱く、自己発酵による品質の劣化が進みやすいのが特徴です。冷蔵庫保存で3週間程度と保存期間は短めです。
乾燥麹は生麹の水分を飛ばして乾燥させたもので、雑菌に強く自己発酵を抑えることが可能です。
賞味期限が4ヶ月〜1年程と長く、真夏以外は常温保存が可能です。
生麹と比べて麹特有の香りが控え目で、フレーク状になっているために扱いやすいのが特徴です。
麹によって甘酒の味が変わるので、色々な種類の麹を試すのも楽しいですね。
生麹と乾燥麹の購入方法や金額の違い
生麹は、1kgあたり800円〜8,000円と、幅広い価格帯ですが、一般的には1,000円から2,000円程度の商品が多くなります。
乾燥麹は、1kgあたり1,000円〜5,000円の価格帯ですが、こちらも一般的には1,000円から2,000円ほどの商品が多いようです。大手ECサイトはもちろん、創業から長い歴史を持つこうじ店に直接注文しても購入することができます。
甘酒の成分
甘酒が栄養豊富と言われるゆえんは、先に触れたように、多くの栄養成分が含まれているからです。
短時間で簡単にエネルギーチャージできる甘酒の成分は、栄養補給の際に使われる「点滴」に近いため、「飲む点滴」と呼ばれています。
気になる甘酒のカロリーは、100g当たり81kcal。100gで167kcalの白米の半分程のカロリーです。
嬉しい栄養素や効果・効能とは
甘酒には嬉しい栄養素や効果が数多くありますが、栄養素や効果の詳細は、製法や製品によって異なります。
甘酒や麹への研究は盛んで日進月歩です。しっかりと社内で研究を行った上で数々の効能があることを証明している企業や製品もあるので、効果や効能で選んでみることをおすすめします。
温かい甘酒で風邪予防
冷やした甘酒は夏バテ防止に効果的な飲み物ですが、冬は温めた甘酒を飲むことで、疲労回復・滋養強壮・水分補給の期待が持て風邪予防になります。
甘酒の豊富な栄養素によって、風邪のウイルスに対する抵抗力が高くなり免疫力もアップ。腸内環境が整うことでウイルスの繁殖を防ぎ、引いてしまった風邪も治りやすくなります。
食欲がない時でも、すっと喉を通る甘酒なら手軽に栄養補給ができますよね。
甘酒の簡単アレンジレシピ
栄養満点クリームシチュー
クリームシチューを作る際に、水・豆乳・牛乳などの水分量の1/3〜1/4を甘酒にします。甘酒の優しい甘さとコクが加わり、クリーミーなシチューの出来上がり!
ギルトフリーなトリュフボール
【材料】
- ココア(無糖) 大さじ4
- 甘酒 大さじ2
- ブランデー 適量
【作り方】
ココア・甘酒・ブランデーをしっかり混ぜます。
冷蔵庫で5分休ませます。
8等分にしてラップなどに包んで口を閉じます。
温めた豆乳(牛乳)にトリュフボールを1つ加えれば即席ココアの出来上がり!
甘めが好きな方は豆乳(牛乳)1/2〜1/3を甘酒にすれば甘さが増してホッと寛ぎのひと時を楽しめますよ。
食物繊維やオリゴ糖が腸内環境を整え、便秘や肌荒れの予防と改善に効果的なことから、海外ではジャパニーズヨーグルトや発酵ミルクとも呼ばれている甘酒。
砂糖に変わる調味料、ネイチャースイートソース(食材から自然の甘さを引き出した甘味料)としても注目されています。
栄養豊富な健康食品の甘酒を使った簡単レシピ!是非試してみてくださいね。
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