油をつかわない調理法/肝臓と目、筋肉、爪/お掃除~しあわせこよみごはん~

東京では桜もすっかり葉を見せ、穏やかさとともに、さわやかさを感じる季節となってきました。黄緑色の若い葉が青空にうつる姿はとても清々しい気持ちにさせてくれます。

植物も新しい命を芽吹くように、私たちも新しい1年がはじまります。季節のうつろいを楽しみながら、日々を大切に過ごしていきたいですね。

リレー式でお送りしております、しあわせこよみごはん~マクロビオティックにみる季節の食べ方「春」~。

4回目の今回は、肝臓と目や筋肉、爪の関係について、肝臓を労わる油をつかわない調理法、お掃除のお話をさせて頂きます。

肝臓と目、筋肉、爪


春は、冬にため込んだ脂肪や老廃物を排出するために、最大のデトックス臓器である肝臓の働きが活発になります。

言い換えれば、活発に働いてくれている肝臓に疲れが出てくるということです。

血液の浄化装置である肝臓が弱ってくると、血液が汚れたり、血流が悪くなってきます。

これが様々な症状となって体に出てくるのですが、今回は「目」「筋肉」「爪」について、ひとつずつみていきたいと思います。

・目
目は最も新鮮な血液を必要としている臓器といわれますので、血液が汚れたり血流が悪くなってくると目に症状が出やすくなります。甘いものを食べすぎたり、お酒を飲みすぎると、白目が充血したり、くもったり、黄色くなることもあります。

・筋肉
血液循環が悪くなると、乳酸や尿酸などが筋肉に溜まり、筋肉痛やだるさが出てきます。また、目を使う仕事を長時間続けていると首や肩が凝ってきます。「春」は「張る」にも通じ、肩や首が「張った感じ」が増える時期でもあります。

・爪
爪への血液の供給量が減ると、爪が割れやすくなったり、縦に線がでたり、変形したりします。

これらの症状が春に出ている場合は、もしかしたら肝臓が疲れているというサインかもしれません。

「肝」に負担がかかるこの時期は、油ものを控えた軽やかな調理法や、肝臓の食薬になる酸味を使った料理などをうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。

春におすすめの調理法として

  • 蒸す、ゆでる、軽いプレス
  • ウォーターソテーや重ね煮などのノンオイル調理
  • 和え物など、軽く仕上げる調理

などがあります。今回は、油をつかわない調理法として「ウォーターソテー」と「蒸し煮」をご紹介します。

ウォーターソテーは、油ではなく水で炒める調理法で、「水炒め」ともいいます。とても簡単ですので、覚えておくと便利ですよ。蒸し煮はシンプルな調理方で野菜の旨味を十分に引き出してくれます。

調理法の工夫で、働き者の「肝」をぜひ優しく労わってあげてくださいね。

「ウォーターソテー(ブロッコリー)」

【材料(2人分)】

  • ブロッコリー(水で洗い、小房に分けておく) 60g
  • 水 50~60cc 程度

【作り方】
① 鍋やフライパンに水を入れ、強火にかけて、水を沸騰させる。

② ブロッコリーを入れ、木べらで炒めていく。

③ 途中で水がなくなったら適宜水を加え、食材に火が通るまで炒める。 ※仕上がりの時にほとんど水気がなくなるのが理想。水が残った場合は水気をきる。

「ブロッコリーの酢味噌和え」

【酢味噌材料】

  • 白みそ 大2
  • 米酢 小2
  • 甘酒 小1

【作り方】
① 酢味噌の材料をすべて混ぜ合わせる。

② ウォーターソテーしたブロッコリーに和える ※時間がたつと水分が出てくるので、食べる直前に和える

「蒸し煮(人参)」

【材料(作りやすい分量)】

  • 人参(今回は千切り) 中1本
  • 塩 人参の0.8〜1%の分量
  • 水 少々

【作り方】
① 人参を千切りにし、塩をまぶしてしばらく置く。

② 鍋を温め、1の人参をいれて乾煎りする。

③ 人参の色やにおいが変わってきたら、鍋にふたをし、蒸し煮にする。 ※乾煎りしたあと、焦げ付きそうであれば水を鍋肌から少々入れる。

数日後に公開される応用レシピでは、蒸し人参を使ったちらし寿司をご紹介いたします。

お掃除について


体に溜まった余分なものを排出していくこの時期は、いらないものを手放すのにもぴったりの季節です。身の回りのものを吟味し整理整頓したり、お掃除をすることで、身も心も軽やかになることでしょう。

マクロビオティックでは、お掃除とは秩序をつけることであると考え、とても大切にします。

私が通っていた学校でも、料理はただ単に材料を調理することではなく、掃除や片付けをすることまで含まれているとし、授業が終わった後は毎回必ず皆でキッチンの後片付けや床掃除などをしていました。

そして、お掃除はきれいな心を育ててくれるものでもあると学びました。

また、「掃除」は「相似」にも通じ、掃除をして場所をキレイにすることは、そこに相似する体の箇所をキレイにすることにつながるようです。

先生が「板の目を1枚1枚キレイにすることは、自分の血管を1本1本キレイにすることなのだよ」とおっしゃったことに、とても感銘を受けたのを覚えています。

お掃除をした後の清々しい空気感と気持ちは、みなさんご経験があるかと思います。気分がもやもやする時や、なんだか体が重いなぁという時、お掃除をしてみるというのもおすすめですよ。

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清野利佳

清野利佳

リマクッキングスクール師範科修了
アンダーザライトヨガスクール ティーチャートレーニング、ホリスティックフードトレーニング修了

新潟の温泉宿で生まれ、湯治文化の中で育つ。
自然や食を大切にする母の影響でマクロビオティックと出会い、食と体と心のつながりを深く実感。
また、マクロビオティックを実践する中でヨガと出会い、体と心、生き方が軽やかになる感覚を体感する。
自身の心身の変化を通じ、食の大切さや面白さを大きな視点で伝えたいと、日々学び、活動している。